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公開番号2024162114
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077339
出願日2023-05-09
発明の名称工業油循環再生管理方法、工業油循環再生管理システム、および、再生工業油組成物製造方法
出願人シチズン時計株式会社
代理人弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
主分類C10M 175/00 20060101AFI20241114BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】工業油組成物を適正に循環再生することができる工業油循環再生管理方法、工業油循環再生管理システム、および、再生工業油組成物製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】工業油循環再生管理システムにおいて実行される工業油循環再生管理方法、再生工業油組成物製造方法は、工業油使用装置2から使用済みの工業油組成物C1を回収する回収工程と、回収した使用済みの工業油組成物C1から基油を含む再生油組成物C2を再生する再生工程と、工業油使用装置2で再使用する再生後の工業油組成物C1の組成を決定する組成決定工程と、組成決定工程で決定された組成に基づいて、再生後の再生油組成物C2に機能性添加剤を添加して、再生後の工業油組成物C1を製造する製造工程とを含み、組成決定工程では、組成の決定において、再生油組成物C2に添加する機能性添加剤を調整することで、循環再生される工業油組成物C1を管理する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基油と機能性添加剤とを含む工業油組成物を使用する工業油使用装置から使用済みの前記工業油組成物を回収する回収工程と、
回収した前記使用済みの前記工業油組成物から前記基油を含む再生油組成物を再生する再生工程と、
前記工業油使用装置で再使用する再生後の前記工業油組成物の組成を決定する組成決定工程と、
前記組成決定工程で決定された前記組成に基づいて、再生後の前記再生油組成物に前記機能性添加剤を添加して、前記工業油使用装置で再使用する前記再生後の前記工業油組成物を製造する製造工程とを含み、
前記組成決定工程では、前記組成の決定において、前記再生油組成物に添加する前記機能性添加剤を調整することで、循環再生される前記工業油組成物を管理する、
工業油循環再生管理方法。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
回収した前記使用済みの前記工業油組成物の状態を分析する分析工程を含み、
前記組成決定工程では、前記分析工程での分析結果に基づいて、前記工業油使用装置で再使用する前記再生後の前記工業油組成物の組成を決定する、
請求項1に記載の工業油循環再生管理方法。
【請求項3】
前記組成決定工程では、前記再生油組成物の循環総量、前記工業油使用装置での使用に伴った前記工業油組成物の劣化傾向、前記工業油使用装置の稼働状況、前記工業油使用装置の稼働予測、前記使用済みの前記工業油組成物から前記再生油組成物を再生する再生装置における再生能力、前記再生装置の稼働率、前記工業油組成物を製造する製造装置における製造能力、前記製造装置の稼動率、前記製造装置と前記工業油使用装置と前記再生装置との相互間で前記工業油組成物または前記再生油組成物を輸送する輸送体における輸送能力、前記輸送体の稼働率、前記工業油組成物または前記再生油組成物を貯留する貯留設備の貯留能力、および、前記貯留設備の稼働率のうちの少なくとも1つに基づいて、前記工業油使用装置で再使用する前記再生後の前記工業油組成物の組成を決定する、
請求項1または請求項2に記載の工業油循環再生管理方法。
【請求項4】
前記工業油組成物の管理は、予め想定される使用期間経過後の前記使用済みの前記工業油組成物の品質の管理を含み、
前記組成決定工程では、前記組成の決定において、前記再生油組成物に添加する前記機能性添加剤を調整することで、前記使用期間経過後の前記使用済みの前記工業油組成物の品質を管理する、
請求項1に記載の工業油循環再生管理方法。
【請求項5】
前記組成決定工程では、前記使用期間経過後の前記使用済みの前記工業油組成物の品質が目標の品質となるように、前記再生後の前記工業油組成物の前記組成を調整する、
請求項4に記載の工業油循環再生管理方法。
【請求項6】
前記工業油組成物の管理は、循環再生される前記再生油組成物の循環再生サイクルの管理を含み、
前記組成決定工程では、前記組成の決定において、前記再生油組成物に添加する前記機能性添加剤を調整することで、当該再生油組成物の循環再生サイクルを管理する、
請求項1または請求項4に記載の工業油循環再生管理方法。
【請求項7】
前記組成決定工程では、前記工業油使用装置における前記再生後の前記工業油組成物の耐用期間が目標の期間となるように、前記再生後の前記工業油組成物の前記組成を調整する、
請求項6に記載の工業油循環再生管理方法。
【請求項8】
前記組成決定工程では、複数の前記工業油使用装置ごとに、それぞれ、当該工業油使用装置で再使用される前記再生後の前記工業油組成物の前記組成を調整する、
請求項1に記載の工業油循環再生管理方法。
【請求項9】
前記工業油組成物は、
前記基油として鉱油(A1)または合成油(A2)と、
酸化防止剤として下記式(B)で表される中性亜リン酸エステル誘導体および下記式(C)で表される2,6-ジ-t-ブチルフェノール誘導体と、
前記機能性添加剤とを含み、
前記再生工程では、前記使用済みの前記工業油組成物を精製処理する精製処理工程により、前記使用済みの前記工業油組成物から前記基油を含む前記再生油組成物を再生し、前記精製処理として、吸着処理または水素化脱硫処理あるいは減圧蒸留処理を行い、
前記製造工程では、前記再生後の前記再生油組成物に、前記酸化防止剤と、前記機能性添加剤とを添加する添加工程を含み、
前記工業油使用装置で使用する前の前記工業油組成物に比較して、前記使用済みの前記工業油組成物の方が、前記機能性添加剤の含有率が少ない、
請求項1に記載の工業油循環再生管理方法。
TIFF
2024162114000009.tif
36
170
(上記式(B)中、R
b21
~R
b24
は、それぞれ独立に、炭素原子数10~16の脂肪族炭化水素基を表し、R
b25
~R
b28
は、それぞれ独立に、炭素原子数1~6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基を表し、R
b291
およびR
b292
は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1~5の直鎖もしくは分枝状のアルキル基を表し、R
b291
およびR
b292
の炭素原子数の合計は、1~5である。)
TIFF
2024162114000010.tif
29
170
(上記式(C)中、R
c1
は、炭素原子数1~12の直鎖もしくは分枝状のアルキル基である。)
【請求項10】
基油と機能性添加剤とを含む工業油組成物を使用する工業油使用装置から回収した使用済みの前記工業油組成物から前記基油を含む再生油組成物を再生する再生装置と、
前記工業油使用装置で再使用する再生後の前記工業油組成物の組成を決定する組成決定装置と、
前記組成決定装置により決定された前記組成に基づいて、再生後の前記再生油組成物に前記機能性添加剤を添加して、前記工業油使用装置で再使用する前記再生後の前記工業油組成物を製造する製造装置とを備え、
前記組成決定装置は、前記組成の決定において、前記再生油組成物に添加する前記機能性添加剤を調整することで、循環再生される前記工業油組成物を管理する、
工業油循環再生管理システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、工業油循環再生管理方法、工業油循環再生管理システム、および、再生工業油組成物製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、使用後の工業油組成物である廃油から再生重油を得る廃油再生処理システムが記載されている。具体的には、特許文献1には、廃油から遠心分離により不純物を除去する不純物除去工程と、不純物を除去した廃油を加熱し、さらに廃油に混入していた不純物を蒸発して除去し蒸留により再生重油を得る蒸留工程とを備える廃油再生処理システムが記載されている。ここで得られた再生重油は、燃料油として使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-306682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記廃油回収再生処理システムは、例えば、上記のように使用後の工業油組成物が燃料油として使用されるためCO
2
削減等の点で問題があるのみならず、当該工業油組成物の循環再生技術の社会実装の点で更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、工業油組成物を適正に循環再生することができる工業油循環再生管理方法、工業油循環再生管理システム、および、再生工業油組成物製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る工業油循環再生管理方法は、基油と機能性添加剤とを含む工業油組成物を使用する工業油使用装置から使用済みの前記工業油組成物を回収する回収工程と、回収した前記使用済みの前記工業油組成物から前記基油を含む再生油組成物を再生する再生工程と、前記工業油使用装置で再使用する再生後の前記工業油組成物の組成を決定する組成決定工程と、前記組成決定工程で決定された前記組成に基づいて、再生後の前記再生油組成物に前記機能性添加剤を添加して、前記工業油使用装置で再使用する前記再生後の前記工業油組成物を製造する製造工程とを含み、前記組成決定工程では、前記組成の決定において、前記再生油組成物に添加する前記機能性添加剤を調整することで、循環再生される前記工業油組成物を管理する。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る工業油循環再生管理システムは、基油と機能性添加剤とを含む工業油組成物を使用する工業油使用装置から回収した使用済みの前記工業油組成物から前記基油を含む再生油組成物を再生する再生装置と、前記工業油使用装置で再使用する再生後の前記工業油組成物の組成を決定する組成決定装置と、前記組成決定装置により決定された前記組成に基づいて、再生後の前記再生油組成物に前記機能性添加剤を添加して、前記工業油使用装置で再使用する前記再生後の前記工業油組成物を製造する製造装置とを備え、前記組成決定装置は、前記組成の決定において、前記再生油組成物に添加する前記機能性添加剤を調整することで、循環再生される前記工業油組成物を管理する。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る再生工業油組成物製造方法は、基油と機能性添加剤とを含む工業油組成物を使用する工業油使用装置から使用済みの前記工業油組成物を回収する回収工程と、回収した前記使用済みの前記工業油組成物から前記基油を含む再生油組成物を再生する再生工程と、前記工業油使用装置で再使用する再生後の前記工業油組成物の組成を決定する組成決定工程と、前記組成決定工程で決定された前記組成に基づいて、再生後の前記再生油組成物に前記機能性添加剤を添加して、前記工業油使用装置で再使用する前記再生後の前記工業油組成物を製造する製造工程とを含み、前記組成決定工程では、前記組成の決定において、前記再生油組成物に添加する前記機能性添加剤を調整することで、循環再生される前記工業油組成物を管理する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る工業油循環再生管理方法、工業油循環再生管理システム、および、再生工業油組成物製造方法は、工業油組成物を適正に循環再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態に係る工業油循環再生管理システムの概略構成を表すブロック図である。
図2は、実施形態に係る工業油組成物の組成を模式的に表した模式図である。
図3は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の組成の一例を模式的に表した模式図である。
図4は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の組成の一例を模式的に表した模式図である。
図5は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の組成の一例を模式的に表した模式図である。
図6は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の組成の一例を模式的に表した模式図である。
図7は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の組成の一例を模式的に表した模式図である。
図8は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の分析の一例(液体クロマトグラフィー)を説明する線図である。
図9は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の分析の一例(液体クロマトグラフィー)を説明する線図である。
図10は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の分析の一例(液体クロマトグラフィー)を説明する線図である。
図11は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の分析の他の一例(赤外分光分析)を説明する線図である。
図12は、実施形態に係る使用済みの工業油組成物の分析の他の一例(赤外分光分析)を説明する線図である。
図13は、実施形態に係る工業油循環再生管理方法、再生工業油組成物製造方法の各工程の流れの一例を表す図である。
図14は、実施形態に係る工業油循環再生管理方法、再生工業油組成物製造方法において選択可能な機能性添加剤の一例について説明する模式図である。
図15は、実施形態に係る工業油循環再生管理方法、再生工業油組成物製造方法における組成決定工程の流れの一例を表す図である。
図16は、実施形態に係る工業油循環再生管理方法、再生工業油組成物製造方法における組成決定工程の流れの一例を表す図である。
図17は、実施形態に係る工業油循環再生管理方法、再生工業油組成物製造方法における組成決定工程の流れの一例を表す図である。
図18は、実施形態に係る工業油循環再生管理方法、再生工業油組成物製造方法の各工程の流れの他の一例を表す図である。
図19は、実施形態に係る工業油循環再生管理方法、再生工業油組成物製造方法における組成決定工程の他の一例を説明する模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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