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公開番号
2024156507
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2023071025
出願日
2023-04-24
発明の名称
配線ばらつき算出方法および配線ばらつき算出プログラム
出願人
富士通株式会社
代理人
個人
主分類
G01R
31/28 20060101AFI20241029BHJP(測定;試験)
要約
【課題】配線ばらつきを抵抗成分と容量成分に分離すること。
【解決手段】情報処理装置100は、配線ばらつきの推定対象となる対象回路101と同一チップ110上に配置された駆動力が異なる複数のROSCのうちの第1のROSC102について、第1の式120を取得する。第1の式120は、配線ばらつきの抵抗成分と容量成分とを変数として、所定の条件下での第1のROSC102の周波数を表す。情報処理装置100は、第2のROSC103について、第2の式130を取得する。第2の式130は、配線ばらつきの抵抗成分と容量成分とを変数として、所定の条件下での第2のROSC103の周波数を表す。情報処理装置100は、第1の式120と第2の式130とを用いて、所定の条件下で実測された第1のROSC102の周波数と第2のROSC103の周波数とに基づいて、配線ばらつきの抵抗成分と容量成分とを算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
配線ばらつきの推定対象となる対象回路と同一チップ上に配置された駆動力が異なる複数のリングオシレータのうちの第1のリングオシレータについて、前記配線ばらつきの抵抗成分と容量成分とを変数として、所定の条件下での前記第1のリングオシレータの周波数を表す第1の式を取得し、
前記複数のリングオシレータのうちの第2のリングオシレータについて、前記抵抗成分と前記容量成分とを変数として、前記所定の条件下での前記第2のリングオシレータの周波数を表す第2の式を取得し、
前記第1の式と前記第2の式とを用いて、前記所定の条件下で実測された前記第1のリングオシレータの周波数と、前記所定の条件下で実測された前記第2のリングオシレータの周波数とに基づいて、前記抵抗成分と前記容量成分とを算出する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする配線ばらつき算出方法。
続きを表示(約 2,300 文字)
【請求項2】
算出した前記抵抗成分と前記容量成分と、配線抵抗の標準偏差および平均値と、配線容量の標準偏差および平均値とに基づいて、前記配線ばらつきの度合いを推定する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする請求項1に記載の配線ばらつき算出方法。
【請求項3】
前記第1の式は、前記第1のリングオシレータの周波数の自然対数をとった値をYとし、前記配線ばらつきの抵抗成分の逆数をG
line
とし、当該配線ばらつきの容量成分をC
line
とし、a1,b1,d1を定数とする、Y=a1×G
line
+b1×C
line
+d1によって表され、
前記第2の式は、前記第2のリングオシレータの周波数の自然対数をとった値をYとし、前記配線ばらつきの抵抗成分の逆数をG
line
とし、当該配線ばらつきの容量成分をC
line
とし、a2,b2,d2を定数とする、Y=a2×G
line
+b2×C
line
+d2によって表される、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線ばらつき算出方法。
【請求項4】
前記所定の条件は、環境温度および駆動電圧に関する条件であり、
前記第1の式を取得する処理は、
前記所定の条件下でトランジスタばらつきと配線ばらつきとを変化させながら、前記第1のリングオシレータの周波数を測定するシミュレーションを実施して得られた周波数を示す第1の周波数データを取得し、
取得した前記第1の周波数データに基づいて、前記第1のリングオシレータの周波数の自然対数をとった値をYとし、前記配線ばらつきの抵抗成分の逆数をG
line
とし、当該配線ばらつきの容量成分をC
line
として、Y=a1×G
line
+b1×C
line
+d1を満たすように、定数a1,b1,d1を線形重回帰分析により求めることにより、前記第1の式を作成し、
前記第2の式を取得する処理は、
前記所定の条件下でトランジスタばらつきと配線ばらつきとを変化させながら、前記第2のリングオシレータの周波数を測定するシミュレーションを実施して得られた周波数を示す第2の周波数データを取得し、
取得した前記第2の周波数データに基づいて、前記第2のリングオシレータの周波数の自然対数をとった値をYとし、前記配線ばらつきの抵抗成分の逆数をG
line
とし、当該配線ばらつきの容量成分をC
line
として、Y=a2×G
line
+b2×C
line
+d2を満たすように、定数a2,b2,d2を線形重回帰分析により求めることにより、前記第2の式を作成する、
ことを特徴とする請求項3に記載の配線ばらつき算出方法。
【請求項5】
前記第1のリングオシレータについて、前記配線ばらつきの抵抗成分および容量成分とトランジスタばらつきとを変数として、所定の条件下での前記第1のリングオシレータの周波数を表す第3の式を取得し、
前記第2のリングオシレータについて、前記抵抗成分と前記容量成分と前記トランジスタばらつきとを変数として、前記所定の条件下での前記第2のリングオシレータの周波数を表す第4の式を取得し、
前記複数のリングオシレータのうちの第3のリングオシレータについて、前記抵抗成分と前記容量成分と前記トランジスタばらつきとを変数として、前記所定の条件下での前記第3のリングオシレータの周波数を表す第5の式を取得し、
前記第3の式、前記第4の式および前記第5の式を用いて、前記所定の条件下で実測された前記第1のリングオシレータの周波数と、前記所定の条件下で実測された前記第2のリングオシレータの周波数と、前記所定の条件下で実測された前記第3のリングオシレータの周波数とに基づいて、前記抵抗成分と前記容量成分と前記トランジスタばらつきとを算出する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする請求項1に記載の配線ばらつき算出方法。
【請求項6】
算出した前記抵抗成分と前記容量成分とを出力する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の配線ばらつき算出方法。
【請求項7】
配線ばらつきの推定対象となる対象回路と同一チップ上に配置された駆動力が異なる複数のリングオシレータのうちの第1のリングオシレータについて、前記配線ばらつきの抵抗成分と容量成分とを変数として、所定の条件下での前記第1のリングオシレータの周波数を表す第1の式を取得し、
前記複数のリングオシレータのうちの第2のリングオシレータについて、前記抵抗成分と前記容量成分とを変数として、前記所定の条件下での前記第2のリングオシレータの周波数を表す第2の式を取得し、
前記第1の式と前記第2の式とを用いて、前記所定の条件下で実測された前記第1のリングオシレータの周波数と、前記所定の条件下で実測された前記第2のリングオシレータの周波数とに基づいて、前記抵抗成分と前記容量成分とを算出する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする配線ばらつき算出プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線ばらつき算出方法および配線ばらつき算出プログラムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、トランジスタの微細化にともなって、配線の寸法が縮小して配線抵抗が増大しており、配線の伝搬遅延の影響が大きくなっている。CMP(Chemical Mechanical Polishing)工程による配線形状変動や層間絶縁膜の膜厚ばらつきなどで配線の寄生抵抗や寄生容量がばらつくが、配線抵抗の増大により、これらのばらつきが無視できなくなっている。
【0003】
先行技術としては、例えば、集積回路に含まれる各埋込型テスト回路について定義されたモデル方程式を解き、さまざまなフロントエンドオブライン(FEOL)パラメータおよびバックエンドオブライン(BEOL)パラメータについての値を生成するものがある。埋込型テスト回路は、テスト負荷に結合されたリング発振器を含んでいる。各モデル方程式は、関連する埋込型テスト回路の出力遅延を、FEOLパラメータおよびBEOLパラメータの関数として特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2007-520055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、配線の伝搬遅延時間に影響を及ぼしているのが、配線ばらつきの抵抗成分なのか、容量成分なのか、あるいは、両方なのかを判断することができないという問題がある。
【0006】
一つの側面では、本発明は、配線ばらつきを抵抗成分と容量成分に分離することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様では、配線ばらつきの推定対象となる対象回路と同一チップ上に配置された駆動力が異なる複数のリングオシレータのうちの第1のリングオシレータについて、前記配線ばらつきの抵抗成分と容量成分とを変数として、所定の条件下での前記第1のリングオシレータの周波数を表す第1の式を取得し、前記複数のリングオシレータのうちの第2のリングオシレータについて、前記抵抗成分と前記容量成分とを変数として、前記所定の条件下での前記第2のリングオシレータの周波数を表す第2の式を取得し、前記第1の式と前記第2の式とを用いて、前記所定の条件下で実測された前記第1のリングオシレータの周波数と、前記所定の条件下で実測された前記第2のリングオシレータの周波数とに基づいて、前記抵抗成分と前記容量成分とを算出する、配線ばらつき算出方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、配線ばらつきを抵抗成分と容量成分に分離することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施の形態1にかかる配線ばらつき算出方法の一実施例を示す説明図である。
図2は、推定システム200のシステム構成例を示す説明図である。
図3は、配線ばらつき算出装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4は、ROSCの回路構成例を示す説明図(その1)である。
図5は、配線ばらつき算出装置201の機能的構成例を示すブロック図である。
図6は、データセットの具体例を示す説明図である。
図7は、フィッティング情報の具体例を示す説明図である。
図8Aは、抵抗ばらつき表の一例を示す説明図である。
図8Bは、容量ばらつき表の一例を示す説明図である。
図9は、推定システム200の他のシステム構成例を示す説明図である。
図10は、実施の形態1にかかる配線ばらつき算出装置201の配線ばらつき算出処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11は、フィッティング式作成処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
図12は、フィッティング式作成処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
図13は、データセット選択処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14は、シミュレーション処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15は、周波数測定シミュレーションの具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16は、配線ばらつき推定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17は、選別処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
図18は、選別処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
図19は、ROSCの回路構成例を示す説明図(その2)である。
図20は、ROSC配線の実装例を示す説明図である。
図21は、実施の形態2にかかる配線ばらつき算出装置201の配線ばらつき算出処理手順の一例を示すフローチャートである。
図22は、第2フィッティング式作成処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
図23は、第2フィッティング式作成処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
図24は、第2シミュレーション処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
図25は、第1フィードバック処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
図26は、第2フィードバック処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明にかかる配線ばらつき算出方法および配線ばらつき算出プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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