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公開番号2024133896
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023043902
出願日2023-03-20
発明の名称液体吐出装置
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B41J 2/165 20060101AFI20240926BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】吐出ヘッドを加圧する加圧機構の構成と、加圧機構の液体貯留室を加圧する駆動系とを簡単な構成とすることができる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出装置は、キャリッジの一例としてのワイパーキャリッジ59と、液体収容部101から吐出ヘッド20Hへ液体を供給する液体供給流路73の途中に配置される加圧機構60とを備える。ワイパーキャリッジ59は、メンテナンス部の一例としてのワイパー58を搭載する。加圧機構60は、液体供給流路73の一部を形成する液体貯留室63と、液体貯留室63の容積を変化させる変形が可能に構成される変形部材の一例としてのダイヤフラム62とを有する。ワイパーキャリッジ59は加圧位置でダイヤフラム62に対する押圧により液体貯留室63を加圧することで、液体貯留室63と連通する吐出ヘッド20Hのノズル20N内の液体を排出方向に流動させる。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
ノズルから液体を吐出する吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部を搭載するキャリッジと、
液体収容部から前記吐出ヘッドへ液体を供給する液体供給流路の途中に配置される加圧機構とを備え、
前記加圧機構は、
前記液体供給流路の一部を形成する液体貯留室と、
前記液体貯留室の容積を変化させる変形が可能に構成される変形部材と、
を有し、
前記キャリッジは移動経路上の加圧位置で前記変形部材を押圧可能に構成され、
前記キャリッジは前記加圧位置で前記変形部材に対する押圧により前記液体貯留室を加圧することで、前記液体貯留室と連通する前記吐出ヘッドの前記ノズル内の液体を排出方向に流動させることを特徴とする液体吐出装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記液体貯留室を加圧することで、前記ノズルから液体を排出するクリーニングを行うことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記変形部材は、ダイヤフラムであることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液体吐出装置において、
前記加圧機構は、前記ダイヤフラムを前記液体貯留室の容積を大きくする方向に付勢する付勢部材を備え、
前記キャリッジが前記ダイヤフラムから離間すると、前記液体貯留室に前記液体収容部から液体が充填されることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記吐出ヘッドは、ラインヘッドであることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記メンテナンス部は、前記吐出ヘッドにおける前記ノズルが開口するノズル面を払拭するワイパーであり、
前記キャリッジは、前記ワイパーを搭載するワイパーキャリッジであることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項7】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記メンテナンス部は、前記吐出ヘッドの前記ノズルから排出された液体を受容するキャップであり、
前記キャリッジは、前記キャップを搭載するキャップキャリッジであることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項8】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記液体供給流路の途中に配置され、前記液体収容部から前記吐出ヘッドへ液体が供給される液体供給方向において前記加圧機構よりも上流に位置する第1開閉弁と、
前記液体供給流路の途中に配置され、前記液体供給方向において前記加圧機構よりも下流に位置する第2開閉弁と、
前記キャリッジ、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1開閉弁を閉じ、且つ前記第2開閉弁を開いた状態で、前記キャリッジを前記加圧位置に移動させることで前記液体貯留室を加圧することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項9】
請求項8に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記液体貯留室を加圧した後、前記キャリッジが前記加圧位置にある状態の下で、前記第2開閉弁を閉じることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項10】
請求項9に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記キャリッジが前記加圧位置から離れる前に、前記第1開閉弁を開けることを特徴とする液体吐出装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出する吐出ヘッドと、吐出ヘッドをメンテナンスするメンテナンス部とを備える液体吐出装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、吐出ヘッド等の印刷部を備え、搬送される用紙等の媒体に印刷するインクジェット印刷装置(液体吐出装置の一例)が開示されている。この種の印刷装置は、吐出ヘッドをメンテナンスするメンテナンス部を備える。メンテナンス部は、吐出ヘッドと対向する状態でメンテナンス作業を行う。このため、吐出ヘッドとメンテナンス部のうち少なくとも一方が、双方が互いに対向する位置まで移動する必要がある。
【0003】
例えば、ラインヘッド型の印刷装置では、メンテナンス部の一例としてキャップとワイパーとを有するキャップユニットが移動する構成を採用する。キャップユニットは、印刷部のインク吐出面を覆うキャップと、ノズル面からインクを拭き取るワイパーとを一体に備える。また、この種の印刷装置には、キャップ(メンテナンス部の一例)を有するキャップユニットと、ワイパー(メンテナンス部の一例)を有するワイパーユニットとをそれぞれ個別に移動可能に備えるものがある。
【0004】
また、印刷装置は、吐出ヘッドのノズルから液体を強制的に排出するクリーニングを行う。クリーニングには、加圧クリーニングと吸引クリーニングとが知られている。加圧クリーニングは、吐出ヘッドの上流側に液体供給源(例えばインクパック等)を加圧することで、ノズルから液体を強制的に排出する。一方、吸引クリーニングは、キャップが吐出ヘッドをキャッピングする状態において、キャップと吐出ヘッドとの間にノズルと連通する状態で形成される閉空間に吸引ポンプで負圧を導入することで、ノズルから液体を強制的に排出する。
【0005】
特許文献1に記載された液体吐出装置は、加圧クリーニングを採用する。液体吐出装置は、加圧機構を備える。加圧機構は、可撓性部材を隔てて区画される2室を備える。1室は空気室であり、他の1室は液室(液体貯留室の一例)である。空気室内には可撓性部材を液体貯留室側へ付勢するばねが配置される。また、空気室は圧力ポンプに接続され、圧力ポンプの駆動により減圧される。空気室が減圧されると、可撓性部材はばねの付勢力に抗して液体貯留室の容積を大きくする側に変形する。これにより、液体貯留室内に液体が蓄えられる。この状態から、空気室の減圧が解消されると、ばねの付勢力により可撓性部材が液体貯留室内の液体を押し出す。押し出された液体が、吐出ヘッドのノズルから排出されることで、加圧クリーニングが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-6583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、圧力ポンプを使ってインク等の液体を蓄えた後、ばねで可撓性部材を加圧するためには、可撓性部材の液体貯留室側と空気室側の両面で密閉空間を作る必要がある。そのため、製造工程においてこれら2つの室を密閉が確保された状態に作る工程や、密閉が確保されていることを確認する工程などが必要になり、工程管理が複雑になる。また、可撓性部材を動かすために圧力ポンプによる圧力管理をするために圧力センサー等の部品が必要であり、製品コスト増大の原因になっている。このため、加圧機構および加圧機構を駆動させる駆動系の構成を簡単にすることができる液体吐出装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する液体吐出装置は、ノズルから液体を吐出する吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部を搭載するキャリッジと、液体収容部から前記吐出ヘッドへ液体を供給する液体供給流路の途中に配置される加圧機構とを備え、前記加圧機構は、前記液体供給流路の一部を形成する液体貯留室と、前記液体貯留室の容積を変化させる変形が可能に構成される変形部材と、を有し、前記キャリッジは移動経路上の加圧位置で前記変形部材を押圧可能に構成され、前記キャリッジは前記加圧位置で前記変形部材に対する押圧により前記液体貯留室を加圧することで、前記液体貯留室と連通する前記吐出ヘッドの前記ノズル内の液体を排出方向に流動させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態における液体吐出装置を示す斜視図である。
液体吐出装置の内部構成を示す模式正断面図である。
印刷部及びメンテナンス部を示すB方向から見た模式平面図である。
メンテナンス動作を説明するB方向から見た模式平面図である。
加圧動作を説明する-A方向から見た模式側面図である。
加圧後のワイピング動作を説明する-A方向から見た模式側面図である。
加圧機構及びメンテナンス機構を示す模式図である。
加圧機構及びメンテナンス機構を示す模式図である。
加圧機構及びメンテナンス機構を示す模式図である。
加圧機構及びメンテナンス機構を示す模式図である。
比較例における吐出ヘッドに対するワイピングを示す模式図である。
比較例における吐出ヘッドに対するワイピングを示す模式図である。
比較例における吐出ヘッドに対するワイピングを示す模式図である。
実施例における吐出ヘッドに対するワイピングを示す模式図である。
実施例における吐出ヘッドに対するワイピングを示す模式図である。
実施例における吐出ヘッドに対するワイピングを示す模式図である。
液体吐出装置の電気的構成を示すブロック図である。
加圧クリーニング処理ルーチンを示すフローチャートである。
変更例の加圧機構及びワイパーユニットを示す模式側面図である。
図19とは異なる変更例における加圧機構及びキャップユニットを示す模式正面図である。
図20とは異なる変更例における加圧機構及びキャップユニットを示す模式側面図である。
キャップ部が加圧機構を押圧する加圧状態を示す模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態の液体吐出装置について、図面を参照して説明する。図面では、液体吐出装置11は、水平な設置面に置かれているものとする。液体吐出装置11の設置面に直交するZ軸と直交する2つの軸をそれぞれX軸、Y軸とする。X軸と平行なX方向は、+X方向と-X方向との両方向を含む。Y軸と平行なY方向は、+Y方向と-Y方向との両方向を含む。Z軸と平行なZ方向を鉛直方向Zともいう。X方向は、媒体Mの幅方向であるので、幅方向Xともいう。
(【0011】以降は省略されています)

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