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公開番号2024137683
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023217507
出願日2023-12-25
発明の名称マレイミド樹脂混合物、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
出願人日本化薬株式会社
代理人
主分類C08L 25/08 20060101AFI20240927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、低誘電正接に優れ、ワニス状態での保管安定性に優れるマレイミド樹脂混合物、および硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】スチレン-無水マレイン酸共重合体と、4,4-メチレンビス(2-エチル-6-メチルアニリン)と、無水マレイン酸とを反応させて得られる、マレイミド樹脂混合物とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(a)、(b)の繰り返し単位をもつマレイミド樹脂と、下記式(c)で表されるマレイミド樹脂とからなるマレイミド樹脂混合物であって、
マレイミド樹脂混合物総量中、前記式(c)で表されるマレイミド樹脂の含有量がGPC面積百分率で5.0~30.0面積%であるマレイミド樹脂混合物。
TIFF
2024137683000009.tif
77
170
(上記式中、mは繰り返し数の平均値であり、0<m<200である。nは繰り返し数の平均値であり、0<n<100である。(a)、(b)はそれぞれ*で結合し、繰り返し位置はランダムでよい。)
TIFF
2024137683000010.tif
69
170
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
スチレン-無水マレイン酸共重合体と、4,4-メチレンビス(2-エチル-6-メチルアニリン)と、無水マレイン酸とを反応させて得られる、請求項1に記載のマレイミド樹脂混合物。
【請求項3】
前記スチレン-無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量が900以上10000未満である請求項2に記載のマレイミド樹脂混合物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマレイミド樹脂混合物を含有する硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
さらに、前記マレイミド樹脂混合物以外のマレイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル化合物、エチレン性不飽和結合を有する化合物、シアネートエステル樹脂、ポリブタジエンおよびこの変性物、ポリスチレンおよびこの変性物、ポリエチレンおよびこの変性物、からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含有する、請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
さらに、硬化促進剤を含有する、請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
プリント配線基板用である、請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマレイミド樹脂混合物と有機溶剤からなるワニス。
【請求項9】
請求項4に記載の硬化性樹脂組成物と有機溶剤からなるワニス。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマレイミド樹脂混合物を硬化して得られる硬化物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マレイミド樹脂混合物、硬化性樹脂組成物およびその硬化物に関するものであり、半導体封止材、プリント配線基板、ビルドアップ積層板などの電気・電子部品、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチックなどの軽量高強度材料、3Dプリンティング用途に好適に使用される。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電気・電子部品を搭載する積層板はその利用分野の拡大により、要求特性が広範かつ高度化している。従来の半導体チップは金属製のリードフレームに搭載することが主流であったが、中央処理装置(以下、CPUと表す。)などの処理能力の高い半導体チップは高分子材料で作られる積層板に搭載されることが多くなってきている。
【0003】
現在開発が加速している第5世代通信システム「5G」では、さらなる大容量化と高速通信が進むことが予想されている。5Gでは使用する周波数の高周波化が進むことになるが、高周波を利用した高速通信の実現には伝送損失の低減が重要であり、基板材料の更なる低誘電特性が求められることとなる。プリント基板上で発生する伝送損失は導体損失と誘電体損失に由来する。非特許文献1で述べられている通り、導体損失は誘電体の比誘電率の平方根および誘電正接に比例するため、伝送損失低減には比誘電率以上に寄与度の高い誘電正接を改善することが効果的であると言える。低誘電材料としてはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やLCP(液晶ポリマー)に代表される熱可塑性材料が挙げられるが、熱硬化性樹脂と比較し成型性に乏しい。これを踏まえ、低誘電特性に優れた熱硬化性樹脂の開発が望まれている。具体的には、25℃における周波数10GHzの誘電正接が0.0016以下であることが好ましく、0.0012以下であることが更に好ましい。これらの値は市場から要求されているものであり、例えば、パナソニック社製MEGTORON8の数値に相当するものである(パナソニックホールディング社プレスリリース「高速通信ネットワーク機器向け「低伝送損失多層基板材料 MEGTRON8」を開発」参照)。
【0004】
また、スマートフォンなどに使用されている半導体パッケージ(以下、PKGと表す。)では小型化、薄型化および高密度化の要求に応えるために、PKG基板の薄型化が求められているが、PKG基板が薄くなると、剛性が低下するため、PKGをマザーボード(PCB)に半田実装する際の加熱によって、大きな反りが発生するなど不具合が発生する。これを低減するために半田実装温度以上の高Tg(260℃)のPKG基板材料が求められている。
【0005】
この現状を鑑み、近年ではマレイミド樹脂が高周波領域でのプリント配線板材料として検討されている。マレイミド樹脂それ自体は架橋密度の高さから耐熱性が高いという特徴を有するが、下記特許文献1でも指摘されるように、分子中にイミド構造を有するビスマレイミド化合物は、結晶性が高く、また融点も自己反応を開始する目安となる170~180℃に近い150℃程度と高いので、含浸ワニスを調製し、それを含浸させて乾燥させたり、エポキシ樹脂、硬化剤、フィラー等と溶融混合して成形材料を作製したりするには難しい材料といえる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
プリント基板上高速信号伝送における信号損失要因(三井金属鉱業株式会社)第29回エレクトロニクス実装学会春季公演大会16P1-17
【特許文献】
【0007】
特開2018-12671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、低誘電正接、溶剤溶解性、およびワニス状態での保管安定性に優れるマレイミド樹脂混合物、および硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、下記[1]~[12]に関する。なお、本願において「(数値1)~(数値2)」は上下限値を含むことを示す。
[1]
下記式(a)、(b)の繰り返し単位をもつマレイミド樹脂と、下記式(c)で表されるマレイミド樹脂とからなるマレイミド樹脂混合物であって、
マレイミド樹脂混合物総量中、前記式(c)で表されるマレイミド樹脂の含有量がGPC面積百分率で5.0~30.0面積%であるマレイミド樹脂混合物。
【0010】
TIFF
2024137683000001.tif
77
170
(【0011】以降は省略されています)

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