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公開番号
2024148133
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-17
出願番号
2023141240,2023060911
出願日
2023-08-31,2023-04-04
発明の名称
摩擦ダンパ
出願人
鹿島建設株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
F16F
15/02 20060101AFI20241009BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】摺動材を長尺化する場合でも安定した性能を発揮できる摩擦ダンパ等を提供する。
【解決手段】摩擦ダンパ1は、外殻部2と、外殻部2に挿入され、外殻部2内で進退可能な摺動板3と、摺動板3に接する摩擦板4aと、摩擦板4aを摺動板3に押圧する押圧部5と、摺動板3の進退時の摩擦板4aの移動を拘束する拘束部6と、を有する。摺動板3は面状の部材であり、摺動板3に、摺動板3の面外変形を抑制するための補剛部31が設けられる。押圧部5は、外殻部2に螺合したボルト51によって摩擦板4aを摺動板3に押圧するものであり、ボルト51による押圧力が、押圧力をボルト51の軸部の断面より広い面積に伝達するための、段階的に面積の広がる伝達材を介して摩擦板4aに伝達される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
外殻部と、
前記外殻部に挿入され、前記外殻部内で進退可能な摺動材と、
前記摺動材に接する摩擦材と、
前記摩擦材を前記摺動材に押圧する押圧部と、
前記摺動材の進退時の前記摩擦材の移動を拘束する拘束部と、
を有し、
前記摺動材は面状であり、
前記摺動材に、前記摺動材の面外変形を抑制するための補剛部が設けられ、
前記押圧部は、前記外殻部に螺合したボルトによって前記摩擦材を前記摺動材に押圧するものであり、
前記ボルトによる押圧力が、前記押圧力を前記ボルトの軸部の断面より広い面積に伝達するための、段階的に面積の広がる伝達材を介して前記摩擦材に伝達されることを特徴とする摩擦ダンパ。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
外殻部と、
前記外殻部に挿入され、前記外殻部内で進退可能な摺動材と、
前記摺動材に接する摩擦材と、
前記摩擦材を前記摺動材に押圧する押圧部と、
前記摺動材の進退時の前記摩擦材の移動を拘束する拘束部と、
を有し、
前記摺動材は面状であり、
前記摺動材に、前記摺動材の面外変形を抑制するための補剛部が設けられ、
前記拘束部は、前記外殻部から内側に突出するように、前記外殻部側の端面を前記外殻部に固定した板材であり、
前記押圧部は、前記摺動材の進退方向の前後の前記板材の間で前記外殻部に形成された孔に通されたボルトによって前記摩擦材を前記摺動材に押圧するものであることを特徴とする摩擦ダンパ。
【請求項3】
前記ボルトによる押圧力が、弾性体を介して前記摩擦材に伝達されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の摩擦ダンパ。
【請求項4】
前記摺動材は平板状であり、
前記補剛部は、前記摺動材の進退方向に延伸するように前記摺動材に設けられた、前記摺動材の面外方向の補剛板であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の摩擦ダンパ。
【請求項5】
前記摩擦材と前記拘束部が、前記摺動材の両側に設けられ、
前記摺動材から見て前記押圧部の反対側では、前記摩擦材が弾性体により支持されたことを特徴とする請求項4記載の摩擦ダンパ。
【請求項6】
前記摺動材は筒状であり、前記摺動材の軸方向に進退し、
前記補剛部は、前記摺動材の内部に充填された充填材であり、
前記摩擦材は、前記摺動材の外周面に接するように配置され、
前記押圧部は、前記摺動材の周方向に間隔を空けて複数設けられることを特徴とする請求項1または請求項2記載の摩擦ダンパ。
【請求項7】
外殻部と、
前記外殻部に挿入され、前記外殻部内で進退可能な摺動材と、
前記摺動材に接する摩擦材と、
前記摩擦材を前記摺動材に押圧する押圧部と、
前記摺動材の進退時の前記摩擦材の移動を拘束する拘束部と、
を有し、
前記摺動材は中実の柱体であり、前記摺動材の軸方向に進退し、
前記摩擦材は、前記摺動材の外周面に接するように配置され、
前記押圧部は、前記摺動材の周方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記押圧部は、前記外殻部に螺合したボルトによって前記摩擦材を前記摺動材に押圧するものであり、
前記ボルトによる押圧力が、前記押圧力を前記ボルトの軸部の断面より広い面積に伝達するための、段階的に面積の広がる伝達材を介して前記摩擦材に伝達されることを特徴とする摩擦ダンパ。
【請求項8】
外殻部と、
前記外殻部に挿入され、前記外殻部内で進退可能な摺動材と、
前記摺動材に接する摩擦材と、
前記摩擦材を前記摺動材に押圧する押圧部と、
前記摺動材の進退時の前記摩擦材の移動を拘束する拘束部と、
を有し、
前記摺動材は中実の柱体であり、前記摺動材の軸方向に進退し、
前記摩擦材は、前記摺動材の外周面に接するように配置され、
前記押圧部は、前記摺動材の周方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記拘束部は、前記外殻部から内側に突出するように、前記外殻部側の端面を前記外殻部に固定した板材であり、
前記押圧部は、前記摺動材の進退方向の前後の前記板材の間に当たる位置で前記外殻部に形成された孔に通されたボルトによって前記摩擦材を前記摺動材に押圧するものであることを特徴とする摩擦ダンパ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦ダンパに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
建物において、地震等による振動を抑制するため摩擦ダンパが用いられることがある。摩擦ダンパは、地震時等に進退する摺動材が摩擦材に対して摺動することで、両部材間の摩擦により振動エネルギーを吸収し、振動を減衰させるものである。
【0003】
例えば特許文献1の摩擦ダンパでは、積層された複数枚の押さえプレート間に滑りプレートが配置され、荷重付与手段によって押さえプレートと滑りプレートの厚さ方向に荷重を付与した状態で、押さえプレートに対して滑りプレートが摺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3553402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地震時等に大きな変位が生じる建物の免震層や、地震時等に大変形を生じる建物間での使用を想定した場合、特許文献1の摩擦ダンパでは、滑りプレートを長尺化して滑りプレートの摺動時のストロークを大きくすることが考えられる。
【0006】
しかしながら、滑りプレートを長尺化すると滑りプレートが低荷重で座屈する。上記の摩擦ダンパでは、滑りプレートの摺動時に、滑りプレートと押さえプレートの間の摩擦力が滑りプレートの摺動に抵抗することで滑りプレートに面内方向の圧縮が生じ、長尺化した滑りプレートが座屈して安定した性能を発揮できない恐れがある。
【0007】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、摺動材を長尺化する場合でも安定した性能を発揮できる摩擦ダンパ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するための第1の発明は、外殻部と、前記外殻部に挿入され、前記外殻部内で進退可能な摺動材と、前記摺動材に接する摩擦材と、前記摩擦材を前記摺動材に押圧する押圧部と、前記摺動材の進退時の前記摩擦材の移動を拘束する拘束部と、を有し、前記摺動材は面状であり、前記摺動材に、前記摺動材の面外変形を抑制するための補剛部が設けられ、前記押圧部は、前記外殻部に螺合したボルトによって前記摩擦材を前記摺動材に押圧するものであり、前記ボルトによる押圧力が、前記押圧力を前記ボルトの軸部の断面より広い面積に伝達するための、段階的に面積の広がる伝達材を介して前記摩擦材に伝達されることを特徴とする摩擦ダンパである。
第2の発明は、外殻部と、前記外殻部に挿入され、前記外殻部内で進退可能な摺動材と、前記摺動材に接する摩擦材と、前記摩擦材を前記摺動材に押圧する押圧部と、前記摺動材の進退時の前記摩擦材の移動を拘束する拘束部と、を有し、前記摺動材は面状であり、前記摺動材に、前記摺動材の面外変形を抑制するための補剛部が設けられ、前記拘束部は、前記外殻部から内側に突出するように、前記外殻部側の端面を前記外殻部に固定した板材であり、前記押圧部は、前記摺動材の進退方向の前後の前記板材の間で前記外殻部に形成された孔に通されたボルトによって前記摩擦材を前記摺動材に押圧するものであることを特徴とする摩擦ダンパである。
【0009】
第1、第2の発明の摩擦ダンパは、摺動材が補剛部により面外補剛されているので、摺動材を長尺化する場合でも、前記した面内方向の圧縮による座屈が防止できる。そのため、地震時等に大きな変位を生じる建物の免震層や、地震時等に大変形を生じる建物間での使用においても、安定した性能を発揮できる。
【0010】
また第1の発明の押圧部は、前記外殻部に螺合したボルトによって前記摩擦材を前記摺動材に押圧するものであり、簡単な構成で摩擦材を摺動材に押圧することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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