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公開番号2025139448
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024038392
出願日2024-03-12
発明の名称エポキシド類製造用触媒、及び、エポキシド類の製造方法
出願人国立大学法人千葉大学,株式会社日本触媒
代理人弁理士法人WisePlus
主分類B01J 23/04 20060101AFI20250918BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】耐久性に優れ、1,2-プロパンジオール等のグリコール類を原料としてエポキシド類を効率良く製造することができるエポキシド類製造用触媒、及び、上記触媒を用いたエポキシド類の製造方法を提供する。
【解決手段】グリコール類からエポキシド類を製造する反応に使用される触媒であって、該触媒は、アルカリ金属からなる第1成分と、ホウ素、アルミニウム、ジルコニウム及びランタンからなる群より選択される少なくとも一種の元素からなる第2成分とを含むことを特徴とするエポキシド類製造用触媒。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
グリコール類からエポキシド類を製造する反応に使用される触媒であって、
該触媒は、アルカリ金属からなる第1成分と、ホウ素、アルミニウム、ジルコニウム及びランタンからなる群より選択される少なくとも一種の元素からなる第2成分とを含むことを特徴とするエポキシド類製造用触媒。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記アルカリ金属は、カリウム又はセシウムを含むことを特徴とする請求項1に記載のエポキシド類製造用触媒。
【請求項3】
前記第1成分のモル数に対する、前記第2成分のモル数の比であるR値が、0.1~1.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシド類製造用触媒。
【請求項4】
前記第1成分及び前記第2成分が、担体に担持され、担持率が2~47質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシド類製造用触媒。
【請求項5】
エポキシド類を製造する方法であって、
該製造方法は、触媒存在下で、グリコール類からエポキシド類を生成する反応工程を含み、
該触媒は、アルカリ金属と、ホウ素、アルミニウム、ジルコニウム及びランタンからなる群より選択される少なくとも一種の元素とを含む
ことを特徴とするエポキシド類の製造方法。
【請求項6】
前記反応工程における反応は、気相脱水反応であることを特徴とする請求項5に記載のエポキシド類の製造方法。
【請求項7】
前記反応工程において、前記触媒の質量W(kg)と前記グリコール類のガス流量F(モル/秒)との比W/Fが、5kg・秒/モル以上、600kg・秒/モル以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載のエポキシド類の製造方法。
【請求項8】
前記反応工程における反応温度が、300℃以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載のエポキシド類の製造方法。
【請求項9】
前記グリコール類が直鎖炭化水素であることを特徴とする請求項5又は6に記載のエポキシド類の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシド類製造用触媒、及び、エポキシド類の製造方法に関する。詳しくは、グリコール類から効率良くエポキシド類を製造することができるエポキシド類製造用触媒、及び、エポキシド類の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止に向けた取組みが全世界的に活発に進められ、カーボンリサイクルの観点から各種化学品のバイオ化に注目が集まっている。グリセリンは、バイオディーゼル製造過程等で多量に副生され、比較的安価に入手でき、1,2-プロパンジオール等のグリコール類に誘導することが可能であり、これらのグリコール類も有用なバイオマス原料と考えられている。グリコール類を製造する方法として、グリセリンを出発原料とした製造方法以外にも、糖の水素化分解等による製造方法も提案されており、グリコール類は、将来的には安価なバイオマス原料として有用になると見込まれている。
【0003】
グリコール類をどのように脱水するかで異なる生成物が得られるが、その一つとして、グリコール類からエポキシド類を合成する方法が知られている。例えば、アルカリ金属リン酸塩の触媒上で1,2-グリコール流を加熱してエポキシドを製造する方法(例えば、特許文献1)、アルカリ金属ケイ酸塩の触媒上で1,2-グリコール流を加熱してエポキシドを製造する方法(特許文献2)や、アルカリ金属の酸化物と2価の陽イオンの酸化物とケイ酸との複合塩を含む触媒を用いる方法(特許文献3)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭59-170082号公報
特開昭59-170083号公報
特開2014-83473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の触媒を用いた方法では、グリコール類からエポキシド類への転化率が低く、エポキシド類の収率が未だ低いという問題があった。また、従来の触媒は、耐久性に乏しく、実用性が低いという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みて、耐久性に優れ、1,2-プロパンジオール等のグリコール類を原料としてエポキシド類を効率良く製造することができるエポキシド類製造用触媒、及び、上記触媒を用いたエポキシド類の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく、グリコール類からエポキシド類を生成する反応において使用する触媒について種々検討したところ、アルカリ金属と、ホウ素、アルミニウム、ジルコニウム及びランタンからなる群より選択される少なくとも一種の元素とを含むことにより、エポキシド類の収率を向上させることができ、しかも耐久性にも優れた触媒となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記の態様の発明を提供する。
<1>グリコール類からエポキシド類を製造する反応に使用される触媒であって、該触媒は、アルカリ金属からなる第1成分と、ホウ素、アルミニウム、ジルコニウム及びランタンからなる群より選択される少なくとも一種の元素からなる第2成分とを含むことを特徴とするエポキシド類製造用触媒。
<2>上記アルカリ金属は、カリウム又はセシウムを含むことを特徴とする上記<1>に記載のエポキシド類製造用触媒。
<3>上記第1成分のモル数に対する、上記第2成分のモル数の比であるR値が、0.1~1.5であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のエポキシド類製造用触媒。
<4>上記第1成分及び上記第2成分が、担体に担持され、担持率が2~47質量%であることを特徴とする上記<1>~<3>のいずれかに記載のエポキシド類製造用触媒。
<5>エポキシド類を製造する方法であって、該製造方法は、触媒存在下で、グリコール類からエポキシド類を生成する反応工程を含み、該触媒は、アルカリ金属と、ホウ素、アルミニウム、ジルコニウム及びランタンからなる群より選択される少なくとも一種の元素とを含むことを特徴とするエポキシド類の製造方法。
<6>上記反応工程における反応は、気相脱水反応であることを特徴とする上記<5>に記載のエポキシド類の製造方法。
<7>上記反応工程において、前記触媒の質量W(kg)と前記グリコール類のガス流量F(モル/秒)との比W/Fが、5kg・秒/モル以上、600kg・秒/モル以下であることを特徴とする上記<5>又は<6>に記載のエポキシド類の製造方法。
<8>上記反応工程における反応温度が、300℃以上であることを特徴とする上記<5>~<7>のいずれかに記載のエポキシド類の製造方法。
<9>上記グリコール類が直鎖炭化水素であることを特徴とする上記<5>~<8>のいずれかに記載のエポキシド類の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のエポキシド類製造用触媒は、耐久性に優れ、グリコール類からエポキシド類を効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、触媒A~Jを用いた場合の1,2-プロパンジオール転化率、プロピレンオキサイド選択率、及び、プロピレンオキサイド収率を表すグラフである。
図2は、触媒の担持率と、1,2-プロパンジオール転化率、プロピレンオキサイド選択率、プロピレンオキサイド収率との関係を表すグラフである。
図3は、触媒のR値と、1,2-プロパンジオール転化率、プロピレンオキサイド選択率、プロピレンオキサイド収率との関係を表すグラフである。
図4は、触媒A、H、Iの反応初期の触媒活性に対する反応5時間後の触媒活性の比率を表すグラフである。
図5は、反応温度と1,2-プロパンジオール転化率、プロピレンオキサイド選択率、及びプロピレンオキサイド収率との関係を表すグラフである。
図6は、原料グリコールの直鎖炭素数と、原料グリコールの転化率、各原料グリコールの直鎖炭素数に応じたエポキシド類の選択率及び収率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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