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公開番号2025016806
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2021169708
出願日2021-10-15
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類H10K 50/15 20230101AFI20250129BHJP()
要約【課題】量産性の低下が抑制され、素子性能が向上した有機EL素子を提供すること。
【解決手段】陽極3、陰極4、発光領域5及び正孔輸送帯域6を有し、正孔輸送帯域6は、第1正孔輸送層61、第2正孔輸送層62及び第3正孔輸送層63を含み、第2正孔輸送層62に含まれる構成材料の屈折率NM2は、第1正孔輸送層61に含まれる構成材料の屈折率NM1及び第3正孔輸送層63に含まれる構成材料の屈折率NM3のそれぞれより大きく、第1正孔輸送層61及び第3正孔輸送層63は、少なくとも1種の同じ材料を含有し、正孔輸送帯域6は、さらに、正孔注入層60及び第4正孔輸送層64の少なくともいずれかの層を含み、正孔注入層60は、アクセプター材料を含有し、第4正孔輸送層64は、イオン化ポテンシャルが5.6eV以上の化合物を1つ以上含有し、第4正孔輸送層64の膜厚は、15nm以下である、有機EL素子1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、
前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、
前記発光領域は、少なくとも1つの発光層を含み、
前記正孔輸送帯域は、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、第3正孔輸送層と、を含み、
前記陽極側から、前記第1正孔輸送層と、前記第2正孔輸送層と、前記第3正孔輸送層とが、この順に配置され、
前記第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM

は、前記第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM

及び前記第3正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM

のそれぞれより大きく、
前記第1正孔輸送層及び前記第3正孔輸送層は、少なくとも1種の同じ材料を含有し、
前記正孔輸送帯域は、さらに、正孔注入層及び第4正孔輸送層の少なくともいずれかの層を含み、
前記正孔注入層は、前記陽極及び前記第1正孔輸送層の間に配置され、
前記正孔注入層は、アクセプター材料を含有し、
前記第4正孔輸送層は、前記第3正孔輸送層及び前記発光領域の間に配置され、
前記第4正孔輸送層は、イオン化ポテンシャルが5.6eV以上の化合物を1つ以上含有し、
前記第4正孔輸送層の膜厚は、15nm以下である、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記正孔注入層に含まれる構成材料の屈折率NM

及び前記第4正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM

の少なくともいずれかが、前記第2正孔輸送層に含まれる構成材料の前記屈折率NM

と同じであるか又は前記屈折率NM

よりも大きい、
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記正孔輸送帯域の合計膜厚が、110nm以上、150nm以下である、
請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記第1正孔輸送層の膜厚、前記第2正孔輸送層の膜厚及び前記第3正孔輸送層の膜厚は、それぞれ独立に、20nm以上である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記第1正孔輸送層は、第1正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第2正孔輸送層は、第2正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第3正孔輸送層は、第3正孔輸送帯域材料を含有し、
前記第1正孔輸送帯域材料と前記第3正孔輸送帯域材料とは、互いに同一であるか又は異なり、
前記第1正孔輸送帯域材料と前記第2正孔輸送帯域材料とは、互いに異なり、
前記第3正孔輸送帯域材料と前記第2正孔輸送帯域材料とは、互いに異なる、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記第1正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT1)及び前記第3正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT3)の少なくともいずれかが、-5.6eV以下である、
請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記第1正孔輸送帯域材料の正孔移動度μh(cHT1)、前記第2正孔輸送帯域材料の正孔移動度μh(cHT2)及び前記第3正孔輸送帯域材料の正孔移動度μh(cHT3)の少なくともいずれかが、1.0×10
-5
cm

/Vsよりも大きい、
請求項5又は請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記第2正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT2)と、前記第3正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT3)との差の絶対値が、下記数式(数B1)の関係を満たす、
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
|HOMO(cHT2)-HOMO(cHT3)|≦0.3 …(数B1)
【請求項9】
前記正孔輸送帯域は、前記第1正孔輸送層と前記第2正孔輸送層との間に第1混合層を含み、
前記第1混合層は、前記第1正孔輸送帯域材料及び前記第2正孔輸送帯域材料を含有する、
請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
前記正孔輸送帯域は、前記第2正孔輸送層と前記第3正孔輸送層との間に第2混合層を含み、
前記第2混合層は、前記第2正孔輸送帯域材料及び前記第3正孔輸送帯域材料を含有する、
請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。例えば、特許文献1及び特許文献2においては、有機EL素子の性能向上を図るための検討がなされている。特許文献1及び特許文献2には、正孔輸送帯域が複数層からなる有機EL素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許出願公開2021/0159418号明細書
米国特許出願公開2021/0234098号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
正孔輸送帯域を構成する有機層の数を増やすことにより素子性能が向上する可能性があるが、有機層を形成するための材料及び工程が増えるので、有機エレクトロルミネッセンス素子の量産性が低下すると考えられる。
【0005】
本発明の目的は、量産性の低下が抑制され、素子性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、前記発光領域は、少なくとも1つの発光層を含み、前記正孔輸送帯域は、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、第3正孔輸送層と、を含み、前記陽極側から、前記第1正孔輸送層と、前記第2正孔輸送層と、前記第3正孔輸送層とが、この順に配置され、前記第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM

は、前記第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM

及び前記第3正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM

のそれぞれより大きく、前記第1正孔輸送層及び前記第3正孔輸送層は、少なくとも1種の同じ材料を含有し、前記正孔輸送帯域は、さらに、正孔注入層及び第4正孔輸送層の少なくともいずれかの層を含み、前記正孔注入層は、前記陽極及び前記第1正孔輸送層の間に配置され、前記正孔注入層は、アクセプター材料を含有し、前記第4正孔輸送層は、前記第3正孔輸送層及び前記発光領域の間に配置され、前記第4正孔輸送層は、イオン化ポテンシャルが5.6eV以上の化合物を1つ以上含有し、前記第4正孔輸送層の膜厚は、15nm以下である、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
【0007】
本発明の一態様によれば、本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、量産性の低下が抑制され、素子性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の別の一例の概略構成を示す図である。
第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の別の一例の概略構成を示す図である。
第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の別の一例の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[定義]
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
(【0011】以降は省略されています)

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