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公開番号2024009758
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-23
出願番号2023086641
出願日2023-05-26
発明の名称延伸フィルムの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 48/88 20190101AFI20240116BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】
本発明は、砂塵等が空気の流れにのってキャストドラムへ落下し、フィルムへ混入することを抑制できる、延伸フィルムの製造方法を提供することをその課題とする。
【解決手段】
口金から吐出されるシート状の溶融ポリマーをキャストドラムで冷却固化してキャストフィルムとする工程を有する延伸フィルムの製造方法であって、前記キャストドラムを配置したブースのフィルム搬送口からブース内への吹込み風量が、前記フィルム搬送口の幅1mあたり0.227m2/s以下である、延伸フィルムの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
口金から吐出されるシート状の溶融ポリマーをキャストドラムで冷却固化してキャストフィルムとする工程を有する延伸フィルムの製造方法であって、前記キャストドラムを配置したブースのフィルム搬送口からブース内への吹込み風量が、前記フィルム搬送口の幅1mあたり0.227m

/s以下である、延伸フィルムの製造方法。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記フィルム搬送口の上端部と搬送フィルムの間隙Xが15mm≦X<20mmであり、前記フィルム搬送口の下端部と搬送フィルムの間隙Yが150mm≦Y<300mmである、請求項1に記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記口金の溶融ポリマー吐出口と前記フィルム搬出口の水平距離が2.0m以上である、請求項1または2に記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記ブース内の清浄度クラスがISO14644-1:2015におけるClass5以下である、請求項1または2に記載の延伸フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記延伸フィルムの厚みが1μm以上10μm以下である、請求項1または2に記載の延伸フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
延伸フィルムは、優れた機械的特性、熱的特性、及び電気的特性を有することから、産業用途に広く使用されているが、近年フィルム特性や品質、生産性に対する要求がますます厳しくなっている。その中でも特に、フィルム表面の付着物による表面欠点、フィルムをロール状に巻き取った際の巻き込み異物の低減が大きな課題となっている。
【0003】
延伸フィルムを製造する際には、押出機で溶融した熱可塑性樹脂又はその混合物を口金からシート状に吐出し、これをキャストドラム等の冷却媒体に密着させて固化することにより、シート状のキャストフィルムを製造する(以降、この工程をキャスト工程ということがある。)。
【0004】
このとき、溶融状態の熱可塑性樹脂又はその混合物からオリゴマー等の低分子量体を含む気体が発生する。当該気体が口金や搬送ロール等、その表面温度が比較的低い部分で冷却されるとオリゴマー等の低分子量体が析出し、これらが空気の流れや自重によりキャストドラムへ落下する。また、製膜機の経年劣化による錆や、周囲に存在する微小な砂塵、製造工程に入った作業者に付着した異物等も、空気の流れや自重によって同様にキャストドラムへ落下することがある。このようなキャストドラムへの落下物が、キャストフィルムの表面に付着すると表面欠点が発生し、最終製品の品質低下の原因となる。
【0005】
このようなオリゴマー等の低分子量体の付着・堆積による表面欠点の発生を防止する方法としては、口金、キャストドラム周辺に新鮮な空気を供給し、併せて排気を行うことで空気中に含まれるオリゴマー濃度を下げる方法がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-125509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1の方法では、キャストドラムを配置しているブース内の陰圧化が進むと、ブース内への空気の吹込みが増大して空気の流れが変化するため、砂塵等の異物のコンタミが増加する。そこで本発明は、上述した問題点を解消し、オリゴマーや砂塵等が空気の流れに乗ってキャストドラムへ落下し、フィルムへ混入することを防止することにより、高品質の延伸フィルムを製造する方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成よりなる。すなわち、口金から吐出されるシート状の溶融ポリマーをキャストドラムで冷却固化してキャストフィルムとする工程を有する延伸フィルムの製造方法であって、前記キャストドラムを配置したブースのフィルム搬送口からブース内への吹込み風量が、前記フィルム搬送口の幅1mあたり0.227m

/s以下である、延伸フィルムの製造方法である。
【0009】
また、本発明のフィルムの製造方法は以下の態様とすることもできる。
(1) 口金から吐出されるシート状の溶融ポリマーをキャストドラムで冷却固化してキャストフィルムとする工程を有する延伸フィルムの製造方法であって、前記キャストドラムを配置したブースのフィルム搬送口からブース内への吹込み風量が、前記フィルム搬送口の幅1mあたり0.227m

/s以下である、延伸フィルムの製造方法。
(2) 前記フィルム搬送口の上端部と搬送フィルムの間隙Xが15mm≦X<20mmであり、前記フィルム搬送口の下端部と搬送フィルムの間隙Yが150mm≦Y<300mmである、(1)に記載の延伸フィルムの製造方法。
(3) 前記口金の溶融ポリマー吐出口と前記フィルム搬出口の水平距離が2.0m以上である、(1)または(2)に記載の延伸フィルムの製造方法。
(4) 前記ブース内の清浄度クラスがISO14644-1:2015におけるClass5以下である、(1)~(3)のいずれかに記載の延伸フィルムの製造方法。
(5) 前記延伸フィルムの厚みが1μm以上10μm以下である、(1)~(4)のいずれかに記載の延伸フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、オリゴマーや砂塵等が空気の流れにのってキャストドラムへ落下し、フィルムへ混入することを防止することにより、高品質の延伸フィルムを製造することが可能な延伸フィルムの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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