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公開番号
2025081996
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-28
出願番号
2023195155
出願日
2023-11-16
発明の名称
エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び解体方法
出願人
DIC株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08G
59/22 20060101AFI20250521BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】エポキシ樹脂組成物でありながら、硬化物において、修復性・易解体性・再成形性を容易に実現することが可能なエポキシ樹脂組成物とその硬化物、及び解体方法を提供すること。
【解決手段】本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、特定の構造を有する、エポキシ当量が500~10,000g/eqのエポキシ樹脂(A)と、エポキシ当量が100~300g/eqのエポキシ樹脂(B)と、分子量が1000以上であるグリシジルエーテル基含有化合物(C)と、熱膨張性粒子(D)と、を含有する。前記グリシジルエーテル基含有化合物(C)が、可逆結合を有する特定の構造を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるエポキシ当量が500~10,000g/eqのエポキシ樹脂(A)と、
エポキシ当量が100~300g/eqのエポキシ樹脂(B)と、
下記一般式(4)で表され、分子量が1000以上であるグリシジルエーテル基含有化合物(C)と、
熱膨張性粒子(D)と、を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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2025081996000147.tif
34
170
〔式(1)中、Arはそれぞれ独立して、無置換又は置換基を有する芳香環を有する構造であり、
Xは下記一般式(2)で表される構造単位であり、Yは下記一般式(3)で表される構造単位であり、
TIFF
2025081996000148.tif
68
170
[式(2)、(3)中、Arは前記と同じであり、
R
1
、R
2
はそれぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基であり、
R’は炭素原子数2~12の2価の炭化水素基であり、
R
3
、R
4
、R
7
、R
8
はそれぞれ独立して水酸基、グリシジルエーテル基又は2-メチルグリシジルエーテル基であり、
R
5
、R
6
、R
9
、R
10
はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基であり、
n1は4~16の整数であり、
n2は繰り返し単位の平均値で2~30である。]
R
11
、R
12
はそれぞれ独立して、グリシジルエーテル基又は2-メチルグリシジルエーテル基であり、
R
13
、R
14
はそれぞれ独立して水酸基、グリシジルエーテル基又は2-メチルグリシジルエーテル基であり、
R
15
、R
16
は水素原子又はメチル基であり、
m1、m2、p1、p2、qは繰り返しの平均値であって、
m1、m2は、それぞれ独立して0~25であり、且つm1+m2≧1であり、
p1、p2はそれぞれ独立して0~5であり、
qは0.5~5である。ただし、前記一般式(2)で表されるXと前記一般式(3)で表されるYとの結合は、ランダムであってもブロックであってもよく、1分子中に存在する各構造単位X、Yの数の総数がそれぞれm1、m2であることを示す。〕
TIFF
2025081996000149.tif
32
170
〔式(4)中のフラン由来構造には、ハロゲン原子、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、アミド基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を置換基として有していてもよい。nは繰り返し数の平均値で0.5~10であり、mは1~4の整数である。Z
1
は下記式(5)、Z
2
は下記式(6A)と(6B)で表される構造の何れかであり、Z
3
は下記式(7-1)~(7-3)で表される構造の何れかであり、1分子中に複数あるそれぞれは同一でも異なっていてもよい。
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2025081996000150.tif
152
170
式(5)中の芳香環は置換又は無置換であってよく、*は結合点を表す。Gはグリシジル基又は2-メチルグリシジル基であり、式中のナフタレン環上の-OGは、いずれの箇所に結合されていてもよいことを示す。〕
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2025081996000151.tif
247
170
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2025081996000152.tif
249
170
〔式(6A)と(6B)中、Arはそれぞれ独立して、無置換又は置換基を有する芳香環を有する構造であり、
R
1
、R
2
はそれぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基であり、
Rは水素原子又はメチル基であり、
R’は炭素原子数2~12の2価の炭化水素基であり、
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記グリシジルエーテル基含有化合物(C)と反応性を有する化合物(I)とを必須成分とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
前記グリシジルエーテル基含有化合物(C)と反応性を有する化合物(I)が、水酸基含有化合物又はアミン基含有化合物である請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
前記エポキシ樹脂組成物中の硬化性成分の合計質量に対する、前記グリシジルエーテル基含有化合物(C)中の可逆結合の濃度が、0.10mmol/g以上である請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
前記エポキシ樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)との質量比率(A):(B)が90:10~10:90である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
前記熱膨張性粒子(D)が、熱膨張性マイクロカプセルおよび膨張黒鉛からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
前記熱膨張性粒子(D)の使用割合が、前記エポキシ樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計100質量部に対して、3~40質量部の範囲である請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項8】
請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
【請求項9】
基材と、請求項8に記載の硬化物を含む層と、を有する積層体。
【請求項10】
請求項8に記載の硬化物を含有する耐熱部材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び解体性接着材料を用いる解体方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂より得られる硬化物は、耐熱性や機械的強度、電気特性、接着性等に優れ、電気・電子、塗料、接着剤などの様々な分野において必要不可欠な材料である。
【0003】
一方で、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いた硬化物には、長期信頼性の低さが挙げられ、例えば、エポキシ樹脂の硬化物が酸化劣化すると、クラックが発生する場合がある。
【0004】
また、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を一旦硬化させて得られる硬化物は、溶剤に溶解することができず(不溶)、また高温でも溶解しない(不融)ことから、リサイクル性やリユース性に乏しく、使用後の硬化物が廃棄物となるため、廃棄物の削減や環境への負荷軽減を実現することが課題となっている。
【0005】
そこで、エポキシ樹脂などを用いた硬化物には、長寿命化や廃棄物の削減という課題解決が求められており、これらの解決には、硬化物に易解体性や修復性・再成形性の付与が有効と考えられる。
【0006】
例えば、自動車・飛行機等の軽量化についての技術として、構造材料用接着剤の高性能化が必須である。その一方で、高い接着性能の達成はリサイクル困難な製品を生み出す要因ともなっており、使用後の解体性や再利用性は制限される。昨今の環境意識の高まりを背景とし、高い接着性能を維持しつつ、使用期間後には容易にはがせる接着剤の開発も重要となる。このような背景下、易解体性接着剤の開発が盛んに行われてきている。一般には、熱可塑樹脂の熱溶融を利用する場合が多いが、近年は熱硬化性樹脂に熱膨張性の材料や、熱分解性の化合物をあらかじめ混合し、使用後に主に熱エネルギーを与えることで、接着力を低減させて剥離をするような技術も提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0007】
また、エポキシ樹脂などを用いた封止材に、クラックや剥離が生じた場合であっても、第1熱硬化性樹脂と、第2熱硬化性樹脂前駆物質を内包するマイクロカプセル粒子を用いることで、自己修復可能な封止材とする手法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2003-286464号公報
特開2013-256557号公報
特開2017-041496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特許文献1の技術では、基本的に従来のエポキシ樹脂組成物を接着剤として用いるものであり、硬化物(接着層)内での熱膨張性材料による発泡が十分に発現されにくい結果、剥離性が不十分であったり、接着層の堅脆さに起因して、きれいに除去できなくなったりすることがある。
また前記特許文献2の技術では、あらかじめ熱分解性の化合物が含まれていることによって、硬化反応時の加熱温度を高度にコントロール必要があるという使用上の煩雑性があり、特に熱伝導性の高い金属基材を用いる際に、予期せぬ場所で接着剤に熱がかかりすぎて不具合が生じる可能性も否定できない。また、解体後の接着剤は廃棄することになり、被接着剤である基材はリサイクル可能ではあるものの、全体としてのリサイクル性が不足する課題がある。
また前記特許文献3での技術では、自己修復性を一定程度有するものであるが、リユースといった観点での解決手段ではなく、不要になった際の廃棄物の問題は残されている。また、前記可逆結合に関与する使用原料においては、その分子運動性を担保させる必要があるため、使用原料として、機械的強度に乏しいゲル状の物質の使用に限られる問題があり、いずれにおいても、改良が求められているのが現状である。
したがって、本発明の課題は、硬化性樹脂でありながら、硬化物において、易解体性・修復性・再成形性を容易に実現することが可能な化合物、及びそれを用いてなるエポキシ樹脂組成物とその硬化物、及び解体性接着材料を用いる解体方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定構造を有するグリシジルエーテル基含有化合物および特定構造を有するエポキシ樹脂を用い、樹脂組成物中に熱膨張性粒子を配合することによって、前記課題を解決できることを見出し、発明を完成した。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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