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公開番号2024139112
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023049914
出願日2023-03-27
発明の名称湧水観測装置とその設置方法、及び湧水観測方法
出願人大成建設株式会社,原工業株式会社
代理人個人,個人
主分類E02D 1/00 20060101AFI20241002BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】ボーリング孔を利用した湧水の長期モニタリングに際して、長期モニタリングに要する費用を低減でき、削孔管等を引き抜く際の費用と手間を解消でき、パッカー内の水圧を測定することのできる、湧水観測装置とその設置方法、及び湧水観測方法を提供する。
【解決手段】湧水観測装置100は、パッカー20を備えている二重管ロッド30と、観測計48が取り付けられている流路切替えアダプタ40、第1逆止弁50、水圧測定装置60を備えている流路切替えユニット70と、二重管ロッド30と流路切替えユニット70からなる軸状ユニット80と、水をパッカー20に到達させる第1流路と、湧水を観測計48に到達させる第2流路とを有し、第1逆止弁50は、パッカー20へ送水する際に第1流路を開き、戻り水が戻る際に第1流路を閉じ、二重管ロッド30がボーリング孔Bの孔口B2に取り付けられるプリペンダー15に挿通されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
切羽に設けられているボーリング孔に設置されて、該ボーリング孔の先端から湧水を取り込んで湧水観測を行う、湧水観測装置であって、
一端側にパッカーを備えている二重管ロッドと、
前記二重管ロッドの他端に装着され、観測計が取り付けられている流路切替えアダプタ、第1逆止弁、及び水圧測定装置を備えている、流路切替えユニットと、
前記二重管ロッドと前記流路切替えユニットとにより形成される、軸状ユニットと、
前記軸状ユニットの内部に設けられ、送水された水を前記パッカーの内側面に到達させる、第1流路と、
前記二重管ロッドと前記流路切替えユニットの内部に設けられ、前記二重管ロッドの前記一端にある取込開口から取り込んだ湧水を前記観測計に到達させる、第2流路とを有し、
前記水圧測定装置は、前記第1流路を形成する主流路と、該主流路から分岐した枝流路とを備え、該枝流路の途中には第2逆止弁が介在して、前記パッカーへ送水する際に該第2逆止弁が前記枝流路を閉じ、該枝流路にチェック弁が取り付けられて、前記第1流路内の水圧が測定されるようになっており、
前記第1逆止弁は、前記パッカーへ送水する際に前記第1流路を開き、該パッカーから戻り水が戻る際に該第1流路を閉じるようになっており、
前記二重管ロッドが、該ボーリング孔の孔口に取り付けられるプリペンダーに挿通されていることを特徴とする、湧水観測装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記二重管ロッドの前記他端に対して、前記流路切替えアダプタの一端が接続され、
前記流路切替えアダプタの他端に対して、前記水圧測定装置の一端が接続され、
前記水圧測定装置の他端に対して、前記第1逆止弁が接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の湧水観測装置。
【請求項3】
前記水圧測定装置の外面のうち、前記枝流路に対応する位置には凹部が設けられ、該凹部に該枝流路の開口が臨んでおり、
前記開口に取り付けられている状態での前記チェック弁の高さは、前記凹部の深さ以下に設定されており、
前記水圧測定装置に前記チェック弁が取り付けられて、前記第1流路への追加の送水、もしくは、該第1流路からの排水の少なくとも1つがさらに実行されるようになっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の湧水観測装置。
【請求項4】
切羽に設けられているボーリング孔の先端から湧水を取り込んで湧水観測を行う、湧水観測方法であって、
一端側にパッカーを備えている二重管ロッドと、観測計が取り付けられている流路切替えアダプタ、第1逆止弁、及び水圧測定装置を備えている流路切替えユニットと、により形成される軸状ユニットと、該軸状ユニットの内部において送水された水を前記パッカーの内側面に到達させる第1流路と、該軸状ユニットの内部に設けられて該二重管ロッドの一端にある取込開口から取り込んだ湧水を前記観測計に到達させる第2流路とを有し、該二重管ロッドを前記ボーリング孔に挿入し、該ボーリング孔の先端近傍に前記パッカーを配設し、前記第1流路を介して送水された水により前記パッカーを膨らませて該パッカーを該ボーリング孔の孔壁に押圧させる、設置工程と、
前記水圧測定装置にて前記第1流路を観測する、第1流路観測工程と、
前記第2流路を介して前記ボーリング孔の先端から湧水を取り込み、前記観測計に到達させて湧水観測を行う、湧水観測工程と、
前記第1流路を介して排水して前記パッカーを萎ませ、前記二重管ロッドを前記ボーリング孔から引き抜いて回収する、回収工程とを有することを特徴とする、湧水観測方法。
【請求項5】
切羽にボーリング孔を削孔し、該ボーリング孔に対して湧水観測装置を設置する、湧水観測装置の設置方法であって、
前記切羽にプリペンダーを設置し、該プリペンダーに削孔管を挿通しながら前記ボーリング孔を削孔する、削孔工程と、
前記削孔管を前記ボーリング孔に残置し、該ボーリング孔の内部に前記湧水観測装置の一部を挿入していき、
ここで、前記湧水観測装置は、
一端側にパッカーを備えている二重管ロッドと、
前記二重管ロッドの他端に装着され、観測計が取り付けられている流路切替えアダプタ、第1逆止弁、及び水圧測定装置とを備えている、流路切替えユニットと、
前記二重管ロッドと前記流路切替えユニットとにより形成される、軸状ユニットと、
前記軸状ユニットの内部に設けられ、送水された水を前記パッカーの内側面に到達させる、第1流路と、
前記二重管ロッドと前記流路切替えユニットの内部に設けられ、前記二重管ロッドの前記一端にある取込開口から取り込んだ湧水を前記観測計に到達させる、第2流路とを有し、
前記水圧測定装置は、前記第1流路内の水圧を測定し、
前記第1逆止弁は、前記パッカーへ送水する際に前記第1流路を開き、該パッカーから戻り水が戻る際に該第1流路を閉じるようになっており、
前記削孔管の先端から前記パッカーを張り出させ、該パッカーを膨らませて前記二重管ロッドを前記ボーリング孔に固定することにより前記湧水観測装置を設置し、該削孔管を該ボーリング孔から引き抜いて回収して、湧水観測のために前記二重管ロッドを該ボーリング孔に残置する、設置・回収工程とを有することを特徴とする、湧水観測装置の設置方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、湧水観測装置とその設置方法、及び湧水観測方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
山岳トンネルの施工においては、切羽前方の湧水区間の湧水量や湧水圧といった湧水の状態を把握し、事前に湧水対策を行うことが肝要である。
この湧水状態の把握方法としては、切羽にボーリング孔(先進ボーリング孔)を設け、先進ボーリング孔を利用して地下水圧等を測定する方法が適用されている。このボーリング孔においては、例えば、その先端の湧水区間(湧水帯)の近傍にてパッカーを膨らませて設置することにより他の区間と区切り、パッカーにより区切られた湧水区間における湧水の水圧等を測定する方法が適用される。
【0003】
ここで、特許文献1には、湧水圧測定装置と湧水圧測定方法が提案されている。この湧水圧測定方法は、アウタービットとインナービットとを備えた二重ビットが先端に固定されている削孔ロッドを使用して、切羽前方に向けてボーリング孔を削孔する削孔工程、削孔ロッドの先端部においてボーリング孔の測定対象区間と非測定対象区間を遮蔽する止水工程、ボーリング孔内に流入する湧水の圧力を測定する測定工程を備えている。
削孔工程では、アウタービットの内空部にインナービットを取り付けた状態で削孔を行い、止水工程では、インナービットをアウタービットから取り外して回収する作業と、パッカー装置をアウタービットの内空部に挿通させてパッカー装置の先端部をボーリング孔内に露出させる作業と、パッカー装置の先端部に設けられたパッカー材を拡張させてパッカー材をボーリング孔の孔壁に密着させる作業とを行う。さらに、測定工程では、パッカー装置の先端から取水管を通して取り込まれた湧水の圧力を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-147751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の地下水圧測定方法によれば、切羽前方の湧水圧を測定した後、速やかに削孔を再開することができる。
ところで、上記する湧水区間における湧水の水圧等の測定が長期(数週間乃至数ヶ月程度)に及ぶ長期モニタリングを実施する場合に、特許文献1に記載される地下水圧測定方法では、削孔管やアウタービットをボーリング孔内に残置させる必要がある。
このように削孔管やアウタービットを長期間残置させることにより、長期損料が発生するといった課題があり、長期モニタリングの終了後に削孔管等を引き抜いて回収するべく、ボーリングマシンを再度設置する必要が生じ、設置コストと手間がかかるといった課題がある。
さらに、長期モニタリングにおいては、パッカーが湧水圧に抗してボーリング孔内における設置姿勢を保持するべく、パッカー内の水圧(ボーリング孔の孔壁を押圧する押圧力)を都度確認することが肝要であるが、パッカー内の水圧を都度測定する手段の開示は特許文献1にない。
【0006】
本発明は、ボーリング孔を利用した湧水の長期モニタリングに際して、長期モニタリングに要する費用を低減でき、長期モニタリングの終了後に削孔管等を引き抜く際の費用と手間を解消でき、パッカー内の水圧を測定することのできる、湧水観測装置とその設置方法、及び湧水観測方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、本発明による湧水観測装置の一態様は、
切羽に設けられているボーリング孔に設置されて、該ボーリング孔の先端から湧水を取り込んで湧水観測を行う、湧水観測装置であって、
一端側にパッカーを備えている二重管ロッドと、
前記二重管ロッドの他端に装着され、観測計が取り付けられている流路切替えアダプタ、第1逆止弁、及び水圧測定装置を備えている、流路切替えユニットと、
前記二重管ロッドと前記流路切替えユニットとにより形成される、軸状ユニットと、
前記軸状ユニットの内部に設けられ、送水された水を前記パッカーの内側面に到達させる、第1流路と、
前記二重管ロッドと前記流路切替えユニットの内部に設けられ、前記二重管ロッドの前記一端にある取込開口から取り込んだ湧水を前記観測計に到達させる、第2流路とを有し、
前記水圧測定装置は、前記第1流路を形成する主流路と、該主流路から分岐した枝流路とを備え、該枝流路の途中には第2逆止弁が介在して、前記パッカーへ送水する際に該第2逆止弁が前記枝流路を閉じ、該枝流路にチェック弁が取り付けられて、前記第1流路内の水圧が測定されるようになっており、
前記第1逆止弁は、前記パッカーへ送水する際に前記第1流路を開き、該パッカーから戻り水が戻る際に該第1流路を閉じるようになっており、
前記二重管ロッドが、該ボーリング孔の孔口に取り付けられるプリペンダーに挿通されていることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、一端側にパッカーを備えている二重管ロッドと、観測計が取り付けられている流路切替えアダプタ、第1逆止弁、及び水圧測定装置からなる流路切替えユニットとを有し、二重管ロッドと流路切替えユニットからなる軸状ユニットの内部にパッカーの内側面に送水する第1流路が設けられ、水圧測定装置の備える主流路と枝流路のうち、枝流路の途中に第2逆止弁が介在し、第1流路を介してパッカーへ送水する際には第2逆止弁が枝流路を閉じ、枝流路に取り付けられているチェック弁を介して第1流路内の水圧が測定され、ボーリング孔から削孔管やアウタービットを引き抜いた状態(削孔管等が存在しない状態)で湧水観測を行うことから、ボーリング孔を利用した湧水の長期モニタリングに際して、長期モニタリングに要する費用を低減でき、長期モニタリングの終了後に削孔管等を引き抜く際の費用と手間を解消でき、パッカー内の水圧を測定することができる。
また、第1逆止弁が、パッカーへ送水する際に第1流路を開き、パッカーから戻り水が戻る際に第1流路を閉じることにより、パッカー装置への必要量の送水と、パッカーが開いた後のパッカー圧の維持の双方を図ることができる。
さらに、二重管ロッドが、ボーリング孔の孔口に取り付けられるプリペンダーに挿通されていることにより、ボーリング孔と二重管ロッドとの間の隙間から湧水が孔外へ噴出することを防止できる。
【0009】
ここで、軸状ユニットを構成する各構成要素の並びは、二重管ロッド、流路切替えアダプタ、第1逆止弁、及び水圧測定装置の並びや、二重管ロッド、流路切替えアダプタ、水圧測定装置、及び第1逆止弁の並びなど、様々な並びがあり得る。さらに、流路切替えアダプタの内部に第1逆止弁が含まれ、従って双方が一体とされている形態等であってもよく、流路切替えアダプタ、第1逆止弁、及び水圧測定装置の2つもしくは全部が一体とされている形態であってもよい。
また、観測計にて観測(測定)される湧水の状態を示す物理量には、湧水量や湧水圧が含まれる。また、本態様では、観測計に到達させた湧水の物理量を測定することの他にも、湧水の濁度等の水質観察や地下水位観察等も「観察」に含まれるものとし、従って、湧水の物理量や水質等が観察対象となる。観測計による観測データ(計測データ)は、軸状ユニットを回収した後にデータ取得されてもよいし、観測計から無線通信によって、計測実施者等の携帯する携帯端末、トンネルの坑外にある管理施設にあるコンピュータ等、様々な携帯端末やコンピュータに対してリアルタイムに送信されてもよい。
また、二重管ロッドは、1本でも複数本でもよく、ボーリング孔の長さに応じて、例えば複数の二重管ロッドが順次継ぎ足されてもよい。
【0010】
本態様の湧水観測装置は、長さが1000m程度の超長尺ボーリング孔や、長さが100m程度の中尺ボーリング孔、長さが30m程度の短尺ボーリング孔といった様々な長さのボーリング孔に適用可能であるが、湧水の長期モニタリングを要する中尺ボーリング孔や超長尺ボーリング孔への適用に好適である。
(【0011】以降は省略されています)

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