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公開番号
2024147407
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-16
出願番号
2023060397
出願日
2023-04-03
発明の名称
ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂
出願人
株式会社日本触媒
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C08F
20/06 20060101AFI20241008BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】吸収体全面で効率良く液を吸収し、かつ吸収速度に優れることにより、吸水性樹脂及び透水性基材を備える吸収性物品の吸収面全面での液戻り量を低減し、液保持性に優れた吸水性樹脂を提供する。
【解決手段】粒子状のポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂であって、SAP移動度が10質量%以上である、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂により、前記課題を解決する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
粒子状のポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂であって、
下記(1)~(4)の手順により決定されるSAP移動度が10質量%以上である、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂:
(1)45度に傾斜した面を有するアクリル樹脂製の傾斜台の傾斜面に、4cm×12cmの長方形に切り取った不織布を、その長手方向が前記傾斜台の幅方向に対して垂直になる向きに貼り付ける
ここで、前記不織布は、厚み3mm、目付量41g/m
2
であり、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートの混合物製のエアスルー不織布であり、ポリエチレンの繊維径及びポリプロピレンの繊維径は0.18mm、ポリエチレンテレフタレートの繊維径は0.27mmである;
(2)前記不織布の最上辺から1cm下であって、前記不織布の最上辺に垂直な辺から2cm内側の位置に印を付け、前記印に対して鉛直上向き1cmの高さから、前記吸水性樹脂1.0gを5秒かけて投下する;
(3)前記不織布上又は前記不織布内を移動して滑り落ち、前記傾斜台の最下部に設置した受け皿に落下した前記吸水性樹脂を回収し、その質量を計測する;
(4)下記式(1)に従い、SAP移動度を算出する
SAP移動度[質量%]=回収した吸水性樹脂の質量[g]/投下した吸水性樹脂の全質量[g]×100・・・式(1)。
続きを表示(約 220 文字)
【請求項2】
水不溶性無機微粒子を含む、請求項1に記載のポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂。
【請求項3】
前記水不溶性無機微粒子の比表面積が100m
2
/g未満である、請求項2に記載のポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂。
【請求項4】
ボルテックス法による吸水速度が35秒未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸水性樹脂に関する。より具体的には、本発明は、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料には、体液吸収の観点から、その構成材に、吸水性樹脂が、吸水剤として幅広く利用されている。このような吸水性樹脂としては、例えば、澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉-アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物、(メタ)アクリル酸部分中和物重合体の架橋物等が知られている。これらの中でも、吸水性能の観点から、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩を単量体の主成分として用いたポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂が、工業的に最も多く生産されている。
【0003】
かかるポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂に望まれる特性を示すパラメーターとしては、無加圧下吸水倍率(CRC)、加圧下吸水倍率(AAP)、吸水速度(FSR/vortex)、無加圧下通液性、加圧下通液性、耐衝撃性、耐尿性、流動性、ゲル強度、耐着色性、粒度等多くのパラメーターが知られている。更に、同じパラメーター、例えば、無加圧下吸水倍率の中でも種々の観点から、数多くのパラメーター測定法が提案されている。これら数多くの特性に着目して開発されてきた吸水性樹脂は、前記数多くの特性(例えば、「無加圧下吸水倍率(CRC)」や「加圧下吸水倍率(AAP)」等)をコントロールしても、未だ紙オムツ等の吸収体に用いて実使用した場合には、十分な性能を発揮しているとは言い難いという問題があった。
【0004】
紙オムツ等の吸収体に用いて実使用した場合にも、吸水性樹脂が優れた性能を発揮する技術として、例えば、特許文献1には、液を素早く吸収し、高い液拡散性を維持すると共に、単位重量当たりの吸収量を保持する等の優れた性能を示すという課題を解決する吸収剤組成物として、ポリアクリル酸塩の架橋重合体である吸水性樹脂を含む吸収剤組成物であって、吸水性樹脂に対して所定量の非晶質二酸化ケイ素、及び/又は所定量の重量平均分子量5,000以上のポリアミン化合物を含み、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液の拡散吸収指数が1.5g/g・min以上であり、20g/cm
2
の荷重下における、吸収開始から60分経過後の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液の拡散吸収倍率が25g/g以上である吸収剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-142808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような従来技術は、液を素早く吸収し、高い液拡散性を維持する吸収剤組成物を提供するものであるが、吸水性樹脂及び透水性基材を備える紙オムツ等の吸収性物品に使用した際、その効果は依然十分ではなく、特に、吸収性物品の吸収面全面での液戻り量の低減の観点において、改善の余地があった。
【0007】
本発明の一態様は、吸水性樹脂及び透水性基材を備える吸収性物品の吸収体全面で効率良く液を吸収できることにより、吸収性物品の吸収面全面での液戻り量を低減することができる吸水性樹脂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、下記の吸水性樹脂を提供する。
【0009】
〔1〕粒子状のポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂であって、
下記(1)~(4)の手順により決定されるSAP移動度が10質量%以上である、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂:
(1)45度に傾斜した面を有するアクリル樹脂製の傾斜台の傾斜面に、4cm×12cmの長方形に切り取った不織布を、その長手方向が前記傾斜台の幅方向に対して垂直になる向きに貼り付ける
ここで、前記不織布は、厚み3mm、目付量41g/m
2
であり、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートの混合物製のエアスルー不織布であり、ポリエチレンの繊維径及びポリプロピレンの繊維径は0.18mm、ポリエチレンテレフタレートの繊維径は0.27mmである;
(2)前記不織布の最上辺から1cm下であって、前記不織布の最上辺に垂直な辺から2cm内側の位置に印を付け、前記印に対して鉛直上向き1cmの高さから、前記吸水性樹脂1.0gを5秒かけて投下する;
(3)前記不織布上又は前記不織布内を移動して滑り落ち、前記傾斜台の最下部に設置した受け皿に落下した前記吸水性樹脂を回収し、その質量を計測する;
(4)下記式(1)に従い、SAP移動度を算出する
SAP移動度[質量%]=回収した吸水性樹脂の質量[g]/投下した吸水性樹脂の全質量[g]×100・・・式(1)。
【0010】
〔2〕水不溶性無機微粒子を含む、〔1〕に記載のポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂。
(【0011】以降は省略されています)
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