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公開番号2024158462
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073682
出願日2023-04-27
発明の名称亀裂検出システムおよび亀裂検出方法
出願人大成建設株式会社,株式会社ジオファイブ,株式会社日本地下探査,国立大学法人 東京大学,独立行政法人水資源機構
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E02B 7/00 20060101AFI20241031BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】コンクリート構造物を管理する負担を軽減することができる、亀裂検出システムおよび亀裂検出方法を提供する。
【解決手段】コンクリート構造物(一例は、フェイススラブコンクリート4)の亀裂を検出する亀裂検出システム1であって、前記コンクリート構造物の内部に埋められている光ファイバケーブル5と、前記コンクリート構造物に振動を与える振動発生手段6と、光ファイバケーブル5に伝わる表面波を計測する計測手段11と、計測手段11で計測した計測波形に基づいて、前記コンクリート構造物に発生している亀裂の状況を解析する解析手段13と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コンクリート構造物の亀裂を検出する亀裂検出システムであって、
前記コンクリート構造物の内部に埋められている光ファイバケーブルと、
前記コンクリート構造物に振動を与える振動発生手段と、
前記光ファイバケーブルに伝わる表面波を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測した計測波形に基づいて、前記コンクリート構造物に発生している亀裂の状況を解析する解析手段と、を備える、
ことを特徴とする亀裂検出システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記解析手段は、前記計測波形のうち、前記振動発生手段から前記光ファイバケーブルに設定した複数の計測点のそれぞれに直達した波形についてフーリエスペクトルを算出し、当該フーリエスペクトルの振幅の大きさに基づいて亀裂の有無を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の亀裂検出システム。
【請求項3】
前記解析手段は、前記計測波形のうち、前記振動発生手段から前記光ファイバケーブルに設定した複数の計測点のそれぞれに直達した波形についてフーリエスペクトルを算出し、当該フーリエスペクトルの振幅の大きさに基づいたコンター図を表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の亀裂検出システム。
【請求項4】
前記コンクリート構造物は、コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダムのフェイススラブコンクリートである、
ことを特徴とする請求項1に記載の亀裂検出システム。
【請求項5】
前記光ファイバケーブルは、天端から前記フェイススラブコンクリート内に挿入され、法尻で引き返して前記天端から延出されており、
前記振動発生手段は、前記天端の複数地点に振動を与える、
ことを特徴とする請求項4に記載の亀裂検出システム。
【請求項6】
前記フェイススラブコンクリートは、複数のブロックで構成されており、
前記光ファイバケーブルは、少なくとも二つ以上の前記ブロックに跨って配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の亀裂検出システム。
【請求項7】
コンクリート構造物の亀裂を検出する亀裂検出方法であって、
前記コンクリート構造物の内部に光ファイバケーブルを設置する光ファイバ設置工程と、
前記コンクリート構造物に振動を与える振動発生工程と、
前記光ファイバケーブルに伝わる表面波を計測する表面波計測工程と、
前記表面波計測工程で計測した計測波形に基づいて、前記コンクリート構造物に発生している亀裂の状況を解析する亀裂解析工程と、を有する、
ことを特徴とする亀裂検出方法。
【請求項8】
前記光ファイバケーブルに発生する歪みを計測する歪み計測工程と、
前記歪み計測工程で計測した歪みに基づいて、前記コンクリート構造物に発生している変形を解析する変形解析工程と、をさらに有し、
前記歪み計測工程では、前記光ファイバケーブルに歪み計測用の計測手段を接続して前記歪みを計測し、
前記表面波計測工程では、前記歪み計測用の計測手段に代えて、前記光ファイバケーブルに表面波計測用の計測手段を接続して前記表面波を計測する、
ことを特徴とする請求項7に記載の亀裂検出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物の亀裂検出システムおよび亀裂検出方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ダムの型式の一つとして、岩石や土砂を積み上げて建設するロックフィルダムがあり、ロックフィルダムの形式の一つとして、コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダムがある。コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダムでは、ダムの上流面をコンクリート版(「フェイススラブコンクリート」と称する)で覆って遮水する。当該ダムの維持管理として、フェイススラブコンクリートに発生する亀裂の状況を把握することが望ましい。
コンクリートの亀裂等の欠陥を測定する技術として、例えば特許文献1,2に記載された技術が存在する。特許文献1,2に記載されるように、従来の亀裂検出方法は、コンクリート構造物の表面に受振器を設置するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭64-065407号公報
特開平5-113428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来における亀裂検出方法では、受振器(例えばジオフォン)と信号伝達用のケーブルとを計測エリアに設置するため、設置作業が煩雑で作業員の負担となる。
また、計測するたびに受振器等の設置および撤収が必要であるので毎回の負担が大きく、特に定期的な計測を行う場合にはその負担はさらに大きい。
また、1つの観測点につき1台の受信器が必要となるため、計測エリアが大きくなるほど、または計測を密に行おうとするほど、多くの受信器が必要になりコストの面で問題となる。
このような観点から、本発明は、コンクリート構造物を管理する負担を軽減することができる、亀裂検出システムおよび亀裂検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る亀裂検出システムは、コンクリート構造物の亀裂を検出する亀裂検出システムである。この亀裂検出システムは、光ファイバケーブルと、振動発生手段と、計測手段と、解析手段とを備える。
前記光ファイバケーブルは、前記コンクリート構造物の内部に埋められている。前記振動発生手段は、前記コンクリート構造物に振動を与える。前記計測手段は、前記光ファイバケーブルに伝わる表面波を計測する。前記解析手段は、前記計測手段で計測した計測波形に基づいて、前記コンクリート構造物に発生している亀裂の状況を解析する。
前記解析手段は、例えば、前記計測波形のうち、前記振動発生手段から前記光ファイバケーブルに設定した複数の計測点のそれぞれに直達した波形についてフーリエスペクトルを算出し、当該フーリエスペクトルの振幅の大きさに基づいて亀裂の有無を検出する。
【0006】
本発明に係る亀裂検出システムにおいては、光ファイバケーブルを埋設したままとすることが可能である。そのため、最初に光ファイバケーブルを設置すれば、光ファイバケーブルの撤収作業や2回目以降の再設置が不要である。
また、光ファイバケーブルは、従来の受振器(例えばジオフォン)に比べて安価(例えば、1mあたりで数百~数千円程度)であり、また、数十cmごとに表面波を計測可能なので、計測エリアが大きくなった場合でもコストの面で問題となり難い。
【0007】
前記解析手段は、前記計測波形のうち、前記振動発生手段から前記光ファイバケーブルに設定した複数の計測点のそれぞれに直達した波形についてフーリエスペクトルを算出し、当該フーリエスペクトルの振幅の大きさに基づいたコンター図を表示手段に表示させてもよい。このようにすると、亀裂の発生個所の特定が容易である。
【0008】
前記コンクリート構造物は、例えば、コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダムのフェイススラブコンクリートである。
前記コンクリート構造物としてフェイススラブコンクリートを想定した場合、前記光ファイバケーブルは、例えば、天端から前記フェイススラブコンクリート内に挿入され、法尻で引き返して前記天端から延出される。前記振動発生手段は、前記天端の複数地点に振動を与える。
このようにすると、コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダムのフェイススラブコンクリートに発生する亀裂を精度よく検出可能である。また、ダムを維持管理する負担が従来よりも軽減される。
【0009】
前記フェイススラブコンクリートが複数のブロックで構成される場合、前記光ファイバケーブルを少なくとも二つ以上の前記ブロックに跨って配置してもよい。
このようにすると、計測手段(例えば、インテロゲータ)に接続する光ファイバの数(チャンネル数)を抑制することができるので、計測手段の数を抑制できる。
【0010】
本発明に係る亀裂検出方法は、コンクリート構造物の亀裂を検出する亀裂検出方法である。この亀裂検出方法は、光ファイバ設置工程と、振動発生工程と、表面波計測工程と、亀裂解析工程とを有する。
前記光ファイバ設置工程では、前記コンクリート構造物の内部に光ファイバケーブルを設置する。前記振動発生工程では、前記コンクリート構造物に振動を与える。前記表面波計測工程では、前記光ファイバケーブルに伝わる表面波を計測する。前記亀裂解析工程では、前記表面波計測工程で計測した計測波形に基づいて、前記コンクリート構造物に発生している亀裂の状況を解析する。
(【0011】以降は省略されています)

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