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公開番号2024143863
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056779
出願日2023-03-30
発明の名称光学積層体および該光学積層体を含む画像表示装置
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241003BHJP(光学)
要約【課題】薄型であり、かつ、押し込み時の耐クラック性に優れた光学積層体を提供する。
【解決手段】光学積層体は、反射防止層と、紫外線吸収剤を含む樹脂フィルムと、を備える前面保護層と;第1の粘着剤層と;紫外線吸収剤を含み、該偏光子の前面保護層側に積層される第1の保護層と、偏光子と、該偏光子の第1の保護層が積層されていない面に積層された第2の保護層と、を含む、偏光板と;(i)高分子フィルムの延伸フィルムである位相差フィルムと、屈折率特性がnz>nx=nyを満たす液晶化合物の配向固化層と、を含む位相差層、または、(ii)第1の液晶配向固化層と第2の液晶配向固化層と、を含む位相差層である、位相差層と;第2の粘着剤層;をこの順に備え、該反射防止層側から測定した反射率が3%未満であり、該第1の粘着剤層の厚みが第2の粘着剤層の厚より小さいか等しい、総厚みが180μm以下の光学積層体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
反射防止層と、紫外線吸収剤を含む樹脂フィルムと、を備える前面保護層と;
厚みが5μm~25μmであり、23℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa~2.0×10

Paである、第1の粘着剤層と;
紫外線吸収剤を含み、該偏光子の前面保護層側に積層される第1の保護層と、配向関数が0.35以上であり、ホウ素含有量が14重量%~22重量%である、偏光子と、該偏光子の第1の保護層が積層されていない面に積層された第2の保護層と、を含む、偏光板と;
(i)高分子フィルムの延伸フィルムである位相差フィルムと、屈折率特性がnz>nx=nyを満たす液晶化合物の配向固化層と、を含む位相差層、または、(ii)第1の液晶配向固化層と第2の液晶配向固化層とを含む、位相差層である、位相差層と;
厚みが10μm~30μmであり、23℃における貯蔵弾性率が0.5×10

Pa~1.5×10

Paである第2の粘着剤層と;をこの順に備え、
該反射防止層側から測定した反射率が3%未満であり、
該第1の粘着剤層の厚みT
P1
と該第2の粘着剤層の厚みT
P2
とがT
P1
≦T
P2
の関係を満たし、
総厚みが180μm以下である、光学積層体。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記第2の保護層の厚みが、1μm以下である、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項3】
前記樹脂フィルム、および、前記第1の保護層がセルロース樹脂を含む、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項4】
前記偏光板が、前記第1の保護層の前記第1の粘着剤層と接する面にハードコート層をさらに備え、
該ハードコート層が紫外線吸収剤を含む、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項5】
前記第1の粘着剤層の波長780nmの屈折率が、1.40以上である、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項6】
前記偏光子の厚みが8μm以下である、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項7】
前記(i)の位相差層における位相差フィルムが、面内位相差Re(550)が100nm~190nmであり、かつ、Re(450)/Re(550)<1を満たし、
前記位相差フィルムの遅相軸と、前記偏光子の吸収軸とのなす角度が40°~50°である、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項8】
前記(ii)の位相差層における前記第1の液晶配向固化層のRe(550)が200nm~300nmであり、前記第2の液晶配向固化層のRe(550)が100nm~200nmであり、
前記該第1の液晶配向固化層の遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が10°~20°であり、
前記第2の液晶配向固化層の遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が70°~80°である、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項9】
前記第2の保護層が樹脂の有機溶媒溶液の塗布膜の固化層または硬化層である、請求項2に記載の光学積層体。
【請求項10】
前記前面保護層の厚みが20μm~30μmである、請求項1に記載の光学積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学積層体および該光学積層体を含む画像表示装置に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置には、代表的には偏光板および位相差板が用いられている。実用的には、偏光板と位相差板とを一体化した位相差層付偏光板が広く用いられている(例えば、特許文献1)。位相差層付偏光板の用途は拡大しており、モバイル用途だけではなく、ノートパソコン、および、モニター等のより大きな画像表示部を有する画像表示装置にも用いられている。サイズが大きい偏光板では、高温高湿環境下での寸法変化が大きくなりやすい。そのため、偏光板端部に脱色等の不具合が生じた場合、画像表示部分にまで不具合が影響するおそれがある。また、サイズが大きい画像表示装置では、軽量化、および、薄型化のために前面板として樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムが用いられる場合、画像表示装置の視認側から位相差層付偏光板に負荷が加わることにより、偏光子および位相差層にクラックが発生する場合がある。また、前面板として樹脂フィルムを採用する場合、通常、樹脂フィルムの視認側表面に反射防止層が形成される。画像表示装置の視認側から位相差層付偏光板に負荷が加わることにより、樹脂フィルムに形成される反射防止層自体にもクラックが発生する場合がある。そのため、薄型化、および、軽量化が可能であり、かつ、押し込み時の耐クラック性にも優れた位相差層付偏光板が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3325560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、薄型であり、かつ、押し込み時の耐クラック性に優れた光学積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.本発明の実施形態の光学積層体は、反射防止層と、紫外線吸収剤を含む樹脂フィルムと、を備える前面保護層と;厚みが5μm~25μmであり、23℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa~2.0×10

Paである、第1の粘着剤層と;紫外線吸収剤を含み、該偏光子の前面保護層側に積層される第1の保護層と、配向関数が0.35以上であり、ホウ素含有量が14重量%~22重量%である、偏光子と、該偏光子の第1の保護層が積層されていない面に積層された第2の保護層と、を含む、偏光板と;(i)高分子フィルムの延伸フィルムである位相差フィルムと、屈折率特性がnz>nx=nyを満たす液晶化合物の配向固化層と、を含む位相差層、または、(ii)第1の液晶配向固化層と第2の液晶配向固化層とを含む位相差層である、位相差層と;厚みが10μm~30μmであり、23℃における貯蔵弾性率が0.5×10

Pa~1.5×10

Paである第2の粘着剤層と;をこの順に備え、該反射防止層側から測定した反射率が3%未満であり、該第1の粘着剤層の厚みT
P1
と該第2の粘着剤層の厚みT
P2
とがT
P1
≦T
P2
の関係を満たし、総厚みが180μm以下である。
2.上記1に記載の光学積層体において、上記第2の保護層の厚みは、1μm以下であってもよい。
3.上記1または2に記載の光学積層体において、上記樹脂フィルム、および、上記第1の保護層はセルロース樹脂を含んでいてもよい。
4.上記1から3のいずれかに記載の光学積層体において、上記偏光板は、上記第1の保護層の上記第1の粘着剤層と接する面にハードコート層をさらに備えていてもよく、該ハードコート層は紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
5.上記1から4のいずれかに記載の光学積層体において、上記第1の粘着剤層の波長780nmの屈折率は、1.40以上であってもよい。
6.上記1から5のいずれかに記載の光学積層体において、上記偏光子の厚みは8μm以下であってもよい。
7.上記1から6のいずれかに記載の光学積層体において、上記(i)の位相差層における上記位相差フィルムの面内位相差Re(550)は100nm~190nmであり、かつ、Re(450)/Re(550)<1を満たし、上記位相差フィルムの遅相軸と、上記偏光子の吸収軸とのなす角度が40°~50°であってもよい。
8.上記1から6のいずれかに記載の光学積層体において、上記(ii)の位相差層における、上記第1の液晶配向固化層のRe(550)は200nm~300nmであり、上記第2の液晶配向固化層のRe(550)は100nm~200nmであり、上記第1の液晶配向固化層の遅相軸と上記偏光子の吸収軸とのなす角度が10°~20°であり、上記第2の液晶配向固化層の遅相軸と上記偏光子の吸収軸とのなす角度が70°~80°であってもよい。
9.上記2から8のいずれかに記載の光学積層体において、上記第2の保護層は樹脂の有機溶媒溶液の塗布膜の固化層または硬化層であってもよい。
10.上記1から9のいずれかに記載の光学積層体において、上記前面保護層の厚みは20μm~30μmであってもよい。
11.上記1から10のいずれかに記載の光学積層体において、上記樹脂フィルムの弾性率は2000N/mm

~5000N/mm

であってもよい。
12.上記1から11のいずれかに記載の光学積層体は、矩形であり、少なくとも1つの辺が10cm以上であってもよい。
13.1つの実施形態において、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記1から12のいずれかに記載の光学積層体を含む。
14.上記13に記載の画像表示装置において、画像表示部のサイズは10インチ以上であってもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、前面保護層として反射防止層を備える樹脂フィルムを用いた場合であっても、薄型であり、かつ、押し込み時の耐クラック性に優れた光学積層体を提供することができる。さらに、端部の光学耐久性(例えば、端部脱色)にも優れるため、大型の画像表示装置部を備える画像表示装置にも好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。
押し込み時のクラックの測定方法を説明する図である。
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
【0010】
A.光学積層体の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。図示例の光学積層体100は、前面保護層20と、第1の粘着剤層30と、偏光板10と、位相差層40と、第2の粘着剤層50と、を図面の上からこの順に備える。図示例において、図面の上側が視認側になり、下側が画像表示側となり得る。前面保護層20は、反射防止層21と、紫外線吸収剤を含む樹脂フィルム22と、を備える。偏光板10は、代表的には、偏光子11と、偏光子11の両側に配置された保護層12、13と、を含む。偏光子の視認側の保護層(以下、視認側保護層ともいう)は、紫外線吸収剤を含む。光学積層体を構成する各部材は、任意の適切な接着層(図示せず)を介して積層され得る。接着層の具体例としては、接着剤層、粘着剤層が挙げられる。位相差層40は、(i)高分子フィルムの延伸フィルムである位相差フィルムと、屈折率特性がnz>nx=nyを満たす液晶化合物の配向固化層(以下、液晶配向固化層ともいう)と、を含む位相差層、または、(ii)第1の液晶配向固化層と第2の液晶配向固化層とを含む。位相差層40の各層は任意の適切な接着剤層を介して積層される。第1の粘着剤層30は、厚みが5μm~25μmであり、23℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa~2.0×10

Paである。第2の粘着剤層50は、厚みが10μm~30μmであり、23℃における貯蔵弾性率が0.5×10

Pa~1.5×10

Paである。第1の粘着剤層の厚みT
P1
と第2の粘着剤層の厚みT
P2
とは、T
P1
≦T
P2
の関係を満たす。光学積層体100は、反射防止層側から測定した反射率は3%未満である。前面保護層に形成された反射防止層は、薄型の光学積層体では押し込み時の耐クラック性が問題となり得る。また、液晶化合物の配向固化層である位相差層は厚みが薄く、押し込み時の耐クラック性が問題となり得る。さらに、薄型の光学積層体では、薄型の偏光子が採用され得るが、厚みの薄い偏光子では同様に押し込み時の耐クラック性が問題となり得る。第1の粘着剤層および第2の粘着剤層が、上記のような厚み、および、貯蔵弾性率であれば、厚みの薄い光学積層体(例えば、180μm以下)であっても、前面保護層の反射防止層、ならびに、偏光子、および、位相差層の押し込み時の耐クラック性が向上し得る。本発明の実施形態の光学積層体によれば、より押し込み時の耐クラック性が問題となりやすい構成の光学積層体であっても、薄型化と押し込み時の耐クラック性とを両立し得る。
(【0011】以降は省略されています)

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