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公開番号2024139391
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023050304
出願日2023-03-27
発明の名称鋳片およびその連続鋳造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20241002BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】Alを0.2質量%以上含有する高Al鋼の鋳片であって、耐割れ感受性に優れた鋳片およびその連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】[Zr]、[Hf]、[Y]、[Al]、[N]をそれぞれ鋳片での含有量(質量%)とした場合に、[Zr]+91/178×[Hf]+91/89×[Y]≧4/3×[Al]×[N]の条件と、[Hf]+[Y]≧0.001%の条件とを満たし、かつ鋳片の表面から深さ方向に5mmの位置における全窒化物中のZrN、HfN、YNもしくはこれらの複合窒化物の合計した個数比率が50%以上とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C:0.02%~0.50%、
Si:0.20%~3.00%、
Mn:0.50%~4.00%、
Al:0.20%~2.00%
N:0.01%以下、
Zr:0%~0.05%、
Hf:0%~0.05%、
Y:0%~0.05%、
Ti:0%~0.002%、
Nb:0%~0.1%、
V:0%~0.1%、
B:0%~0.005%、
Cr:0%~0.1%、
Ni:0%~0.5%、及び
Cu:0%~0.5%、を含有し、
残部がFe及び不純物からなる鋳片であって、
Zr、Hf、Yの含有量が以下の(1)式及び(2)式を満たし、
前記鋳片の表面から深さ方向に5mmの位置における全窒化物中のZrN、HfN、YNもしくはこれらの複合窒化物の合計した個数比率が50%以上であることを特徴とする鋳片。
[Zr]+91/178×[Hf]+91/89×[Y]≧4/3×[Al]×[N] ・・・(1)
[Hf]+[Y]≧0.001% ・・・(2)
ここで、[Zr]、[Hf]、[Y]、[Al]、[N]はそれぞれ前記鋳片での含有量(質量%)を表す。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
請求項1に記載の鋳片の連続鋳造方法であって、
前記鋳片の曲げ及び矯正を行う際に、表面温度が800℃~1000℃の範囲で曲げ及び矯正を行うことを特徴とする鋳片の連続鋳造方法。
【請求項3】
前記鋳片の表層部における平均冷却速度を60℃/min以下とすることを特徴とする請求項2に記載の鋳片の連続鋳造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、Alを多量に含む鋳片およびその連続鋳造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、高強度鉄鋼材料として、機械特性を向上させるためにAlを多量含有した合金鋼が多く製造されている。しかしながら、Alを多く添加するほど、連続鋳造において鋳片の表層に横ひび割れが生じやすくなり、操業上および製品の品質上の問題となっている。
【0003】
湾曲型または垂直曲げ型の連続鋳造機中の矯正点では、矯正応力が鋳片に付与される。横ひび割れは、鋳片表層の旧オーステナイト粒界に沿って発生することが知られており、AlNやNbC等の析出により脆化したオーステナイト粒界や、旧オーステナイト粒界に沿って生成するフィルム状フェライトに矯正応力が集中することで横ひび割れが発生する。また、この横ひび割れは、特に、オーステナイトからフェライトへの相変態領域よりも少し高い温度域において発生しやすいが、非変態系組成であっても同様に横ひび割れが発生する。したがって、通常は、矯正点では延性が低下する温度域(脆化温度域)を回避するように鋳片の表面温度を制御し、横ひび割れの発生を抑制する方法が採用されている。
【0004】
しかしながら、鋳片の表面温度を制御して脆化温度域を回避するようにすると、操業上大きな制約を受けるため、困難である場合も多い。そこで特許文献1には、Tiを0.010質量%超0.025質量%以下で添加し、鋳片の凝固シェル厚さが10mm~30mmの二次冷却帯上部における鋳片の表面温度をAlNの析出開始温度以上とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-22498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、機械特性をより向上させるために、Alを0.2質量%以上含有する高Al鋼の製造も行われている。Al濃度が増加すると、AlNがより高温から析出し、脆化温度域が拡大する。したがって、Alを0.2質量%以上含有すると脆化温度域が顕著に拡大するため、脆化温度域を回避して曲げ及び矯正を行うことは操業上ほぼ不可能であり、横ひび割れを回避することができない。
【0007】
また、特許文献1に記載の方法では、Al濃度が0.063質量%~0.093質量%の低炭素アルミニウムキルド鋼を対象としており、Alを0.2質量%以上含有する高Al鋼ではその効果が不明である。
【0008】
本発明は前述の問題点を鑑み、Alを0.2質量%以上含有する高Al鋼の鋳片であって、耐割れ感受性に優れた鋳片およびその連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、高Al鋼の鋳片での高温脆化がAlNの多量析出が要因であることに着目し、窒化物の析出制御を検討した。具体的にはAlよりもN固定能力の高いZr、Hf、Yを添加した鋼の高温延性を調査した。その結果、これらの元素の添加によって高温延性が大きく改善することを見出した。Zr、Hf、YはそれぞれZrN、HfN、YNまたはこれらの複合窒化物を生成し、Nを固定化するため、AlNの粒界への多量析出を抑制し、高Al鋼の高温脆化を抜本的に改善できることが分かった。
【0010】
特にHf、YはZrよりも窒素との親和力が高く、窒化物の熱的安定が得られる。そのため、Hf及び/またはYを添加することにより、AlNの多量析出をより安定的に抑制することから、より確実に横ひび割れを抑制できることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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