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公開番号2024143314
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055927
出願日2023-03-30
発明の名称脂肪酸コレステロール溶液の製造方法、脂肪酸コレステロール溶液、及び、溶解度の向上方法
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C07J 9/00 20060101AFI20241003BHJP(有機化学)
要約【課題】コレステロールエステラーゼ活性基質溶液等として用いられる脂肪酸コレステロール溶液の調製方法を提供すること。
【解決手段】本発明の脂肪酸コレステロール溶液の製造方法は、(a)脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液と、非イオン界面活性剤含有液とを混合する工程を包含し、前記非イオン界面活性剤含有液の温度は、前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する溶液の温度と近い温度であり、前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度は、30~78℃であり、前記非イオン界面活性剤含有液の温度は、30~78℃であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
脂肪酸コレステロール溶液の製造方法であって、
(a)脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液と、非イオン界面活性剤含有液とを混合する工程を包含し、
前記非イオン界面活性剤含有液の温度は、前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する溶液の温度と近い温度であり、
前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度は、30~78℃であり、
前記非イオン界面活性剤含有液の温度は、30~78℃であることを特徴とする方法。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記脂肪酸コレステロールは、リノール酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、イソステアリン酸コレステロール、オレイン酸コレステロール、パルミトオレイン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、及びリノレン酸コレステロールからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記溶媒は、エタノール、メタノール、プロパノール、及びブタノールからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度は、65~78℃であり、
前記非イオン界面活性剤含有液は、65~78℃である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度は、69~72℃であり、
前記非イオン界面活性剤含有液は、69~72℃である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度と、前記非イオン界面活性剤含有液の温度との差は、10℃以内である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(b)前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液を調製する工程であって、前記脂肪酸コレステロールと前記溶媒とを混合し、120~140℃の熱源温度で10分以上加熱する工程を更に包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(c)非イオン界面活性剤含有液を加温して65~78℃にする工程を更に包含し、
前記工程(c)は、前記工程(b)の前に、前記工程(b)と同時に、または、前記工程(c)の後に行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記工程(c)において、非イオン界面活性剤含有液を加温して69~72℃にする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(a)において、脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液と、非イオン界面活性剤含有液との混合が、65~78℃の温度で行われる請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪酸コレステロール溶液の製造方法、脂肪酸コレステロール溶液、及び、脂肪酸コレステロールの溶解度を向上させる方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
脂肪酸コレステロールは、コレステロールエステラーゼの活性測定に用いる基質として従来用いられてきた。例えば、特許文献1には、リノール酸コレステロールをイソプロパノール溶液中で湯浴・攪拌等して、コレステロールエステラーゼ活性測定用の基質溶液を調製することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第WO03/066792号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、脂肪酸コレステロールを溶媒に混合する従来の方法では、混濁が生じるなど基質溶液の調製に失敗することも多く、何度も再調製をするために時間を要することも多かった。また、特許文献1に記載の方法では、基質溶液の調製に30分以上の湯浴を必要とする等の点でも長時間を要していた。そして、従来の方法で調製された基質溶液で濁りが出た場合には、活性測定に用いたときの失敗率が高く、測定値のバラツキが大きかったことを本発明者らは過去の経験から把握していた。また、従来の方法では、基質溶液の調製に失敗することが多く、調製の過程で行われる130℃の高温でのエタノールの加熱操作を再調製の度に何度も繰り返す必要があり、引火や熱傷の危険が大きかった。そこで、更なる優れた脂肪酸コレステロール溶液の調製方法の開発が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討の結果、脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液と、非イオン界面活性剤含有液とを、それらの液の温度を所定温度で、かつ互いに近い温度として混合することによって、濁りの少ない脂肪酸コレステロール溶液を簡便に効率よくで得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、代表的な本発明は、以下の構成を有する。
[項1]
脂肪酸コレステロール溶液の製造方法であって、
(a)脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液と、非イオン界面活性剤含有液とを混合する工程を包含し、
前記非イオン界面活性剤含有液の温度は、前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する溶液の温度と近い温度であり、
前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度は、30~78℃であり、
前記非イオン界面活性剤含有液の温度は、30~78℃であることを特徴とする方法。
[項2]
前記脂肪酸コレステロールは、リノール酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、イソステアリン酸コレステロール、オレイン酸コレステロール、パルミトオレイン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、及びリノレン酸コレステロールからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の製造方法。
[項3]
前記溶媒は、エタノール、メタノール、プロパノール、及びブタノールからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の方法。
[項4]
前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度は、65~78℃であり、
前記非イオン界面活性剤含有液は、65~78℃である請求項1~3のいずれかに記載の方法。
[項5]
前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度は、69~72℃であり、
前記非イオン界面活性剤含有液は、69~72℃である請求項1~4のいずれかに記載の方法。
[項6]
前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度と、前記非イオン界面活性剤含有液の温度との差は、10℃以内である請求項1~5のいずれかに記載の方法。
[項7]
(b)前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液を調製する工程であって、前記脂肪酸コレステロールと前記溶媒とを混合し、120~140℃の熱源温度で10分以上加熱する工程を更に包含する、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
[項8]
(c)非イオン界面活性剤含有液を加温して65~78℃にする工程を更に包含し、
前記工程(c)は、前記工程(b)の前に、前記工程(b)と同時に、または、前記工程(c)の後に行われる、請求項7に記載の方法。
[項9]
前記工程(c)において、非イオン界面活性剤含有液を加温して69~72℃にする、請求項8に記載の方法。
[項10]
前記工程(a)において、脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液と、非イオン界面活性剤含有液との混合が、65~78℃の温度で行われる請求項1~9のいずれかに記載の方法。
[項11]
前記工程(a)において、脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液と、非イオン界面活性剤含有液との混合が、69~72℃の温度で行われる請求項1~10のいずれかに記載の方法。
[項12]
前記非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ラウリン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルポリエチレングリコール、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、コカミドDEA、アルキルグリコシド、及び高級アルコールからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~11のいずれかに記載の方法。
[項13]
前記工程(a)において、前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液に対して前記非イオン界面活性剤含有液を添加し撹拌する、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
[項14]
前記工程(a)において、前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液1体積部に対して前記非イオン界面活性剤含有液を7~12体積部添加する、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
[項15]
前記脂肪酸コレステロール溶液がコレステロールエステラーゼ活性基質溶液である、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
[項16]
前記脂肪酸コレステロール溶液が澄明である、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
[項17]
請求項1~16のいずれかに記載の方法によって製造された脂肪酸コレステロール溶液。
[項18]
脂肪酸コレステロールの溶解度を向上させる方法であって
(a)脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液と、非イオン界面活性剤含有液とを混合する工程を包含し、
前記非イオン界面活性剤含有液の温度は、前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する溶液の温度と近い温度であり、
前記脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液の温度は、30~78℃であり、
前記非イオン界面活性剤含有液の温度は、30~78℃であることを特徴とする方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、澄明な脂肪酸コレステロール溶液を簡便に効率よく製造することができる。本発明の脂肪酸コレステロール溶液をコレステロールエステラーゼ活性測定用の基質溶液として用いた場合、正確で再現性の高い測定結果を得ることができる。また、本発明によれば、脂肪酸コレステロールの溶解度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施例1のコレステロールリノレート溶液の濁り判定の結果を示す。(左:加熱時間5分、右:加熱時間10分)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を示しつつ、本発明についてさらに詳説するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書中に記載された非特許文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。また本明細書中の「~」は「以上、以下」を意味し、例えば明細書中で「X~Y」と記載されていれば「X以上、Y以下」を示す。また本明細書中の「及び/又は」は、いずれか一方または両方を意味する。また本明細書において、単数形の表現は、他に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。
【0009】
本発明の脂肪酸コレステロール溶液の製造方法は、(a)脂肪酸コレステロールと溶媒とを含有する液と、非イオン界面活性剤含有液とを混合する工程を包含する。
脂肪酸コレステロールとしては、特に限定されないが、リノール酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、イソステアリン酸コレステロール、オレイン酸コレステロール、パルミトオレイン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、リノレン酸コレステロール等が例示される。好ましくは、不飽和脂肪酸コレステロールであり、より好ましくは、リノール酸コレステロール、リノレン酸コレステロールであり、更に好ましくは、リノール酸コレステロールである。これらの脂肪酸コレステロールは、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
溶媒としては、特に限定されないが、低級アルコール等の有機溶媒、水等の水性溶媒等が例示される。溶媒は、好ましくは、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール等のC1~4の低級アルコールであり、より好ましくはエタノールである。これらの溶媒は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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