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公開番号2024144348
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024051726
出願日2024-03-27
発明の名称ポリアミドイミド多孔体形成用溶液
出願人ユニチカ株式会社
代理人
主分類C08G 73/10 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリアミドイミド(PAI)の良溶媒よりも高沸点の貧溶媒の比率の低い混合溶媒組成であってもゲル化が抑制され、また、乾燥効率が向上した、PAI多孔体形成用溶液の提供。
【解決手段】酸成分としてTMA、イソシアネート成分としてTODIとMDIをTODI/MDI=85/15~95/5(モル比)で含むPAIと、含窒素極性溶媒(A)と含窒素極性溶媒より5℃以上沸点の高い貧溶媒(B)とを(A)/(B)=80/20~50/50(質量比)の割合で含む混合溶媒と、からなるPAI多孔体形成用溶液。この溶液から得られたPAI多孔体は、スピーカ振動板、低誘電性のフレキシブル基板、電極用バインダー、リチウム2次電池用セパレータ、リチウム2次電池電極用保護膜等として好適に用いることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸成分としてTMA、イソシアネート成分としてTODIとMDIをTODI/MDI=85/15~95/5(モル比)の範囲で含むPAIと、含窒素極性溶媒(A)と含窒素極性溶媒より5℃以上沸点の高い貧溶媒(B)とを(A)/(B)=80/20~50/50(質量比)の割合で含む混合溶媒と、からなるPAI多孔体形成用溶液。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高気孔率のポリアミドイミド(PAI)多孔体を形成することのできる溶液に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
耐熱性に優れた多孔質PI系フィルムとして、特許文献1、2には、酸成分として無水トリメリット酸(TMA)、イソシアネート成分としてo-トリジンジイソシアネート(TODI)を用いたPAIからなる多孔質PAIフィルムが開示されている。このPAIは、ガラス転移温度が300℃程度と高く、耐熱性に優れている。また、特許文献3には、酸成分として無水トリメリット酸(TMA)、イソシアネート成分としてo-トリジンジイソシアネート(TODI)を用いたポリアミドイミド(PAI)からなる多孔質PAIフィルムであって、気孔率が75体積%以上のものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-152675号公報
特開2005-281668号公報
特開2022-031177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した各技術は、PAIの良溶媒と貧溶媒との混合溶媒を用い、基材上に、PAIと溶媒とを含む溶液(PAI溶液)を塗布して塗膜を形成した後、塗膜中の溶媒を揮発させて除去する際、塗膜内で相分離を起こさせて、基材上に多孔質PAI被膜を形成させるものである。多孔質PAIの気孔率は、特許文献3の実施例1、実施例4、実施例5を比較するとわかる通り、PAI溶液に対する貧溶媒の比率が高いほど気孔率は上がる。しかしながら、この方法において、多孔質PAI被膜の気孔率を上げようとして貧溶媒の割合を高くすると、溶液がゲル化するため、均一な塗膜の形成が困難になるという問題があった。また、アミド系溶媒よりも高沸点の貧溶媒の比率を高くすると、乾燥に時間がかかるため、乾燥効率が低下してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は前記課題を解決するものであって、PAIの良溶媒よりも高沸点の貧溶媒の比率の低い混合溶媒組成であってもゲル化が抑制され、また、乾燥効率が向上した、PAI多孔体形成用溶液の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために鋭意研究した結果、酸成分としてTMA、イソシアネート成分としてTODIと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを用いたPAIにおいて、TODIとMDIのモル比率を特定の範囲とし、特定の溶媒組成と組み合せることにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】
本発明は以下を趣旨とするものである。酸成分としてTMA、イソシアネート成分としてTODIとMDIをTODI/MDI=85/15~95/5(モル比)で含むPAIと、含窒素極性溶媒(A)と含窒素極性溶媒より5℃以上沸点の高い貧溶媒(B)とを(A)/(B)=80/20~50/50(質量比)の割合で含む混合溶媒と、からなるPAI多孔体形成用溶液。
【発明の効果】
【0008】
本発明のPAI多孔体形成用溶液は、良溶媒である含窒素極性溶媒よりも高沸点の貧溶媒の割合が高いため、多孔体形成時の乾燥効率に優れている。この溶液は、ゲル化することなく光学的に均一な溶液であるので、この溶液から表面状態や厚みの均一性に優れた多孔体を得ることができる。得られたPAI多孔体は、スピーカ振動板、低誘電性のフレキシブル基板、電極用バインダー、リチウム2次電池用セパレータ、リチウム2次電池電極用保護膜等として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の多孔質PAIフィルムを構成するPAIは、酸成分としてTMA、イソシアネート成分としてTODIおよびMDIが用いられていることが必要である。TODIとMDIの比率は、TODI/MDI=85/15~95/5(モル比)とすることが必要である。TODIが85モル%未満としてPAI多孔体形成用溶液を作製した場合、貧溶媒比率を低減すると多孔体は得られない。また、95モル%を超える場合には、本発明の混合溶媒比の範囲では光学的に均一な溶液が得られない。
(【0011】以降は省略されています)

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