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公開番号
2024147449
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-16
出願番号
2023060475
出願日
2023-04-03
発明の名称
カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法、情報処理装置、及びプログラム
出願人
DIC株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02B
5/22 20060101AFI20241008BHJP(光学)
要約
【課題】カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索技術を改善する。
【解決手段】フタロシアニンクルードの組成分析情報と顔料化条件と分散条件とを説明変数とし、カラーフィルタの輝度と膜厚とコントラストとを目的変数とする教師データに基づき予測モデルを訓練するステップと、教師データの下限値及び上限値に基づくグリッドサーチにより第1予測データ群を算出するステップと、第1予測データ群と教師データとにより定められるモデル適用範囲に基づき第2予測データ群を決定するステップと、第2予測データ群と実現可能性に係る条件とに基づき、第3予測データ群を決定するステップと、第3予測データ群から最適な組成及び製造条件を決定するステップと、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
フタロシアニンクルードを顔料化し分散剤を加えて分散しガラス基板上に塗布乾燥されるカラーフィルタにおいて、情報処理装置が実行するカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法であって、
フタロシアニンクルードの組成分析情報と顔料化条件と分散条件とを説明変数とし、カラーフィルタの輝度と膜厚とコントラストとを目的変数とする教師データに基づき予測モデルを訓練するステップと、
前記教師データの下限値及び上限値に基づくグリッドサーチにより第1予測データ群を生成するステップと、
前記第1予測データ群と前記教師データとにより定められるモデル適用範囲に基づき第2予測データ群を生成するステップと、
前記第2予測データ群と実現可能性に係る条件とに基づき、第3予測データ群を生成するステップと、
前記第3予測データ群に基づき最適な組成及び製造条件を決定するステップと、
を含む、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の探索方法であって、
前記モデル適用範囲は、k近傍法、One-Class Support Vector Machine、又はアンサンブル学習に基づき定められる、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法。
【請求項3】
請求項1に記載の探索方法であって、
前記実現可能性に係る条件は、以下の式(1)乃至式(4)をすべて満足することである、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法。
16Br > 15Br1Cl > 14Br2Cl・・・(1)
16Br > 15Br1H > 14Br2H・・・(2)
15Br1Cl > 14Br1Cl1H・・・(3)
15Br1H > 14Br1Cl1H・・・(4)
ただし16Br、15Br1Cl、14Br2Cl、15Br1H、14Br2H、及び14Br1Cl1Hは、それぞれフタロシアニンクルード中の16Brフタロシアニン、15Br1Clフタロシアニン、14Br2Clフタロシアニン、15Br1Hフタロシアニン、14Br2Hフタロシアニン、及び14Br1Cl1Hフタロシアニンのマススペクトル強度比(単位は%)を表す。
【請求項4】
請求項1に記載の探索方法であって、さらに、
第3予測データ群はさらに、理想組成に係る条件に基づき決定される、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法。
【請求項5】
請求項4に記載の探索方法であって、
前記理想組成に係る条件は、以下の式(5)を満足することである、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法。
100-(16Br+15Br1Cl+15Br1H+14Br2Cl+14Br1Cl1H+14Br2H+AlPc) < 5・・・(5)
ただし、16Br、15Br1Cl、15Br1H、14Br2Cl、14Br1Cl1H、14Br2H、及びAlPcは、それぞれフタロシアニンクルード中の16Brフタロシアニン、15Br1Clフタロシアニン、15Br1Hフタロシアニン、14Br2Clフタロシアニン、14Br1Cl1Hフタロシアニン、14Br2Hフタロシアニン、及び不純物のマススペクトル強度比(単位は%)を表す。
【請求項6】
請求項1に記載の探索方法であって、
前記最適な組成及び製造条件は、輝度に基づき定められる、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法。
【請求項7】
請求項1に記載の探索方法であって、
前記最適な組成及び製造条件は、輝度及び膜厚に基づき定められる、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法。
【請求項8】
フタロシアニンクルードを顔料化し分散剤を加えて分散しガラス基板上に塗布乾燥されるカラーフィルタにおいて、制御部を備え、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索をする情報処理装置であって、
前記制御部は、
フタロシアニンクルードの組成分析情報と顔料化条件と分散条件とを説明変数とし、カラーフィルタの輝度と膜厚とコントラストとを目的変数とする教師データに基づき予測モデルを訓練し、
前記教師データの下限値及び上限値に基づくグリッドサーチにより第1予測データ群を生成し、
前記第1予測データ群と前記教師データとにより定められるモデル適用範囲に基づき第2予測データ群を生成し、
前記第2予測データ群と実現可能性に係る条件とに基づき、第3予測データ群を生成し、
前記第3予測データ群に基づき最適な組成及び製造条件を決定する、情報処理装置。
【請求項9】
フタロシアニンクルードを顔料化し分散剤を加えて分散しガラス基板上に塗布乾燥されるカラーフィルタにおいて、情報処理装置が実行するカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索をするプログラムであって、コンピュータに、
フタロシアニンクルードの組成分析情報と顔料化条件と分散条件とを説明変数とし、カラーフィルタの輝度と膜厚とコントラストとを目的変数とする教師データに基づき予測モデルを訓練することと、
前記教師データの下限値及び上限値に基づくグリッドサーチにより第1予測データ群を生成することと、
前記第1予測データ群と前記教師データとにより定められるモデル適用範囲に基づき第2予測データ群を生成することと、
前記第2予測データ群と実現可能性に係る条件とに基づき、第3予測データ群を生成し、
前記第3予測データ群に基づき最適な組成及び製造条件を決定することと
を実行させるプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から機械学習により新規材料を探索する技術が知られている。例えばカラー材料に関して機械学習を用いた例としては、学習用データを機械学習させて人工知能モデルを生成し、これに目標色彩データを入力することで候補組成データを得るという塗料の製造方法がある(特許文献1)。また他の例として、見本色の色彩値を測定し、基本色材の組み合わせデータにより学習したニューラルネットワークを用いて、色材の配合比を求める調色方法がある(特許文献2)。また顔料に関して機械学習を用いた例としては、30種類の光輝性顔料から作成した塗膜と画像特徴量の関係について学習モデルを作成し、これを用いて光輝性顔料の同定を行う方法がある(特許文献3)。また接着剤組成物について実験計画法で求められた最適配合を実施例としてトレースし特性を評価し、最適配合中のアクリレート量とマレイン酸量を請求範囲に記載している例もある(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021―188046
特開平11―341297
特開2007―218895
特表2003―519713
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、逆解析を用いた最適組成等の算出方法は知られているが、グリッドサーチをはじめとする最適化を行う場合に予測値の信頼性が低い組成及び製造条件も含まれること、算出された予測値には実際の製造において理論上不可能な条件も含まれていることもあり、依然として実験による確認が必要な場面が多々見られる。またカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法に着目した事例は存在しない。このようにカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、カラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(付記1)本開示の一実施形態に係るカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法は、
フタロシアニンクルードを顔料化し分散剤を加えて分散しガラス基板上に塗布乾燥されるカラーフィルタにおいて、情報処理装置が実行するカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法であって、
フタロシアニンクルードの組成分析情報と顔料化条件と分散条件とを説明変数とし、カラーフィルタの輝度と膜厚とコントラストとを目的変数とする教師データに基づき予測モデルを訓練するステップと、
前記教師データの下限値及び上限値に基づくグリッドサーチにより第1予測データ群を生成するステップと、
前記第1予測データ群と前記教師データとにより定められるモデル適用範囲に基づき第2予測データ群を生成するステップと、
前記第2予測データ群と実現可能性に係る条件とに基づき、第3予測データ群を生成するステップと、
前記第3予測データ群に基づき最適な組成及び製造条件を決定するステップと、
を含む。
【0007】
(付記2)本開示の一実施形態に係るカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法は、(付記1)に記載の探索方法であって、
前記モデル適用範囲は、k近傍法、One-Class Support Vector Machine、又はアンサンブル学習に基づき定められる。
【0008】
(付記3)本開示の一実施形態に係るカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法は、(付記1)又は(付記2)に記載の探索方法であって、
前記実現可能性に係る条件は、以下の式(1)乃至式(4)をすべて満足することである。
16Br > 15Br1Cl > 14Br2Cl・・・(1)
16Br > 15Br1H > 14Br2H・・・(2)
15Br1Cl > 14Br1Cl1H・・・(3)
15Br1H > 14Br1Cl1H・・・(4)
ただし16Br、15Br1Cl、14Br2Cl、15Br1H、14Br2H、及び14Br1Cl1Hは、それぞれフタロシアニンクルード中の16Brフタロシアニン、15Br1Clフタロシアニン、14Br2Clフタロシアニン、15Br1Hフタロシアニン、14Br2Hフタロシアニン、及び14Br1Cl1Hフタロシアニンのマススペクトル強度比(単位は%)を表す。
【0009】
(付記4)本開示の一実施形態に係るカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法は、(付記1)乃至(付記3)のいずれか一項に記載の探索方法であって、
第3予測データ群はさらに、理想組成に係る条件に基づき決定される。
【0010】
(付記5)本開示の一実施形態に係るカラーフィルタ用フタロシアニン顔料の組成及び製造条件の探索方法は、(付記4)に記載の探索方法であって、
前記理想組成に係る条件は、以下の式(5)を満足することである。
100-(16Br+15Br1Cl+15Br1H+14Br2Cl+14Br1Cl1H+14Br2H+AlPc) < 5・・・(5)
ただし、16Br、15Br1Cl、15Br1H、14Br2Cl、14Br1Cl1H、14Br2H、及びAlPcは、それぞれフタロシアニンクルード中の16Brフタロシアニン、15Br1Clフタロシアニン、15Br1Hフタロシアニン、14Br2Clフタロシアニン、14Br1Cl1Hフタロシアニン、14Br2Hフタロシアニン、及び不純物のマススペクトル強度比(単位は%)を表す。
(【0011】以降は省略されています)
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