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公開番号2025062924
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172295
出願日2023-10-03
発明の名称基底エネルギー算出プログラム、基底エネルギー算出装置、および基底エネルギー算出方法
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G16C 10/00 20190101AFI20250408BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】NISQ向けVQEは、ノイズの影響により期待値算出精度が悪化する。さらに、扱う分子が大きくなると、ノイズの影響が大きくなり得、精度悪化の度合いも大きくなり、分子の基底エネルギー算出精度にも影響する。
【解決手段】基底エネルギー算出プログラムは、対象分子を複数のフラグメントに分割し、分割したフラグメントごとに、フラグメントに対応する複数のbath軌道それぞれのエネルギー値を算出し、算出したエネルギー値に基づいて、複数のエネルギー値から所定の数の第1のエネルギー値を選択し、複数のbath軌道のうち、第1のエネルギー値に対応する第1のbath軌道をフラグメントに追加し、第1のbath軌道を含むフラグメントのエネルギーを算出し、フラグメントの各々で算出したエネルギーを足し合わせることにより、対象分子の基底エネルギーを算出する処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
対象分子を複数のフラグメントに分割し、
分割した前記フラグメントごとに、前記フラグメントに対応する複数のbath軌道それぞれのエネルギー値を算出し、
算出した前記エネルギー値に基づいて、複数の前記エネルギー値から所定の数の第1のエネルギー値を選択し、
前記複数のbath軌道のうち、前記第1のエネルギー値に対応する第1のbath軌道を前記フラグメントに追加し、
前記第1のbath軌道を含む前記フラグメントのエネルギーを算出し、
前記フラグメントの各々で算出した前記エネルギーを足し合わせることにより、前記対象分子の基底エネルギーを算出する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする基底エネルギー算出プログラム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第1のエネルギー値を選択する処理は、
算出した前記エネルギー値の値が高いものから所定の数の前記第1のエネルギー値を選択する
処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の基底エネルギー算出プログラム。
【請求項3】
前記対象分子全体の1-RDM(one-electron reduced density matrix)を算出する
処理を前記コンピュータに実行させ、
前記複数のbath軌道それぞれの前記エネルギー値を算出する処理は、
算出した前記1-RDMから、前記フラグメントに含まれる軌道を除く行列を生成し、
生成した前記行列を対角化し、前記行列の固有値を前記エネルギー値として算出する
処理を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の基底エネルギー算出プログラム。
【請求項4】
対象分子を複数のフラグメントに分割し、
分割した前記フラグメントごとに、前記フラグメントに対応する複数のbath軌道それぞれのエネルギー値を算出し、
算出した前記エネルギー値に基づいて、複数の前記エネルギー値から所定の数の第1のエネルギー値を選択し、
前記複数のbath軌道のうち、前記第1のエネルギー値に対応する第1のbath軌道を前記フラグメントに追加し、
前記第1のbath軌道を含む前記フラグメントのエネルギーを算出し、
前記フラグメントの各々で算出した前記エネルギーを足し合わせることにより、前記対象分子の基底エネルギーを算出する
処理を実行する制御部を備えたことを特徴とする基底エネルギー算出装置。
【請求項5】
対象分子を複数のフラグメントに分割し、
分割した前記フラグメントごとに、前記フラグメントに対応する複数のbath軌道それぞれのエネルギー値を算出し、
算出した前記エネルギー値に基づいて、複数の前記エネルギー値から所定の数の第1のエネルギー値を選択し、
前記複数のbath軌道のうち、前記第1のエネルギー値に対応する第1のbath軌道を前記フラグメントに追加し、
前記第1のbath軌道を含む前記フラグメントのエネルギーを算出し、
前記フラグメントの各々で算出した前記エネルギーを足し合わせることにより、前記対象分子の基底エネルギーを算出する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする基底エネルギー算出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基底エネルギー算出技術に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
対象分子のエネルギーを求めることで分子の特性を把握できる。例えば、対象分子の基底エネルギーから分子構造が安定している状態を把握でき、励起エネルギーから分子構造が不安定な状態を把握できる。このような分子特性の把握は、創薬や新材料の発見などに役に立つため、量子化学計算の重要性は高い。
【0003】
現状、量子化学計算を行う量子コンピュータの開発は、量子誤り耐性付きの量子コンピュータであるFTQC(Fault Tolerant Quantum Computer)を目標として進んでいる。一方で、量子誤り訂正が不十分なNISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum Computer)でも、量子化学計算や量子近似最適化、量子機械学習などの分野において量子コンピュータの優位性が実現可能といわれ始めている。
【0004】
NISQは、ノイズを有する中規模の量子コンピュータである。NISQは、量子状態を保てる時間に制限があるため、例えば、量子ビット数が数十~数百など、浅い、すなわち、規模が小さい量子回路のみ実行可能となっている。
【0005】
また、現在のNISQはノイズの影響を受け易く、ノイズにより実行結果が変動し易い傾向にある。ノイズの影響の大きさは量子回路の大きさ(量子ビットとゲートの数)に依存し、量子ビット数の増加に伴いゲート数も増加する傾向にある。
【0006】
また、NISQ向けの変分アルゴリズムとして、VQE(Variational Quantum Eigensolver)がある。VQEは、量子化学計算では、量子状態を用いて基底状態を探索し、基底エネルギーを計算できるアルゴリズムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2019-537129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、VQEは、ノイズの影響により期待値算出の精度が悪化する。さらに、扱う分子が大きくなると、より大きな量子回路が要求されるため、その分、ノイズの影響が大きくなり得、VQEの精度悪化の度合いも大きくなる。VQEの精度悪化は、NISQでVQEを用いて分子の基底エネルギーを算出する際の精度にも影響する。
【0009】
1つの側面では、分子の基底エネルギーを精度よく算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの態様において、基底エネルギー算出プログラムは、対象分子を複数のフラグメントに分割し、分割したフラグメントごとに、フラグメントに対応する複数のbath軌道それぞれのエネルギー値を算出し、算出したエネルギー値に基づいて、複数のエネルギー値から所定の数の第1のエネルギー値を選択し、複数のbath軌道のうち、第1のエネルギー値に対応する第1のbath軌道をフラグメントに追加し、第1のbath軌道を含むフラグメントのエネルギーを算出し、フラグメントの各々で算出したエネルギーを足し合わせることにより、対象分子の基底エネルギーを算出する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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