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公開番号2023170755
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-01
出願番号2022082752
出願日2022-05-20
発明の名称積層基材の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 70/38 20060101AFI20231124BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】AFP技術による積層方法において、繊維強化樹脂テープのコンパクションローラへの巻き付き防止と積層基材への接着不足防止を両立して、生産効率を向上させることができる積層基材の製造方法を提供する。
【解決手段】自動積層される繊維強化樹脂テープ1を積層ヘッド部20で冷却する工程、自動積層された積層基材2を加熱する工程、積層ヘッド部から繊維強化樹脂テープを供給して積層基材に接着して積層する工程を有する、繊維強化樹脂テープを自動積層する積層基材の製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
繊維強化樹脂テープを自動積層する積層基材の製造方法であって、少なくとも下記(1)~(3)の工程を有し、かつ条件1を満たす積層基材の製造方法。
(1)自動積層される繊維強化樹脂テープを、積層ヘッド部で冷却する冷却工程
(2)自動積層された積層基材を加熱する加熱工程
(3)前記積層ヘッド部から前記繊維強化樹脂テープを供給し、前記積層基材に接着し、積層する積層工程
条件1:前記(1)の工程において積層ヘッド部で冷却された繊維強化樹脂テープと、前記(2)の工程で加熱された積層基材を、以下に示す式1を満たすよう冷却および/または加熱する
式1:9 ≦ Log10(冷却された繊維強化樹脂テープ表面樹脂の粘度)+Log10(加熱された積層基材表面樹脂の粘度) ≦ 13
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
式2を満たす請求項1に記載の積層基材の製造方法。
式2:40 ≦ 積層ヘッド部で冷却された繊維強化樹脂テープの温度+加熱された積層基材の温度 ≦ 80
【請求項3】
前記条件1で、冷却された繊維強化樹脂テープの温度を20℃以下とし、加熱された積層基材の温度を30℃以上とする請求項1または2に記載の積層基材の製造方法。
【請求項4】
前記(2)の工程において、IRヒーター、キセノンランプヒーターおよびレーザーヒーターからなる群より選ばれる少なくとも1つの非接触式加熱によって積層基材を加熱する請求項1~3のいずれかに記載の積層基材の製造方法。
【請求項5】
前記(2)の工程において、加熱された積層ツールからの接触式加熱によって積層基材を加熱する請求項4に記載の積層基材の製造方法。
【請求項6】
前記(2)の工程において、繊維強化樹脂テープの冷却温度を測定し、前記(3)の工程において積層基材の加熱温度を測定し、式1を満たした時に、自動的に積層を開始する請求項1~5のいずれかに記載の積層基材の製造方法。
【請求項7】
前記(2)の工程において、繊維強化樹脂テープの冷却温度を測定し、前記(3)の工程において積層基材の加熱温度を測定し、式2を満たした時に、自動的に積層を開始する請求項2~6のいずれかに記載の積層基材の製造方法。
【請求項8】
前記繊維強化樹脂テープが熱硬化性樹脂を含む請求項1~7のいずれかに記載の積層基材の製造方法。
【請求項9】
前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項8に記載の積層基材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化樹脂テープを用いた積層基材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維等を強化繊維として用いた繊維強化樹脂およびその積層基材は、その高い比強度・比弾性率を生かして、航空機や自動車等の構造材料、スポーツ用品あるいは一般産業用途の素材として利用されている。特に航空機産業においては燃料節約及び操業コストの削減を目的に、幅広く利用されている。
【0003】
これらの航空機部材を製造するにあたり、AFP(Automatic Fiber
Placement)技術が活用されている。AFP技術とは、繊維と樹脂からなる細幅の繊維強化樹脂テープ適切な場所に自動で配置し、積層する技術であり、AFP装置では前記繊維強化樹脂テープの積層を自動で繰り返し行うことで、繊維強化樹脂テープからなる積層基材を製造することができる。
【0004】
一般的に、AFP技術による積層基材の製造方法では、繊維強化樹脂テープをAFP積層ヘッド部から供給し、型上に貼り付けることが繰り返される。繊維強化樹脂テープの貼り付けでは、繊維強化樹脂テープを、軟化した積層基材へ接着させることで実現される。積層基材は、積層ヘッドに具備されたヒーターによって加熱することで軟化することができる。(特許文献1:特開2019-77170号公報)しかし、この方法では、積層基材を加熱しすぎることで積層中に繊維強化樹脂テープはコンパクションローラーへ巻き付く懸念がある。
【0005】
また、繊維強化樹脂テープは粘着性を有し、積層中に、AFP装置の積層ヘッドを構成する部品と意図せず接着し、積層を妨げることがある。これを防ぐために、積層ヘッドを冷却して、繊維強化樹脂テープを冷却することで粘着性を低下させることが知られている(特許文献2:特開2021-126848号公報)。しかし、この方法で繊維強化樹脂テープが必要以上に冷却された際に、積層基材への貼りつきが十分でなくなり、積層ができなくなる懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-77170号公報
特開2021-126848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、AFP技術による積層基材の製造方法において、繊維強化樹脂テープのコンパクションローラーへの巻き付き防止と、積層基材への接着不足防止を両立して、製造効率を向上させる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段は、具体的に以下の通りである。
[1]繊維強化樹脂テープを自動積層する積層基材の製造方法であって、少なくとも下記(1)~(3)の工程を有し、かつ条件1を満たす積層基材の製造方法。
(1)自動積層される繊維強化樹脂テープを、積層ヘッド部で冷却する冷却工程
(2)自動積層された積層基材を加熱する加熱工程
(3)前記積層ヘッド部から前記繊維強化樹脂テープを供給し、前記積層基材に接着し、積層する積層工程
条件1:前記(1)の工程において積層ヘッド部で冷却された繊維強化樹脂テープと、前記(2)の工程で加熱された積層基材を、以下に示す式1を満たすよう冷却および/または加熱する
式1:9 ≦ Log10(冷却された繊維強化樹脂テープ表面樹脂の粘度)+Log10(加熱された積層基材表面樹脂の粘度) ≦ 13
[2]式2を満たす[1]に記載の積層基材の製造方法。
式2:40 ≦ 積層ヘッド部で冷却された繊維強化樹脂テープの温度+加熱された積層基材の温度 ≦ 80
[3]前記条件1で、冷却された繊維強化樹脂テープの温度を20℃以下とし、加熱された積層基材の温度を30℃以上とする[1]または[2]に記載の積層基材の製造方法。
[4]前記(2)の工程において、IRヒーター、キセノンランプヒーターおよびレーザーヒーターからなる群より選ばれる少なくとも1つの非接触式加熱によって積層基材を加熱する[1]~[3]のいずれかに記載の積層基材の製造方法。
[5]前記(2)の工程において、加熱された積層ツールからの接触式加熱によって積層基材を加熱する[4]に記載の積層基材の製造方法。
[6]前記(2)の工程において、繊維強化樹脂テープの冷却温度を測定し、前記(3)の工程において積層基材の加熱温度を測定し、式1を満たした時に、自動的に積層を開始する[1]~[5]のいずれかに記載の積層基材の製造方法。
[7]前記(2)の工程において、繊維強化樹脂テープの冷却温度を測定し、前記(3)の工程において積層基材の加熱温度を測定し、式2を満たした時に、自動的に積層を開始する[2]~[6]のいずれかに記載の積層基材の製造方法。
[8]前記繊維強化樹脂テープが熱硬化性樹脂を含む[1]~[7]のいずれかに記載の積層基材の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、AFP技術による積層基材の製造方法において、繊維強化樹脂テープのコンパクションローラーへの巻き付き防止と、積層基材への接着不足防止を両立して、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の製造工程の一例を示す図である。
本発明の繊維強化樹脂テープの冷却工程の一例を示す図である。
本発明の積層基材の加熱工程の一例を示す図である。
本発明の積層工程の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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