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公開番号2024134426
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044725
出願日2023-03-20
発明の名称撮像装置及びその制御方法、プログラム及び記憶媒体
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人大塚国際特許事務所
主分類G02B 7/28 20210101AFI20240926BHJP(光学)
要約【課題】 手振れ補正機構を利用して、適切なローパスフィルタ特性が得られるようにすること。
【解決手段】 撮影光学系の互いに異なる瞳領域を通過した光束に基づいて、視差を有する一対の焦点検出信号を取得可能に信号を出力する焦点検出画素を含む複数の画素が配列された撮像素子と、前記撮像素子における前記光束の入射位置を移動させる移動制御手段と、前記一対の焦点検出信号を用いて位相差方式の焦点検出を行う焦点検出手段と、を有し、前記移動制御手段は、前記一対の焦点検出信号を取得するための露光時間の間に、前記入射位置の周期的な移動を整数周期、行い、前記移動により得られる位相差を検出する第1の方向の点像分布関数が、3つ以上のピークを有するか、または、矩形であることを特徴とする。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
撮影光学系の互いに異なる瞳領域を通過した光束に基づいて、視差を有する一対の焦点検出信号を取得可能に信号を出力する焦点検出画素を含む複数の画素が配列された撮像素子と、
前記撮像素子における前記光束の入射位置を移動させる移動制御手段と、
前記一対の焦点検出信号を用いて位相差方式の焦点検出を行う焦点検出手段と、を有し、
前記移動制御手段は、前記一対の焦点検出信号を取得するための露光時間の間に、前記入射位置の周期的な移動を整数周期、行い、前記移動により得られる位相差を検出する第1の方向の点像分布関数が、3つ以上のピークを有するか、または、矩形であることを特徴とする撮像装置。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記移動制御手段は、前記入射位置を前記第1の方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記入射位置の周期的な移動は、前記焦点検出画素の間隔に基づいて決められた第1の振幅の移動と、前記第1の振幅と異なる第2の振幅の移動とを含むことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1の振幅は、前記焦点検出画素の間隔の1/2より大きく、前記焦点検出画素の間隔より小さいことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記移動制御手段は、時間に対する前記入射位置の軌跡が三角波となるように移動することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記三角波の振幅は、前記焦点検出画素の間隔であることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記移動制御手段は、前記一対の焦点検出信号を取得するための露光時間の間に、前記第1の方向に2つの円が連なる軌跡となるように前記入射位置を移動することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記2つの円の前記第1の方向の長さが、前記焦点検出画素の間隔の2倍であること
を特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記移動制御手段は、前記撮像素子と、前記撮影光学系に含まれる防振レンズと、の少なくともいずれか一方を、前記撮影光学系の光軸に対して直交する面上で移動させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記移動制御手段は、前記撮像素子と、前記撮影光学系に含まれる防振レンズとをそれぞれ前記撮影光学系の光軸と直交する面上で移動させることで、それぞれが互いに異なる振幅および周期で前記光束の入射位置を移動させることを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びその制御方法、プログラム及び記憶媒体に関し、特に、撮像装置で利用される振動型ローパスフィルタの技術に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、CCDやCMOS等の撮像素子の入射面側に光学ローパスフィルタを配置することにより、折り返し歪みを緩和する技術が知られている。
【0003】
図10は、光学ローパスフィルタを配置していない場合に、一般的に撮像素子で取得される画像の空間周波数とその応答特性を模式的に示した図である。図10において、横軸は空間周波数(ナイキスト周波数を1とする。)を、縦軸はその応答を示している。実線901は、得られる画像の応答特性を示している。ここで示す応答特性は、被写体光を撮像素子上に結像するための撮影光学系の光学特性としてのMTF特性も加味しているため、サンプリング周波数である1に向かって右肩下がりの応答特性となっている。MTF特性は、レンズの焦点状態や、撮像素子上での像高、F値、ズーム、フォーカスポジション等、様々な光学条件によって変化する。
【0004】
光学ローパスフィルタを用いない場合、画素開口と撮影光学系によるローパスフィルタ的な効果のみとなり、例えば周波数F

のような比較的高い周波数に対しても応答が大きくなる。この周波数F

に対する応答は、サンプリング定理から、実線902に示すようにナイキスト周波数である1を中心に折り返され、周波数F

に対する応答として誤って認識されてしまうことが知られている。焦点検出のために位相差を算出する際に、この周波数F

のような帯域を抽出している場合、この周波数F

の折り返りの影響が誤差となり、誤検出を招く可能性がある。そのため、従来は、ナイキスト周波数よりも高域での応答特性を点線903に示すように小さくするように、撮像素子の前面に複屈折材料の光学ローパスフィルタを配置して、画像のモアレとなるナイキスト周波数以上の成分や、焦点検出時のノイズを低減している。
【0005】
また、ローパスフィルタ特性により、周波数成分をほぼゼロにカットするような極小値をトラップポイント(図10のTp)と呼ぶ。複屈折材料の光学ローパスフィルタでは、ローパスフィルタ特性は、複屈折材料の材質や厚みによって変化するため、一般的には、ナイキスト周波数よりも高い位置にトラップポイントを設け、折り返り信号を防ぐように設計されている。
【0006】
一方、デジタルカメラ等の撮像装置において、CMOSセンサ等の撮像素子や撮影光学系の一部の光学素子を、光軸に対して直交する方向に移動させることで、装置に加わる振れの影響を補正する手振れ補正技術が多く開示されている。また、この手振れ補正技術のための機構を活かして、撮像中に所定の駆動を行うことで光学ローパスフィルタに相当する効果を得る振動型ローパスフィルタについての技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-071573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
折り返り信号を防ぐためには、理想的には図10の一点鎖線904で示すように、ナイキスト周波数以下の信号は解像力を保つためにカットせず、ナイキスト周波数より高い周波数成分はゼロにするようなローパスフィルタ特性を得ることが望ましい。しかしながら、空間周波数1から2の間にトラップポイントを有する、従来の複屈折材料の光学ローパスフィルタでは、上述した点線903に示すような応答になってしまい、ナイキスト周波数より高い周波数成分をゼロに近づけることが難しい。
【0009】
一方、特許文献1には、振動型ローパスフィルタを用いてローパスフィルタとしての効果を得るための駆動制御は開示されているが、ナイキスト周波数より高い周波数成分を低減可能なローパスフィルタの効果を発揮させるための具体的な駆動制御に関する記載は無い。
【0010】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、手振れ補正機構を利用して、適切なローパスフィルタ特性が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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