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公開番号2025062917
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172282
出願日2023-10-03
発明の名称ポリコハク酸イミドの製造方法、ポリコハク酸イミド組成物、及びポリアスパラギン酸組成物
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08G 69/36 20060101AFI20250408BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】簡便に高分子量のポリコハク酸イミドを製造することができるポリコハク酸イミドの製造方法を提供することである。
【解決手段】本発明のポリコハク酸イミドの製造方法は、第1のポリコハク酸イミドを含むポリコハク酸イミド組成物を用いて、第2のポリコハク酸イミドを製造する、ポリコハク酸イミドの製造方法であって、
前記第1のポリコハク酸イミドの鎖伸長反応を行い、前記第2のポリコハク酸イミドを得る鎖伸長工程、を含み、
前記第1のポリコハク酸イミドの重量平均分子量(Mw)が25,000~50000の範囲であり、かつ、前記ポリコハク酸イミド組成物におけるジカルボン酸の割合が1.5~4mol%である、ポリコハク酸イミドの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第1のポリコハク酸イミドを含むポリコハク酸イミド組成物を用いて、第2のポリコハク酸イミドを製造する、ポリコハク酸イミドの製造方法であって、
前記第1のポリコハク酸イミドの鎖伸長反応を行い、前記第2のポリコハク酸イミドを得る鎖伸長工程、を含み、
前記第1のポリコハク酸イミドの重量平均分子量(Mw)が25,000~50000の範囲であり、かつ、前記ポリコハク酸イミド組成物におけるジカルボン酸の割合が1.5~4mol%である、ポリコハク酸イミドの製造方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記鎖伸長工程を第2工程とし、前記鎖伸長工程の前に、第1工程として、
アスパラギン酸の重縮合反応を行い、前記第1のポリコハク酸イミドを含むポリコハク酸イミド組成物を得る重縮合工程を更に含み、
前記第1工程及び前記第2工程を異なる装置にて行う、請求項1に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
【請求項3】
前記第1工程における前記第1のポリコハク酸イミドの重量平均分子量(Mw)が25,000~50,000の範囲であり、且つ、第1のポリコハク酸イミドのジカルボン酸の割合が1.5~4mol%の範囲となる段階で、前記第1工程を終了し、前記第2工程へ移行する請求項2に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
【請求項4】
前記第1工程が、連続式混錬機を用いて行う請求項2又は3に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
【請求項5】
前記鎖伸長工程が、熱風移送型乾燥器、材料攪拌型乾燥器、流動層乾燥機、材料搬送及び静置型乾燥器、円筒乾燥器、赤外線乾燥器、マイクロ波乾燥器、並びに過熱蒸気乾燥器からなる群より選択される、少なくとも一つの装置を用いて行う請求項1又は2に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の、ポリコハク酸イミドの製造方法により得られたものであり、
重量平均分子量が100,000~500,000の範囲である第2ポリコハク酸イミドを含有するポリコハク酸イミド組成物。
【請求項7】
請求項6に記載のポリコハク酸イミド組成物の加水分解物である、ポリアスパラギン酸組成物。
【請求項8】
請求項7に記載のポリアスパラギン酸組成物の架橋反応物である、架橋ポリアスパラギン酸組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の架橋ポリアスパラギン酸組成物を含有する化粧料用増粘剤。
【請求項10】
請求項8に記載の架橋ポリアスパラギン酸組成物を含有する吸水性組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリコハク酸イミドの製造方法、ポリコハク酸イミド組成物、及びポリアスパラギン酸組成物に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
ポリコハク酸イミド(ポリスクシンイミドとも言う)を加水分解することにより得られるポリアスパラギン酸は、生分解性を有するポリカルボン酸であり、化学構造がポリアクリル酸に類似しているため、代替素材として期待されている。アスパラギン酸からポリアスパラギン酸を製造する方法として、ポリコハク酸イミドを製造した後、アルカリによる加水分解等によりポリアスパラギン酸を製造する方法が知られている。
ポリコハク酸イミドの製造方法としては、例えば、アスパラギン酸と酸性触媒による脱水縮合反応を行い、ポリコハク酸イミドを製造する方法が挙げられる(例えば、特許文献1)。
しかし、一般に得られるポリコハク酸イミドの分子量が低く、使用できる用途が限られており、また利用できてもそれほど高い性能が得られていない。そのため、高分子量のポリコハク酸イミドを得る方法としては、重合系に触媒、及び重合促進剤を加えて重合し高分子量のポリコハク酸イミド系(共)重合体を得る方法が開示されている(例えば、特許文献2)。また、アスパラギン酸と酸性触媒を含む混合物を重縮合させて、低分子量ポリコハク酸イミドを含む固体状低分子量ポリマー混合物を製造した後、酸性触媒を追加混合し、重縮合させて、高分子量ポリコハク酸イミドを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平8-231710号公報
特開平9-302088号公報
特開2001-335635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2で得られたポリコハク酸イミドの重量平均分子量が30000~43000程度である。そのため、更に高い分子量を有するポリコハク酸イミドが求められている。また、特許文献3の製造方法は、煩雑であって必ずしも工業的な製造方法として満足なものとはいえない。
本発明が解決しようとする課題は、簡便に高分子量(例えば、重量平均分子量:100,000~500,000)のポリコハク酸イミドを製造することができるポリコハク酸イミドの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の内容は、以下の実施態様を含む。
[1] 第1のポリコハク酸イミドを含むポリコハク酸イミド組成物を用いて、第2のポリコハク酸イミドを製造する、ポリコハク酸イミドの製造方法であって、
第1のポリコハク酸イミドの鎖伸長反応を行い、第2のポリコハク酸イミドを得る工程、を含み、
前記第1のポリコハク酸イミドの重量平均分子量(Mw)が25,000~50000の範囲であり、かつ、前記ポリコハク酸イミド組成物におけるジカルボン酸の割合が1.5~4mol%である、ポリコハク酸イミドの製造方法。
[2]前記鎖伸長工程を第2工程とし、前記鎖伸長工程の前に、第1工程として、
アスパラギン酸の重縮合反応を行い、第1のポリコハク酸イミドを含むポリコハク酸イミド組成物を得る重縮合工程を更に含み、
前記第1工程及び前記第2工程を異なる装置にて行う、[1]に記載ポリコハク酸イミドの製造方法。
[3] 前記第1工程における前記第1のポリコハク酸イミドの重量平均分子量(Mw)が25,000~50000の範囲であり、且つ、第1のポリコハク酸イミドのジカルボン酸の割合が1.5~4mol%の範囲となる段階で、前記第1工程を終了し、前記第2工程へ移行する[2]に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
[4] 前記第1工程が、連続式混錬機を用いて行う[2]又は[3]に記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
[5] 前記第2工程が、熱風移送型乾燥器、材料攪拌型乾燥器、流動層乾燥機、材料搬送及び静置型乾燥器、円筒乾燥器、赤外線乾燥器、マイクロ波乾燥器、並びに過熱蒸気乾燥器からなる群より選択される、少なくとも一つの装置を用いて行う[1]~[4]の何れかに記載のポリコハク酸イミドの製造方法。
[6] [1]~[5]の何れかに記載の、ポリコハク酸イミドの製造方法により得られたものであり、
重量平均分子量が100,000~500,000の範囲である第2ポリコハク酸イミドを含有するポリコハク酸イミド組成物。
[7] [6]に記載の前記ポリコハク酸イミド組成物の加水分解物である、ポリアスパラギン酸組成物。
[8] [7]に記載の前記ポリアスパラギン酸組成物の架橋反応物である、架橋ポリアスパラギン酸組成物。
[9] [8]に記載の架橋ポリアスパラギン酸組成物を含有する化粧料用増粘剤。
[10] [8]に記載の架橋ポリアスパラギン酸組成物を含有する吸水性組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、簡便に高分子量のポリコハク酸イミドを製造することができるポリコハク酸イミドの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(ポリコハク酸イミドの製造方法)
本発明の一実施形態のポリコハク酸イミドの製造方法(本実施形態のポリコハク酸イミドの製造方法、または、単に本実施形態の製造方法ということがなる)は、第1のポリコハク酸イミドを含むポリコハク酸イミド組成物を用いて、第2のポリコハク酸イミドを製造する、ポリコハク酸イミドの製造方法である。前記第1のポリコハク酸イミドの鎖伸長反応を行い、第2のポリコハク酸イミドを得る鎖伸長工程を含む。前記第1のポリコハク酸イミドの重量平均分子量(Mw)が25,000~50000の範囲であり、かつ、前記ポリコハク酸イミド組成物におけるジカルボン酸の割合が1.5~4mol%である。
前記鎖伸長工程を第2工程とし、前記鎖伸長工程の前に、第1工程として、アスパラギン酸の重縮合反応を行い、第1のポリコハク酸イミドを含むポリコハク酸イミド組成物を得る重縮合工程を更に含むことが好ましい。前記第1工程及び前記第2工程を異なる反応装置にて行うことが好ましい。
【0008】
[アスパラギン酸]
本実施形態にかかるアスパラギン酸は、天然に豊富に存在するL体、D体又はそれらの混合物であり得る。L体、D体、DL体の何れであってもよい。
また、第1工程の反応系において、アスパラギン酸に変更することができれば、アスパラギン酸の塩、アスパラギン酸又はその塩の無水物又は水和物(例えば一水和物、二水和物)の形態を包含し得る。
【0009】
[ポリコハク酸イミド、ポリコハク酸イミド組成物]
本実施形態にかかるポリコハク酸イミドの構造は、線状構造であっても、分岐状構造を有するものであってもよい。
【0010】
本実施形態にかかる第1のポリコハク酸イミドを含むポリコハク酸イミド組成物(第1のポリコハク酸イミド組成物ということがある)は、本実施形態のポリコハク酸イミドの製造方法における第1工程で得た反応生成物の混合物である。第1のポリコハク酸イミド組成物は、第1工程の反応生成物である第1のポリコハク酸イミドを含み、必要に応じて配合した触媒及び溶媒を含んでも良く、反応条件によって未反応のアスパラギン酸を含んでも良い。
第1工程において、前記第1のポリコハク酸イミド組成物における第1のポリコハク酸イミドの含有量は、反応条件に依存し、特に限定されない。例えば、45質量%以上、50質量%以上、あるいは55質量%以上であってもよい。80質量%以下、70質量%以下、あるいは65質量%以下であってもよい。
なお、第1のポリコハク酸イミドとは、本実施形態の製造方法の第2の工程で得た最終のポリコハク酸イミド(第2のポリコハク酸イミド)と区別するための用語であり、粗製品のポリコハク酸イミド、あるいは、第2のポリコハク酸イミドの前駆体という意味である。本実施形態の製造方法において、第2のポリコハク酸イミドは、第1のポリコハク酸イミドより、高い平均重量分子量を有する。第2のポリコハク酸イミドの平均重量分子量(Mw2)と、第1のポリコハク酸イミドの平均重量分子量(Mw1)との比(Mw1/Mw2)は、1.2以上であってもよく、1.5以上であっても良く、2.0であってもよい。また、2.5以上であることがこのましく、3.0以上であることがより好ましい。10.0以下であってもよく、7.0以下であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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