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公開番号2024161054
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2024140969,2020044915
出願日2024-08-22,2020-03-16
発明の名称インク、インクジェット印刷方法及び印刷メディア
出願人日本化薬株式会社
代理人
主分類C09D 11/023 20140101AFI20241108BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】
インク非・難吸収性メディア上での濡れ広がりが良好で、保存期間に係らず色間にじみが悪化せず、且つ、印刷画像の粒状性が極めて少ない印刷画像の提供を可能にするインク、そのインクを用いるインクジェット印刷方法、及びそのインクが付着した印刷メディアの提供。
【解決手段】
水不溶性の着色剤、分散剤、下記式(1)で表され、HLB値が5.0~13.0のノニオン界面活性剤、及び、水を含有するインク。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024161054000020.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">12</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image> (式(1)中、
RはC6-C20の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、
EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表す。EO及びPOの並び順は任意である。
mはエチレンオキシ基の数を、nはプロピレンオキシ基の数を、それぞれ表し、mは1~20、nは0~5である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水不溶性の着色剤、分散剤、下記式(1)で表され、HLB値が5.0~13.0のノニオン界面活性剤、及び、水を含有するインク。
TIFF
2024161054000018.tif
12
170
(式(1)中、
RはC6-C20の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、
EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表す。EO及びPOの並び順は任意である。
mはエチレンオキシ基の数を、nはプロピレンオキシ基の数を、それぞれ表し、mは1~20、nは0~5である。)
また、上記のHLB値は、以下のようにして算出する。
[HLB値の算出方法]
ノニオン界面活性剤0.5gをエタノール10mLに溶解させて溶液を得る。得られた溶液を25℃で撹拌し、この溶液に2質量%フェノール水溶液を滴下し、液が混濁したところを終点とする。終点までに要した2質量%フェノール水溶液の量がQ(mL)のとき、下記式(2)によってHLB値を算出する。
TIFF
2024161054000019.tif
12
170
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
さらに、グリコールエーテル、及びC4-C12アルカンジオールから選択される少なくとも1種類を含有する請求項1に記載のインク。
【請求項3】
さらに、バインダーを含有する請求項1又は2に記載のインク。
【請求項4】
上記バインダーがワックス、及び(メタ)アクリル酸系ポリマーから選択される少なくとも1種類を含有する請求項3に記載のインク
【請求項5】
上記ワックスがポリアルキレンワックス、酸化ポリアルキレンワックス、及びパラフィ
ンワックスから選択される1種類以上である、請求項4に記載のインク。
【請求項6】
上記ワックスが酸化ポリエチレンワックスである、請求項4又は5に記載のインク。
【請求項7】
上記(メタ)アクリル酸系ポリマーがC1-C4アルキルメタクリレート、C6-C10アルキルアクリレート、メタクリル酸、及びアリルメタクリレートの4種類のモノマーから構成される(メタ)アクリル酸系ポリマーである、請求項4に記載のインク。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のインクの液滴を、インクジェットプリンタから吐出させ、印刷メディアに付着させることにより印刷を行うインクジェット印刷方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載のインクが付着した印刷メディア。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は水性インク、そのインクを用いるインクジェット印刷方法、及びそのインクが付着した印刷メディアに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
各種のカラー印刷方法の中でも代表的方法の1つであるインクジェットプリンタによる印刷方法は、インクの小滴を発生させ、これを紙等の印刷メディアに付着させ印刷を行うものである。近年では産業用途としての需要が高まり、様々な印刷メディアに対して印刷ができるインクが求められている。
【0003】
印刷メディアの中でも、インク非吸収性メディア、及び、インク難吸収性メディア(以下、「インク非・難吸収メディア」ということがある。)に対しては、メディア上での濡れ広がりが良好なインクが要望されている。メディア上での濡れ広がりがよいと、同じ量のインク滴を使用したときに着色できる面積が広くなる(換言すると、インクのドット径が大きくなる)ため、インクの消費量を抑えることができるためである。しかし、インク非・難吸収メディアは、インクの吸収性が悪いメディアである。このため、インクがメディア中にしみ込みにくく、インク吸収性メディアと比較して、インクの濡れ広がりが悪いことから、一般的にインクのドット径が小さくなる。この理由から、その改善が要望されている。
また、カラー印刷を行うときは、複数の色からなるインクセットが使用される。そのようなインクセットを使用してカラー印刷を行うときに、第1の色のインクの着弾位置と、第2の色のインクの着弾位置とが印刷メディア上で隣り合うことによって、第1の色と、第2の色との色間において、にじみが発生する場合のあることが知られている。この「色間のにじみ」は、印刷品質を著しく悪化させる要因の1つである。このため、この色間のにじみの解消が求められ、これを解決するためのインクセットも提案されている。
しかし、この色間のにじみの問題は、さらに複雑な要因を含むことが分かってきた。すなわち、印刷の初期においては、いずれも製造されてから間もない(換言すると、いずれも新しい)第1の色のインクと第2の色のインクとを併用して印刷を行うことができる。このため、色間のにじみに配慮したインクセットを選択して使用することにより、色間のにじみのない、高品質な印刷を行うことができる。
しかし、印刷が継続して行われるようになると、インクの色の種類により、それぞれのインクの消費量は異なってくる。このため、消費量の多いインクは、インクが無くなれば、新しいインクに置き換えられていく。一方、消費量の少ないインクは、最初に使用していたインクが、そのまま無くなるまで継続して使用される(換言すると、新しいインクと、古いインクとが併用される)ことになる。このため、消費量の多いインクと、消費量の少ないインクとでは、インクの保存期間において、数カ月~1年程度の差が生じることがある。このように、保存期間が異なるインクを併用して印刷したときに、各インク自体の保存安定性(吐出性、平均粒子径、粘度、pH等の様々な物性値)には大きな変化がないにもかかわらず、色間のにじみが悪化して、印刷画質が低下することがあり、その解決が要望されている。
さらに、印刷画質に関しては、粒状性ができるだけ少ないことが要求される。水不溶性の着色剤を含有するインクは、インク自体が不均一な状態(溶液の状態ではなく、分散液の状態)にある。そのような不均一な状態のインクで印刷メディアにベタ印刷を行うと、印刷画像に濃淡の「粒」が散在しているように見え、均一な画像に見えないことがある。そのような印刷画像は「粒状性が認められる」と評価され、印刷品質を著しく悪化させる要因の1つである。このため、粒状性ができるだけ少ない印刷画像が得られるインクが、強く要望されている。
【0004】
特許文献1~5には、水性のインクジェットインク、及びそれを用いるインクジェット記録方法等が記載されている。
特開2016-044188号公報
特開2014-139004号公報
特開2007-162006号公報
国際公開2011/136000号
特開2014-210876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インク非・難吸収性メディア上での濡れ広がりが良好で、保存期間に係らず色間にじみが悪化せず、且つ、粒状性が極めて少ない印刷画像の提供を可能にするインク、そのインクを用いるインクジェット印刷方法、及びそのインクが付着した印刷メディアの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記[1]~[9]に記載の発明により、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明は以下の[1]~[9]に関する。
[1]
水不溶性の着色剤、分散剤、下記式(1)で表され、HLB値が5.0~13.0のノニオン界面活性剤、及び、水を含有するインク。
【0008】
TIFF
2024161054000001.tif
12
170
【0009】
(式(1)中、
RはC6-C20の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、
EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表す。EO及びPOの並び順は任意である。
mはエチレンオキシ基の数を、nはプロピレンオキシ基の数を、それぞれ表し、mは1~20、nは0~5である。)
また、上記のHLB値は、以下のようにして算出する。
[HLB値の算出方法]
ノニオン界面活性剤0.5gをエタノール10mLに溶解させて溶液を得る。得られた溶液を25℃で撹拌し、この溶液に2質量%フェノール水溶液を滴下し、液が混濁したところを終点とする。終点までに要した2質量%フェノール水溶液の量がQ(mL)のとき、下記式(2)によってHLB値を算出する。
【0010】
TIFF
2024161054000002.tif
12
170
(【0011】以降は省略されています)

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