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公開番号
2024158366
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073515
出願日
2023-04-27
発明の名称
転がり軸受用グリース組成物
出願人
トヨタ自動車株式会社
,
株式会社ジェイテクト
,
協同油脂株式会社
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C10M
169/06 20060101AFI20241031BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】本発明は、高い耐久寿命を有する転がり軸受用グリース組成物を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、基油、増ちょう剤及び添加剤を含み、該添加剤が、カーボンブラック、ポリテトラフルオロエチレン及びポリエチレンワックスを必須成分として含む、転がり軸受用グリース組成物に関する。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
基油、増ちょう剤及び添加剤を含み、該添加剤が、カーボンブラック、ポリテトラフルオロエチレン及びポリエチレンワックスを必須成分として含む、転がり軸受用グリース組成物。
続きを表示(約 900 文字)
【請求項2】
前記増ちょう剤の含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して2から15質量%の範囲である、請求項1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
【請求項3】
前記カーボンブラックの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して0.1から10質量%の範囲であり、
前記ポリテトラフルオロエチレンの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して1から20質量%の範囲である、請求項1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
【請求項4】
前記基油が、合成油を含み、前記合成油は、合成炭化水素油及びエステル系油からなる混合油であり、
前記エステル系油の含有量が、前記混合油の総質量に対して5から15質量%の範囲であり、
前記増ちょう剤が、ウレア基を有する化合物を含み、
前記増ちょう剤の含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して2から15質量%の範囲であり、
前記添加剤が、リン系化合物及びカルシウム系化合物をさらに含み、
前記リン系化合物は、アミンホスフェートであり、前記アミンホスフェートの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して0.05から5質量%の範囲であり、
前記カルシウム系化合物は、過塩基性カルシウムスルホネートであり、前記過塩基性カルシウムスルホネートの塩基価が、50から500 mgKOH/gの範囲であり、前記過塩基性カルシウムスルホネートの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して0.05から5質量%の範囲であり、
前記カーボンブラックの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して0.1から10質量%の範囲であり、
前記ポリテトラフルオロエチレンの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して1から20質量%の範囲である、
請求項1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
【請求項5】
光干渉法弾性流体潤滑(EHL)測定システムによって測定した、10 mm/sでの油膜厚さが120 nm以上である、請求項1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受用グリース組成物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両においては、車輪部のような可動部分に多くの転がり軸受が使用される。転がり軸受では、軌道面と転動体との間にグリースが充填される。軌道面と転動体との間に充填されたグリースは油膜を形成し、軌道面と転動体との間の非接触状態を保持する。
【0003】
例えば、特許文献1は、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記外輪と前記内輪との間に形成され前記転動体が内設された空間に充填された導電性グリースと、を備えた転がり軸受において、前記導電性グリースは、基油と、シリコン化合物及びフッ素化合物の少なくとも一方からなる増ちょう剤と、0.2~10質量%のカーボンブラックと、を備えることを特徴とする転がり軸受を記載する。
【0004】
特許文献2は、基油と、カーボンブラックを含む添加剤とを含有する、自動車の操縦安定性を向上させるための潤滑剤を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-250353号公報
特開2020-117696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グリース組成物を転がり軸受に適用すると、軌道面と転動体との間に形成された油膜が軌道面と転動体との間の非接触状態を保持する。しかしながら、転がり軸受の使用に伴い、グリース組成物の付着性が低下し、転動体の回転によって初期の充填状態からグリース組成物が避けられる現象(グリースのチャネリング)が起きることが知られている。チャネリングが発生すると、最終的に軌道面及び転動体が接触し、損傷が発生する。このため、転がり軸受を長期に亘って使用するために、グリース組成物の耐久寿命の向上が必要とされた。
【0007】
それ故、本発明は、高い耐久寿命を有する転がり軸受用グリース組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した。本発明者らは、カーボンブラック、ポリテトラフルオロエチレン及びポリエチレンワックスを添加剤として含むグリース組成物は、転がり軸受に適用すると高い耐久寿命を発揮することを見出した。本発明者らは、前記知見に基づき、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の態様及び実施形態を包含する。
(実施形態1) 基油、増ちょう剤及び添加剤を含み、該添加剤が、カーボンブラック、ポリテトラフルオロエチレン及びポリエチレンワックスを必須成分として含む、転がり軸受用グリース組成物。
(実施形態2) 前記増ちょう剤の含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して2から15質量%の範囲である、前記実施形態1に記載の転がり軸受用グリース組成物。
(実施形態3) 前記カーボンブラックの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して0.1から10質量%の範囲であり、
前記ポリテトラフルオロエチレンの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して1から20質量%の範囲である、前記実施形態1又は2に記載の転がり軸受用グリース組成物。
(実施形態4) 前記基油が、合成油を含み、前記合成油は、合成炭化水素油及びエステル系油からなる混合油であり、
前記エステル系油の含有量が、前記混合油の総質量に対して5から15質量%の範囲であり、
前記増ちょう剤が、ウレア基を有する化合物を含み、
前記増ちょう剤の含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して2から15質量%の範囲であり、
前記添加剤が、リン系化合物及びカルシウム系化合物をさらに含み、
前記リン系化合物は、アミンホスフェートであり、前記アミンホスフェートの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して0.05から5質量%の範囲であり、
前記カルシウム系化合物は、過塩基性カルシウムスルホネートであり、前記過塩基性カルシウムスルホネートの塩基価が、50から500 mgKOH/gの範囲であり、前記過塩基性カルシウムスルホネートの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して0.05から5質量%の範囲であり、
前記カーボンブラックの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して0.1から10質量%の範囲であり、
前記ポリテトラフルオロエチレンの含有量が、前記グリース組成物の総質量に対して1から20質量%の範囲である、
前記実施形態1から3のいずれかに記載の転がり軸受用グリース組成物。
(実施形態5) 光干渉法弾性流体潤滑(EHL)測定システムによって測定した、10 mm/sでの油膜厚さが120 nm以上である、前記実施形態1から4のいずれかに記載の転がり軸受用グリース組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、高い耐久寿命を有する転がり軸受用グリース組成物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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