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公開番号
2025014072
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-29
出願番号
2021163151
出願日
2021-10-01
発明の名称
有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び電子機器
出願人
出光興産株式会社
代理人
弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類
H10K
50/15 20230101AFI20250122BHJP()
要約
【課題】発光効率が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】陰極4及び陽極3の間に配置された発光領域5と、第一の陽極側有機層61と、第二の陽極側有機層62と、第三の陽極側有機層63と、を含み、発光領域5は、少なくとも第一の発光層51を含み、第一の発光層51は、第一のホスト材料と、第一の追加ホスト材料と、第一の発光性化合物と、を含有し、第三の陽極側有機層63の膜厚は、20nm以上であり、第二の陽極側有機層62は、第三の陽極側有機層63が含有する化合物とは、異なる化合物を少なくとも1種以上含有し、第一の発光層51は、蛍光発光性の発光層であり、第二の陽極側有機層62に含まれる構成材料の屈折率NM
2
と、第三の陽極側有機層63に含まれる構成材料の屈折率NM
3
が、数式(数NM)の関係を満たす、有機EL素子1。
NM
2
>NM
3
…(数NM)
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
陰極と、
陽極と、
前記陰極及び前記陽極の間に配置された発光領域と、
前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、
前記発光領域は、少なくとも1つの発光層を含み、
当該少なくとも1つの発光層は、第一の発光層であり、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料と、前記第一のホスト材料とは異なる第一の追加ホスト材料と、第一の発光性化合物と、を含有し、
前記正孔輸送帯域は、第一の陽極側有機層と、第二の陽極側有機層と、第三の陽極側有機層と、を含み、
前記第一の陽極側有機層は、前記第二の陽極側有機層と直接接しており、前記第二の陽極側有機層は、前記第三の陽極側有機層と直接接しており、
前記第一の陽極側有機層、前記第二の陽極側有機層及び前記第三の陽極側有機層は、前記陽極及び前記発光領域の間において、前記陽極側から、前記第一の陽極側有機層、前記第二の陽極側有機層及び前記第三の陽極側有機層の順に配置され、
前記第二の陽極側有機層は、第二の正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第二の正孔輸送帯域材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物、又は置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に2つ有するジアミン化合物であり、
前記第三の陽極側有機層は、第三の正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第三の正孔輸送帯域材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物、又は置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に2つ有するジアミン化合物であり、
前記第三の陽極側有機層の膜厚は、20nm以上であり、
前記第二の正孔輸送帯域材料と前記第三の正孔輸送帯域材料とは、互いに同一であるか、又は異なり、
ただし、前記第二の陽極側有機層は、前記第三の陽極側有機層が含有する化合物とは、異なる化合物を少なくとも1種以上含有し、
前記第一の発光層は、蛍光発光性の発光層であり、
前記第二の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
2
と、前記第三の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
3
とが、下記数式(数NM)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
NM
2
>NM
3
…(数NM)
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記第一の陽極側有機層は、前記第二の陽極側有機層が含有する化合物を含有しない、
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記第一の陽極側有機層は、前記陽極と直接接する、
請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記発光領域中に含まれる発光層は、いずれも蛍光発光性の発光層である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記第二の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
2
と、前記第三の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
3
との差NM
2
-NM
3
が、下記数式(数NM1)の関係を満たす、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
NM
2
-NM
3
≧0.01 …(数NM1)
【請求項6】
前記第二の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
2
と、前記第三の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
3
との差NM
2
-NM
3
が、下記数式(数NM2)の関係を満たす、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
NM
2
-NM
3
≧0.05 …(数NM2)
【請求項7】
前記第二の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
2
と、前記第三の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
3
との差NM
2
-NM
3
が、下記数式(数NM3)の関係を満たす、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
NM
2
-NM
3
≧0.075 …(数NM3)
【請求項8】
前記第二の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
2
と、前記第三の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
3
との差NM
2
-NM
3
が、下記数式(数NM4)の関係を満たす、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
NM
2
-NM
3
≧0.10 …(数NM4)
【請求項9】
前記第一の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
1
と、前記第二の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
2
とが、下記数式(数L1)の関係を満たす、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
NM
1
>NM
2
…(数L1)
【請求項10】
前記第三の陽極側有機層に含まれる構成材料の前記屈折率NM
3
は、1.89以下である、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び電子機器に関する。
続きを表示(約 5,500 文字)
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
例えば、特許文献1~6においては、有機EL素子の性能向上を図るための検討がなされている。有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
また、特許文献1~6には、正孔輸送帯域が複数層からなる有機EL素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/189316号
特開2019-161218号公報
国際公開第2011/093056号
米国特許出願公開2021/0159418号明細書
米国特許出願公開2021/234098号明細書
特開2019-161218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、発光効率が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス表示装置を搭載した電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、
陰極と、
陽極と、
前記陰極及び前記陽極の間に配置された発光領域と、
前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、
前記発光領域は、少なくとも1つの発光層を含み、
当該少なくとも1つの発光層は、第一の発光層であり、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料と、前記第一のホスト材料とは異なる第一の追加ホスト材料と、第一の発光性化合物と、を含有し、
前記正孔輸送帯域は、第一の陽極側有機層と、第二の陽極側有機層と、第三の陽極側有機層と、を含み、
前記第一の陽極側有機層は、前記第二の陽極側有機層と直接接しており、前記第二の陽極側有機層は、前記第三の陽極側有機層と直接接しており、
前記第一の陽極側有機層、前記第二の陽極側有機層及び前記第三の陽極側有機層は、前記陽極及び前記発光領域の間において、前記陽極側から、前記第一の陽極側有機層、前記第二の陽極側有機層及び前記第三の陽極側有機層の順に配置され、
前記第二の陽極側有機層は、第二の正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第二の正孔輸送帯域材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物、又は置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に2つ有するジアミン化合物であり、
前記第三の陽極側有機層は、第三の正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第三の正孔輸送帯域材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物、又は置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に2つ有するジアミン化合物であり、
前記第三の陽極側有機層の膜厚は、20nm以上であり、
前記第二の正孔輸送帯域材料と前記第三の正孔輸送帯域材料とは、互いに同一であるか、又は異なり、
ただし、前記第二の陽極側有機層は、前記第三の陽極側有機層が含有する化合物とは、異なる化合物を少なくとも1種以上含有し、
前記第一の発光層は、蛍光発光性の発光層であり、
前記第二の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
2
と、前記第三の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
3
とが、下記数式(数NM)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
NM
2
>NM
3
…(数NM)
【0006】
本発明の一態様によれば、
陰極と、
陽極と、
前記陰極及び前記陽極の間に配置された発光領域と、
前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、
前記陰極及び前記発光領域の間に配置された電子輸送帯域と、を有し、
前記発光領域は、少なくとも1つの発光層を含み、
当該少なくとも1つの発光層は、第一の発光層であり、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料と、前記第一のホスト材料とは異なる第一の追加ホスト材料と、第一の発光性化合物と、を含有し、
前記電子輸送帯域は、少なくとも1つの電子輸送層を含み、
前記正孔輸送帯域は、第一の陽極側有機層と、第二の陽極側有機層と、第三の陽極側有機層と、を含み、
前記第一の陽極側有機層は、前記第二の陽極側有機層と直接接しており、前記第二の陽極側有機層は、前記第三の陽極側有機層と直接接しており、
前記第一の陽極側有機層、前記第二の陽極側有機層及び前記第三の陽極側有機層は、前記陽極及び前記発光領域の間において、前記陽極側から、前記第一の陽極側有機層、前記第二の陽極側有機層及び前記第三の陽極側有機層の順に配置され、
前記第二の陽極側有機層は、第二の正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第二の正孔輸送帯域材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物、又は置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に2つ有するジアミン化合物であり、
前記第三の陽極側有機層は、第三の正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第三の正孔輸送帯域材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物、又は置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に2つ有するジアミン化合物であり、
前記第三の陽極側有機層の膜厚は、20nm以上であり、
前記第二の正孔輸送帯域材料と前記第三の正孔輸送帯域材料とは、互いに同一であるか、又は異なり、
ただし、前記第二の陽極側有機層は、前記第三の陽極側有機層が含有する化合物とは、異なる化合物を少なくとも1種以上含有し、
前記電子輸送帯域中の少なくとも1つの電子輸送層は、フェナントロリン骨格を有するフェナントロリン化合物を含有し、
前記フェナントロリン化合物は、下記一般式(21)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ下記一般式(20)で表される化合物であり、
前記第一の発光層は、蛍光発光性の発光層であり、
前記第二の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
2
と、前記第三の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
3
との差NM
2
-NM
3
が、下記数式(数NM)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
NM
2
>NM
3
…(数NM)
【0007】
TIFF
2025014072000002.tif
52
139
【0008】
(前記一般式(20)において、
X
21
~X
28
は、それぞれ独立に、窒素原子、CR
21
、又は前記一般式(21)で表される基と結合する炭素原子であり、
X
21
~X
28
のうち少なくとも1つは、前記一般式(21)で表される基と結合する炭素原子であり、
前記一般式(21)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(21)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
複数のR
21
のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR
21
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R
901
)(R
902
)(R
903
)で表される基、
-O-(R
904
)で表される基、
-S-(R
905
)で表される基、
-N(R
906
)(R
907
)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R
931
で表される基、
-COOR
932
で表される基、
-S(=O)
2
R
933
で表される基、
-B(R
934
)(R
935
)で表される基、
-P(=O)(R
936
)(R
937
)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
【0009】
本発明の一態様によれば、
陰極と、
陽極と、
前記陰極及び前記陽極の間に配置された発光領域と、
前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、
前記発光領域は、少なくとも1つの発光層を含み、
当該少なくとも1つの発光層は、第一の発光層であり、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料と、前記第一のホスト材料とは異なる第一の追加ホスト材料と、第一の発光性化合物と、を含有し、
前記第一のホスト材料は、下記一般式(H10)で表される化合物であり、
前記第一の追加ホスト材料は、下記一般式(H20)で表される化合物であり、
ただし、前記一般式(H20)で表される化合物は、少なくとも1つの重水素原子を有し、
前記正孔輸送帯域は、第一の陽極側有機層と、第二の陽極側有機層と、第三の陽極側有機層と、を含み、
前記第一の陽極側有機層は、前記第二の陽極側有機層と直接接しており、前記第二の陽極側有機層は、前記第三の陽極側有機層と直接接しており、
前記第一の陽極側有機層、前記第二の陽極側有機層及び前記第三の陽極側有機層は、前記陽極及び前記発光領域の間において、前記陽極側から、前記第一の陽極側有機層、前記第二の陽極側有機層及び前記第三の陽極側有機層の順に配置され、
前記第二の陽極側有機層は、第二の正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第二の正孔輸送帯域材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物、又は置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に2つ有するジアミン化合物であり、
前記第三の陽極側有機層は、第三の正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第三の正孔輸送帯域材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物、又は置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に2つ有するジアミン化合物であり、
前記第三の陽極側有機層の膜厚は、20nm以上であり、
前記第二の正孔輸送帯域材料と前記第三の正孔輸送帯域材料とは、互いに同一であるか、又は異なり、
ただし、前記第二の陽極側有機層は、前記第三の陽極側有機層が含有する化合物とは、異なる化合物を少なくとも1種以上含有し、
前記第一の発光層は、蛍光発光性の発光層であり、
前記第二の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
2
と、前記第三の陽極側有機層に含まれる構成材料の屈折率NM
3
との差NM
2
-NM
3
が、下記数式(数NM)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
NM
2
>NM
3
…(数NM)
【0010】
TIFF
2025014072000003.tif
64
157
(【0011】以降は省略されています)
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