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公開番号2024134918
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045367
出願日2023-03-22
発明の名称ミシンフット、及びそれを備えたミシン
出願人YKK株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類D05B 29/06 20060101AFI20240927BHJP(縫製;刺しゅう;タフティング)
要約【課題】生地の切替部など、生地が厚い部分でスライダーの摺動が重くなるのを抑制することができるミシンフット、及びそれを備えたミシンを提供する。
【解決手段】スライドファスナー(91)を生地(95)に縫製するためのミシンに実装される、ミシンフット(10)は、ミシンの押さえ棒(A)に取り付けられるシャンク(11)と、シャンクに対して上下方向且つ、左右方向に移動可能に取り付けられ、ミシンの縫製方向にファスナーエレメント列(93)を案内するガイド溝(21a、21b)を有するエレメントガイド(20)と、縫製中のエレメントガイドのシャンクに対する高さに対応してエレメントガイドの左右位置を変更するガイド位置変更機構(30)と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
スライドファスナー(91)を生地(95)に縫製するためのミシンに実装される、ミシンフット(10)であって、
前記ミシンの押さえ棒(A)に取り付けられるシャンク(11)と、
前記シャンク(11)に対して上下方向且つ、左右方向に移動可能に取り付けられ、前記ミシンの縫製方向にファスナーエレメント列(93)を案内するガイド溝(21a、21b)を有するエレメントガイド(20)と、
縫製中の前記エレメントガイド(20)の前記シャンク(11)に対する高さに対応して前記エレメントガイド(20)の左右位置を変更するガイド位置変更機構(30)と、
を備える、ミシンフット(10)。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記ガイド位置変更機構(30)は、前記エレメントガイド(20)が前記シャンク(11)に対して所定の高さ範囲までは上下方向のみ移動し、前記エレメントガイド(20)が前記シャンク(11)に対して所定の高さ範囲を越えて上方に移動したとき、前記エレメントガイド(20)の高さに応じて前記エレメントガイド(20)を左右方向一方側に移動させるカム機構(60)を有する、請求項1に記載のミシンフット(10)。
【請求項3】
前記カム機構(60)は、
前記シャンク(11)と前記エレメントガイド(20)のいずれか一方の側に取り付けられ、カム溝(66)を有するカムブロック(65)と、
前記シャンク(11)と前記エレメントガイド(20)のいずれか他方の側に取り付けられ、前記カム溝(66)内を移動するカムピン(71)を保持するピン保持ブロック(70)と、
を有する、請求項2に記載のミシンフット(10)。
【請求項4】
前記カムブロック(65)における前記カム溝(66)は、上下方向に沿った第1溝部(66a)と、前記第1溝部(66a)の上端部から左右方向一方側に傾斜または湾曲する第2溝部(66b)と、を有する、請求項3に記載のミシンフット(10)。
【請求項5】
前記カムブロック(65)が前記シャンク(11)の側に取り付けられ、前記ピン保持ブロック(70)は、前記エレメントガイド(20)の側に取り付けられる、請求項3に記載のミシンフット(10)。
【請求項6】
前記ガイド位置変更機構(30)は、
一端部が前記ピン保持ブロック(70)に固定されて前記左右方向に延び、前記エレメントガイド(20)を軸支且つ位置決め固定する固定軸(32)と、
前記固定軸(32)回りに揺動不能で、前記固定軸(32)に対して左右方向に相対移動可能となるように、前記固定軸(32)に軸支され、且つ、前記シャンク(11)に挿通されて上下方向に延びる支持軸(52)が固定されるガイド保持部(35)と、
前記シャンク(11)と前記ガイド保持部(35)との間に配置され、前記シャンク(11)に対して前記ガイド保持部(35)を下方に付勢する付勢部材(50)と、
を備える、請求項3に記載のミシンフット(10)。
【請求項7】
前記ガイド保持部(35)は、前記ガイド保持部(35)と前記ピン保持ブロック(70)との対向面間で、前記ガイド保持部(35)と前記ピン保持ブロック(70)との左右方向の相対移動を許容するように取り付けられた第1の案内軸(41)によって、左右方向に案内されるとともに、前記固定軸(32)回りの揺動を不能としている、請求項6に記載のミシンフット(10)。
【請求項8】
前記ガイド保持部(35)は、前記ガイド保持部(35)の前記シャンク(11)に対する上下方向の移動を許容するように前記シャンク(11)に取り付けられた第2の案内軸(45)によって案内される、請求項7に記載のミシンフット(10)。
【請求項9】
前記シャンク(11)の側に設けられ、前記シャンク(11)の側に設けられた前記カムブロック(65)又は前記ピン保持ブロック(70)の前記シャンク(11)に対する高さを調整し、前記エレメントガイド(20)が前記シャンク(11)に対して左右方向一方側に移動する開始タイミングを設定するタイミング調整部(80)をさらに備える、請求項3に記載のミシンフット(10)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のミシンフットを備えるミシン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドファスナーを生地に縫製するためのミシンに実装される、ミシンフット、及びそれを備えたミシンに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ミシンの構成部品の一つとして、ミシン台の上に載せた縫製物である生地と隠しスライドファスナーを上から押さえるミシンフットが用いられていることが記載されている。特許文献1には、押え金本体に対して取り付けられる押え金が、被縫製物送り方向と略直交する方向に移動して、ファスナーの咬合子を、被縫製物の厚みに略応じて、針落ち位置に対して所定間隔に近接及び離間した位置に縫い付けガイドするミシン用押え金が記載されている。
【0003】
また、特許文献2では、固定部材の取付用穴に遊嵌させた固定軸を回転させて、固定軸を摩擦係止させることで、固定部材に対して、押え部材が上下方向へ揺動可能に、かつ左右方向へ移動可能に連結され、縫製時生地の厚みが変動しても押え部材の上下方向の揺動で、無理な力が加わるのを防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-33514号公報
実公昭56-45577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スライドファスナーが縫い付けられる生地は、厚みが他の部分よりも厚くなる、切替部を有する場合がある。切替部においては、特に隠しスライドファスナーにおいて、生地の厚みの分スライダーが通る隙間が制限されるため、生地とスライダーとの接触面積が大きくなり、摺動抵抗が大きくなる。そのため、スライダーを摺動させるために他の部分よりも大きな力が必要となる。すなわち、スライダーの摺動は、切替部にて重くなる。特許文献1及び2に記載のミシンフットでは、縫製前にエレメントを縫製する左右位置を調整することはできるが、縫製中に調整することはできない。このため、上述の課題を解決することはできなかった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生地の切替部など、生地が厚い部分でスライダーの摺動が重くなるのを抑制することができるミシンフット、及びそれを備えたミシンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) スライドファスナーを生地に縫製するためのミシンに実装される、ミシンフットであって、
前記ミシンの押さえ棒に取り付けられるシャンクと、
前記シャンクに対して上下方向且つ、左右方向に移動可能に取り付けられ、前記ミシンの縫製方向にファスナーエレメント列を案内するガイド溝を有するエレメントガイドと、
縫製中の前記エレメントガイドの前記シャンクに対する高さに対応して前記エレメントガイドの左右位置を変更するガイド位置変更機構と、
を備える、ミシンフット。
(2) 前記ガイド位置変更機構は、前記エレメントガイドが前記シャンクに対して所定の高さ範囲までは上下方向のみ移動し、前記エレメントガイドが前記シャンクに対して所定の高さ範囲を越えて上方に移動したとき、前記エレメントガイドの高さに応じて前記エレメントガイドを左右方向一方側に移動させるカム機構を有する、(1)に記載のミシンフット。
(3) 前記カム機構は、
前記シャンクと前記エレメントガイドのいずれか一方の側に取り付けられ、カム溝を有するカムブロックと、
前記シャンクと前記エレメントガイドのいずれか他方の側に取り付けられ、前記カム溝内を移動するカムピンを保持するピン保持ブロックと、
を有する、(2)に記載のミシンフット。
(4) 前記カムブロックにおける前記カム溝は、上下方向に沿った第1溝部と、前記第1溝部の上端部から左右方向一方側に傾斜または湾曲する第2溝部と、を有する、(3)に記載のミシンフット。
(5) 前記カムブロックが前記シャンクの側に取り付けられ、前記ピン保持ブロックは、前記エレメントガイドの側に取り付けられる、(3)に記載のミシンフット。
(6) 前記ガイド位置変更機構は、
一端部が前記ピン保持ブロックに固定されて前記左右方向に延び、前記エレメントガイドを軸支且つ位置決め固定する固定軸と、
前記固定軸回りに揺動不能で、前記固定軸に対して左右方向に相対移動可能となるように、前記固定軸に軸支され、且つ、前記シャンクに挿通されて上下方向に延びる支持軸が固定されるガイド保持部と、
前記シャンクと前記ガイド保持部との間に配置され、前記シャンクに対して前記ガイド保持部を下方に付勢する付勢部材と、
を備える、(3)に記載のミシンフット。
(7) 前記ガイド保持部は、前記ガイド保持部と前記ピン保持ブロックとの対向面間で、前記ガイド保持部と前記ピン保持ブロックとの左右方向の相対移動を許容するように取り付けられた第1の案内軸によって、左右方向に案内されるとともに、前記固定軸回りの揺動を不能としている、(6)に記載のミシンフット。
(8) 前記ガイド保持部は、前記ガイド保持部の前記シャンクに対する上下方向の移動を許容するように前記シャンクに取り付けられた第2の案内軸によって案内される、(7)に記載のミシンフット。
(9) 前記シャンクの側に設けられ、前記シャンクの側に設けられた前記カムブロック又は前記ピン保持ブロックの前記シャンクに対する高さを調整し、前記エレメントガイドが前記シャンクに対して左右方向一方側に移動する開始タイミングを設定するタイミング調整部をさらに備える、(3)に記載のミシンフット。
(10) (1)~(9)のいずれかに記載のミシンフットを備えるミシン。
【発明の効果】
【0008】
本発明のミシンフット、及びそれを備えたミシンによれば、スライドファスナーを生地に縫製している途中で、生地厚に応じて生地に対するスライドファスナーの縫製位置を左右方向に変更可能とし、生地の切替部など、生地が厚い部分でスライダーの摺動が重くなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係るミシンフットを示す斜視図である。
ミシンフットの要部正面図である。
ガイド保持部及びピン保持ブロックの内部を透過して示す、図2のミシンフットの要部正面図である。
ガイド保持部及びピン保持ブロックの内部を示す、図5のIV-IV線に沿った断面図である。
図2のミシンフットの左側面図である。
ガイド保持部の内部を透過して示す、図5のミシンフットの左側面図である。
図2のミシンフットの右側面図である。
ピン保持ブロックの内部を透過して示す、図7のミシンフットの右側面図である。
カムブロックの斜視図である。
切替部以外におけるファスナーエレメント列をガイドしている際の、カム溝とカムピンの位置関係を示す、ミシンフットの要部正面図である。
切替部におけるファスナーエレメント列をガイドしている際の、カム溝とカムピンの位置関係の一例を示す、ミシンフットの要部正面図である。
スライドファスナーと生地とが縫い合わされた縫製物を示す断面図である。
スライドファスナーが縫製された生地を生地側から見た縫製物を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係るミシンフット、及びそれを備えたミシンについて、図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図12を参照して、本発明のミシンフットを備えたミシンにより縫製された物の一例、すなわち縫製物の一例について示す。この縫製物9は、スライドファスナー91と、生地95とが縫製糸94で縫い合わされた物である。スライドファスナー91は、例えば隠しスライドファスナーである。
(【0011】以降は省略されています)

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