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公開番号2025057791
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023167537
出願日2023-09-28
発明の名称フレキシブル銅張積層板
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B32B 15/08 20060101AFI20250402BHJP(積層体)
要約【課題】延伸性に優れ、得られる二軸延伸フィルムにおいて低誘電率で、優れた金属との接着性を有する事のできるベースフィルムであり、それを使用した寸法精度の良い積層板を提供することにある。
【解決手段】ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド樹脂を除く)(B)と、を含有するベースフィルムと、前記ベースフィルムの表面に成膜されたNiを含む合金からなる第1の金属層と、第1の金属層の表面に成膜された第2の金属層と、を備えた積層板を用いる事で、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と、ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド系樹脂を除く)(B)と、を含有するベースフィルムと、
前記ベースフィルムの表面に成膜されたNiを含む合金からなる第1の金属層と、
第1の金属層の表面に成膜された第2の金属層と、
を備えた積層板。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記ベースフィルムが二軸延伸フィルムである請求項1記載の積層板。
【請求項3】
前記ベースフィルムの誘電率が3.3以下である請求項1または2に記載の積層板。
【請求項4】
前記ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)の配合量の割合が、ベースフィルムの合計量100質量%に対して、51~97質量%である請求項1または2に記載の積層板。
【請求項5】
前記ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド系樹脂を除く)(B)が、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニルサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、含フッ素系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーを含む請求項1または2に記載の積層板。
【請求項6】
前記ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド系樹脂を除く)(B)の配合量の割合が、ベースフィルムの合計量100質量%に対して、3~49質量%である請求項1または2に記載の積層板。
【請求項7】
前記Niを含む合金からなる第1の金属層がNi及びCrを含む合金であって、
前記第2の金属層を構成する金属種がCuを90質量%以上含む金属である、請求項1または2に記載の積層板。
【請求項8】
前記Niを含む合金からなる第1の金属層がNi及びCrを含む合金であって、合金中に存在するCrの割合が3~50質量%である、請求項1または2に記載の積層板。
【請求項9】
さらに、ベースフィルム中に反応性基が付与された変性エラストマー(C)を含有する請求項1または2に記載の積層板。
【請求項10】
前記変性エラストマー(C)が、エポキシ基、酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するオレフィン系重合体からなる、請求項9に記載の積層板。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属との接着性に優れ、低誘電特性を有するポリアリーレンスルフィド系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなるベースフィルムと金属層が積層した積層板に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、パソコン、モバイル端末などの電子機器では、通信の高速化及び大容量化に伴い、電気信号の高周波化が進んでおり、これに対応するプリント配線板が求められている。特に、電気信号の周波数が高周波になるほど信号電力の損失(減衰)が大きくなるため、信号電力の損失(伝送損失)を低減できるプリント配線板が必要である。伝送損失は、導体となる金属層側の導体損失と基板側の誘電体損失がある。導体損失の低減には、高周波域では表皮効果により信号が導体の表面を流れる特性を有するため、導体となる銅箔の表面粗さを小さくするのが好ましい。一方、誘電体損失の低減には、樹脂基材や接着材の低誘電特性化が好ましい。これらの特性を満たす材料から構成されるフレキシブル基板が伝送ロスの少ない回路基板として求められている。
【0003】
特許文献1には、絶縁フィルムに接着剤を介さず直接下地金属層を形成し、該下地金属層上に銅導体層を形成する2層フレキシブル基板が開示されている。絶縁体フィルムにポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルムポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムの記載はあるものの、実施例にはポリイミドのみの記載であり、他の絶縁フィルムでの記載がなく、密着性が不明である。
【0004】
また、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)に代表されるポリアリーレンスルフィド系樹脂を用いたフィルムは、耐熱性、難燃性、耐薬品性、電気絶縁性に優れるため、コンデンサーやモーターの絶縁材料、耐熱テープに用いられている。ポリアリーレンスルフィド樹脂は、PIやPETに比べ誘電特性に優れることから、FPCやFFCの分野等に好適に適用され得る。しかし、ポリアリーレンスルフィドフィルムは、一般に金属や他樹脂との接着性、密着性が低く、また、接着剤との反応性に乏しいという課題がある
【0005】
これを改善するものとして、例えば、特許文献2には、金属板の少なくとも片面に、ポリアリーレンスルフィド樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂とは異なる熱可塑性樹脂からなる二軸延伸フィルムが積層されていることが記載されている。しかしながら、低融点ポリフェニレンスルフィド樹脂からなる層、若しくは無配向ポリフェニレンスルフィドシートと金属板が直接積層された積層体で、ポリアリーレンスルフィド樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂とは異なる熱可塑性樹脂からなる二軸延伸フィルムを直接、金属と接着した記載がない。また、低融点ポリフェニレンスルフィド樹脂からなる層とポリアリーレンスルフィド樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂とは異なる熱可塑性樹脂層との共押出の多層化、若しくは、無配向ポリフェニレンスルフィドシートとの積層化が必要であり、生産性に劣る等の問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-13152号公報
特開2007-276456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、延伸性に優れ、得られる二軸延伸フィルムにおいて低誘電率で、金属との接着性に優れるベースフィルムであり、それを使用した寸法精度の良い積層板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく誠意検討を行った結果、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と、ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド系樹脂を除く)(B)と、を含有するベースフィルムと、前記ベースフィルムの表面に成膜されたNiを含む合金からなる第1の金属層と、第1の金属層の表面に成膜された第2の金属層と、を備えた積層板を用いる事で、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]~[13]に関する。
【0009】
[1]ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と、ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド系樹脂を除く)(B)と、を含有するベースフィルムと、
前記ベースフィルムの表面に成膜されたNiを含む合金からなる第1の金属層と、
第1の金属層の表面に成膜された第2の金属層と、
を備えた積層板。
[2]前記ベースフィルムが二軸延伸フィルムである1に記載の積層板。
[3]前記ベースフィルムの誘電率が3.3以下である請求項1又は2に記載の積層板。
[4]前記ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)の配合量の割合が、ベースフィルムの合計量100質量%に対して、51~97質量%である1~3に記載の積層板。
[5]前記ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド系樹脂を除く)(B)が、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニルサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、含フッ素系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーを含む1~4のいずれか1つに記載の積層板。
[6]前記ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド系樹脂を除く)(B)の配合量の割合が、ベースフィルムの合計量100質量%に対して、3~49質量%である1~5いずれか1つに記載の積層板。
[7]前記Niを含む合金からなる第1の金属層がNi及びCrを含む合金であって、
第2の金属層を構成する金属種がCuを90質量%以上含む金属である、1~6いずれか1つに記載の積層板。
[8]前記Niを含む合金からなる第1の金属層がNi及びCrを含む合金であって、合金中に存在するCrの割合が3~50質量%である、1~7いずれか1つに記載の積層板。
[9]さらに、ベースフィルム中に反応性基が付与された変性エラストマー(C)を含有する1~8いずれか1つに記載の積層板。
[10]前記変性エラストマー(C)が、エポキシ基、酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するオレフィン系重合体からなる、9に記載の積層板。
[11]前記変性エラストマー(C)の配合量の割合が、ベースフィルムの合計量100質量%に対して、1~15質量%の範囲である9または10に記載の積層板。
[12]さらに、ベースフィルム中にエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選択される少なくとも1種の官能基を含有するシランカップリング剤(D)を0.01~5質量%含有する請求項1~11ずれか1項に記載の積層板。
[13]前記ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド系樹脂を除く)(B)の平均分散径が5μm以下である請求項1~12のいずれか1つに記載の積層板。
[14]1~13のいずれか1つに記載の積層板を用いた電子デバイス。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と、ガラス転移温度140℃以上又は融点230℃以上の熱可塑性樹脂(ポリアリーレンスルフィド系樹脂を除く)(B)を含有する樹脂組成物からなる延伸性、誘電特性に優れるベースフィルムを用いることで、ベースフィルムの表面に成膜された第1の金属層と、第1の金属層の表面に成膜された第2の金属層との密着性が向上し、寸法精度の優れる積層板を提供する事ができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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