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公開番号2025081947
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2023195066
出願日2023-11-16
発明の名称多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物、及び多価不飽和脂肪酸の製造方法
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 1/21 20060101AFI20250521BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞内の多価不飽和脂肪酸含有量が改善された、多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物、及び多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物における細胞内の多価不飽和脂肪酸含有量を高めることが可能な、多価不飽和脂肪酸の製造方法を提供する。
【解決手段】内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子を有する微生物に、FabAの機能を低下させるゲノム改変が導入された、多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物。また、硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、且つ塩化ナトリウムを含有しない培地を用いて、多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物を培養することを含む、多価不飽和脂肪酸の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子を有する微生物に、FabAの機能を低下させるゲノム改変が導入された、多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子の上流に、前記多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子のプロモーターとは異なる内在性のプロモーターを導入するゲノム改変がさらに導入された、請求項1に記載の微生物。
【請求項3】
FabHの機能を低下させるゲノム改変がさらに導入された、請求項1又は2に記載の微生物。
【請求項4】
前記多価不飽和脂肪酸が、ω3系多価不飽和脂肪酸である、請求項1又は2に記載の微生物。
【請求項5】
前記ω3系多価不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸である、請求項4に記載の微生物。
【請求項6】
前記内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子を有する微生物が、シェワネラ(Shewanella)属細菌である、請求項1又は2に記載の微生物。
【請求項7】
前記内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子を有する微生物が、シェワネラ・ウーディイ(Shewanella woodyi)である、請求項6に記載の微生物。
【請求項8】
前記内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子を有する微生物が、シェワネラ・ウーディイ(Shewanella woodyi) GS001株(受託番号NITE BP-03460)である、請求項7に記載の微生物。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の微生物を培養することを含む、多価不飽和脂肪酸の製造方法。
【請求項10】
硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、且つ塩化ナトリウムを含有しない培地を用いて、多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物を培養することを含む、多価不飽和脂肪酸の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物、及び多価不飽和脂肪酸の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
多価不飽和脂肪酸(Polyunsaturated fatty acid;PUFA)は、不飽和結合を2つ以上持つ脂肪酸である。PUFAには、例えば、リノール酸(LA、18:2n-6)、γ-リノレン酸(GLA、18:3n-6)、アラキドン酸(ARA、20:4n-6)等のω6系脂肪酸;及びα-リノレン酸(ALA、18:3n-3)、エイコサペンタエン酸(EPA、20:5n-3)、ドコサヘキサエン酸(DHA、22:6n-3)等のω3系脂肪酸が存在する。PUFAは、生体膜の主要構成成分として膜の流動性の調節に関与する。また、PUFAは、生体機能性成分の前駆体としても重要である。
【0003】
EPA、DHA等のω3系脂肪酸は、魚に多く含まれることが知られている。しかしながら、魚からEPAを製造する場合、魚に生物濃縮された重金属成分が含まれている可能性があり、重金属による健康被害が懸念される。また、限りある海洋資源である魚の乱獲にもつながる可能性がある。
【0004】
ある種の微生物は、PUFAを生産することが知られている。例えば、シェワネラ(Shewanella)属等の海洋細菌は、EPA等の脂肪酸を生産することが知られている(例えば、特許文献1~2、非特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特公平7-61272号公報
国際公開第2022/255477号
【非特許文献】
【0006】
Masataka Satomi, Hiroshi Oikawa, Yutaka Yano, Shewanella marinintestina sp. nov., Shewanella schlegeliana sp. nov. and Shewanella sairae sp. nov., novel eicosapentaenoic-acid-producing marine bacteria isolated from sea-animal intestines. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology(2003),53,491-499.
Jinwei Zhang, J. Grant Burgess, Shewanella electrodiphila sp. nov., a psychrotolerant bacterium isolated from Mid-Atlantic Ridge deep-sea sediments. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology(2015),65,2882-2889.
鈴木信雄、矢澤一良、渡部和郎、赤堀結花里、石川千夏子、近藤聖、高田清克、エイコサペンタエン酸産生細菌SCRC-2738の大量培養条件の検討 Nippon Suisan Gakkaishi 58(2),323-328(1992).
Esra Ersoy Omeroglu, Ismail Karaboz, and Mert Sudagidan, Characteristics and genetic diversity of bioluminescent Shewanella woodyi strains isolated from the Gulf of Izmir, Turkey. Folia Microbiol (2014) 59(1), 79-92.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
微生物を用いてPUFAの工業生産を行うために、細胞当たりのPUFA含有量が高いことが好ましい。
【0008】
そこで、本発明は、細胞内のPUFA含有量が改善された、PUFA合成能を有する微生物を提供することを課題とする。また、PUFA合成能を有する微生物における細胞内のPUFA含有量を高めることが可能なPUFAの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子を有する微生物に、FabAの機能を低下させるゲノム改変が導入された、多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物。
[2]前記内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子の上流に、前記多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子のプロモーターとは異なる内在性のプロモーターを導入するゲノム改変がさらに導入された、[1]に記載の微生物。
[3]FabHの機能を低下させるゲノム改変がさらに導入された、[1]又は[2]に記載の微生物。
[4]前記多価不飽和脂肪酸が、ω3系多価不飽和脂肪酸である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の微生物。
[5]前記ω3系多価不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸である、[4]に記載の微生物。
[6]前記内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子を有する微生物が、シェワネラ(Shewanella)属細菌である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の微生物。
[7]前記内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子を有する微生物が、シェワネラ・ウーディイ(Shewanella woodyi)である、[6]に記載の微生物。
[8]前記内在性の多価不飽和脂肪酸合成酵素遺伝子を有する微生物が、シェワネラ・ウーディイ(Shewanella woodyi) GS001株(受託番号NITE BP-03460)である、[7]に記載の微生物。
[9][1]~[8]のいずれか1つに記載の微生物を培養することを含む、多価不飽和脂肪酸の製造方法。
[10]硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、且つ塩化ナトリウムを含有しない培地を用いて、多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物を培養することを含む、多価不飽和脂肪酸の製造方法。
[11]前記多価不飽和脂肪酸が、ω3系多価不飽和脂肪酸である、[10]に記載の多価不飽和脂肪酸の製造方法。
[12]前記ω3系多価不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸である、[11]に記載の多価不飽和脂肪酸の製造方法。
[13]前記多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物が、シェワネラ(Shewanella)属細菌である、[10]~[12]のいずれか1つに記載の多価不飽和脂肪酸の製造方法。
[14]前記多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物が、シェワネラ・ウーディイ(Shewanella woodyi)である、[13]に記載の多価不飽和脂肪酸の製造方法。
[15]前記多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物が、シェワネラ・ウーディイ(Shewanella woodyi) GS001株(受託番号NITE BP-03460)である、[14]に記載の多価不飽和脂肪酸の製造方法。
[16]前記多価不飽和脂肪酸合成能を有する微生物が、[1]~[8]のいずれか1つに記載の微生物である、[10]~[15]のいずれか1つに記載の多価不飽和脂肪酸の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、細胞内のPUFA含有量が改善された、PUFA合成能を有する微生物が提供される。また、PUFA合成能を有する微生物における細胞内のPUFA含有量を高めることが可能なPUFAの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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