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公開番号2025133190
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024030979
出願日2024-03-01
発明の名称架橋構造を有する脂肪族ポリカーボネートの製造方法
出願人国立大学法人千葉大学
代理人個人,個人,個人
主分類C08G 64/38 20060101AFI20250904BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐熱性等の機能性を改良でき、ケミカルリサイクルによって環境負荷の低減にも有用な、架橋構造を有する脂肪族ポリカーボネートの製造方法を提供する。
【解決手段】 環状アルキレンカーボネート単量体を、環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物の存在下で開環重合して、架橋構造を有する脂肪族ポリカーボネートを製造する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
環状アルキレンカーボネート単量体を、環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物の存在下で開環重合して、架橋構造を有する脂肪族ポリカーボネートを製造する方法。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
環状アルキレンカーボネート単量体は、トリメチレンカーボネートである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物は、ジ(トリメチロールプロパン)カーボネートである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
開環重合を光架橋反応により実施する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
環状アルキレンカーボネート単量体を、環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物の存在下で開環重合して製造される、架橋構造を有する脂肪族ポリカーボネートを、アンモニアで処理し、得られる分解生成物から、環状アルキレンカーボネート単量体の前駆体、環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物の前駆体及び尿素を回収する方法。
【請求項6】
環状アルキレンカーボネート単量体は、トリメチレンカーボネートである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物は、ジ(トリメチロールプロパン)カーボネートである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
開環重合を光架橋反応により実施する、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋構造を有する脂肪族ポリカーボネートを製造する方法、得られる架橋脂肪族ポリカーボネートをアンモニアにより分解する方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
高分子材料(プラスチック)は日常生活に欠かせないものとなっているが、その大部分は廃棄され、材料のリサイクル率は15%以下にとどまっている。持続可能な開発目標(SDGs)との関係でも、環境問題への対策が急がれる一方で、プラスチックに対する需要は依然として大きく、地球環境の保全とプラスチックの利用とを両立させる、新しいリサイクルシステムの開発が求められている。
【0003】
プラスチックのリサイクルプロセスとしては、主に、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルが挙げられ、現代のリサイクルでは、前者が大半を占めている。マテリアルリサイクルは、使用後のプラスチックを回収、加工して再利用する方法で、加工過程における異物の混入や分子量の減少により品質が低下することが課題である。これに対して、ケミカルリサイクルは、プラスチックを解重合により出発原料まで戻して再利用する方法であり、品質の低下などを回避できる利点がある。
【0004】
ポリカーボネートは、耐熱性、機械物性、溶融特性等の各種物性に優れた汎用高分子材料の一つであるが、上述のような環境問題への対応という一連の流れの中では、環境負荷の小さい脂肪族ポリカーボネートが注目されており(特許文献1~5)、環状アルキレンカーボネートの開環重合によるポリカーボネートの合成も行われている(特許文献6~7)。
また、本発明者らは、糖由来の原料から合成されたポリカーボネートをアンモニアで分解することにより、肥料に変換するリサイクルシステムを提案している(非特許文献1、2)。
【0005】
近年、3Dプリンター関連技術が多方面で注目されている。レーザー光を照射した部位を架橋させる光造形法が主流となっており、架橋していない部位は洗浄工程で除去される。このため、幅広い物性の制御が可能な光応答性高分子材料の開発も盛んに行われている。一方で、光応答性高分子は、ひとたび光架橋すると、不溶不融の3次元網目構造が形成されるため、架橋後の樹脂をリサイクルすることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-146019号公報
特開2009-046519号公報
特許第4351675号公報
特許第5708087号公報
特開2003-292603号公報
特表2012-522098号公報
特開2012-232909号公報
【非特許文献】
【0007】
“プラスチックを肥料に変換するリサイクルシステムを開発”、[online]、2021年10月28日公開、国立大学法人東京工業大学・国立研究開発法人科学技術振興機構、インターネット<URL:https://www.jst.go.jp/pr/announce/20211028/pdf/20211028.pdf>
Aoki et al., Green Chem., 2021, 23, 9030-9037
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような状況下、本発明者は、リサイクルが可能な代表的な高分子材料と考えられているポリカーボネートのうち、特に、脂肪族ポリカーボネートに注目し、架橋された場合でも分解によりリサイクルが可能な材料の開発ついて鋭意検討した結果、環状アルキレンカーボネート単量体を、環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物の存在下で開環重合して得られた脂肪族ポリカーボネートは、アンモニアで処理すると、原料化合物の前駆体及び尿素に分解できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、架橋構造を有する脂肪族ポリカーボネートの新規な製造方法、並びに、当該脂肪族ポリカーボネートをアンモニアで分解して、環状アルキレンカーボネート単量体の前駆体、環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物の前駆体及び尿素を回収する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]環状アルキレンカーボネート単量体を、環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物の存在下で開環重合して、架橋構造を有する脂肪族ポリカーボネートを製造する方法。
[2]環状アルキレンカーボネート単量体は、トリメチレンカーボネートである、前記[1]に記載の方法。
[3]環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物は、ジ(トリメチロールプロパン)カーボネートである、前記[2]に記載の方法。
[4]開環重合を光架橋反応により実施する、前記[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]環状アルキレンカーボネート単量体を、環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物の存在下で開環重合して製造される、架橋構造を有する脂肪族ポリカーボネートを、アンモニアで処理し、得られる分解生成物から、環状アルキレンカーボネート単量体の前駆体、環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物の前駆体及び尿素を回収する方法。
[6]環状アルキレンカーボネート単量体は、トリメチレンカーボネートである、前記[5]に記載の方法。
[7]環状アルキレンカーボネート構造を少なくとも2個有する化合物は、ジ(トリメチロールプロパン)カーボネートである、前記[6]に記載の方法。
[8]開環重合を光架橋反応により実施する、前記[5]~[7]のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、脂肪族ポリカーボネートを架橋することにより、用途に応じた物性のチューニングのほか、耐熱性などの機能性の改良が容易になる。
また、一般に、架橋されたポリマーを分解することは困難であるが、カーボネート結合を基本骨格とした本発明の脂肪族ポリカーボネートは、アンモニアによる分解が可能であり、3Dプリンターによる光造形法により光応答性高分子として得られるものも含めて、原料単量体及び架橋剤のケミカルリサイクルと尿素の回収につなげることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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