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公開番号
2024148495
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023061675
出願日
2023-04-05
発明の名称
炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法
出願人
株式会社レゾナック
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C10C
3/02 20060101AFI20241010BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】エチレンボトム油から炭素材製造用ピッチを製造するとともに、副生する低沸点成分から付加価値の高いナフタレンを併産する方法を提供する。
【解決手段】エチレンボトム油を熱処理し、得られた熱処理物を蒸留し高沸点成分として炭素材製造用ピッチを製造する際に副生する低沸点成分からナフタレンを回収する炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
石油系重質油を熱処理する工程(工程1)、工程1で得られた熱処理物を蒸留し、高沸点成分であるピッチと低沸点成分に分離する工程(工程2)、及び工程2で得られた低沸点成分からナフタレンを回収する工程(工程3)を含む、炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
続きを表示(約 320 文字)
【請求項2】
前記石油系重質油がエチレンボトム油及びエチレンボトム油軽質分からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
【請求項3】
前記石油系重質油中のナフタレン濃度が5質量%~60質量%である請求項1又は2に記載の炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
【請求項4】
前記工程1の熱処理温度が360℃~480℃であり、熱処理時間が0.5時間~48時間である請求項1又は2に記載の炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
【請求項5】
前記炭素材が黒鉛電極である請求項1又は2に記載の炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
ナフサ等の石油系炭化水素を水蒸気分解又は熱分解してエチレン、プロピレン等のオレフィンを製造する際に副生する重質残渣油(エチレンボトム油)は、一部がカーボンブラックの原料として利用されるのみで、大部分は燃料として利用されている。そのため、このエチレンボトム油を付加価値の高い製品に転換することは当該技術分野の課題である。この課題を解決するために、芳香族化合物を多く含有するエチレンボトム油の特性を活かし、エチレンボトム油から炭素材製造用ピッチを製造する試みがなされてきた。エチレンボトム油から炭素材製造用ピッチを製造する方法は種々報告されているが、エチレンボトム油を熱処理する工程(熱処理工程)、及び前記熱処理工程で得られた熱処理物を蒸留し、高沸点成分としてピッチを得る工程(蒸留工程)を含む炭素材製造用ピッチの製造方法が、最も一般的なものの一つである(特許文献1~特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭53-60927号公報
特開昭49-35420号公報
特開昭51-83622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1~特許文献3に代表されるエチレンボトム油からの炭素材製造用ピッチの製造方法では、用いる原料の組成、各工程の条件等にもよるが、炭素材製造用ピッチの収率は20質量%~50質量%程度である。副生する残りの低沸点成分は未だ低付加価値の留分であるが、この低沸点成分を有効利用する方法は、本発明者らが知る限り、ほとんど検討されていないのが現状である。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、エチレンボトム油から炭素材製造用ピッチを製造するとともに、副生する低沸点成分から付加価値の高いナフタレンを併産することができる、炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。炭素材製造用ピッチの製造を目的に、エチレンボトム油を熱処理し、得られた熱処理物を蒸留し高沸点成分として炭素材製造用ピッチを製造する際に副生する低沸点成分を詳細に分析した結果、この低沸点成分にはナフタレンが多く含まれることが明らかになった。そして、この知見に基づき、エチレンボトム油からの炭素材製造用ピッチの製造と並行して、化学品としてのナフタレンの製造について更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、以下の[1]~[5]に関する。
【0008】
[1]
石油系重質油を熱処理する工程(工程1)、工程1で得られた熱処理物を蒸留し、高沸点成分であるピッチと低沸点成分に分離する工程(工程2)、及び工程2で得られた低沸点成分からナフタレンを回収する工程(工程3)を含む、炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
[2]
前記石油系重質油がエチレンボトム油及びエチレンボトム油軽質分からなる群から選ばれる少なくとも一種である[1]に記載の炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
[3]
前記石油系重質油中のナフタレン濃度が5質量%~60質量%である[1]又は[2]に記載の炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
[4]
前記工程1の熱処理温度が360℃~480℃であり、熱処理時間が0.5時間~48時間である[1]~[3]のいずれかに記載の炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
[5]
前記炭素材が黒鉛電極である[1]~[4]のいずれかに記載の炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、石油系重質油から炭素材製造用ピッチとナフタレンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ナフサ等を熱分解する石油化学プロセス及びエチレンボトム油の製造工程を示すフロー図である。
(【0011】以降は省略されています)
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