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公開番号2024145808
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058321
出願日2023-03-31
発明の名称縫製装置
出願人ブラザー工業株式会社
代理人個人,個人
主分類D05B 65/06 20060101AFI20241004BHJP(縫製;刺しゅう;タフティング)
要約【課題】糸を掴んで保持する糸保持機構が、糸を保持しているかを判断可能な縫製装置を提供すること。
【解決手段】縫製装置は、糸を掴んで保持する糸保持機構、検出部、及び判断部を備える。糸保持機構は、糸を保持する保持位置と、糸を解放する解放位置とに変位可能な第一保持部と、保持位置にある第一保持部と共に、糸を挟んで保持する第二保持部と、第一保持部を保持位置と解放位置とに移動する移動部とを有する。検出部は、第二保持部の変位に応じた物理量を検出する(S21)。判断部は、検出部の検出結果に基づき、第一保持部と、第二保持部との間に糸が保持されているかを判断する(S22)。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
糸を掴んで保持する糸保持機構であって、
前記糸を保持する保持位置と、前記糸を解放する解放位置とに変位可能な第一保持部と、
前記保持位置にある前記第一保持部と共に、前記糸を挟んで保持する第二保持部と、
前記第一保持部を前記保持位置と前記解放位置とに移動する移動部と
を有する前記糸保持機構と、
前記第二保持部の変位に応じた物理量を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づき、前記第一保持部と、前記第二保持部との間に前記糸が保持されているかを判断する判断部と
を備えることを縫製装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記判断部の判断結果に基づき、縫製時における縫製不良の発生が予測される場合、前記縫製不良の発生が予測されたことを報知する報知部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の縫製装置。
【請求項3】
前記報知部は、縫製開始後の所定の時期に前記検出部によって検出された前記検出結果に基づき、前記縫製不良として、糸絡み不良の発生が予測されたことを報知することを特徴とする請求項2に記載の縫製装置。
【請求項4】
縫針を挿通する針穴が形成された針板と、
前記針板の下側に固定される固定刃と
を更に備え、
前記糸は下糸であり、
前記第一保持部は、前記針板の下方において前記固定刃に対して水平方向に回動可能に設けられ、切断後の前記下糸の下糸端部を前記第二保持部との間で挟持可能である糸挟持部と、前記下糸端部を前記第二保持部との間で挟持不能な糸解放部とを有する可動刃であり、
前記第二保持部は、前記針板の下側に固定された付勢部材であり、
前記移動部は、モータを有し、前記モータの動力で前記可動刃を前記水平方向に回動することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の縫製装置。
【請求項5】
縫針を挿通する針穴が形成された針板を更に備え、
前記糸は上糸であり、
前記第二保持部は、前記針板の下方に設けられ、
前記第一保持部は、前記針板の下方において前記第二保持部に対して移動可能に設けられ、
前記糸保持機構は、縫製開始時の数針分の縫目形成に際して、前記移動部の駆動により、前記上糸の上糸端部を前記針板の下側で保持することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の縫製装置。
【請求項6】
前記第二保持部は、前記糸と接触する第一面と、前記第一面とは反対側の第二面を有し、
前記検出部は、前記第二保持部の前記第二面に配置された磁石と、前記磁石の磁束密度の変化を検出する磁気センサとを有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の縫製装置。
【請求項7】
前記第二保持部は、前記糸と接触する第一面と、前記第一面とは反対側の第二面を有し、
前記検出部は、前記第二保持部の前記第二面に配置されたひずみゲージを有し、前記第二保持部の変位に応じたひずみを検出することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の縫製装置。
【請求項8】
縫針を装着する上下動可能な針棒と、
前記縫針に挿通する上糸を捕捉して下糸と絡める釜と、
前記検出部の前記検出結果に基づき、前記糸の太さを取得する太さ取得部と、
前記糸の太さに基づき、前記針棒と前記釜とによる縫製動作を制御する縫製制御部を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の縫製装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は縫製装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来の縫製装置は、糸掴み部材と、糸押え部材とを備える。糸掴み部材は、針板の下側に水平に回動可能に設け、上糸が通る糸穴を第一端部に有し、縫製開始時に糸穴を針穴の下方に位置する準備位置と、準備位置に対し糸穴を針穴から離れた位置に位置する離間位置との間で移動する。糸押え部材は、針板の下側に水平に回動可能に設け、糸掴み部材の第一端部との間に上糸を挟んで保持可能な第二端部を有し、糸掴み部材に従動し、第二端部が糸穴と上下方向に重なる位置に移動して上糸を挟む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-099657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の縫製装置では、糸掴み部材と、糸押え部材とによる糸の保持は確実なものではなく、保持が失敗する場合もある。縫製装置では、糸掴み部材と、糸押え部材とが、糸の保持に失敗した状態のまま縫製を開始すると、縫い始めの縫製不良が発生する可能性が高まる。
【0005】
本発明の目的は、糸を掴んで保持する糸保持機構が、糸を保持しているかを判断可能な縫製装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1の縫製装置は、糸を掴んで保持する糸保持機構であって、前記糸を保持する保持位置と、前記糸を解放する解放位置とに変位可能な第一保持部と、前記保持位置にある前記第一保持部と共に、前記糸を挟んで保持する第二保持部と、前記第一保持部を前記保持位置と前記解放位置とに移動する移動部とを有する前記糸保持機構と、前記第二保持部の変位に応じた物理量を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づき、前記第一保持部と、前記第二保持部との間に前記糸が保持されているかを判断する判断部とを備える。請求項1の縫製装置は、作業者の手間を増やすことなく、検出部の検出結果に基づき、糸保持機構の第一保持部と第二保持部との間に保持された糸の状態を判断することに貢献する。
【0007】
本発明の請求項2の縫製装置は、前記判断部の判断結果に基づき、縫製時における縫製不良の発生が予測される場合、前記縫製不良の発生が予測されたことを報知する報知部を更に備える。縫製装置の報知部は、判断部の判断結果に基づき、縫製時における縫製不良の発生を報知することに貢献する。縫製装置の作業者は、報知部が報知した情報に基づき、縫製時に縫製不良が発生する可能性を把握でき、必要な対応をとることができる。
【0008】
本発明の請求項3の縫製装置の前記報知部は、縫製開始後の所定の時期に前記検出部によって検出された前記検出結果に基づき、前記縫製不良として、糸絡み不良の発生が予測されたことを報知する。縫製装置の報知部は、判断部の判断結果に基づき、縫製時における縫製不良として、糸絡み不良の発生が予測されたことを報知することに貢献する。縫製装置の作業者は、報知部が報知した情報に基づき、縫製時に糸絡み不良が発生する可能性を把握でき、必要な対応をとることができる。
【0009】
本発明の請求項4の縫製装置は、縫針を挿通する針穴が形成された針板と、前記針板の下側に固定される固定刃とを更に備え、前記糸は下糸であり、前記第一保持部は、前記針板の下方において前記固定刃に対して水平方向に回動可能に設けられ、切断後の前記下糸の下糸端部を前記第二保持部との間で挟持可能である糸挟持部と、前記下糸端部を前記第二保持部との間で挟持不能な糸解放部とを有する可動刃であり、前記第二保持部は、前記針板の下側に固定された付勢部材であり、前記移動部は、モータを有し、前記モータの動力で前記可動刃を前記水平方向に回動する。針下に設けられ、下糸を保持する糸保持機構では、下糸が第一保持部と第二保持部とにより保持されているかを確認し難い。請求項4の縫製装置の判断部は、検出部の検出結果に基づき、糸保持機構の第一保持部と第二保持部とで下糸を保持しているかを自動で判断することに貢献する。
【0010】
本発明の請求項5の縫製装置は、縫針を挿通する針穴が形成された針板を更に備え、前記糸は上糸であり、前記第二保持部は、前記針板の下方に設けられ、前記第一保持部は、前記針板の下方において前記第二保持部に対して移動可能に設けられ、前記糸保持機構は、縫製開始時の数針分の縫目形成に際して、前記移動部の駆動により、前記上糸の上糸端部を前記針板の下側で保持する。針下に設けられ、上糸を保持する糸保持機構では、上糸が第一保持部と第二保持部とにより保持されているかを確認し難いが、縫製装置の判断部は、検出部の検出結果に基づき、糸保持機構の第一保持部と第二保持部とで上糸を保持しているかを自動で判断することに貢献する。
(【0011】以降は省略されています)

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