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公開番号2024154429
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-30
出願番号2024067791
出願日2024-04-18
発明の名称応力計測方法
出願人鹿島建設株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01L 1/24 20060101AFI20241023BHJP(測定;試験)
要約【課題】所定領域の応力分布を取得可能であって、その後の経時的な応力のモニタリングを可能とする。
【解決手段】応力計測方法は、応ひずみ計測領域12に固定されるように光ファイバセンサ2をコンクリート構造物9に取り付ける工程(S1)と、複数の応力推定領域11のそれぞれにおいて、Y方向に延びる複数のスリット3を形成する工程(S3)と、複数のスリット3を形成した後に、第1の光強度情報を得る工程(S4)と、第1の光強度情報を用いて、スリット3を形成する前に複数の応力推定領域11のそれぞれに作用していた作用応力を推定する工程(S6)と、第1の光強度情報を得る工程(S4)の後に、第2の光強度情報を得る工程(S8)と、第2の光強度情報を用いて、複数のスリット3を形成した後に応力推定領域11のそれぞれに生じた応力の変化を推定する工程(S11)と、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の応力推定領域、複数の前記応力推定領域のそれぞれに対応する複数のひずみ計測領域、及び、複数の前記ひずみ計測領域に対応する複数の切り込み形成領域が設定される計測対象物において、前記ひずみ計測領域に光ファイバセンサを取り付ける工程と、
複数の前記切り込み形成領域のそれぞれに切り込みを形成する工程と、
複数の前記切り込みを形成した後に、前記光ファイバセンサに計測光を入射し、前記計測光に応じて前記光ファイバセンサから出射される戻り光の強度に関する情報を含む第1の光強度情報を得る工程と、
前記第1の光強度情報を用いて、前記切り込みを形成する前に複数の前記応力推定領域のそれぞれに作用していた作用応力を推定する工程と、
前記第1の光強度情報を得る工程の後に、再び前記光ファイバセンサに計測光を入射することにより、第2の光強度情報を得る工程と、
前記第2の光強度情報を用いて、複数の前記切り込みを形成した後に前記応力推定領域のそれぞれに生じた応力の変化を推定する工程と、を有する、応力計測方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記ひずみ計測領域は、前記応力推定領域に隣接すると共に前記応力推定領域に重複せず、
前記ひずみ計測領域は、前記切り込み形成領域に隣接すると共に前記切り込み形成領域に重複せず、
前記応力推定領域は、前記切り込み形成領域に重複し、
前記計測対象物に取り付ける工程では、前記応力推定領域を避けるために、第1の前記ひずみ計測領域から第1の前記ひずみ計測領域に隣接する第2の前記ひずみ計測領域に至る前記光ファイバセンサが曲線部分を有するように前記光ファイバセンサを取り付ける、請求項1に記載の応力計測方法。
【請求項3】
前記作用応力を推定する工程は、
仮定した作用応力を含む要素モデルを設定する工程と、
前記要素モデルに対して前記切り込みを設けた結果として得られる仮想ひずみ分布を演算する工程と、を含み、
前記仮定した作用応力を変化させながら、前記要素モデルを設定する工程及び前記仮想ひずみ分布を演算する工程を繰り返すことにより、前記第1の光強度情報が示す計測ひずみ分布に前記仮想ひずみ分布が一致する前記仮定した作用応力を探索する、請求項2に記載の応力計測方法。
【請求項4】
前記作用応力を推定する工程は、
前記第1の光強度情報に基づいて、前記切り込みを形成した後に前記ひずみ計測領域に生じた解放ひずみの分布を得る工程と、
前記解放ひずみの分布に基づいて、前記応力推定領域における推定解放ひずみの分布を得る工程と、
前記推定解放ひずみの最大値に基づいて、前記応力推定領域に生じていた前記作用応力を得る工程と、を含む、請求項2に記載の応力計測方法。
【請求項5】
前記計測対象物には、前記ひずみ計測領域である第1のひずみ計測領域と前記応力推定領域とが並ぶ方向に対して平行となるように設定される第2のひずみ計測領域がさらに設定され、
前記光ファイバセンサを前記計測対象物に取り付ける工程では、前記第1のひずみ計測領域に前記光ファイバセンサである第1の光ファイバセンサを取り付けると共に、前記第2のひずみ計測領域に対して第2の光ファイバセンサを取り付け、
前記推定解放ひずみの分布を得る工程では、前記第2の光ファイバセンサが出力した光強度情報が示す解放ひずみ分布を利用して、前記推定解放ひずみの分布を得る、請求項4に記載の応力計測方法。
【請求項6】
前記光ファイバセンサを前記計測対象物に取り付ける工程では、第1の方向に延びる第1のファイバ計測部及び前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる第2のファイバ計測部を含むように前記計測対象物に前記光ファイバセンサを取り付け、
前記切り込みを形成する工程では、前記切り込みである第1の切り込みを形成すると共に前記第2の方向に延び前記第1の切り込みに交差する第2の切り込みを形成し、
前記第1の光強度情報を得る工程では、前記第1のファイバ計測部に対応する光強度情報と前記第2のファイバ計測部に対応する光強度情報とを取得し、
前記作用応力を推定する工程では、前記第1のファイバ計測部に対応する光強度情報から得た応力の値から、前記第2のファイバ計測部に対応する光強度情報から得た応力の値を差し引くことによって、前記作用応力を得る、請求項2に記載の応力計測方法。
【請求項7】
前記ひずみ計測領域は、前記応力推定領域のそれぞれに重複し、
前記ひずみ計測領域は、前記切り込み形成領域に重複せず、
前記計測対象物に取り付ける工程では、第1の前記ひずみ計測領域から第1の前記ひずみ計測領域に隣接する第2の前記ひずみ計測領域に至る前記光ファイバセンサが直線状となるように前記光ファイバセンサを取り付ける、請求項1に記載の応力計測方法。
【請求項8】
前記切り込みを形成する工程では、ひとつの前記ひずみ計測領域ごとに、前記光ファイバセンサを挟むように第1の前記切り込み形成領域及び第2の前記切り込み形成領域を設定し、第1の前記切り込み形成領域に第1の前記切り込みを形成すると共に第2の前記切り込み形成領域に第2の前記切り込みを形成する、請求項7に記載の応力計測方法。
【請求項9】
第1の前記切り込み及び第2の前記切り込みは、前記光ファイバセンサが延びる第1の方向に対して交差する第2の方向に延びており、
第1の前記切り込みの前記光ファイバセンサ側の端部から第2の前記切り込みの前記光ファイバセンサ側の端部までの距離は、前記計測対象物が含む粗骨材の最大寸法値より大きい、請求項8に記載の応力計測方法。
【請求項10】
第1の前記切り込みの幅及び第2の前記切り込みの幅は、前記光ファイバセンサの空間分解能より大きい、請求項8に記載の応力計測方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、応力計測方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物の補修補強や更新工事の際、断面はつり等による一時的な構造変化によってコンクリートの応力変動が生じることがある。そこで、応力変動の大きさが設計で許容される範囲内となるように施工計画の立案や施工管理を行う必要がある。応力変動に配慮した施工が必要となるケースでは、施工範囲を細分化することになり工程やコストの増加に繋がる。
【0003】
応力変動が設計上、問題がある大きさであるかどうかを適切に判断するためには、まず既存構造物に現在作用している死荷重やプレストレス力によって生じている応力を把握したうえで、そこからの変動分を計測する。また、発生応力は構造全体あるいは断面内で必ずしも一様でなく、場所によって変化する。従って、応力を分布で評価することが重要である。
【0004】
既存構造物に現在作用している応力の評価方法として、応力解放法が広く知られている。応力解放法は、主にPC構造物に作用しているプレストレス量を推定する方法として開発されたものである。応力解放法は、コンクリート表面の微破壊を伴う。応力解放法の原理は、計測対象物の表面にあらかじめひずみゲージを貼り付けておき、コンクリートコアカッター等を用いて切り込みを入れる。切り込みを入れることによって、部分的に応力が解放される。解放された応力によって生じるひずみを計測することで応力解放前の初期応力を算出する。
【0005】
応力解放法の原理を用いた計測方法として、コア応力解放法と、スリット応力解放法が例示できる。
【0006】
例えば、特許文献1は、コア応力解放法に関する技術を開示する。特許文献1が開示するコア応力解放法では、まず、乾燥収縮、クリープによる内部拘束応力を分離するため、コンクリート表面に応力方向(X方向)および応力直角方向(Y方向)にひずみゲージを貼り付ける。次に、コンクリートコアカッターによりコア削孔し、コア削孔によって解放されたひずみを計測する。そして、X方向の解放ひずみとY方向の解放ひずみを計測し、式(1)、(2)を用いて全応力から内部拘束応力を差し引いた有効応力を算出する。
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【0007】
スリット応力解放法は、コンクリートカッターで深さ30mmのスリットを形成することによって、応力を解放する。既存の計測方法に比べ精度の向上を図るため、光学的全視野計測法を用いてスリット近傍の解放ひずみ分布を高精度に計測する。例えば、特許文献2は、スリット応力解放法に関する技術を開示する。特許文献2が開示する技術は、FEM解析を用いて、ある応力が作用しているときのひずみ分布を算出する。そして、光学的全視野計測部によって計測したひずみ分布と一致するときの応力を逆解析により推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第5095258号
特開2007-303916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
コンクリート構造物の補修補強や更新工事の際に要求される応力計測では、構造物において作業対象となる領域の応力分布を明らかにすることが望ましい。さらには、補修補強や更新工事ののちに、構造物に作用する応力を経時的にモニタリングすることも望まれる。
【0010】
しかし、特許文献1、2が開示する応力計測法は、計測対象のある限定された領域の応力を計測する。従って、広範な領域における応力分布を得ようとする場合には、ひずみゲージといった計測装置を対象物に対して複数設置する必要がある。さらに、特許文献1、2が開示する応力計測法では、そもそも経時的な応力のモニタリングを行うことはできなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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