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公開番号2024162329
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077722
出願日2023-05-10
発明の名称事故災害の情報提示システム
出願人大成建設株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類G06Q 10/06 20230101AFI20241114BHJP(計算;計数)
要約【課題】作業者が作業を実施するに際し、作業者及び作業との関連性が高い事故災害の情報を作業者に例示することで、効率的に、事故の発生を抑止する。
【解決手段】事故災害の情報提示システム1は、作業者に関する作業者情報、作業の内容に関する作業内容情報、及び作業の環境に関する作業環境情報の、各々に含まれる項目と、事故の形態の各々との関連性を示す係数が格納された、関連性格納データベース22と、作業内容情報と作業環境情報、及び作業者情報を収集する情報収集部25と、収集された作業内容情報と作業環境情報に示される状況において、収集された作業者情報に対応する作業者に発生しやすい事故の形態を、係数を基にして抽出する注意喚起情報抽出部26と、抽出された事故の形態を表示部53に送信する情報出力部27と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
作業者が実施する作業に関する事故災害の情報を、前記作業者に対して例示する、事故災害の情報提示システムであって、
前記作業者に関する作業者情報、前記作業の内容に関する作業内容情報、及び前記作業の環境に関する作業環境情報の、各々に含まれる項目と、事故の形態の各々との関連性を示す係数が格納された、関連性格納データベースと、
前記作業者が前記作業を実施するに際し、当該作業に関する前記作業内容情報と前記作業環境情報、及び当該作業者に関する前記作業者情報を収集する情報収集部と、
収集された前記作業内容情報と前記作業環境情報に示される状況において、収集された前記作業者情報に対応する前記作業者に発生しやすい前記事故の形態を、前記係数を基にして抽出する注意喚起情報抽出部と、
抽出された前記事故の形態を表示部に送信する情報出力部と、
を含むことを特徴とする事故災害の情報提示システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
事故災害の事例を前記事故の形態ごとに分類して格納する事故災害事例データベースを更に備え、
前記注意喚起情報抽出部は、抽出された前記事故の形態に分類される前記事例を前記事故災害事例データベースから第1注意喚起事例として抽出し、
前記情報出力部は、表示部に前記第1注意喚起事例を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の事故災害の情報提示システム。
【請求項3】
前記注意喚起情報抽出部は、収集された前記作業者情報、前記作業内容情報及び前記作業環境情報に対し、前記係数を適用して、前記事故の形態の各々の発生確率を計算し、前記発生確率が高いものほど発生しやすい前記事故の形態であると判断して、前記発生確率が高いものから前記事故の形態を少なくとも1つ抽出し、抽出された前記事故の形態のいずれかに分類される前記事例を前記第1注意喚起事例として抽出する
ことを特徴とする請求項2に記載の事故災害の情報提示システム。
【請求項4】
前記事故の形態の各々に対し、前記作業者情報、前記作業内容情報及び前記作業環境情報に含まれる前記項目のなかで、当該事故の形態の前記事故災害と関連性はあるが関連性があるとは認識されにくいと考えられるものが、低認識項目として、予め抽出され、
前記関連性格納データベースには、前記事故の形態の各々に対して、前記項目の各々が、当該事故の形態の抽出にどの程度影響するかの影響度が、前記係数とともに格納され、
前記注意喚起情報抽出部は、前記低認識項目に関する前記影響度を基に、抽出された前記事故の形態に分類される前記事例の各々に対して意外性スコア値を計算し、前記意外性スコア値が最も高い前記事例を、第2注意喚起事例として抽出し、
前記情報出力部は、前記表示部に前記第2注意喚起事例を送信する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の事故災害の情報提示システム。
【請求項5】
作業者が実施する作業に関する事故災害の情報を、前記作業者に対して例示する、事故災害の情報提示システムであって、
前記作業者に関する作業者情報、前記作業の内容に関する作業内容情報、及び前記作業の環境に関する作業環境情報の、各々に含まれる項目と、前記事故災害の人的要因の各々との関連性を示す係数が格納された、関連性格納データベースと、
前記作業者が前記作業を実施するに際し、当該作業に関する前記作業内容情報と前記作業環境情報、及び当該作業者に関する前記作業者情報を収集する情報収集部と、
収集された前記作業内容情報と前記作業環境情報に示される状況において、収集された前記作業者情報に対応する前記作業者が発生させ得る前記事故災害の原因となりやすい前記人的要因を、前記係数を基にして抽出する注意喚起情報抽出部と、
抽出された前記人的要因を表示部に送信する情報出力部と、
を含むことを特徴とする事故災害の情報提示システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、事故災害の情報提示システムに関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
作業者が様々な業務を実施するに際し、作業者の不注意や、外的な要因により、事故が生じることがある。特許文献1には、発生した事故の要因を推定するシステムが開示されている。
このような事故は、何らかの対策を行うことで、未然に防がれるのが望ましい。これに関し、例えば特許文献2には、作業者データベースと、事例データベースとを備えた情報処理システムが開示されている。作業者データベースには、作業者識別情報と、性別と、年齢と、経験年数と、作業工程と、本日の作業内容、職種とが対応付けられて記憶されている。事例データベースは、過去に発生した事故に関わる事故データを記憶している。このような情報処理システムは、作業者識別情報が含まれる情報が入力されると、入力された作業者識別情報に基づいて作業者データを作業者データベースから検索する。そして、検索された作業者データと、事例データベースに記憶されている事故データとを比較する。比較の結果、検索された作業者データの各項目と、事故データの各項目とで、互いに一致する項目があるかどうかを判定する。互いに一致する項目がある場合、その項目がある事故データを事例データベースから読み出す。また、互いに一致する項目の数に応じて、その事故データのスコアをカウントする。カウントされたスコアに応じて、事故データを出力することによって、各作業者に対し、過去に発生した事故事例に基づいた注意喚起を行う。
【0003】
特許文献2においては、上記のように、作業者データベースから抽出された作業者データと、事例データベース内の事故データの各項目とで、一致する項目があるかどうかを判定し、一致する項目がある事故データを抽出している。ここで、作業者データと事故データには、「性別」や「年齢」の項目があるが、これらの項目と全ての事故との関連性は高いものとは考えにくい。したがって、仮に、「性別」や「年齢」等の項目が一致した結果としてある事故データが抽出されたとしても、その事故データは、作業者がこれから実施しようとしている作業に関連して生じ得る事故の本質的な原因との間に高い関連性を有している可能性は低く、このような事故データが作業者に対して表示されたとしても、作業者に対する効果的な注意喚起にはならない可能性がある。
【0004】
また、特許文献3には、作業を特定する情報を建設現場から入力し、入力された情報により特定された作業内容に対し危険を回避する是正措置を含む危険予知情報を生成し、建設現場で用いられる建設現場クライアントに出力する構成が記載されている。
特許文献3においても、特許文献2と同様に、建設現場クライアントに出力される、予想される事故が、作業者との間に高い関連性を有していない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2018/073914号
特開2021-93067号公報
特開2003-242202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、作業者が作業を実施するに際し、作業者及び作業との関連性が高い事故災害の情報を作業者に例示することで、効率的に、事故の発生を抑止することが可能な、事故災害の情報提示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の事故災害の情報提示システムは、作業者が実施する作業に関する事故災害の情報を、前記作業者に対して例示する、事故災害の情報提示システムであって、前記作業者に関する作業者情報、前記作業の内容に関する作業内容情報、及び前記作業の環境に関する作業環境情報の、各々に含まれる項目と、事故の形態の各々との関連性を示す係数が格納された、関連性格納データベースと、前記作業者が前記作業を実施するに際し、当該作業に関する前記作業内容情報と前記作業環境情報、及び当該作業者に関する前記作業者情報を収集する情報収集部と、収集された前記作業内容情報と前記作業環境情報に示される状況において、収集された前記作業者情報に対応する前記作業者に発生しやすい前記事故の形態を、前記係数を基にして抽出する注意喚起情報抽出部と、抽出された前記事故の形態を表示部に送信する情報出力部と、を含むことを特徴とする。
上記のような構成によれば、作業者が作業を実施するに際して、当該作業の内容に関する作業内容情報、作業の環境に関する作業環境情報、及び当該作業者に関する作業者情報が収集されると、収集された状況において発生しやすいと考えられる事故の形態が抽出される。ここで、事故の形態は、作業者情報、作業内容情報及び作業環境情報の、各々に含まれる項目と、事故の形態の各々との関連性を示す係数を基にして抽出される。すなわち、各項目と事故の形態の各々との関連性が適切に、係数として設定されていれば、作業者情報、作業内容情報及び作業環境情報の項目の中に、仮に、事故の形態との関連が低いようなものがあったとしても、このような項目に過大に影響されずに、かつ関連が高い項目の影響が大きく反映されるように、事故の形態を抽出することができる。このため、収集された状況において発生しやすいと考えられる事故の形態を、適切に抽出することが可能となる。
作業者が作業を実施するに際し、上記のようにして抽出された、発生しやすいと考えられる事故の形態を、作業者に対して表示することで、事故災害に関して作業者に対し効果的に注意喚起することができる。これにより、効率的に、事故の発生を抑止することが可能である。
【0008】
本発明の一態様においては、事故災害の事例を前記事故の形態ごとに分類して格納する事故災害事例データベースを更に備え、前記注意喚起情報抽出部は、抽出された前記事故の形態に分類される前記事例を前記事故災害事例データベースから第1注意喚起事例として抽出し、前記情報出力部は、表示部に前記第1注意喚起事例を送信する。
上記のようにして抽出された、発生しやすいと考えられる事故の形態に分類される事例は、作業者、及び当該作業者がこれから実施しようとしている作業と、関連が深い可能性が高い。このため、作業者が作業を実施するに際し、抽出された事故の形態に分類される事例を事故災害事例データベースから第1注意喚起事例として抽出し、作業者に対して表示することで、事故災害に関して作業者に対し効果的に注意喚起することができる。これにより、効率的に、事故の発生を抑止することが可能である。
【0009】
本発明の一態様においては、前記注意喚起情報抽出部は、収集された前記作業者情報、前記作業内容情報及び前記作業環境情報に対し、前記係数を適用して、前記事故の形態の各々の発生確率を計算し、前記発生確率が高いものほど発生しやすい前記事故の形態であると判断して、前記発生確率が高いものから前記事故の形態を少なくとも1つ抽出し、抽出された前記事故の形態のいずれかに分類される前記事例を前記第1注意喚起事例として抽出する。
このような構成によれば、収集された作業者情報、作業内容情報及び作業環境情報に対し、作業者情報、作業内容情報及び作業環境情報の各項目と、事故の形態の各々との関連性を示す係数を適用することで、事故の形態の各々の発生確率が計算され、この発生確率が高いものから事故の形態を少なくとも1つ抽出する。このようにして抽出された事故の形態は、事故の形態のなかでも特に、作業者にとって発生しやすいと考えられる。したがって、少なくとも1つ抽出された事故の形態の、いずれかに分類される事例を第1注意喚起事例として抽出し、作業者に対して提示することで、効果的に、作業者に注意喚起することが可能となる。
【0010】
本発明の一態様においては、前記事故の形態の各々に対し、前記作業者情報、前記作業内容情報及び前記作業環境情報に含まれる前記項目のなかで、当該事故の形態の前記事故災害と関連性はあるが関連性があるとは認識されにくいと考えられるものが、低認識項目として、予め抽出され、前記関連性格納データベースには、前記事故の形態の各々に対して、前記項目の各々が、当該事故の形態の抽出にどの程度影響するかの影響度が、前記係数とともに格納され、前記注意喚起情報抽出部は、前記低認識項目に関する前記影響度を基に、抽出された前記事故の形態に分類される前記事例の各々に対して意外性スコア値を計算し、前記意外性スコア値が最も高い前記事例を、第2注意喚起事例として抽出し、前記情報出力部は、前記表示部に前記第2注意喚起事例を送信する。
このような構成によれば、事故の形態の各々に対し、作業者情報、作業内容情報及び作業環境情報に含まれる項目のなかで、その事故の形態の事故災害と関連性はあるが関連性があるとは認識されにくいと考えられるものを、低認識項目として予め抽出しておく。また、関連性格納データベースには、事故の形態の各々に対して、項目の各々が、当該事故の形態の抽出にどの程度影響するかの影響度が、係数とともに格納されている。このような影響度のなかでも特に、低認識項目に関するものを基に、抽出された事故の形態に分類される事例の各々に対して意外性スコア値を計算する。このようにして計算された意外性スコア値は、抽出された事故の形態とは関連性はあるが関連性があるとは認識されにくいと考えられる項目の、当該事故の形態に対する影響度であるから、当該事故の形態のなかで、この意外性スコア値が高い事故の事例があるとすれば、それは、作業者においては通常想定しにくいと考えられるが、実際には発生する可能性が高い事故の事例といえる。したがって、抽出した事故の形態に分類される事例のなかから、意外性スコア値が最も高い事例を、第2注意喚起事例として抽出し、抽出された第2注意喚起事例を作業者に表示することで、作業者が作業を実施するに際して発生することが意外であると思われる事例についても、作業者に対して提示することができる。
第1注意喚起事例として提示される事例は、作業者からすると、発生しやすいことが容易に推定できるものである場合がある。これに対し、作業者からすると、発生することが想定しにくいが、実際には発生する可能性が高い事例を第2注意喚起事例として作業者に提示することで、作業者に、より有効な注意喚起がなされる。
(【0011】以降は省略されています)

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