TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024133431
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-02
出願番号2023043667
出願日2023-03-19
発明の名称金型内コーティング成形品の製造方法及び製造装置
出願人株式会社東海理化電機製作所,株式会社精工技研
代理人個人
主分類B29C 45/14 20060101AFI20240925BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】成形基材の外面に液状コーティング剤をコーティングする際、エア溜りを防止できる金型内コーティング成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】成形基材2の外面に、成形基材2の外面に施したい所望の模様に応じた凸部4を、コーティングギャップG1の寸法よりも小さい高さに形成し、型締め時に凸部4の頂面と第二金型3の内面との間にコーティングギャップG1よりも狭いエア抜きギャップG2を形成することで、コーティングギャップG1に注入された塗料Tによって、コーティングギャップG1内における凸部4の近傍の空気を、エア抜きギャップG2を通じて押し流すようにした。これにより、凸部4の近傍に形成されるエア溜りAを防止でき、エア溜りAによるコーティングの欠落部Kを防止でき、製品(金型内コーティング成形品10)の外観が向上する。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項1】
第一金型に成形基材を装着し、該成形基材が装着された前記第一金型を第二金型に前記成形基材を覆うように突き当て、該第二金型の内面と前記成形基材の外面との間にコーティングギャップを形成し、該コーティングギャップに液状コーティング剤を注入して前記成形基材の外面に付着させた金型内コーティング成形品の製造方法であって、
前記成形基材の外面に、前記成形基材の外面に施したい所望の模様に応じた凸部を、前記コーティングギャップの寸法よりも小さい高さに形成しておき、該凸部が形成された前記成形基材を前記第一金型に装着し、該第一金型を前記第二金型に前記成形基材を覆うように突き当てて、前記凸部の頂面と前記第二金型の内面との間に前記コーティングギャップよりも狭いエア抜きギャップを形成し、
その状態で前記コーティングギャップに前記液状コーティング剤を注入し、注入された前記液状コーティング剤が前記エア抜きギャップを通過する際に、前記コーティングギャップ内における前記凸部の近傍の空気を、前記エア抜きギャップを通じて押し流す、ことを特徴とする金型内コーティング成形品の製造方法。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記コーティングギャップ内における前記凸部の近傍の空気を、前記エア抜きギャップを通じて押し流すことで、
前記成形基材の外面に、前記液状コーティング剤によって、前記成形基材の前記凸部以外の部分に前記コーティングギャップに応じた基本コーティング膜を形成すると共に、前記成形基材の前記凸部の頂面に前記エア抜きギャップに応じて前記基本コーティング膜よりも薄い模様コーティング膜を形成し、
該模様コーティング膜を形成する前記エア抜きギャップの寸法を、外部から前記模様コーティング膜を透過して前記凸部の頂面を目視可能な寸法に設定した、ことを特徴とする請求項1に記載の金型内コーティング成形品の製造方法。
【請求項3】
前記凸部は、前記コーティングギャップに注入されて前記コーティングギャップ内を流れる前記液状コーティング剤の流れ方向の上流側が開いている堰き止め部、前記液状コーティング剤の流れ方向の下流側が開いている後方巻き込み部、前記液状コーティング剤の流れ方向と交差する側が開いている側方巻き込み部および前記液状コーティング剤の流れに対して内方が囲まれた囲み部の内、少なくとも一つを有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金型内コーティング成形品の製造方法。
【請求項4】
第一金型に成形基材を装着し、該成形基材が装着された前記第一金型を第二金型に前記成形基材を覆うように突き当て、該第二金型の内面と前記成形基材の外面との間にコーティングギャップを形成し、該コーティングギャップに液状コーティング剤を注入して前記成形基材の外面に付着させた金型内コーティング成形品の製造方法であって、
前記第二金型の内面に、前記成形基材の外面に施したい所望の模様に応じた凸部を、前記コーティングギャップの寸法よりも小さい高さに形成しておき、該凸部が形成された前記第二金型に、前記成形基材が装着された前記第一金型を、前記成形基材を覆うように突き当てて、前記凸部の頂面と前記成形基材の外面との間に前記コーティングギャップよりも狭いエア抜きギャップを形成し、
その状態で前記コーティングギャップに前記液状コーティング剤を注入し、注入された前記液状コーティング剤が前記エア抜きギャップを通過する際に、前記コーティングギャップ内における前記凸部の近傍の空気を、前記エア抜きギャップを通じて押し流す、ことを特徴とする金型内コーティング成形品の製造方法。
【請求項5】
前記コーティングギャップ内における前記凸部の近傍の空気を、前記エア抜きギャップを通じて押し流すことで、
前記成形基材の外面に、前記液状コーティング剤によって、前記凸部以外が対向する前記成形基材の部分に前記コーティングギャップに応じた基本コーティング膜を形成すると共に、前記凸部が対向する前記成形基材の部分に前記エア抜きギャップに応じて前記基本コーティング膜よりも薄い模様コーティング膜を形成し、
該模様コーティング膜を形成する前記エア抜きギャップの寸法を、外部から前記模様コーティング膜を透過して前記成形基材を目視可能な寸法に設定した、ことを特徴とする請求項4に記載の金型内コーティング成形品の製造方法。
【請求項6】
前記凸部は、前記コーティングギャップに注入されて前記コーティングギャップ内を流れる前記液状コーティング剤の流れ方向の上流側が開いている堰き止め部、前記液状コーティング剤の流れ方向の下流側が開いている後方巻き込み部、前記液状コーティング剤の流れ方向と交差する側が開いている側方巻き込み部および前記液状コーティング剤の流れに対して内方が囲まれた囲み部の内、少なくとも一つを有する、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の金型内コーティング成形品の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の金型内コーティング成形品の製造方法に用いる製造装置であって、
前記成形基材の外面に、前記成形基材の外面に施したい所望の模様に応じた凸部が、前記コーティングギャップの寸法よりも小さい高さに形成されており、該凸部が形成された前記成形基材が装着された前記第一金型を、前記第二金型に前記成形基材を覆うように突き当てたとき、前記成形基材の外面に形成された前記凸部の頂面と前記第二金型の内面との間に前記コーティングギャップよりも狭いエア抜きギャップが形成される、ことを特徴とする金型内コーティング成形品の製造装置。
【請求項8】
請求項4に記載の金型内コーティング成形品の製造方法に用いる製造装置であって、
前記第二金型の内面に、前記成形基材の外面に施したい所望の模様に応じた凸部が、前記コーティングギャップの寸法よりも小さい高さに形成されており、該凸部が形成された前記第二金型に、前記成形基材が装着された前記第一金型を、前記成形基材を覆うように突き当てたとき、前記第二金型の内面に形成された前記凸部の頂面と前記成形基材の外面との間に前記コーティングギャップよりも狭いエア抜きギャップが形成される、ことを特徴とする金型内コーティング成形品の製造装置。
【請求項9】
前記凸部は、前記コーティングギャップに注入されて前記コーティングギャップ内を流れる前記液状コーティング剤の流れ方向の上流側が開いている堰き止め部、前記液状コーティング剤の流れ方向の下流側が開いている後方巻き込み部、前記液状コーティング剤の流れ方向と交差する側が開いている側方巻き込み部および前記液状コーティング剤の流れに対して内方が囲まれた囲み部の内、少なくとも一つを有する、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の金型内コーティング成形品の製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の金型に挟まれた成形基材の外面と金型の内面との間にコーティングギャップを形成し、コーティングギャップに液状コーティング剤を注入して成形基材の外面に付着させるようにした金型内コーティング成形品の製造方法及び製造装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年の環境問題への関心が高まる中、有機溶剤を使用せず且つCO2排出削減効果の高い塗装代替技術として、金型内コーティング方法(インモールドコーティング:IMC)が注目されている。IMCとは、成形に用いられた金型を利用して、成形基材の外面と金型の内面との隙間に機能性液状コーティング剤(例えば塗料)を注入し、加熱により成形基材の外面に被膜(例えば塗膜)を形成する技術である(特許文献1参照)。
【0003】
IMCの特徴としては、(1)一般的なスプレー塗装で用いられる有機溶剤を使用しないので環境及び人体に優しい、(2)塗装工程を行うための設備(スプレー吹付、オーブン熱処理)が不要、(3)塗料を有機溶剤で希釈しないので塗布前の材料(塗料)が成形基材の外面に塗膜として形成される割合(塗着効率)が非常に高く無駄が極めて少ない、等が挙げられる。
【0004】
樹脂成形品に塗装を行う目的は、材料素材本来の外表面に、練り込みでは得られない鮮明な色調や光沢、メタリック調を付与する、或いは、成形時に発生した外観不良を目隠しするなど、意匠性を高め、製品としての高級感を与えることにある。更に視認性を高め、かつ操作性を考慮した機能を持つ製品が、我々の日常生活において数多く見られる。この種の製品として、例えば、パソコン用キーボードのキーの表面に文字や記号等が表示されたものが挙げられる。
【0005】
パソコン用キーボードのキーの表面に、記号や文字を印刷及び塗装する場合、通常、キーの表面の印刷及び塗装面が平面であればシルクメッシュを使用したスクリーン印刷が用いられ、曲面であれば弾力性のあるシリコンゴムを利用したパッド印刷が用いられる。しかし、双方とも有機溶剤で希釈された塗料が使用され、オーブン処理が必要とする従来の方法であり、環境への影響が大きい。
【0006】
一方、室内や車内、夜間など照明の少ない環境に用いられる機能性の高いスイッチ部品として、例えば、図5に示すものが知られている。図5(a)はスイッチ部品の斜視図、図5(b)は図5(a)のb-b線断面図、図5(c)は図5(a)のc-c線断面図である。このスイッチ部品は、表面が全体的には黒色で、部分的に白色の模様(山型の絵柄)が表示されており、白色の模様(山型の絵柄)の部分に光を透過する材料が用いられている。照明が少なく暗い室内、車内、夜間などで使用される機器において、主電源が入るとスイッチ部品の裏側にあるライト(図示せず)が点灯し、白抜きの範囲(白色の模様(山型の絵柄)の部分)が発光し認識でき、周囲が暗い環境でも使用できる。
【0007】
この種のスイッチ部品は、通常、透明または半透明の樹脂によって成形基材を成形し、その成形基材の外面の全領域に一旦黒色等の光を透過しない塗装を施して塗膜を形成し、意匠領域である山型の絵柄の部分のみの塗膜を除去して製造される。この塗膜を部分的に除去する手法として、レーザー光線の照射により、意匠領域(山型の絵柄の部分)のみの黒色の塗膜を気化、蒸発させ、除去させるレーザー照射法が知られている(特許文献2、3参照)。
【0008】
しかしながら、レーザー照射法は高熱処理であるため、図5(a)において、レーザー光線の照射により塗膜を除去することで露出した成形基材の意匠領域(山型の絵柄の部分:白色)と塗装された塗膜の部分(黒色)との境界の鮮明さを確保しつつ、成形基材そのものへの熱影響を最小限に抑えるためには、レーザー光線のスポット径を小さくする必要があり、照射エネルギーを大きく出来ないという制約がある。かかる制約により、生産性を上げるためには成形基材の外面に形成する塗膜を極力薄く(例えば50μm以下)する必要があり、きめ細かな塗膜厚さのコントロールが必要であり、コストアップを招く。
【0009】
加えてレーザー加工設備は装置導入のイニシャルコストが大きく、加工は小さなスポットの一筆書きであるので広い面積の加工では極めて長い加工時間を要し、製造コストを大きく押し上げる要因となっている。また、レーザー照射法においては、成形基材の外面に塗装する工程と、塗装された塗膜の一部をレーザー光線によって除去する工程との2工程が必要なため、工数が嵩んで製造時間が掛かってしまい、コストアップが避けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第3617807号公報
特開2002-146558号公報
特開2005-7403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
溶融紡糸設備
3か月前
東レ株式会社
金型の製造方法
8か月前
東レ株式会社
シート成形口金
8か月前
東レ株式会社
プリプレグテープ
22日前
津田駒工業株式会社
連続成形機
7か月前
個人
射出ミキシングノズル
2日前
株式会社日本製鋼所
押出機
8日前
東レ株式会社
積層基材の製造方法
10か月前
世紀株式会社
造形装置
9か月前
輝創株式会社
接合方法
8か月前
東レ株式会社
延伸フィルムの製造方法
8か月前
帝人株式会社
成形体の製造方法
3か月前
東レ株式会社
一体化成形品の製造方法
2か月前
株式会社リコー
シート剥離装置
2か月前
株式会社吉野工業所
計量キャップ
10か月前
株式会社日本製鋼所
押出成形装置
29日前
株式会社日本製鋼所
押出成形装置
29日前
三菱自動車工業株式会社
予熱装置
18日前
TOWA株式会社
成形型清掃用のブラシ
12日前
グンゼ株式会社
印刷層の除去方法
8か月前
六浦工業株式会社
接着装置
8か月前
株式会社リコー
シート処理システム
1か月前
小林工業株式会社
振動溶着機
3か月前
株式会社リコー
シート処理システム
2か月前
個人
超高速射出点描画による熱溶解積層法
9か月前
株式会社城北精工所
押出成形用ダイ
6か月前
株式会社アフィット
粉末焼結積層造形装置
10か月前
KTX株式会社
シェル型の作製方法
3か月前
トヨタ自動車株式会社
真空成形方法
4か月前
大塚テクノ株式会社
樹脂製の構造体
6か月前
東レ株式会社
リーフディスク型フィルター
10か月前
トヨタ自動車株式会社
真空成形装置
5か月前
豊田鉄工株式会社
接合体及び接合方法
22日前
株式会社スリーエス
光造形装置
5か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリエステルフィルム
3か月前
UBEマシナリー株式会社
シミュレータ装置
9か月前
続きを見る