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公開番号2025133690
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024229601
出願日2024-12-26
発明の名称樹脂用可塑剤として有用な新規イソソルビド誘導体
出願人国立大学法人千葉大学
代理人個人,個人,個人
主分類C07D 493/04 20060101AFI20250904BHJP(有機化学)
要約【課題】種々の樹脂と良好な相溶性を有し、該樹脂の成形性等の改善に有用なバイオベースの可塑剤、及び、同可塑剤を含有してなる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 イソソルビド誘導体であって、イソソルビド縮合環上の2つの水酸基由来の酸素原子に、
-C(=O)-O-(CH2CH2O)nH(nは1~10の整数)で表される部分構造
がそれぞれ結合してなる化合物、又は以下の繰返し単位を有するオリゴマー若しくはポリマー。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025133690000016.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">40</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">85</com:WidthMeasure> </com:Image> (式中のmは1~10の整数、xは2~100の整数)
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
イソソルビド誘導体であって、イソソルビド縮合環上の2つの水酸基由来の酸素原子に、
-C(=O)-O-(CH
2
CH
2
O)
n
H(nは1~10の整数)で表される部分構造
がそれぞれ結合してなる化合物。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記部分構造におけるnが3である、以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
TIFF
2025133690000010.tif
28
115
【請求項3】
以下の繰返し単位を有するオリゴマー又はポリマー。
TIFF
2025133690000011.tif
37
85
(式中のmは1~10の整数、xは2~100の整数)
【請求項4】
請求項1若しくは2に記載の化合物、又は請求項3に記載のオリゴマー若しくはポリマーを含む、樹脂用可塑剤。
【請求項5】
前記樹脂が、ポリイソソルビドカーボネートを主成分とするポリイソソルビドカーボネートである、請求項4に記載の樹脂用可塑剤。
【請求項6】
前記樹脂が、セルロースエステルである、請求項4に記載の樹脂用可塑剤。
【請求項7】
前記樹脂が、ポリ塩化ビニルである、請求項4に記載の樹脂用可塑剤。
【請求項8】
樹脂組成物であって、イソソルビド縮合環上の2つの水酸基由来の酸素原子に、
-C(=O)-O-(CH
2
CH
2
O)
n
H(nは1~10の整数)で表される部分構造
がそれぞれ結合してなる化合物、又は以下の繰返し単位を有するオリゴマー又はポリマー
TIFF
2025133690000012.tif
37
85
(式中のmは1~10の整数、xは2~100の整数)
を0.2~40質量%含有してなる、前記樹脂組成物。
【請求項9】
前記部分構造におけるnが3である、以下の構造を有する化合物を含有してなる、請求項8に記載の樹脂組成物。
TIFF
2025133690000013.tif
27
114
【請求項10】
前記樹脂が、ポリイソソルビドカーボネートを主成分とするポリイソソルビドカーボネートである、請求項8又は9に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、糖由来のヘテロ縮合脂肪族環式多価アルコール誘導体であって、該糖由来のヘテロ縮合脂肪族環式多価アルコールを原料とする樹脂用可塑剤として有用な化合物、及び、種々の樹脂に当該化合物を配合してなる樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
高分子材料(プラスチック)は日常生活に欠かせないものとなっているが、その大部分は廃棄され、材料のリサイクル率は15%以下にとどまっている。持続可能な開発目標(SDGs)との関係でも、環境問題への対策が急がれる一方で、プラスチックに対する需要は依然として大きく、地球環境の保全とプラスチックの利用とを両立させる、新しいリサイクルシステムの開発が求められている。
【0003】
プラスチックのリサイクルプロセスとしては、主に、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルが挙げられ、現代のリサイクルでは、前者が大半を占めている。マテリアルリサイクルは、使用後のプラスチックを回収、加工して再利用する方法で、加工過程における異物の混入や分子量の減少により品質が低下することが課題である。これに対して、ケミカルリサイクルは、プラスチックを解重合により出発原料まで戻して再利用する方法であり、品質の低下などを回避できる利点がある。
【0004】
ポリカーボネートは、耐熱性、機械物性、溶融特性等の各種物性に優れた汎用高分子材料の一つであるが、上述のような環境問題への対応という一連の流れの中では、糖由来のジヒドロキシ化合物であるイソソルビドを用いて製造されるポリカーボネートが注目されている(特許文献1~5)。本発明者らは、糖由来の原料から合成されたポリカーボネート(ポリイソソルビドカーボネート)をアンモニアで分解することにより、当該ポリカーボネートを直接肥料に変換するリサイクルシステムを提案している(非特許文献1、2)。
【0005】
ポリイソソルビドカーボネートは、プラスチックを直接肥料に変換するというコンセプトを実証するには適切なポリマーではあるが、通常の製造方法により得られるものは脆く、これまで、異種モノマーとの共重合体とすることで物性のチューニングなどが試みられていたが、ポリマーの加工性等の改良のために可塑剤を利用する例はほとんど報告されていないなど、そのままで機能性材料として広く利用することには課題があった。
【0006】
一般に、高分子材料の柔軟性、加工性、延性等の諸物性の改質には、柔軟な異種高分子単量体との共重合や架橋剤による架橋など、種々の手段が存在している。この中で、可塑剤を利用した可塑化は、最も経済的かつ簡単な技術として知られている。例えば、汎用樹脂の代表例であるポリ塩化ビニルの場合には、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHPなどのフタル酸系の可塑剤が用いられることが多い。
【0007】
マトリックスを構成するポリ塩化ビニルに対して添加される可塑剤の配合割合を調整することにより、樹脂組成物の性状は、可塑剤を小割合で配合した場合の硬質材料から、樹脂と可塑剤をほぼ同量程度で配合した場合の軟質材料へと変化する。このように、マトリックスとなるポリマーが同じであっても、可塑剤の添加量の多寡に応じて、得られる樹脂組成物の材料物性を大きく変化させることができるのが、可塑剤添加による改質手段の大きな特徴である。
【0008】
市販されている可塑剤には多くの種類があるが、最も幅広く用いられている可塑剤としては、上述のフタル酸系可塑剤を挙げることができる。これらの可塑剤を用いることにより、相溶性、耐久性、経済性、加工性等の諸物性のバランスを良好なものとすることができる(特許文献6)。他方で、近年、環境負荷及び健康の観点から、一部のフタル酸エステルが使用規制の対象となっていることから、フタル酸系化合物の代替となり得る、低毒性の代替可塑剤の開発に注目が集まっている(特許文献7)。
【0009】
そのような代替可塑剤として、グリーンなバイオベースの再生可能資源、例えば、植物油、グリセロールエステル、脂肪酸、クエン酸エステル、カルダノール、乳酸、イソソルビド(ISB)、廃食用油、いずれもバイオベールであるジオール及びジカルボン酸由来の低分子量ポリエステル、桐油などの原料を用いて合成されるものを使用することが提案されている。特に、ISBは、キラルで剛直な分子構造をもつビス複素環式ジオールであり、熱安定性、生分解性、生体適合性に優れるという特徴を有していることから、バイオベースの可塑剤の原料として注目されている(特許文献8)。
【0010】
こうした背景の下、本発明者らは、ISBをモノマーとして用いて合成されるポリカーボネートであるポリイソソルビド(PIC)に対して大きな可塑効果を発揮する、ISBベースの新規可塑剤(ISB-TEG)を提案した(非特許文献3)。そして、この可塑剤は、その化学構造の類似性から、ポリイソソルビドカーボネート樹脂に対して良好な相溶性を発揮することが期待されるものであるが、可塑剤の効果が発揮されるマトリックスポリマーの種類をさらに広げることは、バイオベースの可塑剤利用の一層の推進に道を拓くものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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