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公開番号
2024173218
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023091477
出願日
2023-06-02
発明の名称
記録方法
出願人
セイコーエプソン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B41M
5/00 20060101AFI20241205BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約
【課題】発色性、摩擦堅牢性が良好で、にじみの少ない画像を形成できる記録方法を提供する。
【解決手段】インク中の成分を凝集させる凝集剤を含有する反応液組成物を布帛に付着させる反応液付着工程と、黒色顔料と、水と、を含有する黒インク組成物を、インクジェット法により布帛に付着させるインク付着工程と、アニオン性樹脂粒子と、水と、を含有するコート液組成物を、インクジェット法により布帛に付着させるコート液付着工程と、強制乳化されたオルガノポリシロキサンを含有する粒子、脂肪族エステルから選択されるいずれかの特定物質と、水と、を含有し、色材を含有しないか、色材の含有量が処理液組成物の総量に対して0.1質量%以下である処理液組成物を、インクジェット法により布帛に付着させる処理液付着工程と、を有し、特定物質の含有量が、処理液組成物中の不揮発成分の総量に対して60質量%以上であり、コート液付着工程は、処理液付着工程よりも先に行われ、コート液付着工程によりコート液組成物を付着させてから、コート液組成物が付着した領域上に、処理液付着工程により処理液組成物が付着するまでの時間差が、60秒以下である記録方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
インク中の成分を凝集させる凝集剤を含有する反応液組成物を布帛に付着させる反応液付着工程と、
黒色顔料と、水と、を含有する黒インク組成物を、インクジェット法により布帛に付着させるインク付着工程と、
アニオン性樹脂粒子と、水と、を含有するコート液組成物を、インクジェット法により布帛に付着させるコート液付着工程と、
強制乳化されたオルガノポリシロキサンを含有する粒子、脂肪族エステルから選択されるいずれかの特定物質と、水と、を含有し、色材を含有しないか、色材の含有量が処理液組成物の総量に対して0.1質量%以下である処理液組成物を、インクジェット法により布帛に付着させる処理液付着工程と、を有し、
前記特定物質の含有量が、前記処理液組成物中の不揮発成分の総量に対して60質量%以上であり、
前記コート液付着工程は、前記処理液付着工程よりも先に行われ、
前記コート液付着工程により前記コート液組成物を付着させてから、前記コート液組成物が付着した領域上に、前記処理液付着工程により前記処理液組成物が付着するまでの時間差が、60秒以下である、記録方法。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
請求項1において、
前記コート液付着工程により前記コート液組成物を付着させてから、前記コート液組成物が付着した領域上に、前記処理液付着工程により前記処理液組成物が付着するまでの時間差が、1秒以下である、記録方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記処理液付着工程により前記処理液組成物を付着させてから、前記処理液組成物が付着した領域上に、前記コート液組成物を付着させる、第2コート液付着工程をさらに有し、
前記コート液付着工程と、前記処理液付着工程と、前記第2コート液付着工程とが、同一の走査内で行われる、記録方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2において、
布帛の所定の領域に対し、前記処理液付着工程の開始から終了までの時間が25秒以上である、記録方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2において、
前記処理液組成物は、前記強制乳化されたオルガノポリシロキサンを含有する粒子を含有し、
前記オルガノポリシロキサンが、非イオン性シリコーンである、記録方法。
【請求項6】
請求項1又は請求項2において、
前記処理液組成物は、前記強制乳化されたオルガノポリシロキサンを含有する粒子を含有し、
前記オルガノポリシロキサンが、アミノ変性シリコーンである、記録方法。
【請求項7】
請求項1又は請求項2において、
前記処理液組成物は、界面活性剤を含有し、
前記界面活性剤は、いずれもHLB値が8以上である、記録方法。
【請求項8】
請求項1又は請求項2において、
前記インク付着工程は、前記コート液付着工程よりも先に行われる、記録方法。
【請求項9】
請求項1又は請求項2において、
前記コート液組成物中の色材の含有量は、前記コート液組成物の総量に対して、0.1質量%以下である、記録方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
インクジェット法は、紙等に対する画像の記録だけでなく、布帛の捺染にも適用が試みられ、各種のインクジェット捺染が検討されている。捺染用のインクジェットインクは、所望の色の画像を得るために色材を含有し、色材として染料や顔料が用いられる。また、インクジェット捺染においても、インクや記録方法において多くの検討が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、インクジェット捺染において、顔料による画像の堅牢性を高め、記録物の風合いを改善する等の目的で、オルガノポリシロキサンを用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-003175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顔料捺染は、染料捺染に比べ、画像の摩擦堅牢性や捺染物の発色性が劣り、これらの改善が求められている。また、捺染物に滲みのないことが求められている。また、インクジェット顔料捺染は、アナログ捺染やインクジェット染料捺染に比べ工程が簡略で、排水などの環境負荷低い点で優れており、簡略な工程を維持することも求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る記録方法の一態様は、
インク中の成分を凝集させる凝集剤を含有する反応液組成物を布帛に付着させる反応液付着工程と、
黒色顔料と、水と、を含有する黒インク組成物を、インクジェット法により布帛に付着させるインク付着工程と、
アニオン性樹脂粒子と、水と、を含有するコート液組成物を、インクジェット法により布帛に付着させるコート液付着工程と、
強制乳化されたオルガノポリシロキサンを含有する粒子、脂肪族エステルから選択されるいずれかの特定物質と、水と、を含有し、色材を含有しないか、色材の含有量が処理液組成物の総量に対して0.1質量%以下である処理液組成物を、インクジェット法により布帛に付着させる処理液付着工程と、
を有し、
前記特定物質の含有量が、前記処理液組成物中の不揮発成分の総量に対して60質量%以上であり、
前記コート液付着工程は、前記処理液付着工程よりも先に行われ、
前記コート液付着工程により前記コート液組成物を付着させてから、前記コート液組成物が付着した領域上に、前記処理液付着工程により前記処理液組成物が付着するまでの時間差が、60秒以下である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施形態に係る記録方法に適用可能な記録装置の概略全体構成を示す模式図。
インクジェットヘッドのノズル列の配列の一例を示す模式図。
実施例及び比較例におけるヘッド構成、打ち方及び吐出する組成物を示す図。
実施例の打ち方の例を説明する図。
実施例及び比較例に係る反応液組成物の組成を示す表(表1)。
実施例及び比較例に係る黒インク組成物の組成を示す表(表2)。
実施例及び比較例に係るコート液組成物の組成を示す表(表3)。
実施例及び比較例に係る処理液組成物の組成を示す表(表4)。
実施例に係る条件及び評価結果を示す表(表5)。
実施例に係る条件及び評価結果を示す表(表6)。
比較例に係る条件及び評価結果を示す表(表7)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
【0009】
1.記録方法
本実施形態に係る記録方法は、インク中の成分を凝集させる凝集剤を含有する反応液組成物を布帛に付着させる反応液付着工程と、黒色顔料と、水と、を含有する黒インク組成物を、インクジェット法により布帛に付着させるインク付着工程と、アニオン性樹脂粒子と、水と、を含有するコート液組成物を、インクジェット法により布帛に付着させるコート液付着工程と、強制乳化されたオルガノポリシロキサンを含有する粒子、脂肪族エステルから選択されるいずれかの特定物質と、水と、を含有し、色材を含有しないか、色材の含有量が処理液組成物の総量に対して0.1質量%以下である処理液組成物を、インクジェット法により布帛に付着させる処理液付着工程と、を有する。そして、前記特定物質の含有量が、前記処理液組成物中の不揮発成分の総量に対して60質量%以上であり、前記コート液付着工程は、前記処理液付着工程よりも先に行われ、前記コート液付着工程により前記コート液組成物を付着させてから、前記コート液組成物が付着した領域上に、前記処理液付着工程により前記処理液組成物が付着するまでの時間差が、60秒以下である。
【0010】
1.1.布帛
本実施形態の記録方法は、布帛に対して行われる。布帛としては、特に限定されない。布帛を構成する素材としては、特に限定されず、例えば、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、ポリプロピレン、ポリエステル、アセテート、トリアセテート、ポリアミド、ポリウレタン等の合成繊維、ポリ乳酸等の生分解性繊維などが挙げられ、これらの混紡繊維であってもよい。布帛としては、上記に挙げた繊維を、織物、編物、不織布等いずれの形態にしたものでもよいし、混織等を施したものでもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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