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公開番号2024141149
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052638
出願日2023-03-29
発明の名称アスファルト組成物
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08L 95/00 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐熱性と強度に優れ、かつ低温で製造でき、低温施工性に優れるアスファルト組成物、及びアスファルト合材を提供する。
【解決手段】ワックス成分(A)及びアスファルト(B)を含有し、ワックス成分(A)の95質量%以上が(1)~(5)を満たすスラックワックスである、アスファルト組成物。(1)融解吸熱量が50~170J/g、(2)示差走査熱量測定により得られた融解吸熱曲線における融解ピークのうち、20℃未満の面積が0~20%、(3)前記融解ピークのうち、20℃以上55℃未満の面積が40~70%、(4)前記融解ピークのうち、55℃以上80℃未満の面積が20~50%、(5)前記融解ピークのうち、80℃以上の面積が0%
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ワックス成分(A)及びアスファルト(B)を含有し、
ワックス成分(A)の95質量%以上が、下記(1)~(5)を満たすスラックワックス(A1)である、アスファルト組成物。
(1)融解吸熱量(ΔH)が50~170J/g
(2)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、20℃未満の面積が0~20%
(3)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、20℃以上55℃未満の面積が40~70%
(4)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、55℃以上80℃未満の面積が20~50%
(5)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、80℃以上の面積が0%
(ただし、上記(2)~(5)に示す面積は、昇温速度10℃/分での示差走査熱量測定により得られた融解吸熱曲線における融解ピークを分割して得られる面積である。)
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
スラックワックス(A1)が、更に下記(6)及び(7)を満たすスラックワックスである、請求項1に記載のアスファルト組成物。
(6)炭素原子1000個に対するブチル分岐の数が0.1個以上
(7)重量平均分子量が500~3000
【請求項3】
スラックワックス(A1)の23℃における針入度が、60~120である、請求項1に記載のアスファルト組成物。
【請求項4】
ワックス成分(A)とアスファルト(B)の組合せが、混合物[(A)/(B)=1/4]が0~15℃にガラス転移温度を有さない組合せである、請求項1に記載のアスファルト組成物。
【請求項5】
ワックス成分(A)の含有量が1~20質量%である、請求項1に記載のアスファルト組成物。
【請求項6】
更に有機シラン化合物(C)を0.1~5質量%含有する、請求項1に記載のアスファルト組成物。
【請求項7】
前記アスファルト組成物が、下記(8)及び(9)を満たす、請求項1に記載のアスファルト組成物。
(8)降温過程の100℃における複素せん断粘度の異相成分が0.01~20mPa・s
(9)昇温過程の60℃における貯蔵弾性率が100~5000Pa
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つに記載のアスファルト組成物と骨材とを含有し、骨材の含有量が80~99質量%である、アスファルト合材。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1つに記載のアスファルト組成物と骨材とを90~140℃で混合する工程を有する、アスファルト合材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示技術は、アスファルト組成物、及びアスファルト合材に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
道路や駐車場等のアスファルト舗装において、石油アスファルトと骨材等の混合や施工は高温で行われる。また、骨材の乾燥にもエネルギーを必要とする。
これらアスファルト合材の製造時や施工時、骨材乾燥時の温度を低減し、消費されるエネルギーを低減することは、排出される二酸化炭素の削減、コストダウンに貢献し、更に合材を製造する工場から施工する現場への長距離輸送も可能となるため、施工範囲の拡大にも貢献する。
そこで、低温での施工性を向上させる検討が行われている。
例えば、特許文献1には、輸送時間、作業時間、作業温度範囲を増加させることを目的として、高温で混合され、その温度より10~55℃低い温度で舗装、圧縮することができる、潤滑剤を含むアスファルト舗装混合物が開示されている。
特許文献2には、ビチューメン及びアスファルト混合加工において優れた性質を与えることを目的として、石油スラックワックス及びフィッシャー-トロプシュワックスを含むビチューメン組成物、これを含むアスファルト組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許出願公開第2012/0213584号明細書
特表2019-517607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や2においても、低温施工性を向上することができるものの、更なるエネルギーの削減や、アスファルト合材製造の集約化が進められる近年では、いまだ十分とは言えなかった。特にアスファルト合材製造時には高温を必要とする。また、特許文献2では、ワックスを混合して、低温施工性等を改善しようとするものであるが、複数のワックスを調整する必要があり、最適な配合が困難であるという問題もある。
そこで、実質的に1種類のワックスを配合することで、低温で合材を製造することができ、更に低温で施工できるアスファルト組成物が求められていた。
また、夏場の舗装道路は非常に高温になるため、アスファルト組成物には高い耐熱性も求められており、耐熱性と低温施工性の両立が望まれている。更に舗装道路は長期間にわたる振動や自然災害などにも耐える高い強度が必要とされる。
したがって、本開示技術の課題は、耐熱性と強度に優れ、かつ低温で製造でき、低温施工性に優れるアスファルト組成物、及びアスファルト合材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定のスラックワックスとアスファルトを含有するアスファルト組成物が、前記課題を解決することを見出した。
【0006】
すなわち、本開示技術は、以下の<1>~<9>に関する。
<1>ワックス成分(A)及びアスファルト(B)を含有し、ワックス成分(A)の95質量%以上が、下記(1)~(5)を満たすスラックワックス(A1)である、アスファルト組成物。
(1)融解吸熱量(ΔH)が50~170J/g
(2)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、20℃未満の面積が0~20%
(3)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、20℃以上55℃未満の面積が40~70%
(4)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、55℃以上80℃未満の面積が20~50%
(5)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、80℃以上の面積が0%
(ただし、上記(2)~(5)に示す面積は、昇温速度10℃/分での示差走査熱量測定により得られた融解吸熱曲線における融解ピークを分割して得られる面積である。)
<2>スラックワックス(A1)が、更に下記(6)及び(7)を満たすスラックワックスである、前記<1>に記載のアスファルト組成物。
(6)炭素原子1000個に対するブチル分岐の数が0.1個以上
(7)重量平均分子量が500~3000
<3>スラックワックス(A1)の23℃における針入度が、60~120である、前記<1>又は<2>に記載のアスファルト組成物。
<4>ワックス成分(A)とアスファルト(B)の組合せが、混合物[(A)/(B)=1/4]が0~15℃にガラス転移温度を有さない組合せである、前記<1>~<3>のいずれか1つに記載のアスファルト組成物。
<5>ワックス成分(A)の含有量が1~20質量%である、前記<1>~<4>のいずれか1つに記載のアスファルト組成物。
<6>更に有機シラン化合物(C)を0.1~5質量%含有する、前記<1>~<5>のいずれか1つに記載のアスファルト組成物。
<7>前記アスファルト組成物が、下記(8)及び(9)を満たす、前記<1>~<6>のいずれか1つに記載のアスファルト組成物。
(8)降温過程の100℃における複素せん断粘度の異相成分が0.01~20mPa・s
(9)昇温過程の60℃における貯蔵弾性率が100~5000Pa
<8>前記<1>~<7>のいずれか1つに記載のアスファルト組成物と骨材とを含有し、骨材の含有量が80~99質量%である、アスファルト合材。
<9>前記<1>~<7>のいずれか1つに記載のアスファルト組成物と骨材とを90~140℃で混合する工程を有する、アスファルト合材の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
耐熱性と強度に優れ、かつ低温で製造でき、低温施工性に優れるアスファルト組成物、及びアスファルト合材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[アスファルト組成物]
本開示のアスファルト組成物は、ワックス成分(A)及びアスファルト(B)を含有し、ワックス成分(A)の95質量%以上が、下記(1)~(5)を満たすスラックワックス(A1)である、アスファルト組成物である。
(1)融解吸熱量(ΔH)が50~170J/g
(2)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、20℃未満の面積が0~20%
(3)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、20℃以上55℃未満の面積が40~70%
(4)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、55℃以上80℃未満の面積が20~50%
(5)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、80℃以上の面積が0%
(ただし、上記(2)~(5)に示す面積は、昇温速度10℃/分での示差走査熱量測定により得られた融解吸熱曲線における融解ピークを分割して得られる面積である。)
【0009】
<ワックス成分(A)及びスラックワックス(A1)>
本開示のアスファルト組成物に含有されるワックス成分(A)は、ワックス成分(A)の95質量%以上が、下記(1)~(5)を満たすスラックワックス(A1)である。
(1)融解吸熱量(ΔH)が50~170J/g
(2)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、20℃未満の面積が0~20%
(3)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、20℃以上55℃未満の面積が40~70%
(4)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、55℃以上80℃未満の面積が20~50%
(5)融解吸熱曲線における融解ピークのうち、80℃以上の面積が0%
(ただし、上記(2)~(5)に示す面積は、昇温速度10℃/分での示差走査熱量測定により得られた融解吸熱曲線における融解ピークを分割して得られる面積である。)
【0010】
本開示技術のアスファルト組成物に含有されるワックス成分(A)の含有量は、好ましくは1~20質量%であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上であり、より更に好ましくは7質量%以上である。また、より好ましくは18質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以下であり、より更に好ましくは13質量%以下である。ワックス成分(A)の含有量が前記範囲であることによって、得られるアスファルト組成物は十分な耐久性、耐熱性を維持しつつ、低温施工性を実現することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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