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公開番号2024141085
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052540
出願日2023-03-29
発明の名称内部気泡推定装置および架橋反応シミュレーション装置
出願人住友理工株式会社
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類B29C 35/02 20060101AFI20241003BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】ブローポイントを推定可能な内部気泡推定装置および架橋反応シミュレーション装置を提供する。
【解決手段】対象ワークモデルWMのポリマー部12の内部において成形型モデルMMの脱型に伴う気泡80の発生を推定する内部気泡推定装置6であって、架橋反応開始からの経過時間と、ポリマー部12に相当する試験対象ポリマー材料を用いて架橋反応特性試験機により測定可能なトルクと、の関係を定義する架橋反応曲線CCを記憶する記憶部2と、対象ワークモデルWMのポリマー部12の架橋反応の反応率を取得する反応率取得部60と、反応率取得部60により取得された反応率と記憶部2に記憶された架橋反応曲線CCとに基づいて、取得された反応率に対応するトルクを算出するトルク算出部61と、脱型時におけるトルクに基づいて、対象ワークモデルWMのポリマー部12の内部における気泡80の発生を推定する推定部62と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象ワークモデルのポリマー部を成形型モデル内にて架橋反応させた後に前記成形型モデルを脱型する架橋反応工程に適用され、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の内部において前記成形型モデルの脱型に伴う気泡の発生を推定する内部気泡推定装置であって、
架橋反応開始からの経過時間と、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部における架橋反応の進行度に対応する値であって前記ポリマー部に相当する試験対象ポリマー材料を用いて架橋反応特性試験機により測定可能なトルクと、の関係を定義する架橋反応曲線を記憶する記憶部と、
前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の架橋反応の反応率を取得する反応率取得部と、
前記反応率取得部により取得された前記反応率と前記記憶部に記憶された前記架橋反応曲線とに基づいて、取得された前記反応率に対応する前記トルクを算出するトルク算出部と、
脱型時における前記トルクに基づいて、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の内部における気泡の発生を推定する推定部と、
を備える、内部気泡推定装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記推定部は、脱型時における前記トルクが予め設定された閾値を超えていない場合に前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の内部において気泡が発生したと推定する、請求項1に記載の内部気泡推定装置。
【請求項3】
前記閾値は、複数種の原料ポリマーに対して統一した値に設定されている、請求項2に記載の内部気泡推定装置。
【請求項4】
前記閾値は、ポリマー材料のブローポイントにおける架橋反応の反応率よりも大きな反応率に対応する前記トルクである、請求項2に記載の内部気泡推定装置。
【請求項5】
前記反応率取得部は、前記ポリマー部の部位ごとの前記反応率を取得し、
前記トルク算出部は、前記ポリマー部の部位ごとの前記トルクを算出し、
前記推定部は、前記ポリマー部の部位ごとに気泡の発生を推定する、請求項1または2に記載の内部気泡推定装置。
【請求項6】
対象ワークモデルのポリマー部を成形型モデル内にて架橋反応させた後に前記成形型モデルを脱型する架橋反応工程に適用される架橋反応シミュレーション装置であって、
前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の架橋反応時の伝熱解析を行う伝熱解析部と、
前記伝熱解析の結果を用いて前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の架橋反応の反応率の解析を行う架橋反応解析部と、
請求項1または2に記載の内部気泡推定装置であって、前記架橋反応解析部により解析された前記反応率に基づいて前記ポリマー部の内部において気泡の発生を推定する内部気泡推定部と、
を備える、架橋反応シミュレーション装置。
【請求項7】
さらに、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の架橋反応時における伝熱解析を行う伝熱解析部を備え、
前記記憶部は、さらに、
成形型モデルと、
原料ポリマーおよびカーボンブラックを含んで構成される前記ポリマー部、を有する対象ワークモデルと、
前記原料ポリマーに対する前記カーボンブラックの質量比と前記ポリマー部の熱拡散率との関係を表す熱拡散率特性と、を記憶し、
前記伝熱解析部は、
前記対象ワークモデルにおける前記原料ポリマーに対する前記カーボンブラックの質量比、および、前記成形型モデルの温度条件を入力する条件入力部と、
前記条件入力部により入力された前記質量比と前記記憶部に記憶された前記熱拡散率特性とに基づいて、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の熱拡散率であるポリマー熱拡散率を決定するポリマー熱拡散率決定部と、
前記成形型モデルに前記対象ワークモデルを配置した状態で、前記ポリマー熱拡散率決定部により決定された前記ポリマー熱拡散率および前記記憶部に記憶された前記温度条件を用いて、伝熱解析を行う解析部と、を備える、請求項6に記載の架橋反応シミュレーション装置。
【請求項8】
さらに、
対象ワークモデルのポリマー部の架橋反応時の伝熱解析を行う伝熱解析部と、
前記伝熱解析の結果を用いて前記ポリマー部の架橋反応の反応率の解析を行う架橋反応解析部を備え、
前記記憶部は、さらに、
原料ポリマーを含んで構成されるポリマー部を有する前記対象ワークモデルと、
基準反応温度での基準反応時間のときの架橋反応の反応量に対する、対象反応温度での対象反応時間のときの架橋反応の反応量の比を等価反応量として定義し、アレニウスプロットの傾きを表す傾き係数を含んで定義される等価反応量算出モデルと、
前記ポリマー部の架橋反応の進行度に応じて設定された前記傾き係数と、を記憶し、
前記架橋反応解析部は、
前記伝熱解析の結果として、架橋反応における前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の各要素について時刻毎の温度を取得する温度取得部と、
取得した前記架橋反応における前記ポリマー部の各要素についての時刻毎の温度、前記等価反応量算出モデル、対象時刻における前記架橋反応の前記進行度に応じた前記傾き係数に基づいて、時刻毎の前記ポリマー部の前記等価反応量を算出し、算出した前記等価反応量に基づいて前記ポリマー部の架橋反応の反応率を算出する反応率算出処理部と、を備える、請求項6に記載の架橋反応シミュレーション装置。
【請求項9】
さらに、前記内部気泡推定部による推定結果に基づいて、前記成形型モデルの温度と、架橋反応開始から前記成形型モデルの脱型までの型内反応時間と、に応じて、前記気泡の発生の有無を表示する表示部を備える、請求項6に記載の架橋反応シミュレーション装置。
【請求項10】
前記表示部は、前記架橋反応解析部による解析結果に基づいて、前記成形型モデルの温度と、架橋反応開始から前記成形型モデルの脱型までの型内反応時間と、に応じた前記反応率から得られる値を、前記気泡の発生の有無に合わせて表示する、請求項9に記載の架橋反応シミュレーション装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内部気泡推定装置および架橋反応シミュレーション装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、ポリマーを架橋反応させることにより化学物質の物性を向上させることが行われている。このようなポリマーとしてゴムが例示される。ゴムは、原料ゴムに硫黄やその他の架橋剤,加硫促進剤等を加え、加熱を行なうことによって、ゴム分子鎖間あるいはその分子鎖の中に三次元網目状の架橋構造が形成されている。
【0003】
ゴムの加硫度、すなわち、ゴムの架橋反応の反応率を推定する技術として、非特許文献1に記載のものがある。上記の技術は、アレニウスの式に基づいて、ゴムの温度履歴から加硫度を推定し、適切な加硫条件(金型温度、加硫時間)を推定する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
有松利雄、“加硫工程設計の実際”、日本ゴム協会誌、第59巻,第3号,(1986)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゴム製品は、成形加硫して作られるが、元々ゴムに溶解していた気体、または加硫反応によって発生した気体が、加硫の高温高圧条件下でゴム中に溶解している。金型を開放すると、ゴムへかかる圧力が低下し、ゴムへの気体の溶解度が低下するため、加硫が十分に進行していない状態では、ゴム中に気泡が発生する。加硫時間を長くし、加硫を進行させると気泡が発生しなくなる。
【0006】
実際の製品の加硫においては、熱源である金型からの距離が異なる製品内部の点において、温度上昇履歴の違いから、受ける総熱量が異なり、同じ加硫時間であっても、加硫進行状況が異なる。そのため、最遅加硫部分において、気泡発生が見られなくなる時間まで加硫する必要がある。この最遅加硫部分において気泡発生が見られなくなるまでの加硫時間で成形した時の、金型を開放した時点での、最遅加硫部分のゴムの加硫度をブローポイント加硫度(以下、ブローポイント)という。製品の加硫時間を決めるためには、このブローポイントを推定することが重要である。
【0007】
しかしながら、上記の技術によっては、ブローポイントを推定することができない。このため、従来技術によっては、製品の加硫時間を精度よく予測することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、製品の加硫時間を精度よく推定可能な内部気泡推定装置および架橋反応シミュレーション装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
対象ワークモデルのポリマー部を成形型モデル内にて架橋反応させた後に前記成形型モデルを脱型する架橋反応工程に適用され、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の内部において前記成形型モデルの脱型に伴う気泡の発生を推定する内部気泡推定装置であって、
架橋反応開始からの経過時間と、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部における架橋反応の進行度に対応する値であって前記ポリマー部に相当する試験対象ポリマー材料を用いて架橋反応特性試験機により測定可能なトルクと、の関係を定義する架橋反応曲線を記憶する記憶部と、
前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の架橋反応の反応率を取得する反応率取得部と、
前記反応率取得部により取得された前記反応率と前記記憶部に記憶された前記架橋反応曲線とに基づいて、取得された前記反応率に対応する前記トルクを算出するトルク算出部と、
脱型時における前記トルクに基づいて、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の内部における気泡の発生を推定する推定部と、
を備える、内部気泡推定装置にある。
【0010】
本発明の他の態様は、
対象ワークモデルのポリマー部を成形型モデル内にて架橋反応させた後に前記成形型モデルを脱型する架橋反応工程に適用される架橋反応シミュレーション装置であって、
前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の架橋反応時の伝熱解析を行う伝熱解析部と、
前記伝熱解析の結果を用いて前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の架橋反応の反応率の解析を行う架橋反応解析部と、
上記した内部気泡推定装置であって、前記架橋反応解析部により解析された前記反応率に基づいて前記ポリマー部の内部において気泡の発生を推定する内部気泡推定部と、
を備える、架橋反応シミュレーション装置にある。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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