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公開番号
2024143065
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023055549
出願日
2023-03-30
発明の名称
環状酸無水物の混合物、硬化性樹脂組成物、およびこれらの硬化物
出願人
日本化薬株式会社
代理人
主分類
C07D
307/77 20060101AFI20241003BHJP(有機化学)
要約
【課題】耐熱性、寸法安定性に優れる環状酸無水物の混合物、硬化性樹脂組成物、及び当該環状酸無水物の混合物の製造方法を提供する。
【解決手段】1,3-p-メンタジエンと無水マレイン酸と溶剤とを40~80℃にて反応したのち、溶剤を濃縮することで得られる、ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物の混合物であって、80℃で溶解させた後、10℃で静置してから結晶化するまでの時間が0.1~1.5時間である混合物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(A-a)で表される環状酸無水物と、下記式(A-b)で表される環状酸無水物と、下記式(A-c)で表される環状酸無水物とからなる環状酸無水物の混合物であって、
前記環状酸無水物の混合物をガスクロマトグラフィー分析した際の前記式(A-a)~(A-c)で表される環状酸無水物のピーク面積の総和を100%としたとき、前記式(A-a)で表される環状酸無水物のピーク面積が0.1%以上1.0%以下であり、前記式(A-b)で表される環状酸無水物のピーク面積が98.0%以上99.0%以下であり、前記式(A-c)で表される環状酸無水物のピーク面積が0.1%以上1.0%以下である環状酸無水物の混合物。
TIFF
2024143065000005.tif
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続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
80℃で溶解させた後、10℃で静置してから結晶化するまでの時間が0.1~1.5時間である請求項1に記載の環状酸無水物の混合物。
【請求項3】
ペレット状、粒状、またはマーブル状である請求項1に記載の環状酸無水物の混合物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の環状酸無水物の混合物とエポキシ樹脂と硬化促進剤とを含む硬化性樹脂組成物
【請求項5】
請求項4に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
【請求項6】
請求項4に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる炭素繊維強化複合材料。
【請求項7】
1,3-p-メンタジエンと無水マレイン酸と溶剤とを40~80℃にて反応したのち、溶剤を濃縮することで得られる請求項1から3のいずれか一項に記載の環状酸無水物の混合物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状酸無水物の混合物、硬化性樹脂組成物、およびこれらの硬化物に関するものであり、半導体封止材、プリント配線板、ビルドアップ積層板などの電気・電子部品、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチックなどの軽量高強度材料、3Dプリンティング用途、接着剤の分野で好適に使用される。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は、機械強度、耐熱性、接着性、及びガスバリア性等に優れることから、様々な分野で広く使用されている。従来、エポキシ樹脂の硬化剤として酸無水物が有効であることはよく知られており、酸無水物は、アミン系硬化剤と比較して毒性や臭気が少ない事、硬化時の発熱や体積収縮が小さい事等の理由から、小型注型、大型注型、含浸成形、紛体塗料等の用途で使用されてきた。
【0003】
エポキシ樹脂や酸無水物などの硬化剤は、その原料としては石油由来のものが多く使用されてきたが、近年、石油資源の枯渇が懸念されてきており、多くの材料で植物等の再生可能資源の利用や硬化物を分解することによる再利用方法が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭55-118920号公報
特開平01-167326号公報
特開平07-018059号公報
特開2014-025036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1から4は植物等の再生可能資源として1,3-p-メンタジエンと無水マレイン酸を付加反応させることで合成した1-イソプロピル-4-メチル-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物について記載している。そこで、本願出願人はこれらの文献に記載の方法で、1-イソプロピル-4-メチル-ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物を製造したところ、結晶化速度が遅いことが確認された。
【0006】
結晶化速度が遅い場合、一般には、液状のまま一旦ドラムなどの容器に受けて、時間をかけて結晶化した後、ドラムなどの容器の外からハンマーなどで砕くか、または使用時にオーブンなどで加温・溶解してから使用することになる。そのため、ハンドリング性が非常に悪い。
【0007】
一方、結晶化速度が速い場合は、ペレット状、粒状、またはマーブル状に加工することが可能となり、ハンドリング性が大幅に向上する。また、結晶化速度が速い早い場合は、粒状、またはマーブル状の形状に加工するときに、液滴をコンベアに落としてコンベア輸送中で冷却する製法を可能とする。
【0008】
また、上記酸無水物を有する硬化性樹脂組成物においては硬化物の耐熱性(Tg)が低く、かつ線膨張係数が大きいため、硬化後に金型から取り出して室温に冷やす際に熱収縮が生じてしまうといった課題を有することが明らかとなった。そのため、炭素繊維強化複合材料に用いるためには、熱安定性・寸法安定性を高くする必要があった。
【0009】
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、耐熱性、寸法安定性に優れる環状酸無水物の混合物、硬化性樹脂組成物、及び当該環状酸無水物の混合物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明は、以下の[1]~[7]に示すものである。なお、本発明において「(数値1)~(数値2)」は上下限値を含むことを示す。
[1]
下記式(A-a)で表される環状酸無水物と、下記式(A-b)で表される環状酸無水物と、下記式(A-c)で表される環状酸無水物とからなる環状酸無水物の混合物であって、
前記環状酸無水物の混合物をガスクロマトグラフィー分析した際の前記式(A-a)~(A-c)で表される環状酸無水物のピーク面積の総和を100%としたとき、前記式(A-a)で表される環状酸無水物のピーク面積が0.1%以上1.0%以下であり、前記式(A-b)で表される環状酸無水物のピーク面積が98.0%以上99.0%以下であり、前記式(A-c)で表される環状酸無水物のピーク面積が0.1%以上1.0%以下である環状酸無水物の混合物。
(【0011】以降は省略されています)
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