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公開番号
2024157912
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023072575
出願日
2023-04-26
発明の名称
注入管および注入材注入方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
E02D
3/12 20060101AFI20241031BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】地盤内に複数種類の注入材を同時に注入することを可能とした注入管およびこの注入管を利用した注入材注入方法を提案する。
【解決手段】中空の管体2と、管体2の内部に設けられた仕切り板3とを備える注入管1である。管体2には、複数の注入孔22が形成されている。また、仕切り板3は、管体2の軸方向に沿って管体2の内空を分割している。この注入管1を利用した注入材注入方法では、複数種類の注入材を、仕切り板3で分割された異なる空間にそれぞれ供給する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
中空の管体と、
前記管体の内部に設けられた仕切り板と、を備える注入管であって、
前記管体には、複数の孔またはスリットが形成されており、
前記仕切り板は、前記管体の軸方向に沿って前記管体の内空を分割していることを特徴とする、注入管。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
前記管体は、複数の管構成部材を軸方向に連結することにより形成されており、
前記管構成部材は、一般部と、前記一般部の一端に形成されたオス継手部と、前記一般部の他端に形成されたメス継手部とを有し、
前記オス継手部は、前記一般部の外径よりも小さい外径であり、
前記メス継手部は、前記一般部の外径と同じ外径で、かつ、前記オス継手部の外径と同等の内径を有し、前記オス継手部と嵌合可能であることを特徴とする、請求項1に記載の注入管。
【請求項3】
前記管構成部材の内部には、前記仕切り板を構成する分割板が形成されており、当該分割板の一端には凹部が形成されているとともに、前記分割板の他端には前記凹部と嵌合可能な凸部が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の注入管。
【請求項4】
前記オス継手部の外面および前記メス継手部の内面のいずれか一方に複数の突起が形成されているとともに、他方に前記突起を嵌め込むことが可能な穴または溝が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の注入管。
【請求項5】
前記注入管の先端に、底キャップが取り付けられており、
前記底キャップは、円筒と円錐を組み合わせた形状を有し、
前記底キャップの内部には、当該底キャップの内空を分割する分割板が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の注入管。
【請求項6】
地盤にボーリング孔を形成する工程と、
前記ボーリング孔内に請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の注入管を挿入する工程と、
前記ボーリング孔の内壁と前記注入管の外面との隙間に間詰材を充填する工程と、
前記注入管内に複数種類の注入材を供給する工程と、を備える注入材注入方法であって、
前記複数種類の注入材を、前記仕切り板で分割された異なる空間にそれぞれ供給することを特徴とする、注入材注入方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入管および地盤内への注入材注入方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
地盤改良や汚染地下水の浄化等を目的として、地盤中に注入材を供給する場合がある。地盤改良を目的とする場合には、セメントミルク等の懸濁物や水ガラス系の溶液等が用いられる。また、汚染地下水の浄化を目的とする場合には、固形浄化材の懸濁物や液系浄化材が用いられ、汚染地下水の面的浄化や待ち受けバリアの構築により、汚染地下水の拡散防止が行われる。
汚染地下水の浄化を目的として地盤中に注入材を供給する方法としては、浸透注入工法が用いられる。浸透注入工法の中でも、比較的簡易な方法として、対象地盤に注入井戸を設置し、ストレーナ位置から注入材を自然浸透により注入する方法が用いられる。自然浸透による注入方法は、簡易的な注入設備を用いることから、比較的低コストで施工可能である。
なお、地盤に注入材を注入する工法として、複数種類の注入材を個別に地盤内に注入し、地盤中において注入材同士を反応させる場合がある。例えば特許文献1には、2種類の溶液を2本の注入管により個別に地盤内に注入し、地盤内において反応させる注入方法が開示されている。
特許文献1の注入方法では、複数の注入管を配管する必要があるため、施工に手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-299758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、地盤内に複数種類の注入材を同時に注入することを可能とした注入管およびこの注入管を利用した注入材注入方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の注入管は、中空の管体と、前記管体の内部に設けられた仕切り板とを備えるものであって、前記管体には複数の孔またはスリットが形成されており、前記仕切り板は前記管体の軸方向に沿って前記管体の内空を分割している。
かかる注入管によれば、注入管の内部が仕切り板により分割されているため、1本の注入管内に複数の流路が並設されることになる。すなわち、本発明によれば、1本の注入管により、複数種類の注入材を地盤内に注入できる。そのため、注入材の種類に応じて複数の注入管を配管する従来の注入方法に比べて、簡易に施工することができる。また、注入管内の一の流路に通じる孔またはスリットと他の流路に通じる孔またはスリットとの相対位置関係が一定となるため、複数の注入材を注入する場合であっても、各注入材の流出方向を管理しやすい。また、注入材同士が反応して固形物等を生成する場合においても、注入孔(注入管)内で固形分が生成されることはない。また、一つの流路を備える注入管を用いて複数種類の注入材を注入する場合には、注入材の種類を切り替える手段や切り替えのタイミングを制御するタイマー等が必要になるが、本発明によれば、このような手段を必要としない。
【0006】
なお、前記管体は、複数の管構成部材を軸方向に連結することにより形成してもよい。この場合、前記管構成部材は、所定の外径および所定の内径を有した一般部と、前記一般部の一端に形成されたオス継手部(前記一般部の外径よりも小さい外径を有する部位)と、前記一般部の他端に形成されたメス継手部(前記一般部の外径と同じ外径でかつ前記オス継手部の外径と同等の内径を有し前記オス継手部と嵌合可能な部位)とを有したものを使用するとよい。また、前記管構成部材の内部には、前記仕切り板を構成する分割板が形成されており、当該分割板の一端には凹部が形成されており、前記分割板の他端には前記凹部と嵌合可能な凸部が形成されていることが望ましい。さらに、前記オス継手部の外面または前記メス継手部の内面のいずれか一方に複数の突起が形成されており、他方に前記突起を嵌め込むことが可能な穴または溝が形成されていることが望ましい。
かかる注入管によれば、オス継手部とメス継手部とを嵌合することで管構成部材同士を連結できるので、所望の長さの管体を容易に形成できる。なお、管構成部材同士の接合部には、Oリング等の止水材を設けてもよい。同様に、分割板同士の接合部に止水材を設けてもよい。なお、注入管の先端には、円筒と円錐を組み合わせた形状を有し、内部に内空を分割する分割板が形成された底キャップを取り付けるのが望ましい。
【0007】
前記注入管を利用した注入材注入方法は、地盤にボーリング孔を形成する工程と、前記ボーリング孔内に注入管を挿入する工程と、前記ボーリング孔の内壁と前記注入管の外面との隙間に間詰材を充填する工程と、前記注入管内に複数種類の注入材を供給する工程とを備えている。このとき、複数種類の注入材は、仕切り板で分割された異なる空間にそれぞれ供給する。
本発明の注入材注入方法によれば、内部が仕切り板により分割された注入管を利用するため、1本の注入管により、地盤内に複数種類の注入材を注入できる。また、複数の注入管を配管する従来の注入方法に比べて、簡易に施工することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の注入管および注入材注入方法によれば、複数種類の注入材を地盤内に同時に注入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
地盤への注入材供給状況を示す模式図である。
注入管を示す斜視図である。
管構成部材を示す図であって、(a)は有孔管、(b)は無孔管である。
管構成部材を示す図であって、(a)は軸方向の断面図、(b)は横断方向の断面図である。
管構成部材同士の継手部を示す図であって、(a)は分解側面図、(b)は断面図である。
注入管の下端部を示す図であって、(a)は断面図、(b)は分解側面図である。
注入材注入方法の手順を示すフロチャートである。
注入材注入方法の各工程を示す断面図であって、(a)は削孔工程、(b)は配管工程、(c)は間詰工程である。
地盤への注入材供給状況を示す断面図である。
蓋材を示す断面図である。
注入管の配置の例を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
仕切り板の他の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態では、地盤中に薬液などの注入材を供給(注入)する場合について説明する。図1に注入材の注入状況を示す。本実施形態の注入材注入方法は、図1に示すように、地盤には注入管1が配管されており、注入材タンクT内の注入材iは、注入管1を介して地盤に浸透させる。
図2に注入管を示す。注入管1は、図2に示すように、中空の管体2と、管体2の内部に設けられた仕切り板3とを備えている。注入管1(管体2)の内空は、仕切り板3によって、全長にわたって2つの空間(流路11,12)分割されている。
(【0011】以降は省略されています)
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