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公開番号
2024106776
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-08
出願番号
2023011211
出願日
2023-01-27
発明の名称
クリアインク組成物
出願人
株式会社日本触媒
代理人
主分類
C09D
11/30 20140101AFI20240801BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】本発明は、段ボールなどの凹凸を有する紙基材上に用いた際に、耐擦過性が良好な塗膜を形成可能であり、貯蔵安定性およびインクジェット印刷時の吐出安定性が良好なクリアインク組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
アクリル重合体を含む樹脂粒子(A)、ポリオレフィン系ワックスエマルション粒子(B)と水を含み、前記ポリオレフィン系ワックスエマルション(B)不揮発分1gあたりの1μm以上の粒子体積濃度が800×10
6
μl/g未満である、段ボール印刷用のインクジェットクリアインク組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
アクリル重合体を含む樹脂粒子(A)、ポリオレフィン系ワックスエマルション粒子(B)と水を含み、前記ポリオレフィン系ワックスエマルション(B)不揮発分1gあたりの1μm以上の粒子体積濃度が800×10
6
μl/g未満である、段ボール印刷用のインクジェットクリアインク組成物。
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
前記クリアインク組成物100質量部における前記アクリル重合体を含む樹脂粒子(A)とポリオレフィン系ワックスエマルション粒子(B)の含有量が10質量部以上である、請求項1記載の段ボール印刷用のインクジェットクリアインク組成物。
【請求項3】
前記アクリル重合体を含む樹脂粒子(A)のガラス転移温度(Tg(A))と、ポリオレフィン系ワックスエマルション粒子(B)のガラス転移温度(Tg(B))が下記数式1を満たす、請求項1記載の段ボール印刷用のインクジェットクリアインク組成物。
TIFF
2024106776000005.tif
7
84
【請求項4】
前記アクリル重合体を含む樹脂粒子(A)の酸価が50mgKOH/g以下である、請求項1記載の段ボール印刷用のインクジェットクリアインク組成物。
【請求項5】
更に水溶性有機溶剤を含む、請求項1記載の段ボール印刷用のインクジェットクリアインク組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリアインク組成物に関する。本発明のクリアインク組成物は、段ボールなどの凹凸を有する紙基材へ好適に使用することができる。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
広告、看板等の産業用途、食品、飲料、日用品等の包装材料において、色材を含むカラーインクの保護を目的にクリアインクが用いられている。
例えば特許文献1では、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体及び/又はメタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体と、中和剤と、プロピレングリコールと、溶媒とを含む
インクジェット用オーバーコート組成物が、記録媒体に印刷された画像に対して、耐擦過性及び耐摩耗性を向上させると共に、その転写を防止又は低減させることが可能なインクジェット用オーバーコート組成物及び印刷物を提供できることが記載されている。
また、特許文献2では、第1のポリウレタン樹脂と第1のポリマー微粒子を含むカラーインクと、第2のポリウレタン樹脂と第2のポリマー微粒子とを含むクリアインクのインクジェット記録用インクセットが、非吸水性または低吸水性の記録媒体においても、定着性に優れ、望まない転写が抑制された記録物を得ることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-70416号
特開2013-64082号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、包装容器業界では地球環境保護、資源の節約、リサイクルおよび廃棄の簡便さから紙をベースにしたパッケージが注目されている。紙製の包装材として用いられることが多い段ボールシへの印刷を行う印刷機としては、一般に、フレキソ印刷機が用いられてきたものの、フレキソ印刷機を使用して段ボールに対する印刷を行なうと、オーダーチェンジのたびに、印版やインキなどを交換する必要があり、少量の印刷枚数の場合には印刷効率が悪いことから、印版を用いずに、画像のデジタルデータから直接印刷を行なうデジタル印刷機を使用することを試みた。
しかしながら特許文献1または特許文献1記載のクリアインク組成物では、段ボール基材へ印刷した際の耐擦過性が不足することが判明した。
また、段ボールは他の基材に比べ凹凸を有することから、塗膜の均一性がより求められ、塗膜の均一性向上を目的にクリアインクにおける樹脂の固形分(不揮発分ともいう)を増加したところ、特許文献2記載のポリウレタン樹脂とポリマー微粒子(特にポリオレフィンワックス粒子)を含むインク組成物においてはインクジェット印刷における吐出安定性と、インク組成物としての貯蔵安定性に課題があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、上記のような問題点に鑑み検討を行い、アクリル重合体を含む樹脂粒子(A)、ポリオレフィン系ワックスエマルション粒子(B)と水を含み、前記ポリオレフィン系ワックスエマルション(B)不揮発分1gあたりの1μm以上の粒子体積濃度が800×10
6
μl/g未満である、段ボール印刷用のインクジェットクリアインク組成物が、段ボールなどの凹凸を有する紙基材上に用いた際に、耐擦過性が良好な塗膜を形成可能であり、貯蔵安定性およびインクジェット印刷時の吐出安定性が良好なクリアインク組成物を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、段ボールなどの凹凸を有する紙基材上に用いた際に、耐擦過性が良好な塗膜を形成可能であり、貯蔵安定性およびインクジェット印刷時の吐出安定性が良好なクリアインク組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明のクリアインク組成物は、段ボール印刷に用いるクリアインク組成物である。
本開示のクリアインク組成物は、アクリル重合体を含む樹脂粒子(A)と、ポリオレフィン系ワックスエマルション粒子(B)と水を含み、前記ポリオレフィン系ワックスエマルション(B)不揮発分1gあたりの1μm以上の粒子体積濃度が800×10
6
μl/g未満であることを特徴としている。
【0008】
<アクリル重合体を含む樹脂粒子(A)>
本開示のアクリル重合体を含む樹脂粒子(A)としては、水性溶剤を含む水性分散体であることが好ましく、アクリル重合体を含む樹脂エマルションであることが好ましい。
なお本明細書では重合体をポリマーと言うことも有る。
本開示のアクリル重合体としては、メタクリロイル基及び/又はアクリロイル基を有する単量体由来の構造単位を有する重合体を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」または「メタクリロイル」を意味する。
本明細書における「単量体由来の構造単位」とは、単量体に含まれる不飽和結合の少なくとも1つが、炭素炭素単結合などの飽和結合に置き換わった構造を有する構造単位をいう。
【0009】
本開示のアクリル重合体は、メタクリロイル基及び/又はアクリロイル基を有する単量体由来の構造単位を有する。
本開示のメタクリロイル基及び/又はアクリロイル基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、ピペリジン基含有(メタ)アクリレート、オキソ基含有(メタ)アクリレート、フッ素原子含有(メタ)アクリレート、窒素原子含有(メタ)アクリレート、エポキシ基含有(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、シラン基含有(メタ)アクリレート、カルボニル基含有(メタ)アクリレート、アジリジニル基含有(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本開示のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が1~18のアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルキル(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0010】
本開示の水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が1~18の水酸基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水酸基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本開示のピペリジン基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイル-1-メトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンなどが挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのピペリジン基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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