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公開番号2024150597
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2024115311,2022192775
出願日2024-07-19,2017-08-04
発明の名称IL-8関連疾患の治療用又は予防用組成物
出願人中外製薬株式会社,学校法人自治医科大学,国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 39/395 20060101AFI20241016BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】IL-8関連疾患に対する、IL-8シグナル阻害剤を用いた、新規な治療方法等の提供。
【解決手段】ヒトIL-8に結合する単離された抗IL-8抗体を有効成分として含有する、子宮内膜症;子宮腺筋症;月経困難症;癒着;線維化疾患;子宮内膜症、子宮腺筋症、若しくは月経困難症における疼痛;不妊症;及び、癒着、線維化若しくは炎症による疼痛からなる群から選択されるIL-8関連疾患の治療用又は予防用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
本願明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、IL-8関連疾患の治療用又は予防用組成物等に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
子宮内膜症はエストロゲン依存的というだけでなく(非特許文献1及び2)、炎症性疾患としても知られている(非特許文献3)。
【0003】
子宮内膜症は、限定を意図しないが、一側面において、子宮に存在する内膜組織が、子宮外に異所性(通常は骨盤内、時に、腹腔、稀に胸腔)に発生し、増殖する疾患である。悪性腫瘍ではないものの、経時的に進行し、腫瘍形成と周囲の癒着、月経時及びそれ以外での重度の腹痛や骨盤痛、ならびに、不妊症(妊孕能低下)を来す疾患である。主として、20歳以上の生殖年齢にある女性に発生し、痛み等によるQOLの低下、癒着の重症化による疼痛の慢性化や不妊症に至る。子宮腺筋症は、限定を意図しないが、一側面において、内膜症の類似疾患であるが、内膜が子宮内の筋層に発生するものである。重度の月経痛、過多月経ならびに貧血、慢性疼痛を来す。(なお、本明細書に記載される子宮内膜症及び子宮腺筋症という用語は、発明を実施するための形態において後述される記述によって定義付けされる。)
従来用いられてきた、子宮内膜症又は子宮腺筋症の治療法として、鎮痛剤、ホルモン療法、手術療法がある。鎮痛剤は、効果が限定的である上に、病態の進行を防ぐことはできない。ホルモン療法の場合、痛みの軽減や病態進行の遅延には効果があるが、月経を止めるため治療中は妊孕能がなくなること、治療を中止すると再び病態が進行する可能性が高いこと、さらに、ホルモン剤の副作用などが問題点としてある。また、ホルモン剤の投与によっても、投与後に妊孕能が改善するとの報告はない。手術療法の場合も、3~5年で約50%と再発する可能性は高く(非特許文献4及び5)、術後再発を予防するには、副作用に耐えてホルモン剤を服用し続ける必要がある。
【0004】
IL-8(インターロイキン8、Interleukin 8)はケモカインの一種であり、72アミノ酸型及び77アミノ酸型の存在が知られるタンパク質である。IL-8はCXCL8とも呼ばれる。IL-8単量体は、72アミノ酸型で表記すると、システイン7とシステイン34との間、及びシステイン9とシステイン50との間に2つのジスルフィド架橋を有する。IL-8は、溶液中ではホモ二量体としても存在し得ることが知られているが、これらのホモ二量体の分子間には共有結合は存在せず、2つの単量体のβシート間の非共有結合性の相互作用によって安定化している。
IL-8は、炎症性サイトカインなどの刺激によって、末梢血単球、組織マクロファージ、NK細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞など種々の細胞から産生される(非特許文献6)。IL-8は主に好中球を活性化し、細胞接着分子の発現を亢進し、好中球の血管内皮細胞への接着を高める作用を有すると言われている。また、IL-8は好中球走化能も有し、損傷組織で産生されるIL-8は血管内皮細胞に接着した好中球の組織への遊走を促進し、好中球浸潤に伴う炎症が惹起される。更にIL-8は、内皮細胞に対する有力な血管新生因子であり、又、腫瘍の血管新生に関連していることも知られている。
【0005】
これまでに、卵巣を切除しエストラジオール放出カプセルを移植したヌードマウスに増殖期にあるヒト子宮内膜組織を腹腔に移植後、抗IL-8抗体を投与したところ、子宮内膜病変の退縮が見られたことが報告されている(特許文献1)。
しかし、ヒトと同様の月経は霊長類以外に実験動物モデルでは存在しないため、ヒト子宮内膜症の原因究明に向けて、ラット、マウス等ではヒト子宮内膜症の真の意味での動物モデルにはなり得ない。そもそも、ラット、マウスにはIL-8が存在していない。また、最近までヒト子宮内膜症を正しく評価できる非ヒト霊長類のin vivoモデルがなかったこともあり、これまで子宮内膜症に対するIL-8シグナルの影響を実際に非ヒト霊長類のin vivoモデルで確認した報告は存在しない。
【0006】
また、外科的手術等による癒着は、様々な病態において問題となっている。癒着などの治療又は予防法として、癒着防止シートがある。癒着防止シートには術後癒着低減効果はあるものの、いまだ15%の頻度でdense adhesion(強固な癒着)が形成され(非特許文献7)、未だ十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2009/026117
【非特許文献】
【0008】
Bulun et al., Endometriosis. N Engl J Med 2009; 360:268-279
Giudice et al., Endometriosis. Lancet 2004; 364:1789-1799
Donnez et al., Gynecol Obstet Invest 2002; 54 Suppl 1:52-58; discussion 59-62
Vercellini et al., Am J Obstet Gynecol. 2008 May; 198(5): 504.e1-5
Guo et al., Hum Reprod Update. 2009 Jul-Aug; 15(4): 441-461
Remo et al., Expert Rev. Clin. Immunol. 2014 10(5):593-619
Becker et al., J Am Coll Surg. 1996 Oct; 183(4): 297-306
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述を含む様々な状況に鑑みて為されたものであり、その目的は、非限定的な一側面において、IL-8関連疾患に対する、IL-8シグナル阻害剤を用いた、新規な治療方法等を提供することにある。
より具体的には、本発明は、非限定的な一実施態様において、新規なIL-8関連疾患に対する、IL-8シグナル阻害剤を用いた、新規な治療方法等を提供することにある。あるいは、本発明は、非限定的な別の実施態様において、新規又は既知のIL-8関連疾患に対する、新規な抗IL-8抗体を用いた、新規な治療方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
理論に拘束されることを必ずしも意図しないが、本発明者らは、子宮内膜症の真の病態は既に報告(Odagiri、 Fertil Steril. 2009; 92(5):1525-31.)したような慢性炎症性増殖疾患の概念であることを提唱してきた。子宮内膜症の病態病理は慢性炎症に引き続く免疫反応であり、繊維化、平滑筋化生、神経再生、血管新生などとして現れる。慢性炎症のメカニズムの重要な部分にIL-8が関与しており、子宮内膜症が慢性炎症性疾患であるという概念に基づいて、薬効の病理学的評価ならびに臨床的評価(腹腔鏡やMRでの観察)を行ってきた。
限定を意図しないが、本発明は、子宮内膜症等の病態解明のための非ヒト霊長類モデルの作製から、一方で、高機能抗IL-8抗体の作成と改良、抗体の薬理効果の評価を行うという、基礎から動物モデル臨床まで扱った包括的研究に基づくものである。ヒト子宮関連疾患の真の評価はラット、マウス、その他の小動物でのモデル実験では不可能であるため、本発明者らは、外科的に誘引された子宮内膜症モデルカニクイザルを作製し、カニクイザルを含む霊長類の生殖基礎研究、並びに、ヒト子宮内膜症等の病理学的病態概念及び評価と臨床(腹腔鏡手術と観察、MRI(磁気共鳴画像)評価等)管理などの優れた技術と知見等を互いに持ち寄り、試行錯誤と鋭意検討の末に本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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