発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、住環境をはじめとする室内環境(例えば、住宅、オフィス、学校、病院、ホテル、店舗等)における環境因子の物理量を計測するためのセンサシステムに関する。 続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】 【0002】 住環境をはじめとする室内環境における環境因子の物理量を複合的に計測して得られる様々な環境因子データを用いて解析を行い、室内環境の最適化に利用する研究が広く行われている。 【0003】 例えば、特許文献1のセンサシステムは、環境因子である温度や湿度等を複数の環境センサにより計測して得られた環境因子データを基に、サーバ等と接続されるコンピュータシステムにおいて所定の生活目的(例えば睡眠、洗濯乾燥、仕事等)に対して室内環境が好適か否かの度合いを示す度合情報の解析を行い、室内環境の好適度または不適度を報知することにより快適な生活を送るための支援を行えるようになっている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 特開2020-13221号公報(第5頁、第1図) 【非特許文献】 【0005】 Nakayama, Y., Nakaoka, H., Suzuki, N. et al. Prevalence and risk factors of pre-sick building syndrome: characteristics of indoor environmental and individual factors. Environ Health Prev Med 24, 77 (2019). Nakayama Y, Suzuki N, Nakaoka H, Tsumura K, Takaguchi K, Takaya K, Hanazato M, Todaka E, Mori C. Assessment of Personal Relaxation in Indoor-Air Environments: Study in Real Full-Scale Laboratory Houses. Int J Environ Res Public Health. (2021). 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 室内環境が人の健康に大きな影響を与えることは従来から知られているが、発明者らの研究により、例えばシックハウス症状は、室内環境における環境因子の一つである揮発性化学物質(VOC)等の化学物質の物理量だけでなく、CO 2 濃度や微粒子(PM)濃度等の他の環境因子やそこで生活する人の性別、年齢、疾患歴等の個人属性や掃除頻度、換気頻度等の生活様式といった要素が複合的に影響して発症に至ることが明らかになっている(非特許文献1,2参照)。 【0007】 特許文献1においては、複数の環境センサにより計測された各種環境因子のトレンドデータがサーバにアップロードされ、ビッグデータの一部として健康管理への影響等の評価に使用されているが、この場合、高精度な解析が可能となる一方で、評価を行うまでの間にデータのトレンドが損なわれてしまうという問題があった。また、データのトレンドを考慮するためには、専門家による予防医学的知見を基に疾患の発症に複合的に関連する環境因子データを選択する必要があり、非効率的であった。 【0008】 本発明は、このような課題に着目してなされたもので、データのトレンドと疾患に対する環境因子の複合的な影響の度合いが考慮されたデータ取得を可能とするセンサシステムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 前記課題を解決するために、本発明のセンサシステムは、 疾患に対する環境因子の影響の度合いである影響度を疾患毎に格納する格納手段と、 複数の環境因子データを計測するセンシング手段と、 前記影響度を基に前記センシング手段で計測された複数の環境因子データの内、少なくとも一つを選択的に判別する判別手段と、を備えていることを特徴としている。 この特徴によれば、センシング手段により計測された大量の環境因子データから、判別手段により疾患に対する環境因子の影響の度合いを定量化した影響度を基に取得すべき環境因子データを判別することができるため、データのトレンドと影響度が考慮されたデータ取得を可能とするセンサシステムを提供できる。 【0010】 前記判別手段は、個人属性や生活様式の条件と前記影響度とを基に前記判別を行うことを特徴としている。 この特徴によれば、影響度に加えて個人属性や生活様式の条件が加味されたデータ取得が可能となる。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する