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公開番号2024146766
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2024022218
出願日2024-02-16
発明の名称3次元造形用材料、3次元造形用粉末、成形体及びその製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 23/06 20060101AFI20241004BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】樹脂組成物を含有する3次元造形用材料であって、既存の樹脂粉末を用いて、また、粉末製造時の安全性を保持しつつ、3Dプリンタにおける造形性や得られる成形体の耐衝撃性に優れる3次元造形用材料を提供する。
【解決手段】樹脂組成物を含有する3次元造形用材料であって、前記樹脂組成物は、粘度平均分子量(Mv)が50万未満である熱可塑性樹脂(A)と、粘度平均分子量(Mv)が50万以上1000万以下である超高分子量ポリエチレン(B)とを含み、前記超高分子量ポリエチレン(B)の含有量が、前記熱可塑性樹脂(A)と前記超高分子量ポリエチレン(B)との合計100質量部に対して1質量部以上50質量部未満である3次元造形用材料。この3次元造形用材料を用いて、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)法により成形体を3次元に造形する工程を含む成形体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂組成物を含有する3次元造形用材料であって、
前記樹脂組成物は、粘度平均分子量(Mv)が50万未満である熱可塑性樹脂(A)と、粘度平均分子量(Mv)が50万以上1000万以下である超高分子量ポリエチレン(B)とを含み、
前記超高分子量ポリエチレン(B)の含有量が、前記熱可塑性樹脂(A)と前記超高分子量ポリエチレン(B)との合計100質量部に対して1質量部以上50質量部未満である3次元造形用材料。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記超高分子量ポリエチレン(B)が粉末形態である請求項1に記載の3次元造形用材料。
【請求項3】
前記超高分子量ポリエチレン(B)の粉末のレーザー回折法による平均粒径(D50)が、10μm以上200μm以下である請求項1に記載の3次元造形用材料。
【請求項4】
前記3次元造形用材料、前記熱可塑性樹脂(A)及び前記超高分子量ポリエチレン(B)が粉末形態であり、前記3次元造形用材料及び前記熱可塑性樹脂(A)の粉末のレーザー回折法による平均粒径(D50)が、前記超高分子量ポリエチレン(B)の粉末の平均粒径(D50)よりも大きい請求項1に記載の3次元造形用材料。
【請求項5】
JIS K7121に準じて示差走査熱量測定における昇温速度10℃/分で測定される融点(Tm)において、前記熱可塑性樹脂(A)の融点(Tm)と、前記超高分子量ポリエチレン(B)の融点(Tm)との差が70℃以下である請求項1に記載の3次元造形用材料。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレフィン系樹脂である請求項1に記載の3次元造形用材料。
【請求項7】
前記ポリオレフィン系樹脂が、プロピレン系重合体である請求項6に記載の3次元造形用材料。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の3次元造形用材料を用いて得られる3次元造形用粉末。
【請求項9】
レーザー回折法による平均粒径(D50)が、5μm以上250μm以下である請求項8に記載の3次元造形用粉末。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載の3次元造形用材料を用いて得られる成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は3次元造形用材料に関し、詳しくは超高分子量ポリエチレンを含む3次元造形用材料に関する。本発明はまた、これらの3次元造形用材料からなる3次元造形用粉末と、この3次元造形用材料を用いた成形体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
今日、種々の付加製造方式(例えば結合剤噴射式、材料押出式、液槽光重合式等)の3次元プリンタ(以下「3Dプリンタ」と称することがある)が販売されている。
これらの中で、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)法による3Dプリンタシステム、例えば米国の3D Systems社製のシステムは、樹脂などの粉末材料の薄層(粉末床)を、高出力CO

レーザー等の加熱手段を使用して該樹脂粉末の融点近傍の温度に加熱、溶融させ、コンピュータ支援設計(CAD)モデルを基にして3次元物体を層状に構築するために用いられている。ここで、加熱手段として使用されるレーザーは、3D CADデータに基づいて形成された粉体床の表面で断面をX-Y方向にスキャンして、粉末材料を選択的に溶融させる。このように、粉末床の形成とレーザーによる溶融とを繰り返して積層体を形成してゆくことにより3次元の成形体を得ることができる。このシステムは、金型を使用する必要がなく、ある程度耐熱性を有するものであれば多様な樹脂粉末を原料として使用することができ、得られる成形体の信頼性も高いことから、近年注目されている技術である。
【0003】
3Dプリンタに用いられる樹脂粉末の材料種としては、その造形原理より結晶性熱可塑性樹脂が使用され、特に、ナイロン12やナイロン11などのポリアミド系樹脂が広く用いられている。近年では、ポリアミド系樹脂以外にも、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂やポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリウレタンなどのエラストマー系樹脂も用いられている。
【0004】
従来、3Dプリンタは、製品の試作用途向けに広く使用されてきたが、近年、実用途に使用される機能性部品に適用することも検討されている。実用途を想定した場合、例えば、家電製品や建築材料、航空機、自動車材料などの部材として用いる場合には、3Dプリンタにより3次元造形用材料を用いて得られる成形体は高い機械物性を有することが望まれる。
しかし、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)法による成形体は、その造形原理より、成形体内部に空隙ができやすく、機械物性に劣る。特に、現行の自動車材料などの部材に使用されている材料のような高い耐衝撃性を付与することは難しい。
【0005】
粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)法による成形体の機械物性を向上させる検討として、例えば、特許文献1では、ポリプロピレン系樹脂のエチレン含有モル比率やメルトフローレートを特定範囲に規定することで、引張破断伸びに優れた粉末を得る方法が開示されている。
また、特許文献2では、ポリプロピレン系樹脂に充填材としてタルクを溶融混練し、得られる樹脂粉末全体の質量に対するに酸化ケイ素の質量比を特定範囲に規定することで、成形体の積層方向における強度に優れた粉末を得る方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2020/213586号
特開2020-93515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
3Dプリンタが、実用途にも使用される機能性部品に広く適用されるためには、既存の樹脂粉末を用いて、3Dプリンタによる造形性と得られる成形体の耐衝撃性を向上できること、また、材料製造時の安全性が確保されることが望まれる。
【0008】
しかし、上記特許文献1では、特定の組成のエチレン・プロピレン共重合体を重合する必要があり、原材料の製造・調達の観点から好ましくない。
特許文献2では、GHS分類に該当するタルクを含有しているため、粉砕時の安全性が懸念される。
また、いずれの例でも、得られる成形体の耐衝撃性の向上は確認できていない。
【0009】
本発明は上記課題を解決するものであって、樹脂組成物を含有する3次元造形用材料であって、既存の樹脂粉末を用いて、また、粉末製造時の安全性を保持しつつ、3Dプリンタにおける造形性や得られる成形体の耐衝撃性に優れる3次元造形用材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、超高分子量ポリエチレンを所定の割合で含有する樹脂組成物を用いることにより、これらの課題を解決できることを見出し、本発明を開発するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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