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公開番号2024141907
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053780
出願日2023-03-29
発明の名称熱伝達抑制シート及び電池モジュール
出願人イビデン株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F16L 59/02 20060101AFI20241003BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】多層構造にして断熱効果や防炎効果により優れることに加えて、熱暴走を起こした電池セルからの高熱や火炎を受けた場合にも多層構造を維持できる熱伝達抑制シート、及び上記熱伝達抑制シートを備え、安全性に優れた電池モジュールを提供する。
【解決手段】熱伝達抑制シート1は、断熱材10と、無機シート20とを含む積層体が、無機シート20の無機繊維よりも融点が低く、無機シート20の目開きよりも太い縫糸30で縫合されている。また、電池モジュール100は、蓄電池110を電池ケース120に収容し、かつ、電池ケース120の天蓋、側壁、底壁、並びに蓄電池110の間の少なくとも1つに上記熱伝達抑制シート1を配設している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
断熱材と、無機シートとを含む積層体が、前記無機シートの無機繊維よりも融点が低く、前記無機シートの目開きよりも太い縫糸で縫合されている、熱伝達抑制シート。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記無機シートが無機繊維クロス又は無機不織布であり、かつ、前記無機シートが前記無機繊維クロスの場合には、前記縫糸が前記無機クロスの目開きよりも太く、また、前記無機シートが前記無機不織布の場合には、前記無機不織布の最大目開きよりも太いことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達抑制シート。
【請求項3】
前記断熱材は、無機粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達抑制シート。
【請求項4】
前記無機粒子は、シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子及び水酸化アルミニウム粒子のうち少なくとも一種から選ばれることを特徴とする請求項3に記載の熱伝達抑制シート。
【請求項5】
前記縫糸は、無機繊維及び有機繊維のうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝達抑制シート。
【請求項6】
前記縫糸は、ガラス繊維、シリカ繊維、チタン酸カリウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、アラミド繊維及びナイロン繊維のうち少なくとも一種から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の熱伝達抑制シート。
【請求項7】
前記無機シートは、シリカクロス及びアルミナクロスのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝達抑制シート。
【請求項8】
前記断熱材と、前記無機シートとが、接着剤層を介して接合されていることを特徴とする請求項1に記載の熱伝達抑制シート。
【請求項9】
蓄電池を電池ケースに収容し、かつ、前記電池ケースの天蓋、側壁、底壁、並びに前記蓄電池の間の少なくとも1つに、請求項1~8のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートを配設した、電池モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝達抑制シート、及び熱伝達抑制シートを備える電池モジュールに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境保全のために、電気自動車などにリチウムイオン2次電池が用いられている。しかし、リチウムイオン2次電池は、有機電解液を使用しているために、熱暴走時に着火すると火炎が発生してバッテリーパックを損傷するおそれがある。
【0003】
その対策として、無機繊維や無機粒子などを含む断熱材や、複数種の層を積層して断熱効果や防炎効果を高めた熱伝達抑制シートが使用されている。例えば特許文献1では、第1の被覆層と第2の被覆層との間に、少なくとも1つの耐熱繊維層や、アルミニウム箔などの中間層を含む中間材を設けて積層した多層断熱要素を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2021-507483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の多層断熱要素では、被覆層及び中間材は接着により結合されている。そのため、繰り返し行われる充放電に伴って接着剤が劣化して接着力が低下したり、熱暴走を起こした電池セルからの高熱や、場合によっては火炎を受けて接着剤が消失する。また、曲げや捻じれなどの外力を受けた際に、接着剤が剥離するおそれもある。
【0006】
そこで本発明は、多層構造にして断熱効果や防炎効果により優れることに加えて、熱暴走を起こした電池セルからの高熱や火炎を受けた場合にも多層構造を維持できる熱伝達抑制シート、及び前記熱伝達抑制シートを備え、安全性に優れた電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、熱伝達抑制シートに係る下記[1]の構成により達成される。
【0008】
[1] 断熱材と、無機シートとを含む積層体が、前記無機シートの無機繊維よりも融点が低く、前記無機シートの目開きよりも太い縫糸で縫合されている、熱伝達抑制シート。
【0009】
また、熱伝達抑制シートに係る本発明の好ましい実施形態は、以下の[2]~[8]に関する。
【0010】
[2] 前記無機シートが無機繊維クロス又は無機不織布であり、かつ、前記無機シートが前記無機繊維クロスの場合には、前記縫糸が前記無機クロスの目開きよりも太く、また、前記無機シートが前記無機不織布の場合には、前記無機不織布の最大目開きよりも太いことを特徴とする[1]に記載の熱伝達抑制シート。
[3] 前記断熱材は、無機粒子を含むことを特徴とする[1]に記載の熱伝達抑制シート。
[4] 前記無機粒子は、シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子及び水酸化アルミニウム粒子のうち少なくとも一種から選ばれることを特徴とする[3]に記載の熱伝達抑制シート。
[5] 前記縫糸は、無機繊維及び有機繊維のうち少なくとも一種であることを特徴とする[1]に記載の熱伝達抑制シート。
[6] 前記縫糸は、ガラス繊維、シリカ繊維、チタン酸カリウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、アラミド繊維及びナイロン繊維のうち少なくとも一種から選ばれることを特徴とする[5]に記載の熱伝達抑制シート。
[7] 前記無機シートは、シリカクロス及びアルミナクロスのうち少なくとも一種であることを特徴とする[1]に記載の熱伝達抑制シート。
[8] 前記断熱材と、前記無機シートとが、接着剤層を介して接合されていることを特徴とする[1]に記載の熱伝達抑制シート。
(【0011】以降は省略されています)

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