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公開番号2024137773
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2024032421
出願日2024-03-04
発明の名称樹脂成形体
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08J 5/00 20060101AFI20240927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】曲げ加工又は深絞り加工等を実施して、湾曲部を有する成形品を製造するとき、ウェビングの発生等の不具合を抑制した成形品を製造することができる樹脂成形体を提供する。
【解決手段】
重合性組成物(S2)を重合してなる(メタ)アクリル系重合体を含む、樹脂成形体であって、前記重合性組成物(S2)が、メタクリル酸メチルを含む単量体組成物(S1)及び架橋剤(A)と、を含み、前記樹脂成形体の160℃における高温引張伸度が700%以下である、樹脂成形体を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
重合性組成物(S2)を重合してなる(メタ)アクリル系重合体を含む、樹脂成形体であって、
前記重合性組成物(S2)が、メタクリル酸メチルを含む単量体組成物(S1)及び架橋剤(A)を含み、
前記樹脂成形体の160℃における高温引張伸度が700%以下である、樹脂成形体。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記高温引張伸度が450%以下である、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項3】
前記架橋剤(A)を、前記重合性組成物(S2)の総質量100質量部に対して、0.2~6.0質量部含有する、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項4】
前記(メタ)アクリル系重合体中のメタクリル酸メチル由来の構成単位の含有割合が80質量%以上である、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項5】
前記架橋剤(A)が、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項6】
前記架橋剤(A)が、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の(メタ)アクリル系重合体が、非架橋(メタ)アクリル系重合体を含み、
前記非架橋(メタ)アクリル系重合体の質量平均分子量が10,000以上700,000以下である、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項8】
前記樹脂成形体が、サニタリー製品又はキッチン用品である、請求項1に記載の樹脂成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形体に関する。より具体的には、本発明は、重合性組成物(S2)を重合してなる、架橋(メタ)アクリル系重合体を含む、樹脂成形体であって、前記重合性組成物(S2)が、メタクリル酸メチルを含む単量体組成物(S1)及び架橋剤(A)と、を含み、前記樹脂成形体が特定の高温引張伸度を有する樹脂成形体に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル系樹脂は、透明性、耐熱性及び耐侯性に優れ、かつ機械的強度、熱的性質、成形加工性等においてバランスのとれた性能を有している。そのために、照明材料、光学材料、看板、ディスプレイ、装飾部材、建築部材等の多くの用途に使用されており、近年では、サニタリー製品又はキッチン用品にも使用されている。
サニタリー製品又はキッチン用品では、平面から構成される看板等とは異なり、湾曲部を含む等、複雑な形状を有する傾向にある。
したがって、サニタリー製品又はキッチン用品では、曲げ加工又は深絞り加工等の高度な成形加工性が要求される場合がある。
(メタ)アクリル系樹脂は、加熱により曲げ加工又は深絞り加工等を実施して湾曲部を形成した場合、湾曲部に厚みムラが生じる場合があることが知られている。また、加熱延伸中にネッキングしやすく、深絞り加工等が難しい樹脂であることが知られている。
特許文献1には、架橋剤を含む樹脂組成物を成形した樹脂成形体が、特定のゴム状平坦領域における貯蔵弾性率及び動的粘弾性特性におけるtanδのピーク値を有するメタクリル系樹脂を使用した成形品が、曲げ加工又は深絞り加工等を実施して湾曲部を形成したときに、得られる湾曲部の寸法精度を高めることが開示されている。
特許文献2には、架橋剤と特定の沸点を有するクエン酸エステルとを含むメタクリル系樹脂組成物を使用することにより、より高い寸法精度で曲げ加工及び深絞り加工等を実施することが可能な注型板を提供できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2015/122174号
国際公開第2018/168954号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、(メタ)アクリル系樹脂を含む成形品には、なおウェビング等の成形時の不具合が生じる場合があり、そのような不具合を抑制することが求められる。
本発明は、このような問題点を解決することを目的とする。すなわち、本発明の1つの目的は、成形時におけるウェビングの発生等の不具合を抑制した樹脂成形体を提供することである。
本発明の他の1つの目的は、成形時におけるウェビングの発生等の不具合を抑制し、かつメタクリル系重合体が本来有する耐熱性を維持している樹脂成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を行ったところ、本発明の樹脂成形体は、メタクリル酸メチルを含む単量体組成物(S1)及び架橋剤(A)を含む、重合性組成物(S2)を重合させることにより、架橋(メタ)アクリル系重合体を含む樹脂成形体を得ることができ、さらに、得られる樹脂成形体の高温引張伸度を特定の範囲に制御することにより、成形時におけるウェビングの発生等の不具合を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。また、前記樹脂成形体が、通常、メタクリル系重合体が本来有する耐熱性を維持していることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
(1)重合性組成物(S2)を重合してなる(メタ)アクリル系重合体を含む、樹脂成形体であって、
前記重合性組成物(S2)が、メタクリル酸メチルを含む単量体組成物(S1)及び架橋剤(A)を含み、
前記樹脂成形体の160℃における高温引張伸度が700%以下である、樹脂成形体;
(2)前記高温引張伸度が450%以下である、(1)に記載の樹脂成形体;。
(3)前記架橋剤(A)を、前記重合性組成物(S2)の総質量100質量部に対して、0.2~6.0質量部含有する、(1)又は(2)に記載の樹脂成形体;
(4)前記(メタ)アクリル系重合体中のメタクリル酸メチル由来の構成単位の含有割合が80質量%以上である、(1)~(3)のいずれか1つに記載の樹脂成形体;
(5)前記架橋剤(A)が、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の樹脂成形体;
(6)前記架橋剤(A)が、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する、(1)~(5)のいずれか1つに記載の樹脂成形体;
(7)(1)~(6)のいずれか1つに記載の(メタ)アクリル系重合体が、非架橋(メタ)アクリル系重合体を含み、
前記非架橋(メタ)アクリル系重合体の質量平均分子量が10,000以上700,000以下である、(1)~(6)のいずれか1つに記載の樹脂成形体;又は
(8)前記樹脂成形体が、サニタリー製品又はキッチン用品である、(1)~(7)のいずれか1つに記載の樹脂成形体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、成形時におけるウェビングの発生等の不具合を抑制した樹脂成形体を提供することができる。また、成形時におけるウェビングの発生等の不具合を抑制し、かつメタクリル系重合体が本来有する耐熱性を維持している樹脂成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
以下の用語の定義は、特に断りのない限り、本明細書及び特許請求の範囲の全般にわたって適用され得る。
【0009】
「(メタ)アクリル系重合体」は、同一の(メタ)アクリル系単量体が重合した重合体、異なる(メタ)アクリル系単量体が重合した共重合体、同一又は異なる(メタ)アクリル系単量体と(メタ)アクリル系単量体以外の単量体とが重合した共重合体を含む概念である。すなわち、「(メタ)アクリル系重合体」は、同一の(メタ)アクリル系単量体が重合した重合体、異なる(メタ)アクリル系単量体が重合した共重合体、及び同一又は異なる(メタ)アクリル系単量体と(メタ)アクリル系単量体以外の単量体とが重合した共重合体から選択される重合体又は共重合体のいずれか1種であるか、又は2種以上の混合物であり得る。
したがって、「(メタ)アクリル系重合体」は、同一又は異なる(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位を含み、さらに、(メタ)アクリル系単量体以外の単量体由来の構成単位を含んでいてもよい重合体又は共重合体である。ここで、「由来」とは、重合するために化学構造が変化していることを意味する。
【0010】
「(メタ)アクリル系重合体」のうち、架橋されているものを「架橋(メタ)アクリル系重合体」といい、架橋されていないものを、「非架橋(メタ)アクリル系重合体」という。ここで、「架橋」とは、本技術分野における通常の意味を有し、重合体分子同士を化学的に結合することをいう。架橋される互いの分子は、それぞれの分子それ自体が架橋されていてもよく、非架橋であってもよい。
「(メタ)アクリル系重合体」は、「架橋(メタ)アクリル系重合体」を含み、さらに「非架橋(メタ)アクリル系重合体」を含んでいてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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