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公開番号2024150221
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2023063532
出願日2023-04-10
発明の名称粒状担体の製造方法
出願人エステー株式会社
代理人弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
主分類C08G 59/42 20060101AFI20241016BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高吸水性及び生分解性を兼ね揃えた粒状担体であって、形状が略球状で且つ粒子サイズが均一であり、強度及び透明性にも優れた粒状担体を原料ロスを低減し収率よく簡便に製造する技術を提供する。
【解決手段】カルボキシアルキルセルロース塩の架橋体を含むゲル粒子からなる粒状担体の製造方法であって、アルカリ水溶液に特定のカルボキシアルキルセルロース及び/又はその塩を溶解し、カルボキシアルキルセルロース塩水溶液を調製し、上記水溶液に架橋剤を添加してカルボキシアルキルセルロース塩水溶液と架橋剤との混合物を得、上記混合物と特定の低極性有機溶媒とを第1の容器内で混合し、混合物が低極性有機溶媒中に分散した懸濁液を得ること、及び上記懸濁液中で架橋重合を進行させ、上記カルボキシアルキルセルロース塩の架橋体を含む分散粒子を形成することを含み、上記第1の容器は疎水性の内表面を有している、方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
カルボキシアルキルセルロース塩の架橋体を含むゲル粒子からなる粒状担体の製造方法であって、
アルカリ水溶液に1質量%水溶液の25℃における粘度が5mPa・s以上300mPa・s以下の範囲にあるカルボキシアルキルセルロース及び/又はその塩を溶解し、カルボキシアルキルセルロース塩水溶液を調製すること、
前記カルボキシアルキルセルロース塩水溶液に架橋剤を添加し、前記カルボキシアルキルセルロース塩水溶液と前記架橋剤との混合物を得ること、
前記混合物と低極性有機溶媒とを第1の容器中で混合し、前記混合物が前記低極性有機溶媒中に分散した懸濁液を得ること、及び
前記懸濁液中で前記カルボキシアルキルセルロース塩の架橋重合を進行させ、前記カルボキシアルキルセルロース塩の架橋体を含む分散粒子を形成すること
を含み、
前記低極性有機溶媒は25℃における比誘電率が10以下であり、且つ、37.8℃における動粘度が10mm

/s以上であり、前記第1の容器は疎水性の内表面を有している粒状担体の製造方法。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記第1の容器の内表面は、四フッ化エチレン樹脂、パーフルオロアルコキシアルカン、ポリプロピレン 、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンのうち少なくとも1つを含む材料で構成されている請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記カルボキシアルキルセルロース塩水溶液と前記架橋剤との前記混合物の調製が前記第1の容器内で行われ、前記混合物と前記低極性有機溶媒との混合が、前記第1の容器内に含まれる前記混合物に前記低極性有機溶媒を添加することにより行われる請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記カルボキシアルキルセルロース塩の架橋体を含む分散粒子が形成されるまでの反応が前記第1の容器内で行われる請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記カルボキシアルキルセルロース塩水溶液と前記架橋剤との前記混合物の調製が第2の容器内で行われ、前記混合物と前記低極性有機溶媒との混合が、前記第1の容器内に含まれる前記低極性有機溶媒に前記混合物を添加することにより行われる請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記低極性有機溶媒と前記混合物とを混合するときの前記低極性有機溶媒の温度が15℃乃至43℃の範囲内である請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記低極性有機溶媒が流動パラフィン又はシリコーンオイルである請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記低極性有機溶媒の37.8℃における動粘度が10mm

/s以上100mm

/s以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項9】
前記カルボキシアルキルセルロース及び/又はその塩の前記粘度が5mPa・s以上100mPa・s以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項10】
前記混合物中の前記カルボキシアルキルセルロース及び/又はその塩(X)と前記架橋剤(Y)との質量比(X/Y)が、10/2乃至10/5の範囲にある請求項1又は2に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状担体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
高吸水性ポリマー(Superabsorbent polymer,SAP)は、水との接触により吸水し、瞬時に透明な水和ゲルとなる。このゲルは圧力をかけても離水せず、水を保持する機能性高分子の一つである。高吸水性ポリマーの用途は多岐にわたっており、例えば、衛生用品分野では、紙おむつや婦人用の生理用ナプキン等の吸収性物品における高吸水性物質として使用されている。また、高吸水性ポリマーは、ゲル製剤において、香料、消臭剤等の薬剤を含む水性液状組成物を吸収し担持する担体としても使用されている。このような高吸水性ポリマーからなる担体を含むゲル製剤は、容器から液がこぼれる心配がないことや意匠性に優れるという点から、据え置き型の芳香剤や消臭剤などに幅広く取り入れられている。
【0003】
現在、高吸水性ポリマー(SAP)としては、合成の容易さ、コストなどの観点から、ポリアクリル酸系SAPがその主流を占めている。一方、ポリアクリル酸系SAPは、石油を原料とするため、原油価格の変動や高騰に伴い製造コストが影響を受ける問題があることに加え、製造時及び廃棄時の排出CO

が多い。特におむつ用途では吸水状態で廃棄されるため、アクリル酸系SAPの焼却処分には大量のエネルギーを必要とし、排出CO

が特に多くなる。また、アクリル酸系SAPを埋立て処理する場合には、生分解性がないことから土壌汚染などの問題がある。
【0004】
このように高吸水性ポリマー(SAP)としてポリアクリル酸系SAPが主流を占めることには、環境問題の要因となる虞がある。今後は新興国で紙おむつの需要が急速に増大することが予想されることもあり、高吸水性ポリマーとして生分解性を有する天然高分子系ポリマーの使用が所望されている。このような状況において、多糖類等の植物由来原料を使用した高吸水性ポリマーが提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1乃至3では、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose, CMC)又はCMC塩の、架橋型重合体からなるセルロース系SAPを、ポリアクリル酸系SAPに替わる生分解性の高吸水性ポリマーとして提案している。このCMCは、水溶性セルロース誘導体の一つであり、セルロースの水酸基をクロロ酢酸等でエーテル化して合成されている。その水溶液はアニオン性を示し、高粘性かつ分散性に優れていることから、増粘剤、分散・安定剤として広く利用されている。
【0006】
CMCは、毒性やアレルギー性もなく、食品添加剤や医薬品のバインダーにも使用されている。その物性はモノマーであるグルコース1残基あたりに置換したカルボキシメチル基の平均個数である置換度(DS)に強く依存し、一例によるとDS>0.55で水溶性を示すと言われている。例えば、特許文献1では置換度が1.1以上のCMC及びCMC塩が使用され(請求項1等参照)、特許文献2では置換度が0.65乃至1.4のCMC塩が使用されている(請求項1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2011-140534号公報
国際公開第2012/147255号公報
特開2008-285611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
芳香剤組成物や消臭剤組成物などのゲル製剤が容器に充填された据え置き型の製品が流通している。この種の製品には、高吸水性ポリマーからなるゲル担体に各種薬剤を含有する液状組成物を担持させた粒状ゲル製剤を使用したものが多い。それらは粒状ゲル製剤の表面を空気に触れさせてゲル担体に担持された各種薬剤の機能を発揮させるものが多い。すなわち、ゲル担体に担持された薬剤が香料等の揮散性薬剤の場合、粒状ゲル製剤の表面を空気に触れさせて揮散性薬剤を揮散させる。また、ゲル担体に担持された薬剤が、例えば化学反応を用いて消臭するタイプの消臭剤であって非揮散性薬剤である場合、粒状ゲル製剤の表面を空気に触れさせて悪臭分子と非揮散性消臭剤とを接触させ、化学反応により悪臭分子を分解し消臭させる。
【0009】
このため粒状ゲル製剤においてゲル担体に担持された薬剤を効率的に機能させるために、粒状ゲル製剤が容器に充填された状態において空気の流動が起こりやすいことが望ましい。空気の流動を起こりやすくするためには、粒状ゲル製剤同士の間隙が均一で且つ間隙にある程度の大きさがあることが好ましい。このため粒状ゲル製剤はサイズが均一で且つ形状が球状に近いことが所望される。
【0010】
また、芳香剤組成物や消臭剤組成物などの粒状ゲル製剤が容器に充填された据え置き型の製品として流通することを考慮すると、粒状ゲル製剤はゲル強度にも優れることが所望される。また、このような製品には、粒状ゲル製剤が透明又は半透明の容器に充填され、外部から視認できることも多い。粒状ゲル製剤のサイズが均一で且つ形状が球状に近いことは、上述した薬剤を効率的に機能させることを可能とすることに加え、美観の観点からも好ましい。美観の観点からは、粒状ゲル製剤が透明性にも優れると更に好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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