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公開番号
2024137204
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2023048634
出願日
2023-03-24
発明の名称
接合治具
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
A61M
25/00 20060101AFI20240927BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】ワイヤ等の線状部材とリング状部材との接合位置の精度を高め、安定して接合することができる接合治具を提供する。
【解決手段】リング状部材110に複数の線状部材120の遠位部を接合するための治具1であって、リング状部材110を支持するリング状部材支持部10を有しており、リング状部材支持部10は、リング状部材110の内腔に挿入可能でありリング状部材110の軸方向に延在している突出部11を有し、突出部11は、突出部11の延在方向に延在しており線状部材120を載置可能である溝部30を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
リング状部材に複数の線状部材の遠位部を接合するための治具であって、
前記リング状部材を支持するリング状部材支持部を有しており、
前記リング状部材支持部は、前記リング状部材の内腔に挿入可能であり前記リング状部材の軸方向に延在している突出部を有し、
前記突出部は、前記突出部の延在方向に延在しており前記線状部材を載置可能である溝部を有している接合治具。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記突出部の延在方向における前記突出部の長さは、前記リング状部材の軸方向の長さよりも長く、前記線状部材の長さよりも短い請求項1に記載の接合治具。
【請求項3】
前記突出部の延在方向に垂直な断面における前記突出部の断面形状は、上部に曲部と、前記曲部の下方に直線部を有している請求項1または2に記載の接合治具。
【請求項4】
前記突出部は、前記突出部の延在方向に平行な中心軸を有し、前記中心軸を回転軸として回転可能であり、
前記突出部は、前記溝部を複数有している請求項1または2に記載の接合治具。
【請求項5】
前記リング状部材支持部を固定する固定部をさらに有しており、
前記固定部は、前記突出部が回転可能であるように前記リング状部材支持部を固定している請求項4に記載の接合治具。
【請求項6】
前記固定部は、本体部および蓋部を有しており、
前記本体部と前記蓋部との間に前記リング状部材支持部を配置している請求項5に記載の接合治具。
【請求項7】
前記リング状部材支持部は、前記突出部よりも外径が大きい拡径部を有しており、
前記拡径部の一方側は、前記リング状部材の端部と接触可能であり、
前記拡径部の他方側は、前記固定部と接触可能である請求項5に記載の接合治具。
【請求項8】
前記リング状部材支持部は、前記拡径部よりも外径が大きい把持部を前記拡径部よりも前記他方側に有しており、
前記把持部は、前記突出部の延在方向に平行な中心軸を有し、前記中心軸を回転軸として回転可能であり、
前記把持部を回転させることにより、前記突出部が回転可能である請求項7に記載の接合治具。
【請求項9】
前記突出部の延在方向に平行な中心軸を有しており、前記中心軸を回転軸として回転可能である回転体をさらに有しており、
前記回転体は、一方側と他方側を有し、
前記回転体の前記一方側に、複数の前記突出部の一方端部が固定されている請求項1または2に記載の接合治具。
【請求項10】
前記回転体の前記一方側の面において、前記回転体は、前記回転体の外形の図心を中心とし、前記回転体の外形の短径の長さの半分を直径とした円の領域である中央部と、前記中央部を除いた領域である周縁部と、を有しており、
複数の前記突出部は、前記周縁部に配置されている請求項9に記載の接合治具。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リング状部材に複数の線状部材の遠位部を接合するための治具に関するものである。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、通常、血管や消化管、尿管等の体腔に挿入するためのチューブと、チューブの近位側に設けられたハンドルと、から構成されている。カテーテルには、手元側のハンドルを操作してチューブの遠位端部を屈曲できるように構成されたものが知られている。
【0003】
このようなカテーテルとして、チューブの内腔にワイヤが配され、ワイヤの遠位端部がチューブの遠位端部に配されているリング状の部材に固定され、ワイヤの近位端部がハンドルに接続されており、ハンドルを操作することによりチューブの遠位端部を屈曲することができるものがある。例えば、チューブの内腔にワイヤが2本配されたカテーテルでは、ハンドルを操作することにより、2本のワイヤの一方を近位側に引っ張ることでチューブの遠位端部を一方側に屈曲させ、他方を引っ張ることでチューブの遠位端部を他方側に屈曲させることができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、両側面にそれぞれ取付溝が設けられ、遠位端にはリング部材を着脱自在に取り付けるための取付凸部が設けられているワイヤ付きリングの製造用治具であって、前記取付溝には、それぞれ前記第1ワイヤおよび第2ワイヤの遠位端が軸方向に移動自在で着脱自在に取り付けることが可能になっており、前記治具の遠位端から飛び出している前記第1ワイヤおよび第2ワイヤの各遠位端が前記リング部材の通孔の内周面に接触しながら前記通孔を貫通して飛び出すように、前記リング部材を前記治具の取付凸部に着脱自在に取り付けられるようになっているワイヤ付きリングの製造用治具が記載されている。また、特許文献2には、略円筒状の円筒部を有する複数の節輪を軸心方向に沿って順次隣接して基端から先端にわたって延在するように配設してなる節輪構造体であって、前記複数の節輪の各節輪は、前記円筒部の基端側の面に突出するように形成され、軸心に関して互いに略対称な位置に配置された一対の基端側山部と、前記円筒部の先端側の面に突出するように形成され、前記基端側山部に対応する位置に配置された一対の先端側山部とを備え、先端部が最先端の節輪に係合し、基端部が当該節輪構造体の基端に至る複数のワイヤを設けた節輪構造体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-163128号公報
特開2020-137898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カテーテルの遠位端部を屈曲させる機構において、リング状の部材とワイヤとは、強固かつ精密な接合が必要である。カテーテルの低侵襲性のため、カテーテルのシャフトの外径を小さくする要望があるが、外径が小さいチューブは内径も小さく、リング状の部材およびワイヤを配置するチューブの空間も小さくなる。リング状の部材とワイヤとの接合強度を高めるために、リング状部材にワイヤを接合する際に生じてしまうワイヤの浮きや接合のばらつきを抑え、安定的に接合することが求められている。
【0007】
特許文献1および2に記載されているような構成では、リング状の部材とワイヤとの接合や接合位置にばらつきが生じやすく、安定的な接合のために改善の余地があった。
【0008】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイヤ等の線状部材とリング状部材との接合位置の精度を高め、安定して接合することができる接合治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決することができた本発明の接合治具は、以下の通りである。
[1]リング状部材に複数の線状部材の遠位部を接合するための治具であって、
前記リング状部材を支持するリング状部材支持部を有しており、
前記リング状部材支持部は、前記リング状部材の内腔に挿入可能であり前記リング状部材の軸方向に延在している突出部を有し、
前記突出部は、前記突出部の延在方向に延在しており前記線状部材を載置可能である溝部を有している接合治具。
[2]前記突出部の延在方向における前記突出部の長さは、前記リング状部材の軸方向の長さよりも長く、前記線状部材の長さよりも短い[1]に記載の接合治具。
[3]前記突出部の延在方向に垂直な断面における前記突出部の断面形状は、上部に曲部と、前記曲部の下方に直線部を有している[1]または[2]に記載の接合治具。
[4]前記突出部は、前記突出部の延在方向に平行な中心軸を有し、前記中心軸を回転軸として回転可能であり、
前記突出部は、前記溝部を複数有している[1]~[3]のいずれかに記載の接合治具。
[5]前記リング状部材支持部を固定する固定部をさらに有しており、
前記固定部は、前記突出部が回転可能であるように前記リング状部材支持部を固定している[4]に記載の接合治具。
[6]前記固定部は、本体部および蓋部を有しており、
前記本体部と前記蓋部との間に前記リング状部材支持部を配置している[5]に記載の接合治具。
[7]前記リング状部材支持部は、前記突出部よりも外径が大きい拡径部を有しており、
前記拡径部の一方側は、前記リング状部材の端部と接触可能であり、
前記拡径部の他方側は、前記固定部と接触可能である[5]または[6]に記載の接合治具。
[8]前記リング状部材支持部は、前記拡径部よりも外径が大きい把持部を前記拡径部よりも前記他方側に有しており、
前記把持部は、前記突出部の延在方向に平行な中心軸を有し、前記中心軸を回転軸として回転可能であり、
前記把持部を回転させることにより、前記突出部が回転可能である[5]~[7]のいずれかに記載の接合治具。
[9]前記突出部の延在方向に平行な中心軸を有しており、前記中心軸を回転軸として回転可能である回転体をさらに有しており、
前記回転体は、一方側と他方側を有し、
前記回転体の前記一方側に、複数の前記突出部の一方端部が固定されている[1]~[8]のいずれかに記載の接合治具。
[10]前記回転体の前記一方側の面において、前記回転体は、前記回転体の外形の図心を中心とし、前記回転体の外形の短径の長さの半分を直径とした円の領域である中央部と、前記中央部を除いた領域である周縁部と、を有しており、
複数の前記突出部は、前記周縁部に配置されている[9]に記載の接合治具。
[11]前記リング状部材は、前記リング状部材の軸方向に沿って延在している切り欠き部を有しており、
前記線状部材は、前記溝部に載置され、かつ前記切り欠き部の内部に配置される[1]~[10]のいずれかに記載の接合治具。
[12]前記溝部の幅は、前記切り欠き部の幅よりも大きい[1]~[11]のいずれかに記載の接合治具。
[13]前記突出部は、前記リング状部材支持部から脱着可能である[1]~[12]のいずれかに記載の接合治具。
【発明の効果】
【0010】
本発明の接合治具によれば、リング状部材を支持するリング状部材支持部を有しており、リング状部材支持部はリング状部材の内腔に挿入可能でありリング状部材の軸方向に延在している突出部を有し、突出部は突出部の延在方向に延在しており線状部材を載置可能である溝部を有していることにより、突出部によってリング状部材を支持しながら、溝部に載置されている線状部材とリング状部材との位置合わせを行うことができ、リング状部材に線状部材を精度よく位置合わせしながら接合することが行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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