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公開番号2024144317
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024050085
出願日2024-03-26
発明の名称多芯筆記具
出願人株式会社パイロットコーポレーション
代理人
主分類B43K 24/12 20060101AFI20241003BHJP(筆記用または製図用の器具;机上付属具)
要約【課題】突出させた筆記体を軸筒内に退没する操作を迷うことなく実行することができる多芯筆記具を提供すること。
【解決手段】前端孔3aを有する軸筒2と、軸筒2の内部に収容された複数の筆記体6と、筆記体6の後部に連結された操作体7と、操作体7を後方へ弾発する弾発体8と、を備え、操作体7は係止部7gと係合部7fとを有し、軸筒2の内部に、操作体7が前方へスライドすることで係止部7gに係止する被係止部5cと、係止部7gと被係止部5cとが係止した状態から操作体7が更なる前方へのスライドをした際に係合部7fに係合する被係合部9iと、を備え、係合部7fと被係合部9iとが係合することで、係止部7gを軸筒2の径方向外方へ移動させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
前端孔を有する軸筒と、前記軸筒の内部に収容された複数の筆記体と、前記複数の筆記体の各々の後部に連結され、各々の筆記体に対応した操作体と、前記各々の操作体を後方へ弾発する弾発体と、を備え、
前記軸筒の側部に、前後方向に延びる複数の摺動孔が径方向に貫設され、
前記各々の摺動孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を前記摺動孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された前記筆記体のペン先を前記軸筒の前端孔から突出させる多芯筆記具において、
前記各々の操作体は、後部に設けられた係止部と前部に設けられた係合部とを有し、
前記軸筒の内部に、前記各々の操作体が前方へスライドすることで前記係止部に係止する被係止部を備え、前記係止部と前記被係止部とが係止することで、前記各々の操作体の後方への移動を規制し、前記各々の操作体に対応したペン先が前記前端孔から突出する状態が維持され、
前記各々の操作体は、前記係止部と前記被係止部とが係止した状態から更なる前方へのスライドが可能に構成され、
前記軸筒の内部に、前記各々の操作体が更なる前方へのスライドをした際に、前記係合部と係合する被係合部を備え、
前記係合部と前記被係合部とが係合することで、前記係止部が前記軸筒の径方向外方へ移動することを特徴とした多芯筆記具。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記軸筒の内部に、前記被係合部と、前記各々の筆記体が挿通する挿通孔と、を備えた中駒が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の多芯筆記具。
【請求項3】
前記中駒は、後端に後方開口部を備え、前記後方開口部に前記被係合部が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の多芯筆記具。
【請求項4】
前記被係合部は、前記後方開口部の内周面に周状に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の多芯筆記具。
【請求項5】
前記各々の操作体の側面に外側突起が設けられ、前記各々の操作体が前記係止部と前記被係止部とが係止した状態から更なる前方へのスライドをした際、前記軸筒の外周部に前記外側突起と当接する被当接部を備えたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の多芯筆記具。
【請求項6】
前記軸筒の被当接部は、段状に形成された外方段部を有し、前記外方段部が後方へ向かうにつれ径方向内方に向かって傾斜する外方傾斜部を備えたこと特徴とする請求項5に記載の多芯筆記具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軸筒内に複数の筆記体を出没可能に収容した多芯筆記具に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、軸筒内に複数の筆記体が収容され、操作体を操作することで目的とする筆記端を突出させて筆記を行う構造の多芯筆記具がある。
このような多芯筆記具では、特許文献1に記載された筆記具のように、軸筒の側面から突出した複数の操作体から繰り出したいものを選び、選択した一つの操作体を前方へスライドすることでその操作体に連結した筆記体の筆記端を突出させることができる。この際、一つの操作体の係止部と軸筒の被係止部とが係止することで、筆記端を突出させた状態が維持される。そして、突出させた筆記体の筆記端を軸筒内に戻すには、前方へスライドさせた一つの操作体とは別の他の操作体を前方へスライドすることで、他の操作体と先に繰り出された一つの操作体とが軸筒内で接触し、それにより一つの操作体と軸筒との係止状態が解除され、後方へ付勢されている一つの操作体が後退することで連結されている筆記体も後退し、筆記体の筆記端が軸筒内に退没する構造となっている。
【0003】
特許文献1のような、筆記体を軸筒内に退没させるための構造は、広く一般的に使用され、一度知ればその後は誰にでも比較的容易に操作可能だが、初めて同構造の多芯筆記具を使うときには他の操作体をスライドさせることが、先に繰り出した一つの操作体の係止状態を解除することに繋がることを発想できず、操作に戸惑う虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-038635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を鑑みて、突出させた筆記体を軸筒内に退没する操作を迷うことなく実行することができる多芯筆記具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
「1.前端孔を有する軸筒と、前記軸筒の内部に収容された複数の筆記体と、前記複数の筆記体の各々の後部に連結され、各々の筆記体に対応した操作体と、前記各々の操作体を後方へ弾発する弾発体と、を備え、
前記軸筒の側部に、前後方向に延びる複数の摺動孔が径方向に貫設され、
前記各々の摺動孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、一つの操作体を前記摺動孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された前記筆記体のペン先を前記軸筒の前端孔から突出させる多芯筆記具において、
前記各々の操作体は、後部に設けられた係止部と前部に設けられた係合部とを有し、
前記軸筒の内部に、前記各々の操作体が前方へスライドすることで前記係止部に係止する被係止部を備え、前記係止部と前記被係止部とが係止することで、前記各々の操作体の後方への移動を規制し、前記各々の操作体に対応したペン先が前記前端孔から突出する状態が維持され、
前記各々の操作体は、前記係止部と前記被係止部とが係止した状態から更なる前方へのスライドが可能に構成され、
前記軸筒の内部に、前記各々の操作体が更なる前方へのスライドをした際に、前記係合部と係合する被係合部を備え、
前記係合部と前記被係合部とが係合することで、前記係止部が前記軸筒の径方向外方へ移動することを特徴とした多芯筆記具。
2.前記軸筒の内部に、前記被係合部と、前記各々の筆記体が挿通する挿通孔と、を備えた中駒が配設されたことを特徴とする前記1項に記載の多芯筆記具。
3.前記中駒は、後端に後方開口部を備え、前記後方開口部に前記被係合部が設けられたことを特徴とする前記2項に記載の多芯筆記具。
4.前記被係合部は、前記後方開口部の内周面に周状に形成されたことを特徴とする前記3項に記載の多芯筆記具。
5.前記各々の操作体の側面に外側突起が設けられ、前記各々の操作体が前記係止部と前記被係止部とが係止した状態から更なる前方へのスライドをした際、前記軸筒の外周部に前記外側突起と当接する被当接部を備えたことを特徴とする前記1項から4項の何れか1項に記載の多芯筆記具。
6.前記軸筒の被当接部は、段状に形成された外方段部を有し、前記外方段部が後方へ向かうにつれ径方向内方に向かって傾斜する外方傾斜部を備えたこと特徴とする前記5項に記載の多芯筆記具。」である。
【0007】
本発明の多芯筆記具によれば、選択した一つの操作体を前進させて係止部と軸筒内の被係止部とを係止させることで、操作体の後方への移動が規制され、筆記体のペン先が軸筒の前端開口部から突出した状態を維持できるとともに、その状態から同じ操作体を更に前進させ、係合部と軸筒内の被係合部とを係合させることで係止部を径方向外方へ移動させることができることから、操作体の前方への押圧を解除し、弾発体で後方へ弾発された操作体が後方へ戻る際、係止部と被係止部とが再度係止されることを回避できる。このため、操作体の後退に伴い連結された筆記体のペン先を軸筒の先端孔内に退没させることができる。すなわち、操作体の1度目の前進で筆記体のペン体を軸筒から突出状態で維持し、同じ操作体の2回目の前進で筆記部を軸筒内に退没できるため、多芯筆記具を初めて使う人でも操作に迷うことなく筆記体のペン先の出没動作を行うことができる。
【0008】
また、前記軸筒の内部に、被係合部と各々の筆記体が挿通する挿通孔とを備えた中駒を配設してもよく、この場合、挿通孔により各々筆記体を誘導できるため、操作体の係合部と中駒に形成した被係合部とを係合させることが容易となる。
【0009】
また、中駒は、後端に後方開口部を備えた内孔を有し、後方開口部が被係合部を備えてもよく、この場合、内孔の形成時に同時に被係止部の形成が可能であるため、中駒の制作コストを軽減できる。
【0010】
さらに、被係合部は、後方開口部の内周面に周状に形成されていてもよく、この場合、各々の操作体の係合部と被係合部との周方向における位置合わせが不要になるため、設計の自由度が向上するとともに、部品の形成、組み立て作業が容易となる。
(【0011】以降は省略されています)

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