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公開番号2024133755
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023043707
出願日2023-03-20
発明の名称ポリビニルエステル系重合体の製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人
主分類C08F 18/04 20060101AFI20240926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】RAFT重合を用いて高分子量のビニルエステル重合体を製造しようとする際に
おいても分子量分布の狭いポリビニルエステル系重合体を得ることができる新たな製造方
法を提供すること。
【解決手段】ビニルエステル単量体を用いて重合するポリビニルエステル系重合体の製造
方法であって、下記一般式(A)で表される化合物の存在下で重合開始剤を用いて、重合
温度が0~55℃で重合することを特徴とするポリビニルエステル系重合体の製造方法。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024133755000006.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">50</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">89</com:WidthMeasure> </com:Image> (上記式(A)中、Rは、炭素数1~5のアルキル基である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニルエステル単量体を用いて重合するポリビニルエステル系重合体の製造方法であっ
て、下記一般式(A)で表される化合物の存在下で重合開始剤を用いて、重合温度が0~
55℃で重合することを特徴とするポリビニルエステル系重合体の製造方法。
TIFF
2024133755000005.tif
50
91
(上記式(A)中、Rは、炭素数1~5のアルキル基である。)
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
重合開始剤の10時間半減期温度が50℃以下であることを特徴とする請求項1に記載
のポリビニルエステル系重合体の製造方法。
【請求項3】
前記一般式(A)で表わされる化合物の添加量が、前記ビニルエステル系単量体の添加
量に対して0.0001~1mol%であることを特徴とする請求項1に記載のポリビニ
ルエステル系重合体の製造方法。
【請求項4】
実質的に重合溶媒を含まないバルク重合で行なうことを特徴とする請求項1に記載のポ
リビニルエステル系重合体の製造方法。
【請求項5】
前記ビニルエステル系単量体が酢酸ビニルであることを特徴とする請求項1に記載のポ
リビニルエステル系重合体の製造方法。
【請求項6】
前記ポリビニルエステル系重合体の数平均分子量が100,000以上であることを特
徴とする請求項1に記載のポリビニルエステル系重合体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルエステル系重合体の製造方法に関し、更に詳しくは、ラジカル重
合開始剤の存在下でビニルエステル系単量体を重合するポリビニルエステル系重合体の
製 造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
ポリビニルエステル系重合体は、従来、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」とい
うこともある。)の原料等として広く使用されている。PVAはポリビニルエステル系重
合体をケン化することで得られる結晶性の水溶性高分子材料であり、その優れた水溶性や
皮膜特性(強度、耐油性、造膜性、酸素ガスバリア性等)を利用して、乳化剤、懸濁剤、
界面活性剤、繊維加工剤、各種バインダー、紙加工剤、接着剤、フィルム等に使用されて
いる。
【0003】
ポリビニルエステル系重合体はビニルエステル系単量体を重合することにより得られる
が、その重合方法としては、多様なビニル化合物の重合に適用でき、反応系の取り扱い
が 容易であるラジカル重合が工業的にも広く利用されている。ラジカル重合の反応機構
は、開始反応、生長反応及び停止反応を含み、副反応として連鎖移動反応が起こることが
ある。ラジカル重合では、開始ラジカルが生成すると、それが単量体に次々と反応し、生
長ラジカルが不活性化することにより反応が停止する。生長ラジカルの不活性化は、再結
合停止反応や不均化停止反応、副反応である連鎖移動反応等により起こるため、分子の長
さの揃わない重合体が生成されてしまう。
【0004】
そこで、得られる重合体の分子量を制御する方法として、リビングラジカル重合により
重合体を合成することが行われている。リビングラジカル重合とは、重合過程において開
始反応と生長反応のみからなる重合方法であり、停止反応や連鎖移動反応といった生長
ラジカルを不活性化させる反応を伴わないため、分子の長さの揃った重合体が得られる。
また、重合反応時の急激な温度上昇等が起こりにくく反応制御がしやすくなるため、ポ
リビニルエステル系重合体の分子量が均質となるように容易に製造コントロールできる
リビングラジカル重合として、特定の連鎖移動剤を用いたリビングラジカル重合であるR
AFT (Reversible Addition-Fragmentation Chain Transfer)重合も知られていた(
特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-24966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示のRAFT重合では、高分子量のポリビニルエステル
系重合体を製造しようとする際の分子量分布制御について、まだ改善の余地が残るもので
あった。
ここで、一般にRAFT重合で高分子量の重合体を得ようとする場合、単量体に対する
RAFT剤の添加量を少なくする必要があるが、ビニルエステル単量体のRAFT重合で
は連鎖移動反応によって分子量の小さいポリマーの発生や頭頭結合に由来して発生する一
級炭素とRAFT剤が結合して実質的にRAFT剤として機能しない末端の生成、重合体
の末端からのRAFT剤の脱離などの副反応が避けられないものであった。このため、R
AFT剤の添加量の少ない条件、すなわち高分子量の重合体を得ようとする条件では上記
副反応の影響を無視できなくなり、分子量分布が広くなってしまうと考えられた。
【0007】
そこで、本発明ではこのような背景下において、RAFT重合を用いて高分子量のビニ
ルエステル重合体を製造しようとする際においても分子量分布の狭いポリビニルエステル
系重合体を得ることができる新たな製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
しかるに本発明者等は、RAFT重合時の重合温度に着目し通常よりも低温で重合反応
を行なうことにより、高分子量のビニルエステル重合体を製造しようとする場合であって
も分子量分布の狭いポリビニルエステル系重合体を得ることができることを見出し、本発
明を完成した。
【0009】
即ち本発明は、以下の[1]~[6]を、その要旨とする。
[1]ビニルエステル単量体を用いて重合するポリビニルエステル系重合体の製造方法で
あって、下記一般式(A)で表される化合物の存在下で重合開始剤を用いて、重合温度が
0~55℃で重合することを特徴とするポリビニルエステル系重合体の製造方法。
TIFF
2024133755000001.tif
50
94
(上記式(A)中、Rは、炭素数1~5のアルキル基である。)
[2] 重合開始剤の10時間半減期温度が50℃以下であることを特徴とする[1]に
記載のポリビニルエステル系重合体の製造方法。
[3] 前記一般式(A)で表わされる化合物の添加量が、前記ビニルエステル系単量体
の添加量に対して0.0001~1mol%であることを特徴とする[1]または[2]
に記載のポリビニルエステル系重合体の製造方法。
[4] 実質的に重合溶媒を含まないバルク重合で行なうことを特徴とする[1]~[3
]いずれかに記載のポリビニルエステル系重合体の製造方法。
[5] 前記ビニルエステル系単量体が酢酸ビニルであることを特徴とする[1]~[4
]いずれかに記載のポリビニルエステル系重合体の製造方法。
[6] 前記ポリビニルエステル系重合体の数平均分子量が100,000以上であるこ
とを特徴とする[1]~[5]いずれかに記載のポリビニルエステル系重合体の製造方法

【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、高分子量でかつ分子量分布の狭いポリビニルエステル系重
合体を製造することができる。
また、本発明の製造方法は重合時に安定して反応させることができるので 、反応制御
がしやすく、ポリビニルエステル系重合体を安定的に製造することができる。
そして、得られたポリビニルエステル重合体をけん化することで、分子量分布の狭い高
分子量のポリビニルアルコールが得られ、かかる分子量分布の狭い高分子量ポリビニルア
ルコールは水溶液の低粘度化による塗工安定性の改善や光学フィルムに加工した際の光学
性能の向上が期待できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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