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公開番号
2024139672
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-09
出願番号
2023197611
出願日
2023-11-21
発明の名称
マルチスケール多孔質構造を有する複合エアロゲルとその製造方法、海水淡水化装置
出願人
中国海洋大学
代理人
弁理士法人プロテック
,
個人
主分類
C08J
9/00 20060101AFI20241002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】太陽エネルギー変換利用材料等に利用される、再現性のあるマルチスケール細孔構造のケイ素含有無機-有機複合エアロゲル、およびその調製方法を提供する。
【解決手段】ケイ素含有ナノ無機材料を凍結モチーフとし、バイオマス重合体を架橋剤とし、脱イオン水を溶剤として、これら3つを均一に混合して静置して凝固させてハイドロゲルを形成した後、凍結して氷晶を形成し、続いて凍結乾燥技術を用いて氷晶を除去してマイクロ-ナノスケールの多孔質エアロゲルを形成し、最後に、パルスレーザー技術を用いて、得られたマイクロ-ナノスケールのエアロゲルに対してミリ細孔のカスタマイズされたパンチングを行い、最終的に、ミリ-マイクロ-ナノのマルチスケール細孔構造エアロゲルを得る。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
パルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲルであって、ケイ素含有ナノ無機材料を凍結モチーフとし、バイオマス重合体を架橋剤とし、脱イオン水を溶剤として、これら3つを均一に混合して静置して凝固させてケイ素含有無機-有機複合ハイドロゲルを形成した後、凍結して氷晶を形成し、続いて凍結乾燥技術を用いて氷晶を除去してマイクロ-ナノスケールのケイ素含有無機-有機複合エアロゲルを形成し、最後に、パルスレーザー技術を用いて、得られたマイクロ-ナノスケールのケイ素含有無機-有機複合エアロゲルに対してミリ細孔のカスタマイズされたパンチングを行い、レーザーの高速、高エネルギー、パンチングパターンの設計可能な特性を利用して、エアロゲルのミリ細孔の細孔径、細孔形状及び細孔数を設計し、プロセスが制御可能で、複数のシーン、複雑な使用環境のニーズを満たすことができるミリ-マイクロ-ナノスケールのマルチスケール細孔のケイ素含有無機-有機複合エアロゲルを得ることを特徴とするパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲル。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記ケイ素含有ナノ無機材料は、MoSi
2
、SiO
2
及びSi
3
N
4
を含むが、これらに限定されないことを特徴とする請求項1に記載のパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲル。
【請求項3】
前記架橋剤は、少なくともポリビニルアルコール、寒天及びグルタルアルデヒドを含むことを特徴とする請求項1に記載のパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲル。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲルの調製方法であって、ステップ1~ステップ3を含み、
ステップ1:ケイ素含有無機-有機複合ハイドロゲルの調製
まず、ポリビニルアルコールと寒天を秤量し、脱イオン水を加えて加熱して2種類の粉末を溶解して均質な溶液を得た後、溶液にグルタルアルデヒド溶液を加えて架橋させ、架橋液にケイ素含有ナノ無機粉末を加えて均一なケイ素含有無機-有機複合ゾルを得、ケイ素含有無機-有機複合ゾルを静置して凝固させた後、一定の靭性を有するケイ素含有無機-有機複合ハイドロゲルを形成し、
ステップ2:マイクロ-ナノスケールのケイ素含有無機-有機複合エアロゲルの調製
ステップ1で得られたケイ素含有無機-有機複合ハイドロゲルを凍結して氷晶を得た後、真空凍結乾燥してマイクロ-ナノスケールのケイ素含有無機-有機複合エアロゲルを得、
ステップ3:ミリ-マイクロ-ナノスケールのマルチスケール細孔のケイ素含有無機-有機複合エアロゲルの合成
パルスレーザー加工技術を用いて、得られたマイクロ-ナノスケールのケイ素含有無機-有機複合エアロゲルに対してミリ細孔の構造処理を行い、具体的な処理方法は、
パルスレーザーの周波数を20、パルス幅を5000、走査速度を50~150mm/s、レーザーパワーを3~8%、レーザースポットを1mmに設定し、ミリ細孔の形状を設計し、マトリックスパンチングプログラミングを実行し、続いて、レーザー光源は、マイクロ-ナノスケールのケイ素含有無機-有機複合エアロゲルに対して上から下へミリ細孔のパンチング処理を行い、レーザーの高効率、高速、高エネルギー、パンチングパターンの設計可能な特性を利用して、エアロゲルのミリ細孔の細孔径、細孔形状、細孔数を設計し、垂直に配向したミリ細孔の形状、調整可能な気孔率を有するミリ-マイクロ-ナノのマルチスケール細孔のケイ素含有無機-有機複合エアロゲルを得ることであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲルの調製方法。
【請求項5】
ステップ1において、ケイ素含有無機-有機複合ゾル系における前記ポリビニルアルコールの濃度は1~4wt%であり、ケイ素含有無機-有機複合ゾル系における寒天の濃度は1~2wt%であり、ケイ素含有無機-有機複合ゾル系におけるケイ素含有ナノ無機粉末の濃度は0.02~1wt%であることを特徴とする請求項4に記載のパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲルの調製方法。
【請求項6】
ステップ2において、ケイ素含有無機-有機複合ハイドロゲルの凍結温度範囲は、-30~-80℃であることを特徴とする請求項4に記載のパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲルの調製方法。
【請求項7】
前記ミリ細孔の形状は、正方形、円形及び多角形を含むが、これらに限定されないことを特徴とする請求項4に記載のパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲルの調製方法。
【請求項8】
太陽エネルギー変換・利用方法であって、請求項1~3のいずれか一項に記載のパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲルを使用することを特徴とする太陽エネルギー変換・利用方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゲル材料調製の技術分野に属し、特に、太陽エネルギー変換・利用に用いられるエアロゲル材料調製の技術分野に属し、具体的には、垂直に配向したミリ細孔-3次元連通のマイクロ-ナノ細孔をカスタマイズできるマルチスケール細孔構造のケイ素含有無機-有機複合エアロゲルの調製方法及び使用に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
非再生可能エネルギーの消費が増加するにつれて、再生可能なエネルギーを利用してエネルギーを変換することは、将来の重要な発展傾向となっている。太陽エネルギーは、資源が豊富で、クリーンで汚染がないという特徴を有する。太陽エネルギーを利用・変換して一部の化石エネルギーの消費を代替することは、環境保護及び持続可能な開発に対して重要な意義を有する。軽量かつ高効率で大量生産可能な太陽エネルギー変換・利用材料の設計・開発は、太陽エネルギーの実用化を実現する重要な方途である。
【0003】
エアロゲル材料は、低い線形密度、軽量、低い熱伝導率、大きな比表面積、高い気孔率等の優れた特徴を有し、生活、生産に広く使用されている。エアロゲル材料は通常、超臨界乾燥又は凍結乾燥条件下で形成され、3次元多孔質網目骨格構造を有し、その細孔構造特性は、凍結モチーフ及び架橋強度の両方の影響を受けることが多い。エアロゲルの強度を確保するためには、化学架橋又は物理架橋が一般的に使用されている。化学架橋とは、化学架橋剤の作用下でモノマーが重縮合又は共重合反応を引き起こし、共有結合を形成して3次元網目構造を構築することを意味する。物理架橋とは、水素結合、配位結合、ファンデルワールス力、分子間絡み合いなどの物理的な力を介して結合架橋することによって形成される3次元重合体網目である。異なる特徴を有する架橋剤を選択することにより、エアロゲルの細孔構造及び架橋強度を制御し、様々な使用環境のニーズを満たすことができる。ポリビニルアルコールは、豊富な水酸基を有し、用途が広い水溶性高分子重合体であり、良好な成膜性、熱安定性、接着性、耐摩耗性、自己修復性及び良好な機械的強度を有し、優れた生体適合性、生分解性及び無毒無害等の特性を有し、環境保護の分野で独特の優位性を有する。寒天は、生物適合性に優れた多糖類物質として、豊富なカルボキシル基を含み、90℃の水温で溶解し、室温で硬化できるため、優れたリサイクル性を有する。したがって、適切な架橋剤を選択し、複数の架橋機構を利用することで、エアロゲルの架橋強度を効果的に向上させることができる。
【0004】
エアロゲル材料は、細孔構造が制御可能で、気孔率が高いという特徴を有し、太陽エネルギー駆動の水蒸発の分野に使用されると、太陽光吸収の面でかなりの光吸収面積を提供できるだけでなく、水輸送及び蒸気の逃がしに豊富な通路を提供することもできる。したがって、エアロゲル材料は、太陽エネルギー駆動の界面水蒸発による海水淡水化、汚水処理、光熱触媒などの分野において幅広い応用見通しを有する。しかしながら、エアロゲルの内部細孔径は2~50nmのメソ細孔であることが多く、単一細孔構造を有するエアロゲルは水輸送、光吸収、熱伝導、エネルギー利用などに多くの制限があるのに対し、マルチスケール細孔構造を有するエアロゲルは、より大きな比表面積を提供して太陽光を吸収し、同時に細孔径の制御により毛細管作用を発揮し、給水速度を改善することができる。また、エアロゲルの内部に貫通孔構造を構築することで、長手方向の塩分濃度差を利用して表面張力勾配を形成し、マランゴニ効果を発揮し、塩イオンの移動を促進し、それによりエアロゲル材料の塩析防止機能の設計を実現することができる。ミリ-マイクロ-ナノのマルチスケール細孔構造の光吸収能力と物質交換能力を相乗的に利用することで、海水脱塩、汚水処理、空気浄化などの環境保護分野におけるエアロゲルのより多くの応用可能性を提供する。したがって、多機能性を達成しながら構造特性を確保するには、エアロゲルの細孔径分布及び細孔構造をさらに制御及び最適化する必要がある。
【0005】
現在、開発が比較的成熟したエアロゲルは、重合体系エアロゲル、バイオマスエアロゲル等を含むが、このような有機エアロゲルは燃えやすく、その細孔形成技術及び応用が厳しく制限され、細孔径を正確に制御及び最適化することが困難である。報告されたマルチスケール細孔構造の構築方法では、通常、1つ又は2つの細孔形成方法が組み合わせて使用される。例えば、特許文献1(中国特許出願公開第109243849号明細書)に開示された窒素ドープ階層的細孔グラフェンエアロゲルの調製方法は、CaCO
3
@ポリドーパミン粒子をテンプレートとして使用し、酸洗浄によりCaCO
3
を除去して細孔を形成するが、該方法では、テンプレート剤が導入され、後続のステップでテンプレート剤を除去する必要があり、プロセスが複雑であるだけでなく、細孔の形態及び構造の制御にも役立たない。特許文献2(中国特許出願公開第110064347号明細書)には、凍結鋳造成形法により調製された無機ナノファイバー/有機重合体複合エアロゲルが開示されており、これは「層-スタック-層」構造を有するが、マイクロの通路しか提供できず、水とガスの流束、物質の交換と移動の面で一定の制限がある。特許文献3(中国特許出願公開第113578282号明細書)には、エアロゲル材料を調製するためのエマルジョンテンプレート法が開示されているが、この方法は、エアロゲルの細孔径分布及び細孔構造に対する制御性能が低く、各種の細孔型の数及び分布を正確に制御しにくい。したがって、細孔形成剤テンプレートを必要とせず、プロセスが簡単で、効率的に調製でき、細孔構造の特性と分布を正確に制御して、細孔径が最適化されたマルチスケール細孔構造エアロゲルを調製できる技術の開発は、太陽エネルギー駆動の水の蒸発効率の向上、その適用範囲の拡大に対して重要な意義を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
中国特許出願公開第109243849号明細書
中国特許出願公開第110064347号明細書
中国特許出願公開第113578282号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
エアロゲルの細孔構造の特性と分布を正確に制御するために、本発明はパルスレーザーに基づくマルチスケール細孔エアロゲルを提供し、このエアロゲルは、ミリ-マイクロ-ナノの3つのスケールの細孔径を同時に有するだけでなく、調製時には細孔形成剤テンプレートを必要としない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はまた、このエアロゲルの調製方法及び使用を提供する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明が採用する技術的解決手段の全体的な考え方は、以下のとおりである。まず、ケイ素含有ナノ無機材料の高融点、優れた高温安定性及び高温耐酸化性等の利点を利用し、ポリビニルアルコール、寒天及びグルタルアルデヒドを架橋剤とし、水素結合及び重縮合反応等の物理・化学架橋機構を相乗的に利用して、ケイ素含有ナノ無機-有機複合多孔質二重網目エアロゲルを調製し、該エアロゲルは、重合体材料の強度及び靭性を利用してエアロゲルの機械的特性を保証するだけでなく、無機材料の特性を利用してポリビニルアルコール/寒天エアロゲルの硬度及び難燃能力も向上させ、その耐アブレーション性の強化に基づいて、それに加工多様性を備えさせる。次に、難燃性を有するケイ素含有ナノ無機-有機エアロゲルを調製した上で、パルスエネルギーが高く、加工効率が高いパルスレーザー技術を利用して、プロセスが簡単で高効率であり、ミリ細孔の数及び分布を正確に制御でき、細孔のパターンはカスタマイズできる。
【0010】
具体的な技術的解決手段は、以下のとおりである。パルスレーザーに基づくマルチスケール細孔構造エアロゲルであって、ケイ素含有ナノ無機材料を凍結モチーフとし、バイオマス重合体を架橋剤とし、脱イオン水を溶剤として、これら3つを均一に混合して静置して凝固させてケイ素含有無機-有機複合ハイドロゲルを形成した後、凍結して氷晶を形成し、続いて凍結乾燥技術を用いて氷晶を除去してマイクロ-ナノスケールのケイ素含有無機-有機複合エアロゲルを形成し、最後に、パルスレーザー技術を用いて、得られたマイクロ-ナノスケールのケイ素含有無機-有機複合エアロゲルに対してミリ細孔のカスタマイズされたパンチングを行い、レーザーの高速、高エネルギー、パンチングパターンの設計可能な特性を利用して、エアロゲルのミリ細孔の細孔径、細孔形状及び細孔数を設計し、プロセスが制御可能で、複数のシーン、複雑な使用環境のニーズを満たすことができるミリ-マイクロ-ナノスケールのマルチスケール細孔のケイ素含有無機-有機複合エアロゲルを得ることである。
(【0011】以降は省略されています)
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